「崖の湯」は牛伏寺断層に大いに関係があるかも知れない。高ボッチ高原をはさんで牛伏寺の反対側に位置し、標高も1,000メートルとほぼ同じ。崖が崩落して、そこから湧き出た湯に傷ついた猿が入浴していて明治時代に発見されたと言う言い伝えがあるらしい。おおよそ120年の歴史をもつ湯治場である。
5~6軒の温泉宿が軒を並べているが、民芸風、旅館風、本棟造り、モルタル造り、ひなびた湯治場風とそれぞれが特徴をもつ。
開湯の宿と言われているのが、崖の湯の奥にある「山上(やまじょう)旅館」で、ここは湯治場風だが、宿のたたずまいも素敵だ。すぐ隣に小さな祠があって崖の湯で快癒したひとのつえ等が奉納されている。有名な相撲取りもこの宿で傷を癒したとか。入浴のみ500円。
おとなりの「山七(やましち)旅館」は、若山牧水の妻だった喜志子が晩年長期逗留した宿として有名で歌碑などもある。入浴のみ600円。
上にある「山二(やまに)旅館」は、手入れの行き届いたお庭が素敵な宿である。北アルプスがのぞめる展望台がある。家庭的だが大きな犬がいる。宿泊料は周辺の宿の中では格安。入浴のみ500円。
「薬師平ホテル」は民芸風の合掌造りの建物のデザインが美しいが、所詮ホテルである。展望は抜群。入浴のみ700円。
「群上閣」には「観音の湯」という湯殿がある。木造で「本棟造り」で建物が素敵だが、団体客が多くにぎやか。入浴のみ400円。
あと民宿風の旅館が数軒あるらしい。
共通している湯質は:明ばん泉 37~47度
効能は:神経痛、リウマチ、胃腸病、婦人病、皮膚病
内湯のみのところが多く、湯温が低いのかガスであたためているところが多いようである。
個人的にはここに、つげ義春が訪れていないらしいことが残念である。つげ風の物語がふつふつと湧いてくる温泉だからである(以前宿泊して以来そう思っていた)。
(今日はまるで、温泉探訪のような記事になってしまった(笑))
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