みちあき神父のふぉと日記

カトリック教会の司祭です。日記のテーマは「がんばらない―Take it easy―」。ここで、ひと息ついてくださいね。

ふたつの司祭叙階のお祝い

2012-03-23 18:00:00 | Everyday is special
寒さ暑さも彼岸まで、とはいうものの、今年はまだ寒い日がありますね。

さて、この一週間、ふたつの司祭叙階のお祝いがありました。
ひとつは、東京教区の川村司(きんじ)神父さまの司祭叙階50周年のお祝い(金祝)、もうひとつは、さいたま教区の4名の新司祭の叙階式です。
(さいたま教区の新司祭は、姜玟周神父、佐藤智弘神父、國本俊一神父、そしてグェン・ゴン・ホアン神父です。)

叙階されてから50年の司祭と、生まれたての新司祭と、見事な対比を見たように思いです。

50年間、司祭として日々尊いミサを捧げ続けられた川村神父さま。
これからの日々、ミサをささげていく新司祭たち。

「あなたがたのうちに、よいわざを始めてくださった神ご自身が、それを完成してくださいますように」

との、司教による叙階式中の祈りを、あらためて捧げたいと思います。

本当におめでとうございます。



川村神父さまの金祝のミサがあった神の御摂理修道女会の聖堂(中目黒)。



遅咲きの梅の花。

大震災一周年の祈りの集い

2012-03-18 18:00:00 | Everyday is special
先週の3月11日は、各地で追悼の祈りが捧げられましたが、ぼくも、谷大二司教司式のカトリック日立教会での「東日本大震災一周年・追悼と再生を願うミサ」と、福島県いわき市にあるカトリックさいたま教区サポートセンターの「もみの木ステーション」で行われた祈りの集いに参加してきました(ギター伴奏者として)。

去年の3月11日(金曜日)は、ぼくは友部修道院にいました。
事務所で仕事中、最初はゆっくり揺れ始め、次第に大きくなっていったので、本棚を押さえようとしました。が、そのうちに押さえきれなくなって危ないと思い、部屋を出たところで大きな揺れに遭遇。修道院内の物が散乱する音に包まれました。(あとから調べてみると、修道院のある笠間市は震度6強ありました。)
しばらくして揺れが収まってから、すぐに小さなラジオをつけました。友部は内陸に位置していて津波は来ないのですが、津波警報を聞いて心も体も震えてきて、心の中で「みんな逃げろ」と叫び続けました。
それから数日間停電が続き、テレビを見ることができなかったので、津波がどのような状況だったのか、ラジオだけではよくわかりませんでした。

その晩はかなり冷え込んで、周囲一帯の明かりが消え、漆黒の夜空が広がり、恐ろしいほどに星がきれいだったことをよく覚えています。

翌12日(土曜日)と13日(日曜日)は、四旬節の黙想会で日立教会に行くことになっていました。
道路がどうなっているかわからず、電話もつながらないですし、行けるかどうかわかりませんでしたが、行くことにしました。

12日は、修道院の故小林神父が近隣のクリニックが被災して透析を受けることができず、彼を紹介された遠い病院まで、送ってきました。
その後日立に向かいましたが、常磐道が閉鎖されていたので、国道6号を通って行きました。
途中、那珂川、久慈川などの川をいくつか渡りますが、道路と橋桁との境に大きな段差ができていました。じっさい、他の道路の橋のいくつかは、段差が大きすぎて通行不能になっていたようです。

日立市内に入るには、ガソリンスタンドに並ぶ車で大渋滞が発生していて、常陸太田方面の山道を通ってかなり遠回りをしました。
その途中、全半壊している家をいくつか目にしました。
清水が湧き出る所では多くの車が止まって水を汲んでいました。

日立教会に着いたとき、すでに何人かの信者さんがいらっしゃいました。
自分の家のことを後回しにして、来てくださっていたのです。
そして、ぼくのために夕食も準備してくださり、いっしょにいただきました。
黙想会は、もちろんできませんでした。

その夜は、近くの市役所の給水所まで、ぼくもヤカンを持って水をもらいに行ってきました。
たいへんな寒い夜でした。

翌日のミサには、少ないでしたが何人かの信者さんが集まってきました。
そして、市内の避難所に避難しているフィリピン人の信者さんたちも何人もやってきました。
ミサ後は、信者さん方の安否確認をし、さいわい、皆命は無事だということがわかってきて安心しました。

教会は、古い木造の信徒会館がかなりのダメージを受けました。
鉄筋コンクリートの聖堂と司祭館は大丈夫でしたが、後日ひびが入っているのがわかり、補修されることになりました。

あとから聞いたことですが、市役所の建物や市内でいちばん大きな病院の日立病院の少し古い大きな病棟が使えなくなり、建て替えることになるほどだったそうです。

復興には、まだかなりの時間がかかりそうです。
これからも祈り続けたいと思います。
そして、小さな事でも自分にできることがあれば、ささげていきたいと思います。

上の写真は、もみの木サポート・ステーションで行われた祈りの飾り。福島にハト(=聖霊、平和)のイメージ。



もみの木ステーションは、ログハウスになっています。



2階のミーティング・ルーム。暖かな雰囲気です。



目の前には、仮設住宅が広がっています。同じ地区に1000以上の世帯が避難生活を送られています。主に原発周辺から来られた方々だそうですが、放射能汚染ででいつ帰れるか分からない状況です。相当の心の疲弊と思います。


「フクシマ」の名が、ナガサキ、ヒロシマに次いで世界的に有名になってしまったことが、なんとも残念で悲しいです。

福島の原発周辺から避難して来ただけで差別を受けたという話を聞くと、もっと悲しくなります。涙が出てきます。そして何とも言えない怒りがこみ上げてきます。
一日も早く、皆が人間的であたたかい生活に戻ることができますようにと願ってやみません。

東日本大震災一周年

2012-03-11 00:00:00 | Everyday is special
早くも東日本大震災の最初の地震と津波から一年が経ちました。
いまだに心が痛いです。
この日、心を込めて祈ります。

以下は、日本の全カトリック教会の本日のミサ公式祈願です。

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集会祈願
すべてを治められる神よ、
洗礼志願者とともに四旬節の典礼を行うわたしたちは、
一年前に起きた東日本大震災の犠牲者と被災地の復興のために祈ります。
いのちの源であるあなたのもとに召された人々を顧み、
永遠の安らぎにあずからせてください。
また、この震災と原発事故により、
家族を亡くし、家を失くし、生活の手段をなくした人々が、
一日も早く悲しみと苦しみから解放され、
安心して暮らせる日が来ますよう、あなたの力をお与えください。
聖霊の交わりの中で、あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

奉納祈願
いつくしみ深い神よ、
御子キリストにともに結ばれるわたしたちを顧み、
ここにささげる供えものを受け入れてください。
東日本大震災でこの世を去った人々が、
永遠のいのちにあずかることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

拝領祈願
いのちの源である神よ、
主の死と復活の神秘にあずかって祈ります。
東日本大震災で亡くなった人々が、
あなたのもとで終わることのない喜びに入ることができますように。
また、被災した人々が、
支え合う人々の働きを通して示されるあなたの愛に満たされて、
希望のうちに復興へと歩み続けることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。
カトリック中央協議会HPより
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(上の写真は今年2月29日の友部)


この写真は、昨年3月25日のふぉと日記から。



この写真は、昨年4月1日のふぉと日記から。

瀧山寺さんのこと

2012-03-09 21:00:00 | Everyday is special
春の陽気になったと思ったら、また冬の寒さに逆戻りしています。が、このような三寒四温を繰り返して、春になるのでしょうね。

先週末は、福島市のコングレガシオン・ド・ノートルダムのシスター方の静修のために行ってまいりました。
シスター方は「桜の聖母学院」という幼稚園から短大までの学校を経営していらっしゃいますが、大震災、とくに原発事故による放射能汚染関連で、児童・生徒数が減り、相当苦労をされていました。
そんな中でも、被災した子どもたちの支援のために一生懸命がんばっておれらます。

さて、せっかく福島まできましたので、山形の蔵王温泉スキー場まで、一人、また雪の黙想のために行ってきました。

そして、二日目の夜は、山形の友人の瀧山寺(りゅうざんじ=天台宗)のご住職と、懇意にしている山形市内のオアシスさんという食堂で、新年会(自称「宗教者サミット」という飲み会)をしてきました。
瀧山寺さんとは、同じ境内にあったカトリックのこまくさ保育園(現「マリアこまくさ保育園」)の園長をぼくがしていたときに親しくなり、たいへんお世話になり、今でも毎年「サミット(=飲み会)」を行っています。

こまくさ保育園の園長時代、すぐお隣の瀧山寺には、よくお茶を飲みに行ってました。
で、いろいろと宗教談義に花を咲かせていたのですが、あるとき、園の経営のことで迷って相談したら、

「人生、迷ったら、自分が損をする方を選んでおけば、まず間違いない」

と、教えていただきました。
大切な指針を与えてくださって、心に刻みました。

そして、今回また、積もる話をいろいろと聞いてもらいました。
そしたら、再び、

「人生、迷ったら、より苦しみの多い方を選びなさい。そうすれば間違いない」

と、教えていただきました。

彼は、ぼくより10歳も年上ですが、とてもありがたい友人を得たように思っています。

「自分が損をする方を」とか「自分がより苦労をする方を」との教えは、キリスト教的に表現すれば「より大きな愛を選ぶ」ということになります。
それを、人生経験豊かな仏教の大先輩から教えていただいて、ぼくは本当にありがたいと思いました。

彼については、たくさんのことを語ることができます。また、いつか書きたいと思います。

写真は、蔵王の雪の風景。霧も、またよかったです。



ブナ林。



パラダイス・ゲレンデの大好きなダケカンバの大木。



樹氷はほとんど解けていましたが、朝の冷え込みで霧氷がきれいについていました。



帰る頃に、ようやく青空が見えました(大森ゲレンデの林間コース)。

雪の祈り

2012-03-03 11:00:00 | Everyday is special
早いもので、もう3月になりました。
春は、もう来ています。
雪国の春も、もうそこです。

先日、またスキー黙想会(自称)に行ってきました。またW神父と一緒のスキーです。
今回は、信州のスキー場に行きたいとのことで、何年かぶりに野沢温泉スキー場に行ってきました。
初日は朝から雪でしたが、二日目は朝から晴れて、しかも気温が低く(お隣の飯山でマイナス15度)、絶好のスキー日和となりました。

雪の風景を見ると、自然と感謝の気持ちがわいてきます。
白銀の美しい世界を眺めていると、万物の創造主のことを思います。

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地において主を賛美せよ
海に住む竜よ、深淵よ
火よ、雹(ひょう)よ、雪よ、霧よ
御言葉を成し遂げる嵐よ
山々よ、すべての丘よ
実を結ぶ木よ、杉の林よ
(詩編148:7-9)
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毎週金曜日の朝に祈る、「ヒソプで水をふり注ぎ、わたしの罪を取り去って、わたしを洗い清めてください、雪より白くなるように」とのダビデの祈りも思い出します(詩編51:9)。
四旬節に、雪の祈りはいいですね。


これは、温泉街から日影ゲレンデに向かう動く歩道。別世界に向かうトンネルのよう。



朝の光が迎えてくれます。



スキー場の最高点、毛無山頂上からの眺望。



中央の山は高社山と、その北側の木島平スキー場。



右端の山は妙高山。



スカイラインというコースは、尾根づたいに続く5キロのコース。



このような風景の中にたたずみ、めでながら滑って降りたら、本当に心が洗われるよう。



これは、林間コースからの景色。



野沢温泉の民宿街がジオラマのように見えます。



これは、雪国仕様の車。しっかりとナンバーも付いていて、公道も走れます。クロネコの宅急便も、こんな車で配送しているのを見ました。



一日の疲れを取るのは、温泉。ここには13もの外湯があって、地元の方が通う共同浴場ですが、宿泊客も無料で入れます。