みちあき神父のふぉと日記

カトリック教会の司祭です。日記のテーマは「がんばらない―Take it easy―」。ここで、ひと息ついてくださいね。

ヨセミテの旅―ミラーレイク(鏡池)

2011-07-22 21:00:00 | Everyday is special
日本からこんにちは。

サッカー女子のワールドカップ、見事日本チームが優勝しましたね。
ものすごい快挙です。
本当にたくさんの勇気と希望をいただきました。
最後まであきらめない気持ち、そして、笑顔で乗り越えるゆとり、素晴らしいと思いました。
おめでとうございます。

おかげさまで、3ヶ月のサバティカルを終え、無事に帰国しました。
とても充実した素晴らしい時間でした。
カリフォルニアの太陽で、すっかり日に焼けて、元気になって戻ってきました。

お祈りくださった皆さん、どうもありがとうございました。
また、カリフォルニアでお世話になった皆さんに、心から感謝申し上げます。

さて、5月下旬に行ったヨセミテの3日目。今度はミラーレイク、日本語で言ったら「鏡池」に行ってきました。
前日の滝を巡る「ミスト・トレイル」の旅路が「動」だとすれば、ミラーレイクは、まさしく「静」の旅路でした。

なるべく朝早く、波風の立たないうちに、その湖を訪れました。


次第に深い谷間に光が差してきました。



朝のまぶしい光です。



湖の上流に向かう途中、岩場に座ってで小休止。



これが、その上流。静かな湖の姿と違って、たいへん激しい流れです。



谷間を勢いよく流れ下っていきます。



トレイルの途中で見つけた小さな花。



大きな岩の周りに木が。



ここは、ハーフドームという山のふもと。このちょうど反対側にミスト・トレイルがあります。

このミラーレイクは、雪解け水が涸れる夏以降、姿を消してしまいます。

「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」

方丈記の一節を思い出しました。

****************
ミラーレイク
自分の心を映す鏡池
その源流を訪ねれば
激しい流れ
きっと、そのまた奥の源流は
したたり落ちる
静かなしずく
****************

どこに行っても、そこには自分があります。

この日、また自分の心の奥底まで旅をしたように思いました。

ネヴァダ滝番外編―ジリス

2011-07-15 02:20:00 | Everyday is special
ドイツで行われているサッカー女子のワールドカップでは、日本チームが大活躍していますね。
堂々の決勝進出。おめでとうございます。
決勝はアメリカとの対戦。
もちろん日本を応戦しますよ。

さて、ネヴァダ滝の上では、もうヘトヘトに疲れてしまったので、滝の脇の岩場で少し座って休むことにしました。
ふと目を上げると、なにやら小さな動物が立っているのが見えます。

はて、何かな。


これは、ジリス?



近寄ってみると、やはりジリス。調べてみると「ユインタ・ジリス」に見えます。かなり近寄っても動じません。



ずっと立っていて、ひなたぼっこをしているのか、はたまた瞑想をしているのか・・・。



少し風が出てきて、寒そう(これは5月下旬の山の上)。



これは、滝を登る途中で見たジリス。



かわいらしいですね。


というわけで、滝の上ではかわいいジリスに、こころが和みました。

ありがとう。

ヨセミテの旅―ネヴァダ滝

2011-07-13 09:40:00 | Everyday is special
カリフォルニアからこんにちは。

こちらヘメットは、今週は朝晩が15度くらい、日中の最高気温も32度くらいと、とても涼しい(!)日が続いています。
今朝は、この時季に珍しい霧が周囲の山々を覆いました。

さて、前回の続き。

ヴァーナル滝を後にして、またどんどこ登っていきました。
目指すは、ミスト・トレイルのいちばん奥にあるネヴァダ滝です(上の写真)。



こんな大きな岩のような山の脇を登っていきます。



トレイルは、少し滝から離れているので、ヴァーナル滝のときのようには水をかぶりません。が、とても雄大です。(いちばん上の写真とは反対側を登っています。)



いよいよ滝の上流に着きました。川辺の岩の上に座り、お茶を飲んで、しばし大自然の中に身をしずめます。



これが、滝の流れ出るところの風景。すぐ脇に人が立っているのが見えます。



このとき、疲労で足がふらついていて、しかも高所恐怖症なので、滝の下を見に行く勇気がわきませんでした。柵も低くて、なんだか落ちてしまいそうな気分になりますし。子どもたちはへいちゃらでした。

ネヴァダ滝の上で、感じたこと。

***********
こんなに遠くまで
こんなに高くまで
こんなに奥まで
 来たのに

そこには自分があった

そして、大自然に抱かれていた

 *******

山をおりるとき
頭の中をひとつの歌が
ずっと巡っていた

何の歌かと思ったら
それは、ダニー・ボーイ

最後の'Oh Danny Boy, I love you so'を一緒に口ずさむと
涙が出てきた

それは、母からのメッセージと感じたから

ありがとう
母さん
***********

ようやく、2年前に帰天した母を身近に感じました。

ぼくは、母をガンで亡くしたわけですが、震災で突然に愛する家族や友人を失った方々の悲しみは幾ばくかと思います。
その悲しみを乗り越えるには、あまりにつらすぎます。
時間はかかるでしょう。
けれども、必ずこころと記憶がいやされるときがきます。
そのときまで、愛する人は、ずっと天国で祈り、近くて見守っています。
そのことを信じて、希望を失わずに生きてほしいと思います。

(ちなみに、平原綾香がDanny Boyを自分の作詞で歌っています。それもいいので、よかったらこちらをみてください。)

ヨセミテの旅―ヴァーナル滝

2011-07-05 01:30:00 | Everyday is special
カリフォルニアからこんにちは。

日本は節電の夏、いかがお過ごしでしょうか。
こちらもとても暑くて、日中は毎日40度以上になります。が、夜から朝にかけては18度くらいまで下がりますし、湿度がきわめて低いので、日本よりも過ごしやすいのではないかと思います。

さて、今回のヨセミテの旅は、心の旅になったと書きましたが、それは、まず大自然の中を巡礼の気持ちで歩いたということです。また、歩きながら母と歩いた信州の山々を思い起こし、大自然の中で、ようやく心の慰めをいただいたということです。

ヨセミテでは、国立公園内の宿泊施設は限られていますし、とても高価なので、ぼくは、公園の中心から60キロほど離れたマリポーサという小さな町に宿をとりました。
滞在中、そこから毎日車でヨセミテに通ったわけです。

さて、着いた翌日、さっそくビジターセンターに行き、広大なヨセミテ国立公園のおすすめのトレイル・コースを教えてもらいました。トレイル(Trail)とは、登山道というか、山の中を歩く道のことを言います。

さっそくその一つ、ミスト・トレイル(Mist Trail=「霧雨の道」とでも言うのかな)に向かいました。
公園内では、駐車場が限られているので、車を駐めてからは、無料のシャトルバスで移動します。
ちなみに、広大な国立公園に入るには入場料を払うのですが、7日間有効の料金が20ドルです。きっと環境保全の他にシャトルバスの料金なども含まれているのでしょう。

このミスト・トレイルには、大きな滝が二つあって、その最初の一つが、ヴァーナル滝(Vernal Fall)です。上の写真がそれです。Vernalは「春の」という意味ですが、この滝は、雪解け水の多い春や初夏以外は、きっと水量が極端に少なくなるのだと思います。


これがミスト・トレイルの入口の景色。雪解け水がとても豊富です。



奥に、ようやくヴァーナル滝が見えてきました。



滝に近づくと、霧雨(Mist)どころか、風に吹かれて飛んでくる滝の水が大雨のように降ってきます。下ってくる人たちを見るとびしょ濡れです。ぼくも、雨具のウインドブレーカーを着て、いざ登っていきます。



滝の真横の崖を登っていきます。高いところが苦手なぼくは、なるべく下を見ないように登りました。



息を切らしながら、ようやく滝の上に来ました。滝の上の上流の景色。



行きよいよく水が左へ流れています。



そして、いよいよ滝から流れ落ちます。



水の落ちていく、その先の風景に、思わず息をのみました。

ぼくは、ここまでの道のりで十分疲れ果てて、まずは川辺に座って自分で作ってきたおにぎりを食べました(宿には電子レンジがあるので、レンジで温めるご飯を使って。)
これが、まだミスト・トレイルの半分も来ていません。ビジターセンターで、往復7マイル(11キロちょっと)6時間のコースですよ、との声がよみがえり、いい加減疲れたし、ズボンや運動靴もびしょ濡れになったので、もう戻ろうかと考えました。

ところが、そのとき一人で登って来ていた元気なご老人と目があって、話を聞くと、彼は、なんと90歳とのこと。奥さんが、体が弱くて家にいるので、写真を撮って見せるのだと言います(いい人だなあ)。そして、地元に住んでいるので、何度も、このコースを登っているとか。
先を行く人々を見ると、小学校の低学年の子どもたちも元気に登っていきます。
周りの見知らぬ人々に元気をもらって、また登り続けることにしました。

強い日差しと乾燥した空気とで、ズボンも靴も乾いてきました。いざ、また出発です。