海に吹く風

海の大好きな私
ここで皆さんとお話しましょう

日々思うこと、短歌についても書いていきます

水原紫苑

2009-01-03 21:09:17 | 短歌
 われらかつて魚なりし頃かたらひし藻の蔭に似るゆふぐれ来たる

 宥されてわれは生みたし 硝子・貝・時計のやうに響きあふ子ら

 くちづけの深さを思ひいづるとき雲雀よ雲雀そらを憎めよ

 こぼれたるミルクをしんとぬぐうとき天上天下花野なるべし

 嬰児期のあなたが月に映るやうな夜を重ねてわれはパピルス

 白露や過ぎにし鷹女銀河ゆきあはれうつくしきほと見するなり

 冬に咲くさくらがひとと化るまでの阿鼻叫喚をきみは聴きしや

 み仏も春の手紙を書きたまふ日々のやさしさきみの優しさ



3年ほど前、初めて何か歌集を買おうと書店に並んでいるいくつかの歌集をぱらぱら立ち読みして、選んだのが水原紫苑の『客人(まろうど)』だった。
どうして難解で知られている水原紫苑の歌集に決めたのか・・よく解らないけれど、さっと読んで幻想的な歌に惹かれたらしい。

ここに載せたのはまだイメージを結びやすい歌で、ほとんどの歌は難解で水原紫苑がイメージしたのと同じイメージを読者が抱くことは難しいのではないかと思う。
歌の評論をする人でさえそうなのではないだろうか。

ある風景を見たとして彼女は他の人が感じない幻想をそこに見てしまうのだろうな。
いったい彼女の感性はどうなっているのだろうと思う。

それなのに好きで、3冊も歌集を買ってしまった。
ありえないような幻想の世界・・・惹かれる。。
『客人』『あかるたへ』『くわんおん』
後に出た歌集ほど難解度が増したような気がする。

彼女の第一歌集は『びあんか』・・これは読んでいない。
これも読んでみたくなって・・でも以前の歌集は手に入るかどうか。
歌集は発行部数が少ないので、出版されたときに買わないとなかなか手に入らないことが多い。
書店で一応取り寄せを頼んでみよう。


コメント (2)
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