ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

鹿の鳴き声は何を悲しむ

2005-10-31 | 環境
サンナシ小屋の周囲で、今日も鹿が悲しそうな鳴き声をたてている。先日も書いたように、恋の季節の雄鹿の鳴き声だが、やはり悲しそうに聞こえる。

 そういえば、11月初めから、今年も狩猟が解禁になる。11月になると、日本中から鉄砲を担いだにわか猟師がこのあたりに詰めかけてくる。鹿が増えすぎてそれを人為的に減らさなければ生態系によくない影響が出てしまう、ということで、環境省がエゾシカを3分の1に減らす大作戦を数年前から行っている。3分の1に減らすのをどうやって達成するかというと、要するに狩猟に頼っているのだ。以前はメス鹿を撃ってはいけなかったのだが、いまでは雄も雌もお構いなしに殺している。ハンターたちは、殺しまくるのに遠慮がいらなくなった。お墨付きを得て、かれらは傍若無人に撃ちまくるので、森を散歩している私などは危なくて仕方がない。

 それにしても最近のハンターはモラルがない。生き物を殺すことをゲームとしか考えていないようだ。いまは一人一日2頭までという制限がある。しかし、本当に守られているかどうか、監視の目が届いていないところではどうなっているか分からないのが実情だ。人目のつかない森の中では、鹿の死体がごろごろしているところもある。11月になると血なまぐさい死体を車の屋根に積んで、国道を走っている四駆の自動車を毎日見るようになる。

 そもそも、鹿がこんなに増えたのはなぜか知っていますか? 鹿の餌環境が格段によくなったせいなのだ。なぜよくなったか?それは、冬近くなっても青々とし、春も一番早く芽を出す牧草が生えているところが、森を切り開き至る所にできたせいである。牧場には鹿が入らないようにしているところもあるが、ほとんどは鹿がやってきて草を食べている。それはそれで、なかなかいい風景で、私は目に角を立てる必要はないと思うのだけれど、しかし、それによって鹿が増えていることは明らかなのだ。それだけではない。道路を至る所に造ってその法面に西洋から来た牧草の種を植え付けるものだから、鹿は道路の脇で餌を食べ続ける。鹿に餌をやるために道路を造っているようなものだ。しかも、車と衝突するようになる。国交省は道路を造り、鹿除けの柵まで作らなければならない。自分たちが餌を与えているために。道路の法面にはそのあたりの雑草や樹木を生やしておけばいいのだ。牧草を植える必要はない。

 人間のせいで鹿が増えすぎ、それを減らすためにゲーム感覚で殺す。これは本当に人間のエゴイズムでしかない。小屋の周りの鳴き声は、その運命を悲しむがごとく悲しく今日も響く。

原子力空母はごめんだ

2005-10-28 | 環境
昨日、沖縄の米軍基地が海を埋め立てて作られそうだという話を書いたら、今度は横須賀基地に原子力空母が配備されるという話だ。何という恐ろしいことを。小泉政権はどこまでアメリカのペットだろうか。選挙に勝ったら、何でもやり放題だ。

 今まで1500回原子力空母が日本の港に寄港しているが、一度も放射能漏れがないと、アメリカの高官がいったとか。原発が1500日運転していても事故がないから大丈夫と言われたら、あなたは信じますか?ましてや、空母は戦争のための船です。こんな危険なことはありません。この際、ぜひとも空母を日本の港に配備することをやめてもらいたい。横須賀の近くに私も住んでいたことがあったが、横須賀の空母の原子炉が事故を起こしたり、横須賀がミサイルの標的になったりしたら、私の住んでいるところはあきらかに住民が全滅する地域に入っていたので、あわてて引っ越しをしたことがある。いまでもその範囲に多くの人たちが住んでいる。

 もうやめてくれ。アメリカのいいなりになるのは。

海も陸もわれらが財産

2005-10-27 | 環境
ジュゴンのすむ海を埋め立てて、アメリカ軍の基地を建設することに、またまた日本とアメリカが合意したという。彼らは辺野古の海をどうしてもつぶしたいらしい。アメリカは、泥沼になったイラク戦争を何とか有利に進めるために、日本の軍事基地を何とか有効利用したい、しかし、普天間基地は民間居住地に近くて、何か事故でも起こすと本当に米軍の基地使用に支障が出かねないので、海の上で心おきなく戦争をしたいのだ。

 日本政府も、辺野古沖の基地建設にこれほど反対の声が大きくなろうとは思わなかったので、なんとか住民を押さえ込めるように、沿岸を埋め立てる案を推進してきたのだろう。小泉さんは、俺はこれだけ頑張った、と言いたいのだろう。しかし、海を埋め立てるのに200m沖を埋めるのも200mこちら側を埋め立てるのも、ジュゴンやサンゴの海を壊してしまうことに何の変わりもない。

 結局、アメリカ軍が日本にいることが、オカシイのだ。戦争したいなら自分の国の基地から発進すればいいのだ。日本に基地を許しているから、アメリカは遠くまで出かけてまで侵略できる。イラク戦争は、自衛隊が出かけなくても日本はアメリカの侵略を十分手助けしている。もう私はいやだ。いつまでアメリカのいいなりになっているのだ。アフガン戦争やイラク戦争のために出かけたアメリカやイギリスの戦艦に日本が「対テロ」と称して、油を給油しているのが、50回以上160億円もに上っているらしい。一回の給油で3億円以上の油だ。原油が高騰していて、暖房用の油の値上げで国民が脂汗を出しているというのに、日本に何の関係もない戦争に160億円だと。

 日本からアメリカ軍に出ていってもらおう。今すぐに。ジュゴンの方が米軍よりももっともっと素敵だ。出ていって!今すぐに。

声聞く時ぞ秋は悲しき

2005-10-27 | 日記風
今夜は鹿の鳴き声がしきりだ。まるで悲しみにこらえきれないような声で鳴いている。しかし、本当は恋の呼びかけの声なのだ。最近になって雄鹿たちが毎日のようにうろうろと出歩いているのに出会う。普段は雄鹿に出会うことは少ないのだが。急激に冷えてきた今日、近くの町では氷点下の気温だという。初氷も張ったらしい。雄鹿の鳴く声は、寒さにせかされて冬に向かう前に恋の成就を願って泣いている悲しい一人雄の声に聞こえるのは、私の自分の身にかこつけた思い過ごしだろうか。冬はもうすぐだ。

島や海は誰のものか

2005-10-24 | 環境
瀬戸内海の美しい海に原子力発電所を作ろうとしている話は先日書きました。地元の老人が4人、先祖伝来利用してきた山に電力会社が原発を作ることに反対して裁判に訴えてきた。地方裁判所は入会権を認め、その山の木を切り払うことなどの現状変更を禁止した。原告は80代から90代の老婦人たち。もっとも若いのが70代の男性。彼らの入会権の証を、昔木を切った跡から芽が出た証拠を植物学者が証明し、彼らの思いを支えた。

 しかし、今月20日、高等裁判所は入会権はすでに消滅しているとして、彼らの訴えをすべて退けてしまった。電力会社はいつでも工事に入ることができるようになった。原告は上告するつもりだが、高齢のために彼らの裁判も困難が多い。最高裁判所が権力追認の機関になってしまったため、彼らの戦いも困難を極めるだろう。しかし、若い時からずっとこの小さな集落に住んできた彼らの思いを思うと、胸が詰まる。

 しずかな安穏なこの島をこんなにめちゃめちゃにする権利が電力会社にあるのだろうか。美しい海を無くす権利が電力会社にあるのだろうか。島の自然を守る会の人たちは、まだまだ諦めていない。

マツタケめしにキノコ鍋

2005-10-23 | 日記風
今日は自然観察会。残念ながら雨が降ってしまったので、外歩きは中止になった。博物館の中で紅葉の美しい落ち葉を標本に作った。お昼は、先月の観察会で採集したマツタケを炊き込んだ松茸飯。1ヶ月冷凍していたのだが、その香りはやはりキノコの王様。巨大なマツタケだったので、1本で10人以上の松茸飯ができた。さらにおつゆにキノコ鍋。28種類のキノコが入った極上のおつゆ。お腹いっぱいになるまで食べ、本当に食欲の秋を満足した。キノコの秋もそろそろ終わりだ。

秋から冬へ

2005-10-22 | 日記風
秋たけなわというのに、朝から小雨が続く。この地域の秋と言えば、晴れ渡った青空と冷たい風がつきものなのに。このような天候では、心も憂いにふさがる。秋はやはり心寂しいものだ。明日は自然観察会で落ち葉を採集する予定だ。真っ赤なツタウルシの紅葉も、もうあと一週間もすれば、散ってしまう。いよいよ冬だ。小屋の周りの草紅葉ももう枯れ草色に変わってしまった。

良い制度は廃止しない方がいい

2005-10-21 | 政治
国会議員の議員年金を廃止しようと民主党が主張し、小泉さんが即時廃止を指示したのに対して、自民党から反発が出ているらしい。まあ、そうだろう。ポピュリストとしての小泉さんらしい。それはそれでどうでもいいが、私が気になるのは、議員年金が特権的だから廃止しろと言うマスコミの主張とそれに乗っている大衆だ。民主党の主張もそれに沿う形で出ているのだろう。

 何が気になるかというと、「あいつらがいい思いをするのはけしからん」という風潮だ。もちろん、一部の人間だけが権力を使っていい思いをするのは確かにけしからんのだが、マスコミや大衆がそれを廃止しろというときに、私はいつも違和感を持つのだ。私ならそうは言わない。私達にもそういういい制度を作ってくれ、という。どうしてそう言わないのだろう。議員年金は国から30%の補助が出て、辞めたあとの生活もなんとかなるらしい。それはかなりいい制度ではないか。われわれの国民年金や厚生年金も是非そうして欲しい。

 昔、大学の授業料が国立と私立でずいぶん差が大きいので何とかしようという議論が起こったことがあった。そしてどうしたかというと、安い国立大学の授業料を大幅に引き上げたのだ。いまでは、世界一高い国立大学の授業料になった。なるほど国立と私立の授業料の差はだいぶん縮まった。私立大学の方が安いところさえある。それで良かったのか?なぜ、私立大学の授業料を下げようという声が出なかったのだろう。

 また、公務員の給料が高いという議論がわき起こり、公務員たたきが流行ったことがあった(今でも続いているが)。しかし、好景気に沸いている時は、同窓生たちと飲みに行った時には、公務員だから給料が安いのでおまえの支払いは少なくていいよ、と哀れみに満ちた声をかけられたこともあったのだ。そう言う時には、公務員の給料はもっと上げるべきだと言う声はまったく聞こえてこなかった。不景気になって民間が悪くなると、公務員はけしからん、給料をもっと下げろ、と言う大きい声が聞こえてくる。どうしてそうなるのか?公務員の方が給料が良かったら(私は決していいと思わないのだが)、せめて公務員なみにわれわれの給料を上げてくれ、と言えばいいのに。あいつらがいい給料を取るのはけしからん、という話になる。そして公務員の給料が下げられ、公務員でもコンだけしかもらっていないのだからと言って、民間の給料も下げられるのだ。

 自分よりいい待遇があったら、あれはけしからん、というようなサモシイ根性はやめよう。私もいい待遇にしてくれ、と言おう。そうしたら、みんなもっと仲間として感じられる。議員年金、いいじゃないか。廃止することはない。厚生年金も国民年金も、議員年金並みにしてもらおう。

おだてあいの風潮

2005-10-20 | 日記風
 昨日、NHKのラジオ放送を聞いていたら、日本はいいとこだ、というような番組があった。外国暮らしの日本人や日本が大好きな外国人を集めて、日本は本当に良いところだ、日本人は親切で道を聞いたら連れて行ってくれる、などという話が延々と続いていた。聞いていた人はこの番組をどう思ったのだろうか。日本人は親切だ、などという外国人の話を聞くと、だれでもなんとなくうれしくなる。しかし、それは日本人だからではないのだ。そんな人は日本人でも中国人でもアメリカ人でもフランス人でも、どこにもいる。しかし、それを日本人は・・・と言う風に話を持っていく。そんな話を「日本万歳!」みたいな感覚で番組で延々とやるのを聞いていて、私は心底いやになった。

 諸外国には日本が大嫌いな人もいっぱいいる。おそらく好きな人の何倍もいるに違いない。そんな人はこんな番組には絶対呼ばれない。私は途中でスイッチを切ってしまった。

 こんな番組が蔓延するようになったのは、なぜなんだろうか。サッカーの応援でアジアの国へ行き、日の丸を振りながら大興奮する人やアナウンサー。昔日の丸を掲げて侵略した土地であることも知らずに。「がんばれ日本!」と何のためらいもなく喚きあげる人々。

 日本の歴史を改ざんして、日本は何も悪いこともしなかった事にしようとする人たちがいる。そうしてみんなで日本はいいとこ、日本人はいい人と「おだてあ」っている。それはなかなか気持ちが良いのだろう。そうして日本は再び世界の孤児になる。小泉さんの靖国参拝はそう言う気持ちが強いのではないか。過保護の子供の論理なのだ。

 靖国神社を参拝して戦争で亡くなった人を慰霊するのは当然のことだ、と言う人たちがいる。彼らはどうやら靖国神社に祭られているのは軍人だけだと言うことを知らないらしい。私の親父を含めて、彼らは侵略軍の軍人として(国のために)死んだから靖国神社に祭られているのだ。A級戦犯だってもちろんそうだ。原爆で死んだ20万人以上の人もアメリカ軍の空爆で死んだ人も靖国には祭られていない。ましてや、日本の侵略によって死んだ2000万人以上というアジアの人たちを、小泉さんは慰霊などしていない。それで、軍人の魂の前で「不戦の誓い」だという。お笑いだろう。靖国神社は好戦的な神社だ。「不戦の誓い」などお断りのハズだ。不戦の誓いは、アジアへ行ってするべきだろう。

 また脱線してしまった。「おだてあい」の風潮に慣れた人々は、国際社会の冷たい風に当たると風邪を引く。そして国際社会に背を向けるようになる。満州事変、中国侵略、国際連盟脱退へと進んでいった時代を、また歩むことになる。

小泉の靖国とマスコミ

2005-10-18 | 政治
小泉首相が靖国神社に参拝した。本当に懲りない人だ。憲法違反の疑いがあると知っていながら、むりやり参拝を続ける。これが本当に日本の総理大臣なのだろうか。ナサケナイ。靖国神社という宗教団体の宣伝をしたがるには、それなりの理由があるのだろう。いくらかもらっているのか?それとも、彼がその宗教を信じているからか。もし後者なら(前者でも)明らかに彼の行為は憲法違反だろう。「戦争を起こさない、平和を祈る」のが参拝の趣旨だと彼は中国や韓国に言っているのだそうだ。もし本当にそうなら、祈る場所が違うのではないか。中国や韓国へ行って、日本が占領し虐殺した場所に行って、それを祈るべきだろう。中国や韓国には侵略していないと言っている神社で戦犯たちの前で「戦争を起こさない、平和のために祈る」というのでは、誰も信じない。ドイツの首相がヒットラーの墓に参拝するのと同じ事なのだ。

 それにしても、首相の参拝を当然と思う日本人が多すぎる。マスコミの右傾化が人々をここまでアホにしてしまった。テレビが一億総白痴化を招いたんだろう。自分の頭で考えない人がそれだけ増えたと言うことだろう。テレビを捨てて新聞も捨てて、もっと自分の頭で考えよう。