アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

ウィーン・フィルの「ライブ・ビューイング」

2016-10-05 10:00:00 | 音楽/芸術

サントリーホールも早いもので今年30周年。それに合わせてかどうかわからないが、「音楽がであう。音楽にであう。」をテーマにアークヒルズの音楽週間が始まった。そのオープニングを飾る一大イベントとして、ウィーン・フィルのガラ・コンサートがあり、それも今時とも言うべきライブ・ビューイングを行うということで、ちらっと覗いてきた。

毎年秋になると来日するウィーン・フィルハーモニー管弦楽団。今年はズビン・メータとともにやってきた。アントンKも毎年やってくるウィーン・フィルの指揮者と演目は、毎度の関心ごとで、発表されるまでいつもわくわくして待つことになるが、結果として今回の演目では食指は動かなかった。ウィーン・フィルのブルックナーやベートーヴェンは、経験から言えば、基本的に良いに決まっている。もちろんこれは、アントンKの思い込み第一主義の意見であり、偏ったものだが、オーケストラの中でも、ウィーン・フィルの音色は別格だし、実演奏の体験は、何事にも代えがたい。しかし今回の指揮者のメータ。この今年80歳になった巨匠の域に達したメータが、アントンKにはよくわからないのだ。LP~CDの録音にも今まで数多く触れてきたし、実演でもオケこそ違うが、イスラエル・フィルやロサンジェルス・フィル等経験はある。しかし悲しいかな、実演では裏切られてばかり・・・全ての演目を聴いている訳ではもちろんないから、何とも言えないが、アントンKにとっては、常に不完全燃焼に陥る内容だった。こんな経験があるから、どうしても大好きなウィーン・フィルとは言え指揮者を見て二の足を踏んでしまうのだ。

こんな思いから、ウィーン・フィルは自分の中で(無理して)今年は遠い所に置いていたが、気軽に立ち寄れるライブ・ビューイングがあるというので、本当に当日になってから出かけてしまった。この日は、特別な招待客のみで開催されるガラ・コンサートがあり、その演奏会の一部が、サントリーホール前のカラヤン広場にてオーロラビジョンを使ってのライブ・ビューイングという形。こんな形でのイベントは初めてではないだろうか?この日は正装コンサートだからなのか、ホール正面には、赤いジュータンが敷かれ、花が飾られいつもとは違う雰囲気を醸し出しており、それだけでも気持ちが高まってしまうというものだ。また広場には出店も多く、気軽にワインやビールを片手に音楽に触れられるような、ヨーロッパさながらの景色を見る思いだった。

実際、ウィーン・フィルの演奏が大きなビジョンに映し出されたのは、第3部に入ってからで、ヨハン・シュトラウスのワルツやポルカをニューイヤーコンサートのように演奏していたが、当然ながらスピーカから流れ出る音色は、ウィーン・フィルのそれとは判らず、雰囲気を楽しむといったBGMと化していた。まあそれでいい、十分だと思った。

掲載写真は、アンコール演奏でサプライズ登場となった小澤征爾とともに指揮するメータ。後でわかったことだから仕方ないが、小澤さんご登場なら、やはり実演に触れてみたかった。

2016-10-02          サントリーホール30周年記念ガラ・コンサート