風雅遁走!(ふうがとんそう)

引っ越し版!フーガは遁走曲と訳される。いったい何処へ逃げると言うのか? また、風雅は詩歌の道のことであるという。

あとから知ったいくつかのこと/イマジン(3)

2007-12-12 21:40:54 | コラムなこむら返し
Bedin1969_john_yoko_2 そして、今回公開されたドキュメンタリィ映画『PEACE BED/アメリカvsジョン・レノン』のタイトルは、まさしくこの「Bed-in」のパフォーマンスでジョンとヨーコのベッドの向かって右側に掲げられていたことばだった。
 ちなみに、1967年のサンフランシスコ「ゴールデン・ゲート・パーク」での「Human Be-in」からはじまった集会(ギャザリング)は、そもそも「Teach-in」(討論集会)からつくられた造語で、その後、「Sit-in」、「Dead-in」などの非暴力的な抵抗の手段も生み出すが、ある意味、ことば遊び的な発想で意味を拡大させた「Bed-in」は、最高傑作かも知れない。
 男女の営みを表わす言葉に、「Be-in」(あえて訳せば「ありのままに」か?)と1語しか違わない言葉「Bed-in」のあみだしは、インストラクションというある意味詩的な指示言語によってコンセプチャル・アートを先取りしていたヨーコのアートのスタイルがあったがゆえだったかもしれない。
 ヨーコのインストラクション『グレープ・フルーツ』の中の言葉(「想像しなさい!」)によってジョンの一大傑作にして最大のメッセージ・ソング「イマジン」は生み出されるのである。
 
 しかし、当初ジョンとヨーコも「Bed-in」と言う言い方はしていなかったようで、このアムスでの(のちにカナダでも再現する)ベッドイン・パフォーマンスの時の左側の壁に「STAY IN-BED」という標語(?)があり、どうやらこれが「Bed-in」の元になった言葉のようだ。

 さて、言うまでもないがこれは、ジョンとヨーコだから多少のスキャンダラス性もかぎわけて招待されたマスコミや通信社が取材に世界中から集まったのであって(それも、セレブなアムスのヒルトンホテルで行われたのである)、決してボクや、君なんかが恋人や、愛する人とベッドインしたからといって、だれも駆けつけてはくれないだろうが……(笑)。
 でも、メイク・ラブ(Make LOVE)して、ふたりで反戦平和について語り合うことは、ジョンとヨーコに劣らないほど、この不正に満ちた世界を変えることだろう。それは、間違いなく言えることだ。
 なぜなら、「希望」は常に未来を生み出すことにしかないからだ。未来の世代に「明日」がなくなった時、わたしたち人類は確実に滅びる時だろう……。
(おわり)

(1969年「Bed-in」資料映像)
http://www.youtube.com/watch?v=Ra5_9GtX374

http://www.youtube.com/watch?v=GN_ykcjHhRc&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=aBxIIsirkis&feature=related

(映画『PEACE BED/アメリカvsジョン・レノン』公式サイト)
http://www.peacebed-johnlennon.com/

(写真2)ジョンとヨーコによる反戦平和のための「Bed-in」(1969年)。向かって右の窓に「BED PEACE」(今回のドキュメンタリーはここに由来して名付けられた)の標語(?)がある。