再びパラワン島へ行く前に、ちょっと寄ってみようと思ってミンダナオ島に出かけた。ミンダナオ島の首府ダバオから車で未舗装道路を5時間、途中で昼ご飯を食べて、マリタに着いた頃は疲れてふらふらだった。泊まるところもないマリタでは、現地の大学(専門学校?)のゲストハウスに泊めてもらうことになった。さっそく大型のゴキブリが歓迎に現れた。
大学の若い先生に話を聞くと、ジュゴンは良く現れるという。期待がふくらんでくる。翌日、トリスクルというバイクにサイドカーをつけたような、人力車にバイクをつけたような乗り物に乗って、大学から約10分南の海岸沿いの集落に出かけた。現地についてそこに座っていた若者に聞くと、このすぐ前の海にジュゴンがしばしば現れるという。いよいよジュゴンに会えるかもしれないと期待は高まる。しばらく海を眺めていたが、ジュゴンは現れない。
海岸に木で作った塔のようなものが倒れている。聞くと、海の中に立っていた飛び込み台のようなものらしいが、嵐が来て高波で倒されて打ちあがっているという。この塔を海岸に建てれば、ジュゴンを観察するのに都合が良いのではないかと思い立ち、ちょうど物珍しそうにわれわれを見に来ていた集落のチーフに、この塔を立て直す気はないかと問うと、立て直したいがお金がないとのこと。いったいいくらお金があれば立て直すことができるのか問うと、5000ペソほどかかるとのこと。日本円なら当時1万円くらい。それなら私が出すからといって、チーフに立て替えを頼むと、それから30分くらいでいきなり工事が始まった。あっという間に屈強な工事人夫が10人近く集まる。それだけ仕事が無くてぶらぶらしている若者が多いと言うことなのだろう。
塔を立て直すのに二日ほどかかった。塔ができあがった翌日、われわれは日の出とともに起き出して、塔に上った。高さ7-8mくらいで、海岸に生えている椰子の葉の間に座って海を見下ろすことができる。快適だ。しばらく海を眺めていたら、突然50mほど沖合いに濃い茶色の背中が見えた。ジュゴンだ!とうとう本物のジュゴンに出会えた。最初はなかなか見にくく、ジュゴンを確認するのに手間取ったが、そのうちジュゴンを見つけるのは容易になった。目が慣れてきたのだろう。
このときは、3日間毎日日の出から日没まで観察して、結局十数回ジュゴンを観察できた。ジュゴンはこの海岸のすぐ沖にある海草(ウミヒルモ)を食べにやってきている。餌の海草は4-7mくらいのやや深い海底に生えており、ジュゴンは餌を食べるためには、思い切って潜っていかねばならないらしく、餌を食べに潜る時は身体を思い切り曲げて、しっぽを持ち上げて潜っていく。写真を撮ろうと試みたが、海のどのあたりに現れるかなかなか見当がつかないため、見つけた時は写真を撮る余裕もなく、撮れてもできあがりはどこにジュゴンがいるかわからないような写真でしかなかった。
ジュゴンの観察を十分楽しんで、日本へ帰ってきた。またジュゴンを見に行きたい。
大学の若い先生に話を聞くと、ジュゴンは良く現れるという。期待がふくらんでくる。翌日、トリスクルというバイクにサイドカーをつけたような、人力車にバイクをつけたような乗り物に乗って、大学から約10分南の海岸沿いの集落に出かけた。現地についてそこに座っていた若者に聞くと、このすぐ前の海にジュゴンがしばしば現れるという。いよいよジュゴンに会えるかもしれないと期待は高まる。しばらく海を眺めていたが、ジュゴンは現れない。
海岸に木で作った塔のようなものが倒れている。聞くと、海の中に立っていた飛び込み台のようなものらしいが、嵐が来て高波で倒されて打ちあがっているという。この塔を海岸に建てれば、ジュゴンを観察するのに都合が良いのではないかと思い立ち、ちょうど物珍しそうにわれわれを見に来ていた集落のチーフに、この塔を立て直す気はないかと問うと、立て直したいがお金がないとのこと。いったいいくらお金があれば立て直すことができるのか問うと、5000ペソほどかかるとのこと。日本円なら当時1万円くらい。それなら私が出すからといって、チーフに立て替えを頼むと、それから30分くらいでいきなり工事が始まった。あっという間に屈強な工事人夫が10人近く集まる。それだけ仕事が無くてぶらぶらしている若者が多いと言うことなのだろう。
塔を立て直すのに二日ほどかかった。塔ができあがった翌日、われわれは日の出とともに起き出して、塔に上った。高さ7-8mくらいで、海岸に生えている椰子の葉の間に座って海を見下ろすことができる。快適だ。しばらく海を眺めていたら、突然50mほど沖合いに濃い茶色の背中が見えた。ジュゴンだ!とうとう本物のジュゴンに出会えた。最初はなかなか見にくく、ジュゴンを確認するのに手間取ったが、そのうちジュゴンを見つけるのは容易になった。目が慣れてきたのだろう。
このときは、3日間毎日日の出から日没まで観察して、結局十数回ジュゴンを観察できた。ジュゴンはこの海岸のすぐ沖にある海草(ウミヒルモ)を食べにやってきている。餌の海草は4-7mくらいのやや深い海底に生えており、ジュゴンは餌を食べるためには、思い切って潜っていかねばならないらしく、餌を食べに潜る時は身体を思い切り曲げて、しっぽを持ち上げて潜っていく。写真を撮ろうと試みたが、海のどのあたりに現れるかなかなか見当がつかないため、見つけた時は写真を撮る余裕もなく、撮れてもできあがりはどこにジュゴンがいるかわからないような写真でしかなかった。
ジュゴンの観察を十分楽しんで、日本へ帰ってきた。またジュゴンを見に行きたい。