ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

花の受難とヘイトスピーチ

2013-05-31 | 政治
毎朝通る道筋に、ひともとの見事に咲き誇る一重のバラの株がある。背丈は50cmくらいの小さな株だが、枝が広がり、バラの花が全体を覆うごとく、何百と咲いている。毎朝、そこを通る度に、その美しさ、豪華さ、そして個々の花の可憐さに惹かれて、見入ってしまう。ところが、今朝通勤の途中でそこを通りかかると、なんということだ。ほとんどすべての花が、引きちぎられ、切り取られ、丸坊主にされてしまっている。心ない人の仕業だろうが、哀しくなった。こんな行為を、自分の感情を表すために行う人の心が、情けなく、哀しい。

 それによく似た感情を、今朝のテレビで味わった。東京の新大久保で行われている民族差別主義者のヘイトスピーチデモについてだ。「殺せ!」「出て行け!」「死ね!」などというヘイトスピーチを韓国人・朝鮮人に向けて発する日本人たちの薄汚なさ、哀しさ、情けなさ。これが同じ日本人の言葉かと思うと、日本を劣等な国としか思えない。相手の立場に立って物事を考えることができない若者が増えてきた。いや、若者に限らない。「自己中」は、人間社会をぎすぎすしたものに変えてしまう。相手の立場に立つことのできる人がいなくなることが、人々を戦争や貧困に引きずり込み、哀しい歴史を作ってきた。

 日本にはヘイトスピーチを規制する法律がない。ヨーロッパでは、多くの国にヘイトスピーチを規制し、罰する法律がある。なぜ日本にはそれが無かったか。それは、日本人は相手の立場に立って考える良い伝統があったから、こんな法律はなくてもよかったのだ。ヘイトスピーチをする人などいなかった。ところが、日本の良いところを嫌う人や、戦争をしたい人が現れて、日本を情けない劣等人種の国にしてしまう。

 ヘイトスピーチをする人たちは、自分だけを愛し、国を愛さない。国に泥を塗ることを平気でできる人たちだ。橋下徹という人、大阪市長という公職に就いている人が、日本をおとしめるようなことを平気で言う。日の丸に頭を下げず君が代を歌わない人を、愛国者ぶって処分する一方で、日本の名誉を傷つけても責任をマスコミに押しつけて平気でいられる人。そういう人に国を愛するなどと言ってもらいたくない。

鳩山首相・小沢一郎を引きずり下ろしたのは誰?

2013-05-27 | 政治
 危険きわまりない普天間飛行場を「最低でも県外」に移設と言っていた民主党の鳩山政権。当時、民主党の幹事長として官僚機構の改革に取り組んでいた小沢一郎。この二人がマスコミの猛烈なバッシングに遭って、同時に辞任したのは、何故だっただろうか。マスコミはなぜ猛烈なバッシングをしたのだろうか。それを明らかにしたのが、アメリカの秘密外交文書を暴露したウイキリークスだった。

 鳩山政権が行ったもっとも大きな成果が、日米協議委員会の廃止だった。この委員会は、毎年日本政府が行うべき施策を提言する報告書を出している。これが事実上のアメリカ政府から日本政府への要求書として機能してきた。この報告書が郵政民営化を要求し、それに応じてコイズミ首相が民営化を強引に推し進めたのは、アメリカが後ろについているという安心感があったからだ。これは、自民党政権や自公政権が行ってきた政策のほとんどがアメリカの意向に沿ったものであったこと、つまり日本政府はアメリカの内政干渉を自ら受け容れていたと言うことなのである。このほかにも、法科大学院の設置と外国人弁護士の日本参入など、この報告書に基づくアメリカの要求のほとんどすべてに日本政府は応じてきた。この委員会の廃止は、日本の自立を標榜していた民主党政権としては、当然のことであった。しかし、アメリカは激怒した。

 アメリカは民主党政権が誕生するきっかけになった衆議院選挙の前に猛烈な反民主党工作を行ったらしい。小沢一郎代表は悪徳政治家として徹底的にマスコミによってたたかれた。結局、小沢代表は辞任した。しかし、それでも国民は腐った自民党を拒否し、民主党政権を選んだ。鳩山由紀夫代表が民主党政権の初代首相になった。鳩山首相は、まずこの日米協議委員会を廃止した。これは、アメリカへの日本自立の宣言に等しいものだった。小沢民主党幹事長とも、アメリカ従属からの脱却を目指すことで一致していた。当然、激怒したアメリカは、この二人の失脚に狙いを定めて工作を始めた。

 鳩山首相は、「東アジア共同体」構想を提唱。日中韓を中心としたアジア自立のための経済共同体を模索した。この動きにもアメリカは激しく反発した。鳩山構想には、アメリカを含めることはなかったからで有り、むしろアメリカ一国支配の構造から抜け出すことを目指したからである。日本をアメリカに無条件に従属する同盟国とし、中国包囲網を作るアメリカの世界戦略にとって、許しがたい構想だった。

 鳩山首相は、普天間基地の辺野古沖への移転について、「国外への移転、最低でも県外」と言い続けてきた。そして、この構想でアメリカと交渉をしようとしたが、日本の外務省はまったく動かなかった。防衛省ははっきりと反対した。彼らにとっては、沖縄に米軍がいいることが、彼ら役人たちの安全・安定を保証するものだったからだ。アメリカは当然のごとく、日本の首相の要請をはねつけ、そして最終的に辺野古への基地建設を決めてしまう。そのときに、日本の外務省と防衛省は、日本の首相を応援しようとはしなかった。むしろアメリカの姿勢を擁護し、鳩山首相に県外移設断念を執拗に働きかけた。

 小沢一郎幹事長は、辺野古移設に反対の姿勢を表していた。「辺野古の美しい海を壊してはならない」と言ってきた。アメリカの軍隊駐留も不要という認識をもっていた。「第七艦隊があれば米軍はいらない」とも言った。そのような認識はアメリカに極度の警戒心を持たしてしまった。小沢一郎氏は、意識的な検察の捜査とマスコミによる容疑者扱いによって、自身の身の潔白を証明するのに追われて、鳩山政権を支えることも困難になった。そして、存在さえも疑われる検察審査会の議決で、刑事裁判被告にされてしまい、鳩山首相といっしょに辞職に追い込まれる。鳩山・小沢を辞職に追い込んだのは、アメリカの日本支配を是とするマスコミ界の経営陣とその手下たちだった。彼らは新聞やテレビを通して、執拗に小沢たたきを繰り返し、辞任したあとも、無罪になったあとも、小沢たたきを止めない。鳩山首相は「宇宙人」呼ばわりして、彼が考えていた対米独立の路線を揶揄し、あざ笑った。

 今、自民党政府は、普天間基地の辺野古移転を当然とし、アメリカの意のままにオスプレイを配備し、沖縄の人々の苦難を一顧だにしない。自民党と意を通じる橋下は、アメリカ軍に沖縄の婦人を性のはけ口に活用するよう進言するほど、対米奴隷根性を露呈した。安倍首相は橋下発言を迷惑と思っているが、その口ぶりからは、橋下とまったく同じ思考の持ち主であることがわかる。

 マスコミにたたかれ馬鹿にされてきた鳩山元首相だが、彼が普天間基地は国外へ、最低でも県外へと言い続けてきた姿勢は、それまでの沖縄県民の気持ちを大きく変えた。どうせ日本政府は沖縄のことを何も考えていない、利用することしか考えていないと思っていた沖縄県民は、鳩山元首相の言葉に、その可能性を見つけ出した。もう諦めていたアメリカ軍基地を沖縄から追い出すことができるかもしれないことを理解した。沖縄県民はその後、保守も革新もなく、すべての自治体の首長を含めて、オスプレイの沖縄配備に反対し、普天間基地の県内移転に反対の意思表示をした。沖縄中が、鳩山首相の言葉に勇気をもらったと言って良い。この沖縄の意志の確信は、おそらくもう二度と元には戻らないだろう。鳩山元首相の大きな功績である。これまでの歴代首相の中で、これだけの国民の意思を代表して政策を表明した首相はいなかったのではないか。だからこそ、アメリカからは忌み嫌われた。その後の首相は、民主党政権でさえ、アメリカのご機嫌を伺う自民党亜流となってしまった。そして、自民党への政権後退。再び日本はアメリカ従属路線一辺倒に帰った。再び、対米独立路線に戻せるかどうか、今度の参議院選挙での国民の意志表示に掛かっている。

橋下という恥 「自主憲法」という恥

2013-05-21 | 政治
橋下大阪市長の「慰安婦は必要ということは誰でも分かる」という発言が、世界中からの抗議と批判にさらされている。当然だろう。そんな世界の反応も予想もできなかったという一点だけでも、橋下の無知、無能は明らかだ。沖縄の米軍兵士に風俗業の利用を勧め、米軍司令官から激怒されたのも、本人の予想外だったのだろう。日本人の恥だ。即刻、大阪市長を辞任してもらいたい。大阪市民はリコール請求を行うべきだ。本人はやめさされない限り自分からは辞めないと言っているのだから。

 さらに許しがたいのは、この米軍への発言は沖縄県民への米兵犯罪被害をなくすために、沖縄県民のために言ったと強弁していることだ。自らの不明を沖縄県民への善意にすり替え、責任を転嫁しようという姑息なやり方には、心底怒りを禁じ得ない。そして、発言するたびに、自分が言ったことを少しずつ変えていき、自分の真意をマスコミが誤解しているなどと、マスコミへの責任転嫁を図り、自らの責任をごまかそうという子供じみたやり方を続けている。そして、発言を撤回はしないという。

 発言を撤回しないのは、石原慎太郎との会談で、彼に激励されたからのようだ。石原と橋下、侵略を巡って意見の相違があると報道されているが、そんなものは些細なこと。日本をアメリカ支配に差し出し、憲法をアメリカが好むように変えようとしている。国防軍を作り、アメリカ軍といっしょに世界に戦争をしにいこうというのが、彼らの言う憲法改正(自主憲法制定)なのだ。アメリカに押しつけられた憲法を日本独自のものに取り返すと、言うことに事欠いて、自主憲法を作ってアメリカに奉仕しようというのだから、その矛盾はきわまっているが、自分でそのことにさえ気がついていないのだろうか。

 橋下は日本維新の会の代表を辞めることはないと頑張っている。いいだろう。辞めて欲しくない。石原と二人、共同代表の二人がこれだけ世界の笑いものになることこそ、維新の会の本質を表しているのだから、この二人ほど日本維新の会の代表にふさわしい人はいない。日本維新の会の本質を知るいい代表たちだ。維新の会の本質が知られてくると、選挙に利用しようと集まってきた人たちが徐々に離れていくだろう。選挙に利用できないなら、何の価値もない維新の会なのだから。


本当の売国奴 アベシンゾー

2013-05-01 | 政治
アベシンゾー首相の支持率が66%の高率を維持しているという。注目された山口県の参議院補欠選挙でも、地元の評判の非常に悪い自民党候補が大差で当選したという。安倍べったりの候補だったと言うから、安倍人気なのだろうか。原発再稼働を積極的にやろうとしている安倍内閣。憲法を改悪して戦争ができる日本を取り戻そうという自民党。なぜそんな安倍内閣や自民党の支持が高いのだろうか。

アベノミクスで、景気が回復しつつあることが高支持率の原因だと新聞は書き立てる。しかし、本当に景気は良くなっているのだろうか。日銀に圧力をかけて、金融緩和を徹底的にやらせ、お札をじゃんじゃん印刷させて、ジャブジャブと市場にばらまく。これで株価が上昇して、なんとなく景気が良くなったような気がするだけなのだ。でも、これはまったく一時的な上っ面の現象だ。参議院選挙までその状態が続けば、あとはどうなろうと知ったことじゃない。もちろん一部の人間は甘い汁を吸って、景気が良くなるが、そんなことは、これまでの失われた20年の間にも起こっている。一部の人間が儲けるのは、景気が良いかどうかの判断とは関係ない。

 安倍政権が選挙公約を完全に裏切ってTPP参加を決めた。TPP交渉が7月から始まる。そして、日本社会の富はどんどんアメリカなどの多国籍企業に吸い上げられていく。儲ける人間は一部だけ。日本の大多数の人間にとっては、生きることも難しくなる事態が起こる。日本の農業は息の根を止められ、環境は破壊される。医療は完全に医の道から外れ、金儲けのための産業になっていく。金のない人間は医者にもかかれなくなる。貧困者は増え、格差は拡大し続ける。アベシンゾーの政策は、まさにアメリカに奉仕し、アメリカのために日本を差し出すものだ。

 さらに、憲法改悪で日本に国防軍を作り、アメリカの先兵として中国やアラブやアフリカで闘い、日本の若者を戦闘力としてアメリカに差し出す。まさに売国政治が行われている。アベシンゾーほど「売国奴」という言葉が似合う政治家はいない。コイズミという売国奴もいたけれど。コイズミの政治が以下に日本を疲弊させたか。でもアメリカは転落の一歩手前でコイズミ政権に支えられてなんとか大国の体面を保った。安倍政権の政策を決めているのは、アメリカのアーミテージ元国防相らの軍事右派グループだ。彼らが出したアーミテージ・ナイレポートに書かれている日本の進むべき道をアベシンゾーはそのまま実行している。そして、アメリカに行ったとき、アベは「アーミテージさん、ありがとう。私は帰ってきました。」と最大限の賛辞を送った。アベがこれからやることは、このレポートに皆書かれている。すなわち、集団的自衛権の容認。すなわち、TPP参加ですべての関税を撤廃し、アメリカに日本の市場を完全公開すること。すなわち、憲法を改悪してアメリカの戦争に一体となって従うこと。

 夏の参議院選挙で自民党や日本維新の会など改憲勢力が3分の2をとったとき、日本は世界でももっとも品格のない国になるだろう。そして、最高に生きずらい国になり、自殺者はさらに増えるだろう。なんとしても生きる価値のない国にはしたくない。希望はある。自民党は衆議院選挙で300議席近くを取ったが、有権者全体の得票率はわずか16%なのだ。けっして国民が自民党を支持したわけではないのだ。それでもこれだけの議席数を獲得するのは、小選挙区制のせいである。参議院はかなりが小選挙区制ではない。投票率が非常に低かったことも、自民党を利した。もっと選挙に出かけて、平和で人間に優しい日本を作る候補を応援しよう。