みちあき神父のふぉと日記

カトリック教会の司祭です。日記のテーマは「がんばらない―Take it easy―」。ここで、ひと息ついてくださいね。

つくば教会献堂25周年

2010-09-30 11:30:00 | Everyday is special
早くも9月の終わりになってしまいました。
今月は、すっかりふぉと日記の更新を休んでしまいました。
ご心配いただき、どうもありがとうございます。

先週の9月23日は、カトリックつくば教会の献堂25周年のお祝いがあり、参加してきました。
当日は、あいにくの雨でしたが、とてもよいお祝いになりました。教会の皆さんは、本当によくがんばったと思います。

ぼくは、1986年からつくば教会に通い始め、翌年洗礼を受けたので、言わば母なる教会です。当時からの信者さんももちろんいらっしゃいますが、ずっと人数が増え、信徒数から言えば、県内最大の教会になっています。しかも、国際色が非常に豊かです。

当時の教会建設は、土浦教会の信徒の皆さんが中心となって行われ、1985年の「つくば科学万博」を機に建てられました。
つくば教会は、別名「平和の君」教会と言いますが、これは土浦教会が「平和の元后」の名前を持っていて、その子、つまり聖母マリアの子であるイエスの称号のひとつ「平和の君」が、新しい教会に名付けられたと、先日知りました。

聖堂正面の壁画と十字架像は、つくば教会の信徒で彫刻家の烏山さんの作で、とても趣があります。
1987年、この十字架像が掲げられるときに、御像の中に、祈りのメッセージを入れることができるとのことで、ぼくも書いて入れたのを覚えています。
それで、今こうして司祭になっているわけです。

つくばの十字架像を見上げるたびに、そのことを思い出します。

今回の記念に、烏山さんの新作の聖ダミアン神父像が聖堂に置かれました。

つくば教会の皆さん、本当におめでとうございました。
これからも、キリストのうちにひとつとなって歩んで行かれますように、祝福をお祈りいたします。



1987年に、十字架像が取り付けられたときの記録写真。脇に立っている司祭は、現在再び主任司祭のヒーリー神父さま。

帰郷

2010-09-22 09:30:00 | Everyday is special
皆さん、日本からこんにちは。
長らくふぉと日記の更新を休んでしまいましたが、9月上旬に帰国し、疲れをいやしていました。

ご心配とお祈りを、どうもありがとうございました。

暑さ寒さも彼岸まで、とは、よく言ったものですね。秋の花を見つけたり美味しい果物を食べたりすると、すっかり秋になってきたと思います。

やはり、故郷はいいものです。どんなに遠くに行っても帰る場所があるということは、とても大きな支えであり、やすらぎを与えてくれます。

というわけでして、心の原風景のような写真をどうぞ。

サラマッポ -ありがとう-

2010-09-03 09:30:00 | Everyday is special
フィリピンからこんにちは。

おかげさまで、叔父、西本至神父の一連の葬儀と埋葬が無事に終わりました。
インターネットによるミサの配信も、何人もの方々が見てくださったようです。

ともにお祈りくださり、本当にありがとうございました。心から感謝いたします。

ところで、叔父の帰天する3日ほど前、主治医からいつ逝ってもおかしくないと言われました。病室で二人きりになる機会があったので、叔父に感謝の気持ちを伝えました。

トールちゃん(家族の中では、カトリックの司祭になってからも「トールちゃん」と呼ばれていました)。
そろそろ天国に行く準備をするときが来たみたい。
これまで本当にお世話になりました。どうもありがとう。
天国でかあさんに出会ったら、くれぐれもよろしく伝えてね。
イエスさまの御許から、お祈りしてね。

叔父は目を開けて黙って聞いていました。そして、静かに目を閉じました。
彼は司祭ですから、すべて分かっていると思いました。
でも、やはり、ぼくは悲しくなって、涙があふれてきました。

叔父は、ぼくにとって、洗礼を受ける直接のきっかけを与えてくれた人ですし、司祭に成りたいといちばん最初に感じさせてくれた人です。ぼくの司祭としての人生は、彼なしには語れません。恩人です。

28日の葬儀ミサは、レデンプトール会のイレネオ・アマンティリオ司教さまが主司式をし、レデンプトール会の東京の管区長の瀬戸神父さまをはじめ、35名ほどの司祭たちの共同司式で、本当に多くの方々の参列者と共にささげられました。

葬儀ミサの後、大型バス1台とマイクロバス2台、そして何台もの車が霊柩車を先頭に行列を作り、30分以上かけてレデンプトール会の墓地に行きました。埋葬は、ほかにも司祭たちがいたのですが、ぼくに司式をさせてくださいました。

葬儀ミサの前の晩、多くの奨学生たちが集まって西本神父に寄せ書きをしてくれました(下の写真)。Salamat Po(サラマッポ)とは、フィリピンの言葉で「ありがとうございます」を意味します。

叔父は、本当に多くの人びとに愛されたと思います。

ぼくも、心から「サラマッポ。元気でね」と言いたいと思います。





墓地での埋葬が終わった後、日本からの司祭・助祭たちやフィリピンでともに奨学金のお世話で働いているシスター方、オフィスのスタッフとその家族たち、友人などが集って会食をしました。ビールをつがれて、うれしそうな顔をしている叔父です。奇しくも翌29日は誕生日。天国の誕生日のお祝いにもなりました。


(追記)
フィリピンの全国紙のひとつ 'Manila Bulletin' という新聞の8月29日付けに、聖トマス大学学長のローランド神父さんの「ファーザー・ニシに祝福あれ」とのエッセイが載りました。彼も、バクララン教会に24日に来てくださり、ミサを捧げてくださいました。エッセイはこちらから読めますのでどうぞ。(文中の 'his niece Mako' というのは 'his secretary Mako' のことですので、ご了解のほどを。)