みちあき神父のふぉと日記

カトリック教会の司祭です。日記のテーマは「がんばらない―Take it easy―」。ここで、ひと息ついてくださいね。

大統領への6歳の男の子の手紙

2016-10-18 06:00:00 | Everyday is special
このところの忙しさでふぉと日記の更新が停滞していますが、元気にしています。

先月末の修道会の年の黙想会で、とてもよいお話を紹介していただきました。
それは、アメリカの6歳の男の子が書いたオバマ大統領への手紙です。

少年の名はアレックス君。
彼は内戦の激しいシリアのアレッポのニュース映像に出た、救急車の中の血まみれの男の子を見て衝撃を受け、この手紙をしたためました。

その手紙は、ホワイトハウスのブログに掲載されています(こちらからどうぞ)。

オバマ大統領は、この手紙を、この9月16日に開かれた国連の難民・移住者サミットで紹介しました。
そのコメントは、彼のフェイスブックで読めます(こちらからどうぞ)。
とてもよかったので、拙いですがその日本語訳を作ってみました。

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アレックス君はちょうど6歳で、ニューヨーク州スカーズデイルに住んでいます。
彼は、世界の多くの人々が見た、あのシリアのアレッポで救急車の中で血にまみれた手をぬぐおうとしている5歳の少年、オムラン・ダクニーシュ君の映像に大変ショックを受けました。
そこで、アレックス君は座って、わたしに手紙を書いてくれたのです。
今週開かれた国連の難民サミットで、わたしはアレックス君の感動的な手紙を分かち合いました。
アレックス君は、自分と自分の家族といっしょに住むためにオムラン君を連れてきてほしいと願いました。
オムラン君に自転車を貸して、乗り方を教えたいと。
自分の妹はオムラン君のためにチョウチョを捕ってくれると。
そして、みんなと遊ぶことができるよと書いてくれました。
「ぼくたちはオムラン君の家族になるよ、そして彼はぼくたちの兄弟になるよ」と。
これは、6歳の子どもの言葉です。
どこの出身かとか、どんな顔をしているかとか、宗教は何かとかの理由で批判的になったり、疑ったり、恐れを抱いたりすることをまだ学んでいない小さな子どもの言葉です。
わたしたちはみんなアレックス君のようにならなければなりません。
もし本当にそうなったら、どんな世界になるかを想像してみてください。
苦しみをやわらげ、命を救うことができるのです。
アレックス君に耳を傾け、彼の手紙を読んでみてくだされば、わたしが全世界の皆さんと分かち合いたかった理由が分かるでしょう。
(オバマ大統領のフェイスブック2016年9月21日より)
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アレックス君の手紙と、それを読み上げる映像は、本当に素晴しいです。
また、そんな小さな子どもの手紙をしっかり受けとめて紹介する大統領の姿もいいなと思いました。

そして、本当に世界中の人々がアレックス君のようになることができれば、どんなに平和な世界になることかと思います。
それが難しいにしても、アレックス君のような子どもたちが大きな夢持ち続け、少しでも、その夢を実現していくことができますようにと願います。
また、大人たちも、アレックス君の声に耳を傾け、いま自分に何ができるのかを考えていかなければなりません。
大きなチャレンジです。
でも、どんな大きな事も小さな事から始めなければなりません。
アレックス君はそれを教えてくれました。


アレックス君の手紙も訳したのですが、また別の機会に紹介したいと思います。

写真は、10月10日に行ってきた蔵王(山形)にて。