海に吹く風

海の大好きな私
ここで皆さんとお話しましょう

日々思うこと、短歌についても書いていきます

野々宮

2014-10-27 05:45:15 | 短歌


君思ふ夜半の寝覚めを重ねてはただかき鳴らす黒髪の琴

ひとり寝る枕ゆ流れゆく髪は冷たき黒き河となりぬる

われならぬわれの声聞くぬばだまの闇に流るる黒髪の束

かすかなる記憶の底ゆ立ち上る知らぬ香りをわが袖にきく

うつそみゆあこがれいづる魂をとどめる君の言の葉の欲し

光なす都を離(か)れて野々宮の笹の音に泣く去らぬ思ひを

野々宮のささめく笹の音聞けば去りにし人の影ぞ恋しき

一人寝の冷たき髪に目覚むれば身にまとひつく衣擦れの音

篁ゆもれ来る光のあはあはと額を照らす君待つ宮に
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