●オープンマイク・イベント/TOKYO POETRY RENAISSANCE
E.G.P.P.Nova!/Step130
テーマ:ルバイヤート~四行無常歌
2012年5月9日(水)開場19:00/開始20:00
参加費:1,000円(1Drinkつき)
MC:フーゲツのJUN、梓ゆい
(出演予定者)フーゲツのJUN(ポエッツ)、松岡宮(ポエッツ)、梓ゆい(ポエッツ)、bambi(スピリチャルトーク)、藤木吾呂(お笑い)、ココナツ(うた)、よねやま・たかこフラワー(うた)ほか……エントリーしてくれたあなた!
会場:ライブ・バー水族館(新宿区百人町1-10-7 一番街ビルB1)
問:03-3362-3777(水族館)
→http://naks.biz/suizokukan/
主催:電脳・風月堂→http://www1.ocn.ne.jp/~ungura/
先月テーマに取り上げたタイタニック号にはその巨大な船体とともに深海に沈めた金銀財宝と言う噂がある。大西洋上の公海の下にあるタイタニックは、そのようなトレジャーハンターから守るために先月ユネスコの海底遺産に指定された。金銀財宝の噂はほとんどデマらしいが、少なくとも革表紙で装丁してそこに宝石を埋め込んだある貴重な書物をタイタニックが積んでいたことは事実らしい。
その書物こそが、オマル・ハイヤームと言うペルシャ(現イラン)の学者詩人がセルジューク朝のおそらく80歳を越える生涯に残した詩集で、ルバーイとは独立した四行の詩の形式を指すが、ペルシャ文学一般ではオマル・ハイヤームのその詩集を『ルバイヤート(四行詩集)』と呼ぶ。
そもそもこの詩集が西洋世界にどうして広まったかと言う前史があり、そこに大きく二種の『ルバイヤート』が存在する理由がある。
本国でもほとんど忘れられていた『ルバイヤート』を英語に訳したのが19世紀の英詩人エドワード・フィッツジェラルドで当初はわずか250部の自費出版だった(1859年)。とはいえ、それはほぼ超訳とも言うべき「なんちゃって翻訳」だったが、これを偶然古書店で見つけたラファエル前派の詩人ロセッティが賛美し一躍注視されることとなった。言ってみるとラファエル前派の東洋趣味に合致した官能性と神秘性をたたえたものだったのだろう。
日本語での『ルバイヤート』の受容の歴史は1908年(明治41年)蒲原有明がフィッツジェラルドの『ルバイヤート』から6篇の詩を美麗なる文語訳として『有明集』に収録したものから始まる。
以来、フィッツジェルラルド英語訳に依拠したものと、ペルシャ語で伝わっている『ルバイヤート』の原典訳のおおまかに二種類が、それぞれ文語訳と、口語訳の二種にわかれて今日存在する。
また、『千夜一夜物語』とバートン版翻訳者の大場氏との関係??軍部による支配、抑圧の暗い時代に渇望をもってめくるめくアラビアン・ナイトの世界に救われたのとよく似た体験を持つ陳舜臣氏による翻訳と言う側面にも注目したい。生きがたい(生きにくい)時代に生の充溢を感じることが出来たことの貴重さは、想像に余りある。
ペルシャ語原典訳から窺われるのは、虚無的なまでのオマル・ハイヤームの無常観である。フィッツジェラルド由来の官能性はそこではひかえめになっているように思える。それでも、今日のイスラム社会とは違う文化がそこには流れているらしいことに気付く。
『ルバイヤート』で称えられる<神>や<酒>や、<酒姫(サーキィ)>はスーフィ的な存在であるようである。端的に触れておくとどうやら拝火教的な世界観がありそうである。ルバーイとは四行、その集積作品「四行詩集」は、その実、無常観をたたえながらも<人生讃歌>、いまを楽しめ!いまを生きろ!とのメッセージを発している。
と言うのも、どうやらルバーイ(四行詩)というその形式がそもそもは、アラブ飲酒詩の伝統の中にあることと民衆の俗謡として、それこそサズやウードなどの三弦楽器とともに口ずさまれた歌だったのではないかということがある。
それは私たちのアラブ社会へのイメージを一変させる。
さながら、「ルバーイ」そして「ルバイヤート」とはロックなのである!
(最近ではちくま書房刊のアンソロジー「ちくま哲学の森/自然と人生」の巻頭に小川亮作訳の「ルバイヤート」四編が掲載された。なお、この小川訳の岩波文庫版は「青空文庫」からダウンロードできる。)
一般オープン・マイクにエントリーなさる方には、このテーマ設定にしたがう必要はありません、御自分の表現.テーマで挑戦してください。
?ポエトリー、うた、バンド問わずフリーエントリーが可能です!
事前エントリー専用BBS(TOKYO POETRY RENAISSANCE/EGPP100 BBS)にエントリー表明を書き込んでください!→http://8512.teacup.com/5lines/bbs
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<写真>オマル・ハイヤーム作『ルバイヤート』初版本
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