風雅遁走!(ふうがとんそう)

引っ越し版!フーガは遁走曲と訳される。いったい何処へ逃げると言うのか? また、風雅は詩歌の道のことであるという。

オレは歌だ! 歌は歩く。

2006-02-01 00:28:45 | 歌え! 叫べ! 世界を切り裂いて……
Nanao_04_1ふたつのドキュメンタリィを見た。ひとつは29日の深夜と言えばいいのか、日本TV系列のドキュメンタリー番組「ふたりのさっちゃん」。もうひとつはこれは数年前にスカパーで放映された『エッジ2~今を、いきる~』という番組の「歌は歩いていく」である。

「ふたりのさっちゃん」は戦前、特高警察に、治安維持法違反でつかまり「非国民」扱いされた当年90歳のさっちゃん(取材中の昨年12月死去。映像では若い頃は美しいバスの車掌さんで、治安維持法違反のため不当解雇され、その名誉回復のための裁判を準備中だったそうです。素敵な笑顔のおばあさんでした)と、立川自衛隊宿舎反戦ビラポスティング事件の被告でもあり、「花&フェノミナン」のジャンベのわれらがさっちゃんが主人公だ。ちなみにこちらのさっちゃんは、逆転有罪判決の出た翌日のライブの風景が記録されているが、実にイキイキとして歌い、「戦争なんかキライだ!」とニコリとピースサインをする。さっちゃんはヨカおなごだ。
ちなみに、若いさっちゃんはアムネスティ・インターナショナルが「良心の囚人」に指定したひとりで、その底抜けの楽天的な感性と生き方が素敵だ。
90歳のさっちゃんの「非国民」扱いのままの名誉回復がなされないままの死去は、どんなにか無念なことだったでしょう。

「歌は歩いていく」は、長野で現在ナナオの朗読会を企画・準備中のMIXIネーム・ナリキリストさんにダビングをお願いして送っていただいたものだ。ここでの主人公はあのサカキナナオである。ナナオの映像記録としては、40代のナナオが登場する『スワノセ第4世界』(監督・上野圭一:日本ホリステック医学協会副会長/アンドルー・ワイルの翻訳で知られる)があるが、ナナオひとりに焦点をあわせたものではない。これは、まさしく「部族」のコミューンを記録した貴重なドキュメンタリィだ。他に日本映画学校の生徒が密着して撮っているはずと言う話も聞いたような気がする。
「歌は歩いていく」は、3年前81歳のナナオを南伊豆に訪ね、そして新宿の「LOFT PLUS ONE」でのポエトリー・イベント(たしか南兵衛が主宰したナナオの誕生日祝いのイベントだったと思う)を記録したものだ。番組でもナナオは歩く。伊豆の山を周辺を歩き、「歩くように詩を書く。歌うように詩を書く」と答える。新宿では、ネィティヴ・アメリカンの歌を披露したり、ナナオ節のポエトリーを読み、キミたちには歌がないのではと問いかける。そして、もっともっと詩人が増え、東京が詩人だらけになって詩人が住む街になれば素敵じゃないかと言って喝采をあびる。
うん、やっぱりナナオは同じだ。やっぱり、カリスマだよ。「風月堂」の頃からちっとも変わっていない。

伊豆のみかん小屋の仮住まいもナナオが住む場所として、ナナオの空間になっている。
ナナオの発言で、グッときたのはナナオがインタビュアーに答えて、「孤独? 何を言いたいのか分からない。そんなことは考えたこともない」と答え、「だって生き、食べ、語ることは関係することだ、社会的な営みなのだ」と続け、「ボクはいまもコミューンに住んでるよ」と答える場面だった。

そうだとも、ボクらはナナオとともに同じコミューンに住む仲間だと認識しよう!
そう、キミもアナタもナナオと同じコミューンの住人だよ!
だって、ボクらはナナオと同じ亀の島に、弓の島に、そしてマザーアース(ガイア)に住む住人だし、同じ家(エコロジーの語源ギリシャ語のオイコスは家もしくは家政という意味です。ちなみにエコノミーも同じ語源からきている)に住むコミューンを同じくする仲間なのだ。

であれば、さぁ、長老ナナオについていこう! ナナオの教えから学ぼう! 仕事を捨てよう! 金から解放されよう! 国家と言う幻想から自由になろう! 国を捨てよう! 親を捨てよう! そして、フーテンになろう!

(写真:ナナオサカキ2004年)
※画像の無断転載はお断りします。

(タイトルは、男の一人称「俺」だけでなく、さっちゃんが使う「オレ」の意味も含まれています)



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2 コメント

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友人の日記の中で (ユミ)
2006-02-02 01:37:06
友人の日記の中で
http://www.shirobaranoinori.com/
というのが紹介されていたばかりの今日。不思議なリンク感でした。
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ユミさん、書き込みをどうも! 「白バラの祈り」... (フーゲツのJUN)
2006-02-02 22:39:40
ユミさん、書き込みをどうも! 「白バラの祈り」という映画ですね。たしか、これは実話で、原作となったノンフィクション作品が翻訳本であったはずです。ナチスへのレジスタンスの映画なのですよね。
なるほど、抵抗という意味では見事にリンクしていますし、90歳のさっちゃん石川さだのさんにもふさわしいものかもしれません。
石川さだのさんのお名前を本文中では書き忘れてしまいましたが……。
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