みちあき神父のふぉと日記

カトリック教会の司祭です。日記のテーマは「がんばらない―Take it easy―」。ここで、ひと息ついてくださいね。

茨木のり子さんの死

2006-02-27 14:16:36 | Everyday is special
「・・・自分の感受性くらい/自分で守れ/ばかものよ」

という詩で有名な詩人、茨木のり子さんの訃報(19日)には、驚いたと同時に、ひとつの時代が、また終わったような気がして、寂しく思いました。

ぼくは『倚りかからず』という彼女の詩集を持っています。
以下は、その題名となった詩の一部です。

*******************************
もはや
できあいの思想には倚りかかりたくない
・・・・・
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくない
・・・・・
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことがある
倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ
*******************************

読むたびに、背筋がぴんと伸ばされます。
同時に、とても人間的なあたたかさを感じます。
それは、辛らつな言葉を投げかけながらも、彼女も疲れたときは椅子の背もたれによりかかるときがあるのだと思えるからです。

性格や人当たりはとても穏やかであられたとのこと。

また彼女の詩集を手にとって、開いてみたいと思いました。

写真は、25日に撮った教会の梅。少し夕日に照らされています。

教会の梅開花

2006-02-24 13:42:08 | Everyday is special
信徒会館の脇にある梅の花が昨日開花いたしました。
きのう、おとといと、とても暖かかったので、いよいよ春が来たという感じでしたね。
でも、きょうは一転して真冬並みの寒さ。
このように寒暖の波を繰り返して、春は訪れるのでしょう。

ところで、カンボジアに信徒宣教者として派遣された高橋真也くんは、元気に活躍しています。
「まさやのカンボジア便り」が届いていたのですが、皆さんにご紹介するのが遅くなってしまいました。
彼の、とても一途で一所懸命な姿が見えてきます。
出発前に、真也くんには「がんばらない」の書の写真を渡したんですけれども、そりゃ、やっぱりがんばるよなあ。
お祈りしながら応援してるからねー!

松戸教会のホームページの中に、「まさやんコーナー」がありますので、どうぞご覧くださいね。(↓)
http://www.geocities.jp/kyokaihome/jouhoukyokumasaya.html

聖ペトロ

2006-02-22 10:44:44 | Everyday is special
きょうは「聖ペトロの使徒座」の祝日です。
「毎日のミサ」の解説によれば「使徒ペトロを礎として建てられた教会の一致のしるしとして、すでに四世紀にローまで祝われていた」とのこと。
そして、きょうのミサの福音は、イエスさまがペトロに「あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる」(マタイ16章13-19節参照)と、言われた有名な箇所。
「ペトロ」とは、ギリシャ語で岩のことです。

しかし、岩(ペトロ)と名づけられたシモンは、12使徒の代表ではありましたが、同時に弱い人間の代表でもありました。
彼がその弱さの極致を体験したのが、イエスさまが捕らえられた夜、おまえも仲間だろうと言われ、「イエスのことなんか知らない」と3度も言ってしまったときです。
そのとき捕らえられいたイエスさまは振り返り、ペトロを見つめます。目が合ったペトロは激しく泣きました(ルカ22章61-62節)。

けれども、最後の晩餐の席で、イエスさまはペトロが3度も否定することを予言しながらも、彼を力づけていました。

「しかし、わたしはあなたのために、信仰が無くならないように祈った。だから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。」(ルカ22章32節)

こうして、ペトロは人間としての弱さの極致を体験しながら、イエスさまの愛といつくしみを知りました。

そして、イエスさまは、この人間の弱さの上に教会を建てると言われたのです。

この教会は目に見える建物を意味するのではなく、キリストを信じる者の集まり、キリストの共同体をあらわします。
が、その教会が人間の弱さの上に建てられるのが可能なのは、けっして人間の力によるのではなく、イエスさまの復活の神秘と、聖霊の力によって可能となるのだ、ということです。

なんだか、ミサの説教になってしまいました。
たまには、こういう日記もいいかな。

写真は、先日の蔵王、地蔵山に登る途中。このような雪の風紋が大好きです。

朝から会議

2006-02-20 14:59:56 | Everyday is special
きょうは、朝から友部修道院で会議です。
イエズス・マリアの聖心会の、9月に行われるローマでの総会に向けた準備が主な内容ですが、日本管区のこれからの方向性を模索するたいせつなものです。
午前中の書記に任命されてしまって、話す言葉と資料は英語と日本語のチャンポンですし、気の抜けない1日となってしまいました。

こんなときは、あの白銀の蔵王の、銀色に輝いた青空の中に、飛び込んでいきたい気分。
でも、今週は行けそうにありません。ザンネン!

この写真は、前回行ったときのもの。右手奥のなだらかな山が月山。正面が朝日連峰です。(はみ出た部分はクリックすると見られます。)

東京教区の岩崎尚神父ご帰天

2006-02-17 12:01:36 | Everyday is special
東京教区のヨハネ・ボスコ岩崎尚(たかし)神父さまが14日夜、大腸がんのためご帰天されました。61歳でした。

岩崎神父さまは、千葉県流山市の豊四季教会の主任であられたとき、教区は異なるけれども、利根川をはさんで近くにあった取手教会建設のためにお力を貸してくださり、一小教区としては考えられないほどの多大なご援助をいただいたことを、当時の取手教会主任司祭の山田神父さまにお聞きしました。

私も、岩崎神父さまが高輪教会におられたときに一度お目にかかったことがあります。

通夜は今晩6時から、葬儀ミサと告別式は明日18日午前9時30分から、いずれも東京カテドラル聖マリア大聖堂で行われます。

ぼくは、今晩の通夜に行ってまいります。
皆さんも、岩崎神父さまの永遠の安らぎのために、どうぞお祈りください。

写真は、2003年に山形で撮ったヒメサユリ(姫早百合)。

蔵王でのひととき

2006-02-16 11:51:52 | Everyday is special
瀧山寺のご住職と、お仲間の武田さん、国民宿舎竜山荘支配人の古川さんとの懇親会が14日の夜開かれました。

ご住職とは、ぼくが同じ境内にあるカトリックのこまくさ保育園の園長になってからのお付き合いで、かれこれ7年になります。
このように仲良くさせていただくようになったきっかけは、ぼくが赴任して間もない頃、うちのひとりの園児が「クソ坊主!」とご住職に指差して言ってしまったことに発します。
その場にぼくはいなかったのですが、後日お菓子を持って謝りにいくと、「なんだ、そんなことで来たのかー」とカッと笑い飛ばして、お茶を出してくださったのです。
それから、ご住職との家族ぐるみのお付き合いが始まりました。

ご住職と蔵王に行くようになったのは、2002年に撮ったぼくのコマクサの写真が、蔵王観光協会主催の蔵王の風景写真展で入選して「温泉一泊2名様お泊り券」を賞品としていただいたとき、さて誰と行こうか、と悩んでいたら、ご住職が「じゃあ、オレが行ってやるよ」と言ってくださったのが最初です。
そのときに、武田さんと古川さんとも知り合いになりました。

以来、毎年のように蔵王で懇親会を開いています。

ご住職は天台宗で、檀家は持っていらっしゃいません。が、お寺にはいつも人が何人かいます。
全国から人生相談やご祈祷をお願いしに、人が集まります。
「仏教は葬式仏教ではダメだ。生きている人間のお世話をしなければいけない」と、まさに言われる通りに実践されています。
小さなお寺ですが、中身は本当にすばらしいです。

この話をすると、また尽きないので、きょうはこの辺で。
写真は、14日朝に登った地蔵山山頂にて。遠くに見えるのは、米沢の天元台スキー場のある西吾妻連峰です。画像をクリックすると、はみ出た部分も見られます。

春の日差し

2006-02-13 13:39:46 | Everyday is special
きのうは、春一番だったのでしょうか、取手から友部に来る途中、たいへんな強風で、ひどいところでは畑の近くが砂嵐のようになって、前がほとんど見えないほどでした。
きょうも、春の日差しですね。
雪解けの日も遠くありません。

あすは、山形でお世話になった瀧山寺のご住職と、恒例の懇親会があり、蔵王に行ってきます。
天台宗のそのご住職は、年齢的には大先輩ですが、同じ境内にあったこまくさ保育園の園長時代にたいへん可愛がっていただきました。
米沢に移ってからも、毎年復活祭のミサにきてくださいました。
ご住職と、そのお仲間と、いつからか蔵王温泉にある国民宿舎「竜山荘」に集まることが恒例となりまして、今回も行ってまいります。
毎回、宗教談議となり、とても楽しい「諸宗教の対話」を実践しています。

竜山荘のHPの「アルバム」に過去の写真も載っています。
よかったら、どうぞ覗いてみてください。
http://www.zaonet.jp/ryuzanso/index1.htm

写真は、11日の戸頭公園。アジサイと思いますが、新芽が春を告げていました。

明日は世界病者の日

2006-02-10 19:07:45 | Everyday is special
あすは第14回世界病者の日。ルルドの聖母の記念日でもあります。
この日のために、教皇ベネディクト16世はメッセージを発表されました。
教皇さまはこの中で、とくに精神障がいのある人々への教会の取り組みを表明しています。

「教会は、苦しむ人々に心を砕き、精神障害にかかわる問題に向けて世論の関心を促したいと思います。現在、世界の五分の一の人が精神障害に苦しんでおり、真に実効性のある社会的な取り組みとしての医療活動を緊急に必要としています。
 親愛なる兄弟姉妹の皆さん。わたしの敬愛する前任者、ヨハネ・パウロ二世が、例年のこの行事に特別に配慮を払ってきたことを思い起こしながら、わたしも、世界病者の日に霊的に参加したいと思います。それは、参加する皆さんと心を一つにしながら、世界中の精神障害者が置かれている状況を熟慮し、彼らに対する神の深いいつくしみをあかしするように、教会共同体が取り組むことを求めるためです。」

ぼくも、うつ病の患者として、いわば「感情障がい」というものを持った一人の障がい者です。

英語圏では、障がい者は“Handicapped Person”と呼ばれていたのが、差別的な意味合いを取るためにでしょうが、“Challenged Person”と言い換えられるようになったと聞きました。
しかし、本当にチャレンジしているのは、むしろその方々でしょうから、もしかしたら“Challenging Person”と言った方がよいのかもしれません。

いずれにしても、今回の教皇さまのメッセージは、多くの人々にとって大きな慰めとなり、また教会だけではなく、社会へのチャレンジにもなっていくのだと思います。

教皇さまのメッセージは、カトリック中央協議会のHPにありますので、どうぞご覧ください。
http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/doc/sick/06sick.htm

写真は、1月18日の蔵王から。山頂線の新型ロープウエーの「フニテル」と言われるゴンドラの上から撮りました。

カナの婚礼

2006-02-08 17:45:26 | Everyday is special
きょうは聖書勉強会でした。
ヨハネ福音書2章1節から12節の「カナの婚礼」を取り上げました。

フィリピンの神学校でお世話になった、今は亡きヘルマン・ヘンドリックス神父の講義ノートを引っ張り出して、きのう予習したわけですが、たった12節の長さでその講義ノートはリーガルサイズ(A4の長いやつ)で22ページもあります。
これを、たった1時間余りでぼくは話してしまったので、かなりハショッテしまったのですが、かなり深遠で広がりのある箇所なのです。
ちなみに、ヨハネの序の部分(1章1-18節)の後は洗礼者ヨハネの証しから始まりますが、その日を第1日目とすると、カナの婚礼が7日目であることがわかります。それは「その翌日」と「(その)3日後」という段落の書き出しでわかります。

1日目:ヨハネの証し(1)1:19-28
2日目:ヨハネの証し(2)とイエスの登場 1:29-1:34
3日目:ヨハネの証し(3)、イエスと最初の弟子たち(1)1:35-1:42
4日目:イエスと最初の弟子たち(2)1:43-1:51
7日目:最初のしるし 2:1-2:12

カナの婚礼が最初の1週間の7日目に行われていることや、「しるしの書」と言われる1章19節から12章の間の7つの「しるし」の第一のしるしであることを見ると、カナの婚礼の重要性が浮かび上がってきます。
聖書の中での「7」という数には、完成とか完全とかの意味があります。
7つのしるしがどこにあるかは、お読みくださればわかりますので、どうぞ読んでみてくださいね。

と、まあ、こんな風に話は始まって、それこそ尽きることがないのですが、きょうはこの辺で。

写真は1月18日の蔵王。右手の山が地蔵山で、左手が三宝荒神山です。

雪の友部

2006-02-06 14:26:45 | Everyday is special
午前中から、友部でも雪が舞い始めました。
積もる雪ではなさそうです。
が、寒々とした一日です。

毎月第1日曜日のお昼から英語のミサと在日フィリピン人の司牧のために、サレジオ会のボブ神父さまが来られていましたが、4月からの異動の関係で、きのうが取手での最後の日曜日となりました。
5年間も、取手に通い続けてくださいました。
海外にいて心強いのは、やはり自分の国の言葉で話すミサと共同体です。
ボブ神父さまには、本当にお世話になりました。
これからも、フィリピン人のシスター方が来てくださるとのことで、安心です。

写真は、1月18日の蔵王の地蔵山山頂駅付近。
このところの寒気で、一度は解けた樹氷が、また順調に育っていることと思います。
西から吹き付ける風で、「海老のしっぽ」のように樹氷がついていきます。