天守閣なき天守台は太平の徳川の世を見つめ来たるも
原宿駅舎を見た後、ちょうど大じょう宮を公開していたので初めて皇居へ向かったのだった。
私は年に1回は東京へ行っていたが皇居には興味はなく一度も入ったことははなかった。
大じょう宮を見てみるかという気持ちだった。
行ってみるとそこは皇居ではなく江戸城址だった!
立派な石垣はそのまま残っている。
森のようになった樹々の上から鳥の声が降ってきた。
鳥の楽園である。
さすが徳川幕府の城である。
一番感激したのは天守台だった。
初期に火事で天守閣は焼失してしまい、再建するかどうかという話になった。
そこで再建しないことを決断したのが保科正之である。
家光の異母弟。
もはや戦いの心配がなくなった時代、天守閣の建設にお金を使うより江戸の整備或いは国全体のためにお金を使うべきであると。
いったんやんだ雨はまた激しくなり、天守台の上まで登らなかったのが残念だった。
大じょう宮はこんなものかという感じ。
すぐに解体されてしまう神様の建物はあまり感激はしなかった。
歴史の重みがないから。