みちあき神父のふぉと日記

カトリック教会の司祭です。日記のテーマは「がんばらない―Take it easy―」。ここで、ひと息ついてくださいね。

聖金曜日

2007-04-06 21:23:20 | Everyday is special
きょうは聖金曜日。英語では、なぜか'Good Friday'と言います。

この日はミサはなく、取手では午後3時に、主の受難の祭儀が静かに、そして荘厳に行われました。

ミサがないのは、この日に十字架の上で息を引き取られたイエスの受難と死を記念するためです。

聖なる過越の三日間は、ユダヤ教の暦にならって数えられますが、それによれば、日没から新しい一日が始まるとされるので、昨日の主の晩さんの夕べのミサは、じつは聖金曜日の初まりのミサになります。(聖木曜日のミサは、「聖香油のミサ」ですよね。そして、主の晩さんの夕べのミサ前で「四旬節」が終わります。)

聖土曜日は、きょうの日没から始まって明日の日没までとなりますから、この間ミサはありません。

理屈っぽい言い方ですが、一年の典礼の中でミサがないのは、この聖土曜日だけです。

でもって、復活の主日は、明日土曜日の日没から始まります。この最初に行われるのが、復活の聖なる徹夜祭です。

これが、聖なる過越の三日間の中心です。

そして、日曜日の復活の主日の晩の祈りで「聖なる過越の三日間」はおわります。(復活の主日は、同時に復活節という50日間の季節の始まりでもあります。)

と、いうわけでして、いまは静かな聖土曜日の真っ只中。

復活徹夜祭の、よい準備ができますように。(明日の夜しか歌われない「復活賛歌」を練習しなくては。この賛歌は、本当にすばらしい、感動的な賛歌なのです。)

写真は、浦和での聖香油のミサの日、いっしょに行ったマイケル神父とマルティヌス神父をつくば教会に送った帰り道、前から寄ろうと思っていた農林省の各種研究施設内にある桜並木。ここは、地元ではたいへんに有名なところで、広大な敷地内のすばらしい桜を見に、多くの人々が集まります。この日は、このすぐあと天気が大きく崩れて、たいへんな春の嵐になりました。遠くは、その押し寄せてくる暗い雲。東京ではみぞれが降ったそうですね。寒かったです。

聖香油のミサ

2007-04-04 22:14:54 | Everyday is special
きょうは、聖香油のミサがあり、浦和教会に行ってきました。

このミサの中で、これから一年間使われる聖香油(洗礼・堅信や叙階式のための聖香油、病者の油、洗礼志願者の油、の三種類)が司教によって祝別されました。

また、このミサは、司祭にとっては、叙階の約束の更新の日。
みんなの叙階の秘跡を記念する日です。

ぼくも、10年前の司祭叙階式のことを思い出しながら、神妙にミサに参加させていただきました。

写真は、ちょうど満開の浦和教会の桜。

アロハのこころ

2007-04-02 21:55:00 | Everyday is special
ハワイに行かせていただいて、ウクレレを毎日のように爪弾いているうちに、ハワイのいろいろなことに興味を持つようになりました。

まず、書店で買ったのが猿谷要著『ハワイ王朝最後の女王』(文芸春秋の新書、2003年)です。ハワイ王朝の興亡の悲話を一気に読んでしまいました。

ハワイ諸島に初めて西洋人が入ったのは、1778年のジェームズ・クックにまでさかのぼりますが、それからカメハメハ大王が1795年にハワイ王国建国宣言をし、1810年に、ハワイ諸島が王国として統一されます。

その後、紆余曲折を経ながら、最後の王になったのがリリウオカラーニという女性でした。

彼女は、1891年にハワイ王国初の女王として即位しますが、1893年、退位を強いられ、その後幽閉されます。ハワイ王国はこの年消滅し、一旦共和国としての数年を経て1898年にはアメリカの準州となりました。ちなみに、ハワイがアメリカの州になったのは1959年のこと。50番目の州として、正式にアメリカの領土となりました。
(ウィキペディア「ハワイ王国」をご参照ください。)

リリウオカラーニ女王は、幽閉後もハワイの人々に愛され、1917年11月11日、79歳で亡くなりました。

あの有名な「アロハ・オエ」は、彼女が幽閉されていたときに作った歌といわれています。

詩の内容は、先立った家族や友人との別れの歌とも、消滅したハワイ王国への哀愁の歌とも、さまざまに解釈できるようです。

その、「アロハ」の意味について、いろいろと調べていたら、次のような解説に出会いました。

以下、引用します。
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「Aloha」の“Alo”は「共有する、今というこの瞬間に心をおく」というような意味で、“oha”は「幸せ、喜び、楽しみ」、“ha”は「息、エネルギー」”を意味しますがこの場合は命、または魂を表します。つまり、“Aloha”は「今ここでこの瞬間にある喜びを共に分かち合う」ということになります。
AlohaNavi.com「ハワイ語を話そう!!」より)
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「あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる」(ルカ23章43節)

これは、イエスが十字架の上で、隣りに磔(はりつけ)にされた一人の罪人に言われたことばです。

リリウオカラーニの歌は、十字架上のイエスの息づかいと、アロハのこころで結ばれるかのように思いました。(これは昨日の説教で少し話させていただいたことですが、なんだか強引な結びつけ方かもしれません・・・。これはぼくの職業病かな。)

写真は、2005年4月17日、筑波山で撮ったカタクリの花。