みちあき神父のふぉと日記

カトリック教会の司祭です。日記のテーマは「がんばらない―Take it easy―」。ここで、ひと息ついてくださいね。

突然ですが、ローマから

2012-08-27 04:50:00 | Everyday is special
ボンジョルノ!(こんにちは)

先週からこちらに来ています。
今週から始まる修道会の総会に、管区長といっしょに参加するためです。
6年に一度の総会は、丸々一ヶ月間開かれます。
その間、総長や総本部顧問の選挙も行われます。

こちらに来るまでの間、その準備などで忙しくて、なかなかふぉと日記の更新ができませんでした。

ご心配をおかけいたしました。

総会は29日から始まるので、それまでの間、ローマ市内の一人巡礼にいそしむことにしました。
四国のお遍路さんは「同行二人(どうぎょうににん)」と言って、たとえ一人で歩いていても、いつも弘法大師さんがともに歩んでくださっていることを大切にしています。
カトリックの巡礼も、同じですね。いつもイエスさまがいっしょに歩んでくださっているのだと。

というわけでして、やはりまずは、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂から出発することにしました。

上の写真は、到着したローマのフィウミチーノ空港で出会ったかわいい旅人。



サン・ピエトロ大聖堂。この夏は、ローマは非常に暑かったようで、40度を超えたときもあったようです。



大聖堂に入ってすぐの右側に、大好きなピエタ像があります(ミケランジェロの傑作)。遠くからガラス越しに見なければなりません。が、東京カテドラルには、同じサイズのドゥプリカ(複製)があるので、近くから見たいときは、そちらの方がよいかもしれません。(でも、やはり本物は、とくべつなオーラを放っています。)



そして、その次の小聖堂に、目立たないのですが、福者ヨハネ・パウロ2世のお墓があり、ぼくも祈ってきました。



前回ローマに来たのは2008年の12月のこと。今回は、まだ夏休みなので、多くの観光客や巡礼者でにぎわっていました。(当時のふぉと日記はこちらから。)

三浦のトンビの物語

2012-08-13 20:20:00 | Everyday is special
これは7年ほど前に、三浦の修道院であった本当のお話・・・。

あるとき、修道院の番犬風子(フーコ)が、やぶの中に動く小さな生き物を見つけました。
それは、巣から落ちてしまったトンビのひな。
巣に返すこともできず、シスターたちが引き取って育てることにしました。

名前はピーコ。トンビの鳴き声から付けられました。

しかし、野生のひなを育てるのは難しいこと。
最初の3日間ほどは何も口にしなかったそうです。
いったい何を食べるのか。
シスターたちはミミズやら肉やらちくわなど、いろいろと試してみたところ、ようやく生のイワシなら食べることを発見しました。

人間に拾われたひなのことを、親鳥はしっかり見ていました。
その親が、魚やスズメを、何回かベランダの近くに落としていったそうです。
しかも、スズメは、ひなが食べやすいようにと内蔵も少し出してある。
「これを食べさせてやってください」と、言っているかのようでした。

そのうちに大きくなって、車にひかれたヘビも食べるほどに。
だんだん少し飛べるようになり、まずは車の上、そのうちに屋根の上まで行けるようになりました。

巣立ちの前日、ピーコは仲良くなった番犬のフーコの目の前に行き、クチバシをフーコの鼻の前に差し出しました。
フーコは前足でピーコを押さえつけましたが、大丈夫。これも仲良しのしるし。
シスターが言うには、おそらく巣立ちのあいさつだったのでは、とのこと。
じっさい、その翌日にピーコは巣立ちました。

と言っても、まだ完全な巣立ちではなく、修道院の聖堂脇の木にとまって、親鳥からえさをもらっていたそうです。
数日後、いよいよ巣立ったか、と思っても、2階のベランダにとまってはシスターにえさをねだって、もらったこともありました。

そして、元気に巣立っていきました。

その後、魚やスズメが修道院の玄関前に3日ほど続けて置かれていました。
きっと、ピーコがお礼に持ってきたのだろうと、シスターたちは言っていました。

これは、ピーコの恩返し。

7年経った今も、ピーコとその家族の群れが、修道院の周りにやってきます。
シスターたちが生のイワシを置くと、群れの一羽一羽がヒューッと飛んできて、器用に足で取っていきます。

トンビが、これほど人間になついているのを聞いたことがありません。
(育てている頃ですが、外でシスターの腕にとまっているピーコの写真もあります。)

トンビの親子の絆の深さを感じると同時に、トンビと人間との間の友情のようなものを感じました。
(絵本になりそうなお話ですね。・・・シスターの許可なしに作らないでね。)

写真は、そのトンビがエサを取る瞬間。
上の写真から連続でどうぞ。







連写で撮った写真を、少しトリミングして大きくしています。シスターに撮ってと頼まれて、なんとか撮れて、よかったです。
何度か何枚も撮りました。
カメラは愛用のリコーのGR Digital (4)。(GR BLOGトラックバック企画「動」に参加。 )


おまけは、フーコの写真。(クリックすると大きくなります。)


三浦の海岸にて

2012-08-04 16:30:00 | Everyday is special
ロンドンオリンピック。日本選手はよくがんばっていますね。

さて、「砂の上の足あと」(Footprints in the Sand)という美しい詩がありますが、三浦に行ったとき、朝浜辺を散歩して、そんな雰囲気を味わってきました。

ある夜、この作者は浜辺を主イエスと並んで歩く夢を見ます。
人生が走馬燈のように空に浮かんできました。
が、振り返ると、そこには一組の足あとしかありません。
それで、自分のいちばん必要としていたときに、なぜいっしょにいてくださらなかったのかと、主に聞きます。
すると、主が答えます。

「わたしの大切な子よ
お前がいちばん苦しんで孤独を感じていたとき
わたしはお前をおぶっていたのだよ」

それで足あとが一組しかなかったと分かりました。

・・・・・・

で、ぼくも砂浜をはだしで歩いてみました。
振り返ると、そこにはずっと一組の足あと。
そりゃそうだよねぇ。
そこに二組の足あとがあったらぞーっとしてしまいますよねぇ。

そんな話を、修道院に戻ってシスターたちに言ったら、そりゃずっとイエスさまがおんぶしてくださっていたのですよー、とニコリ。
あ、なるほど、そう思えばいいのだ、と、シスターたちの純粋さに触れて帰ってきたのでした。



朝はまだいいですが、日中は砂が熱くて、はだしでは歩けたもんじゃないでしょうね。



水の中も少し歩きました。



朝の幻想的な風景。



浜辺も、黙想にはいいですね。