ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

Marines, Go Home

2006-03-23 | 南の海
アメリカ軍の再編問題が大詰めのようだ。もっとも3月末までに終わらせるというのも誰かの勝手な設定に過ぎないのだが。もっとも注目を集めているのが、辺野古への米軍ヘリコプタ基地の移設問題だ。小泉内閣とアメリカ軍は沿岸の埋め立てで合意しようとしているが、地元の市長や知事は沖合案でないと受け入れられないと言っている。

 沖合埋め立てでは沖縄のジュゴンは餌場としての海草藻場を直接失い、生息そのものが脅かされる。また、危険な米軍基地そのものの移設は、地元の人たちの生活の安全そのものが脅かされる。そのためにこれまで1000日を越える長い間の座り込みやボーリングやぐらでの阻止行動など、地元おじいやおばあの命をかけた戦いがあった(この闘いについては、映画「Marines Go Home」を見てください)。

 しかし、沿岸の埋め立て案は、沖合埋め立て案よりも基地の面積は大幅に増える。しかも飛行コースが直接住民の生活を脅かす。どちらにしてもジュゴンの生息に大きい影響を与えるのはあまり変わらない。基地ができればその後の継続的な騒音や振動などにより、ジュゴンがこの海域にすめなくなるのは明らかだ。といって、普天間基地のヘリコプタ基地は、一昨年の大学への墜落事故でわかるように危険極まりない。日本の安全のために米軍の駐留が必要だと日本政府は言っているが、沖縄駐留の米軍が何をしているかを見れば、日本の安全のためにならないことは明らかではないか。ベトナム戦争、湾岸戦争、アフガニスタン侵略、イラク侵略、いったいどこに日本の安全のための行動があったのか。

 沖合案も沿岸の埋め立て案もいらない。普天間基地は早く撤去してほしい。岩国へも横田へも千歳にも、米軍を増やす必要はまったくない。Marines, Go Homeだ。もちろん、グアムに米軍基地を作るのに、日本が何千億円も負担をするなんて、まったくおかしい。小さい政府を標榜して赤字予算と取り組んでいるはずの小泉内閣ではなかったのか。アメリカさんなら、なんでもいうことをきくのか?!

京都の裏山に登る

2006-03-22 | 日記風
先週、京都の裏山に登った。久しぶりの雪のない山歩きだった。標高も低く、山とも言えない程度の山だが、京都の町からすぐに登れるというのにほとんど人がいなかった。頂上までほんの数人に出会っただけの静かな散歩を楽しんだ。

 しかし、期待した春の花はまったくなく、常緑樹に覆われている山なのに、林床はまだ緑がほとんどないのには驚いた。てっきり京都ではもうすっかり春になっているのだろうと思っていたからだ。京都は寒いですから、と京都の人は言った。

 それでも前日の雨に濡れた木々の幹からの匂いは、雪に閉ざされていた北海道の人間にとっては、ほおずりしたくなるような喜びである。頂上からの京都の町の眺めはなかなかのものであった。低く靄が立ちこめて見通しはあまり良くはなかったが、平安京の絵巻物に書かれている雲のようなたたずまいが見えたのは、京都の山だったからかもしれない。京の山には京の風情がある。

窓から見下ろすゴルフ場

2006-03-21 | 環境
飛行機の話題でもう一つ。空から日本を見ると、ゴルフ場が森や林をバリカンのように刈り取ってしまっているのがよく見える。都市近郊の緑地丘陵には、いたるところにゴルフ場が緑をはぎ取って作られている。こんなことをしてゴルフを遊んでいる人は、何も考えていないのだろうか。自分がやっていることがどんなに日本の環境を痛めているのかを。スキーとゴルフが亡国の遊びと言われる由縁だろう。

 飛行機に乗って窓際に座ると、どうしてもゴルフ場のむき出しの敵意を見せつけられる。敵意がいたるところに感じられる。草や木が生えているとはけしからん、人間が利用しないのでは存在価値がないぞ、という敵意がきっとあるのだろう。人間が自然から見捨てられれば、生きていけないことを彼らは知らないのかもしれない。

 ゴルフを遊んでいる人、もうこんなつまらない遊びはやめよう。スキーを遊んでいる人、もうゲレンデスキーなんかやめよう。山を歩き、花を眺め、自然を呼吸しよう。きっと本当の自分を見つけることができる。

飛行機でテレビ?

2006-03-19 | 日記風
飛行機に乗ったが、到着地は雪で着陸できないかもしれないという。そのあと、機長がアナウンスして言うことには、「現在、日本は韓国に6対ゼロでリードしています」。一体何のことかと思ったら、世界野球大会のような催し物のことらしい。

 しかし、ぎょっとした。この機長はテレビを見ながら操縦しているのだろうか?そう思ったのは、今朝の新聞にどこかの高校の教師が授業をプリント学習と称して生徒に自習させておいて、自分はこの野球大会のテレビを見ていたという記事があったからだ。まさかとは思うが、操縦室ではテレビが見られるのだろうか?それとも管制塔とそんな無駄口をきいているのだろうか?

 機長はサービスのつもりでそのような情報を機内に流したのだろうが、聞いている方はいささかビックリである。またそのような情報は知りたいとも思わない。その機長がたまたま野球好きだったので、乗客も関心があると思いこんだのだろうか。しかし、こちらはちゃんと着陸できるのだろうかと心配しながら乗っているのだ。機長からそんな脳天気な話を聞くとちょっといらだってしまう。本当のサービスというのはそんなことではないはずだ。

三寒四温

2006-03-16 | 日記風
しばらく暖かい日が続いて雪がどんどん融けていったが、ここ数日また冬が帰ってきた。融けた雪が凍り付き、今まで雪の上を歩いていた小道が今度は氷の原っぱになってしまった。昨日の朝、見事に氷に乗ってしまった。仰向けにどっううと滑り、大の字になって転んだ。その見事な転びように、しばらく寝転がって青空を仰ぎながら、苦笑い。坂道なら転ぶこともあるという覚悟で歩いているが、こんな平坦な道で滑って転ぶとは思わなかった。無防備の転びには、もう「まいった、まいった」と苦笑いをするしかない。

 それでも誰か見ていなかったかと起きあがりながら周りを見回し、誰も見ていないのを確認して歩き出す。笑いがこみ上げてくる。しかし、頭を打っていたら苦笑いではすまない。北国の春は、喜びと一緒にこのような危険が待ち受けている。

 明日からは、また暖かくなるらしい。凍り付いた雪はしかし元の雪には戻らない。融けては凍り、融けては凍り、三寒四温の三月だ。この地方ではこれから雪が降ることが多くなる。重い湿った雪が。しかしこの雪は春を十分感じさせる。

米軍再編を拒否しよう

2006-03-14 | 政治
岩国市の住民投票で、87%の人たちが米軍艦載機の岩国基地への移転に反対の意思表示をした。圧倒的多数の市民が政府の見返り金よりも基地強化に反対する方を選択した。快挙だ。

 小泉首相と安倍官房長官は、住民投票の結果がどうであれ、政府間で決めることが最終結論だとうそぶく。住民の意向を聞いていたら安全保障はできない、ということのようだ。政府の安全保障とは一体誰のための安全保障なんだろう。

 米軍再編は、アメリカ軍が経費節減のためと、中東重視の軍事政策を遂行するために、効率よい軍の再編を行うもので、日本人のためにやっていることではない。日本政府は、アメリカの軍事政策にどうやって援助をするかを考え続けている。日本人は文句を言わずに税金だけ納めればいい。小泉政府にとっては騒音で気が狂いそうになろうが、米軍人の暴力に恐怖を抱こうが、そんなことは「国」の安全保障の前にはどうでも良いことなのだ。

 これはコイズミに始まったことではない。沖縄返還時に佐藤栄作自民党政府がアメリカと裏交渉をして、米軍の移転費用をこっそりすべて日本政府が支払っていたことが明らかになった。当時の外交官が死ぬ前に秘密を明らかにした。アメリカが公表した外交文書でも、それは明らかになっている。それにもかかわらず、安倍官房長官は、秘密交渉はなかった、と言い続けている。それほどまでに国民を裏切り、裏から国民の税金をアメリカに払い、いまだに「思いやり」予算などというお金を使っている。

 岩国市長は、米軍再編を受け入れないという強い決意で国に向かって欲しい。市民の意志は明らかなのだから。受け入れ派と思われている山口県知事も、このさい、県民の意志に背くことの無いように、ぜひ基地強化に反対して欲しい。沖縄県知事も、名護市長も辺野古の米軍基地建設に反対している。日本のすべての基地からイラク侵略のための米軍を追い出そう。それこそ日本の人々の安全保障なのだ。

 岩国市民の勇気と強い意志に、敬意を表したい。

春の雨が・・

2006-03-12 | 日記風
一気に気温が上昇したようだ。今日は、雨が降っている。雪がどんどん融けていく。真っ黒な地面が顔を出した。北国の人が待ちに待った春の便りだ。

 地面にはフキノトウのつぼみが覗いている。まだまだ硬いが雪の下でじっとサムイ冬を耐えてきた冬芽だ。もう少しでほろ苦いフキノトウの味噌和えが食べられるだろう。これも春の楽しみの一つだ。

 しかし、このまま春が来るわけではない。桜の咲く春は、まだ2ヶ月も先だから、これからまた雪が降ったり、融けたり、暖かくなったり、急に寒気が来たり、行きつ戻りつの早春の譜が奏でられる。

 それにしても、やはり胸が何となくときめくのは、なんだろう。長い冬のせいなのだろうか。春の喜びは暖かい地方の人と比べたら、きっとかなり大きいだろう。そのくらいの喜びは、あの厳しい冬をじっと耐えて過ごした人たちには、当然の報酬と思える。

 これからは、緑のものが見られ始めるまでが楽しみだ。花が咲き始めるまであと1ヶ月。フクジュソウ、エゾエンゴサク、ヒメイチゲと咲いていき、オオサクラソウは桜(エドヤマザクラ)と同じ頃に咲き始める。あのあでやかな桜色の花を見るまで、毎日の楽しみが少しずつ増えてくる。

 サンナシ小屋の周りにも春は忍び足で近づいている。

白バラの祈り

2006-03-09 | 日記風
映画「白バラの祈り」を鑑賞した。

 ヒトラー政権の末期に、ミュンヘン大学の学生だったゾフィーが兄と一緒に「ヒトラー政権打倒」を呼びかけたビラを撒いたために、ゲシュタポに逮捕され、わずか5日間の拘留の後、死刑を宣告され即日処刑された事実に基づいた映画。そのわずか5日間の間の彼女の心の動きを描写したもの。恐怖に震える自分の心を祈りによって勇気づけ、仲間を守り、敢然とナチスドイツに立ち向かう21歳のゾフィー。

 2時間10分の上映時間がたちまち過ぎていった。今日の新聞でこの映画をみて涙を流したおじさんのことが書いてあったので、多少涙が流れるのを覚悟していったが、涙を流す余裕はなかった。彼女の力強い生き方に圧倒される。しかし、死刑台で首をはねられる瞬間の彼女はどのような思いだったのだろうか。神に祈り続けた彼女にも、ついに神は現れなかった。

 この映画は過去の物語だが、昨年日本で反戦ビラを配ったために逮捕された女性がいた。そして反対したのは「小ヒトラー」といわれる小泉首相のイラク派兵。まさにこの映画の世界は現在の日本の出来事なのだ。

 みなさんもぜひこの映画を見て、現在の日本を見直してほしい。ゾフィーは誰なのか。ヒトラーは誰なのか。

本当に不安な社会なのか?

2006-03-04 | ちょっと一言
恐ろしい世の中になった。朝日新聞によると、学童らへの犯罪が増えていると思い、不安を持っている人が80%近いらしい。また、児童に位置情報をおしえるICチップをつけてどこにいるのかを常に追跡できるようにすることを、過剰な反応だと思わない人も57%もいるらしい。恐ろしい世の中だ。

 しかし、もっと問題なのは、マスメディアはなぜか児童への犯罪が昔に比べて減っているという事実を明らかにしないことだ。これはなぜなのだろう。朝日新聞も、上の記事を書いても、実際に犯罪が増えているかどうかを一行も書いていない。犯罪が減少しているのに人々の不安感が増えているのは、マスメディアが上に書いたような不安をあおる記事を書くせいだ。

 また、不安感が増えることによってうれしい人がいることも事実だ。国民の安全に関する検討委員会の責任者がガードマン会社の最高顧問が勤めているということをどう考えたらいいのだろうか。この検討会は、きっともっともっと警備を強化することで国民の安全を守るべきだ、という結論を出すに違いにない。もっと本質的なことは議論しないで。同じように、仮想敵国を作り上げて「脅威だ」と言いつのる人は、きっと税金を軍事費にもっと使ってほしいと思っている人だろう。警備会社は不安な社会はうれしいことだし、兵器産業は戦争をして欲しいのだ。

春の雪と津波の国

2006-03-03 | 南の海
昨夜から雪が降りつづき、今朝は雪かきをしないと家から出られないほどであった。しかし、気温は高めで、水分の多い春の雪だ。それでも昨夜は寒くて夜中に目が覚めた。南国タイから帰ってきたばかりの身には、春の気配もまだまだ寒く感じる。

 タイは、南部アンダマン海側の観光地プーケットとその北部のラノンに出かけた。どちらも一年前の大津波で大きな被害を受けたところだ。プーケットのホテルで、津波のあとの海岸管理をどのように進めるべきか、というワークショップがあったので、それにちょっと顔を出してみた。

 プーケットも、ラノンも新しい家が建ち並んでいる。世界中からの援助をもとに、被災民の多くが新しい家を造ることができたのだろうか。それまでの手製の椰子の葉をふいた簡素な家から近代的?な、昔の日本の「文化住宅」式の同じ規格の家が建ち並んでいる。日本のあちこちに見ることができる団地の風景が、南国タイの風景に違和感をもたらす。新しく建った家の多くが高床式になっているのが目立った特徴である。将来の津波から少しでも被害を少なくしたいという思いからなのだろう。あれだけの被害があったのだからその思いはうなずけるが、まったく同じ家が建ち並んでいる風景はあまり美しいとは思えない。このような風景は普段日本以外で見ることはあまりない。ひょっとしたら、日本の援助か日本の考え方で作られたのかもしれない。

 もうひとつ驚いたのは、ぴかぴかの車がいっぱい走っていることだ。これも援助による効果なのだろう。トヨタの大型のランドクルーザーが町中を走り回っている。援助金で車を買ってもらってトヨタはまたまた儲けたことだろう。