映画の始まりはプノンペンの雑踏だ。主人公の女子大生ソポンはボーイフレンドのバイクの後部座席にまたがり、カンボジアの熱い空気を切り裂いて暴走する。そして、ツッパリ気味のBFと別れて紛れ込んだ廃墟同然の映画館で、スクリーンに映し出された一本の映画『長い家路』と、そのメガホンを取った監督と出会う。
そして、そのスクリーンに映し出された花咲く蓮池で、微笑む自分によく似た女優は、家で老残の身をさらしている母ではないのか?
こうして、ソポンは、母の生きがいの回復のために『長い家路』の完成を母の身代わりとして自らの主演で、目指すのだ。
ポルポト政権以前に存在したカンボジア映画へのリスペクトに満ちながら、「劇中劇」としての映画『長い家路』を完成させるために、現実とまじりあった辺りから映画としては、ノスタルジーに流れて破綻するのだ。
残念だ。美しい映像だったから、とても惜しい。
それなのに、東京国際映画祭2014年にカンボジアの歴史及び女性監督ソト・クォーリーカーへの期待からか、国際交流基金アジア・センター特別賞が与えられた。ソト監督のこれは処女作なんだ。甘すぎるだろう。
アジア女性監督映画特集として、二作品並べられた岩波ホール上映の作品では、先月上映されたインドネシア映画『鏡は嘘をつかない』の方が優れていた。ま、映画音楽とソポン役の女優(マー・リネット)は良かったが...。蓮の花の香りたつ夢幻の映画を期待した自分が、悪かったのだ。
評価(★★★)。
http://www.theater-phnompenh.com/
そして、そのスクリーンに映し出された花咲く蓮池で、微笑む自分によく似た女優は、家で老残の身をさらしている母ではないのか?
こうして、ソポンは、母の生きがいの回復のために『長い家路』の完成を母の身代わりとして自らの主演で、目指すのだ。
ポルポト政権以前に存在したカンボジア映画へのリスペクトに満ちながら、「劇中劇」としての映画『長い家路』を完成させるために、現実とまじりあった辺りから映画としては、ノスタルジーに流れて破綻するのだ。
残念だ。美しい映像だったから、とても惜しい。
それなのに、東京国際映画祭2014年にカンボジアの歴史及び女性監督ソト・クォーリーカーへの期待からか、国際交流基金アジア・センター特別賞が与えられた。ソト監督のこれは処女作なんだ。甘すぎるだろう。
アジア女性監督映画特集として、二作品並べられた岩波ホール上映の作品では、先月上映されたインドネシア映画『鏡は嘘をつかない』の方が優れていた。ま、映画音楽とソポン役の女優(マー・リネット)は良かったが...。蓮の花の香りたつ夢幻の映画を期待した自分が、悪かったのだ。
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