みちあき神父のふぉと日記

カトリック教会の司祭です。日記のテーマは「がんばらない―Take it easy―」。ここで、ひと息ついてくださいね。

バンテアイ・スレイ

2010-07-24 23:10:00 | Everyday is special
日本は夏本番どころか、たいへんな猛暑のようですね。フィリピンは常夏の国ですが、いまは雨季で、日本の夏よりは少し過ごしやすいのではと思います。

さて、カンボジアの黙想会の前日、朝早くからクバール・スピアンを巡った高橋まさや君とぼくは、午前中まだ時間があったので、バンテアイ・スレイという遺跡を訪ねました。

バンテアイ・スレイは「女の砦」を意味するヒンドゥー教の寺院で、10世紀に建てられました。ここは、紅色砂岩でできた寺院の至るところに彫られた美しい彫刻が見物です。中でも「東洋のモナリザ」と賞賛されたデヴァダー像(ウィキペディア)が有名ですが、今回は修復中とのことで、残念ながら見られませんでした。しかし、また素晴らしい遺跡を巡らせていただきました。ここも、世界遺産のアンコールワット遺跡群のひとつです。


長い参道を経て、いよいよ寺院の門をくぐります。



回廊は、まだ修復されていません。



これは、小さな門の上の部分ですが、ところどころ、このような見事な彫り物が見られます。白っぽいところは、修復された部分だと思います。



牛の彫り物の上部は、盗まれてしまったのでしょうか。



寺院の中心部。猿のような顔をした彫刻が見えます。左の建物は経蔵のようです。右側が「中央祠堂」の端になるかと思います。



「中央祠堂」の裏側になります。



寺院の周りはお堀になっていて、石段もあるので、水浴もしたのでしょうか。



この日は、かんかん照りのたいへんな暑さでしたが、まさや君のおかげで素晴らしい観光をさせていただきました。感謝です。

クバール・スピアン

2010-07-17 18:00:00 | Everyday is special
フィリピンからこんにちは。
今週は月曜日から昨日までタガイタイの黙想の家で会議があり、行ってきました。火曜日の晩から、さっそく台風2号が来て、かなりの風と雨が降り、黙想の家一帯は停電になってしまいました。その停電は金曜日まで続いていて、久々に夜はローソクの光を楽しみました。

さて、カンボジア滞在中、観光もしっかりしてきました。
黙想会の前日の午前中も時間が空いていたので、高橋まさや君が、彼自身も行ったことがないという遺跡、クバール・スピアンに連れて行ってくれました。

クバール・スピアンとは、川の源流を意味する言葉だそうですが、まさしくシェムリアップ川の源流にあります。市内からトゥクトゥクに乗って約50分、山あいのかなりの田舎です。


トゥクトゥクを降りてから、山道を40分登っていきます。ちょうど、筑波山の中腹あたりの登山道を思い出しました。


いよいよ源流に着きました。


川底の岩に、いろいろな彫刻が彫られています。雨季には水の中に見えるのでしょう。


ヒンズー教の神話などが描かれていています。


ヴィシュヌというヒンズー教の神。


おそらくはここで五穀豊穣を祈ったのでしょう。


川沿いの200メートルの間にさまざまな彫刻が見られます。


まさや君のおかげで、とても珍しい遺跡を巡らせていただきました。

カンボジアからW杯へのメッセージ

2010-07-10 19:30:00 | Everyday is special
またまたフィリピンからこんにちは。

いよいよワールドカップ・サッカーの決勝が近づいてきましたね。
カンボジアの人々もサッカーが大好きで、多くの人々がテレビを観ていることでしょう。

さて、そのカンボジアでの黙想会は、シェムリアップにあるイエズス会の霊性サービスセンターで行われましたが、そこに住むオーストラリア人のシスター・デニスにたいへんお世話になりました(黙想明けのお祝いに冷たいビールをご馳走していただいたりもしました)。
彼女は、内戦時代にタイに逃れていたカンボジア難民のために働いていた方で、その人々がカンボジアに戻ってきたときに、共にカンボジアに来られ、地雷除去やクラスター爆弾禁止などの活動を精力的にしながら、現在に至っています。

黙想会が終わってから、その彼女に一通の手紙を渡されました。それは、Youen Sam Enさんというカンボジア人男性のメッセージで、クラスター爆弾で両目と両腕を失った方です。その彼が、W杯サッカーの出場選手に向けてメッセージを発信したのです。

「わたしのために、とくべつな一蹴りをお願いします。クラスター爆弾使用禁止によって、子どもたちのために世界を安全な場所へと変えるために、親愛なる皆さんに手伝っていただきたいのです・・・」と。

クラスター爆弾は、大きな爆弾の中に小さな爆弾がたくさん入った大変恐ろしいもので、未除去の地雷同様、いまだに、その不発弾によって多くの人々が負傷したり亡くなったりして犠牲になっています。

彼の手紙の最後には、サインの代わりに彼の足のハンコが押されています。

シスター・デニスは、このメッセージをW杯サッカー日本代表の選手にも伝えて欲しいと言うのです。

手紙をシスターから受け取ったはいいものの、日本に戻ってきてから、さてどうしたらよいのかと悩んでしまいました。ぼくからいきなり日本サッカー協会に送っても、取り扱っていただけるか分かりません。そこで、NHKなら何とかしてくださるかもしれないと思い、ある番組のスポーツキャスターの方に、ぼくの手紙を添えて送ってみました。そうしたら数日後、お返事が来て、Jリーグ機構に送ってくださったとのこと。そして、さらに、Jリーグのキャリアサポートセンター長の中村裕樹さんから、たしかに受け取ってくださったことをメールでお返事をいただきました。

すでにW杯サッカーの期間中で、直接選手たちに伝わることはかないませんでしたが、中村さんから、次のようなことを教えていただきました。

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本大会は南アフリカ共和国開催ということもあり「世界の恒久的平和」を唱えるFIFAが「人種差別のない世界」について唱えました。決勝リーグ4試合において対戦する両チームのキャプテンがすべてのプレーヤーを代表しメッセージを行いました。
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とてもうれしく思いました。
また、すでにアスリートの方々が、さまざまな社会活動をしていることも教えていただきました(元日本代表サッカー選手の北澤豪さんの活動など)。

この場を借りて、お世話になったNHKのスポーツキャスターの方とJリーグの中村さんに心から感謝を申し上げたいと思います。とても誠実に対応してくださって感激いたしました。どうもありがとうございました。

上の写真は、カンボジアの人々の誇りであり、世界遺産であるアンコールワットの夜明け。

下の写真は、シェムリアップのイエズス会霊性サービスセンター入り口にあるユニークな像。イエスが、弟子の足を洗ったというヨハネ13章1-17節をカンボジア風に表現したものです。


洗おうとしても、地雷で足を失っているので、どうしましょう、と少しおどけているところ。



足を洗おうとする人も、ホントだ、どうしようね、と微笑んでいます。

シェムリアップ

2010-07-04 16:50:00 | Everyday is special
サッカー日本代表、よくがんばりましたね。パラグアイと互角に戦ったと思います。立派なベスト16でした。

さて、コンポンルアンに一泊してから陸上に戻り、バスと乗り合いタクシーで約3時間、シェムリアップに行きました。

このシェムリアップに、あの有名なアンコールワットなどの遺跡群(世界遺産)があります。ここで、日本信徒宣教者会(JLMM)の2名のスタッフが活動しています。

上の写真は、シェムリアップ郊外にあるクナ・トゥマイ子どもセンターです。ここで2歳から14歳くらいの子どもたちを対象に、言うならば学童保育のようなことを行っていて、JLMMの林愛子さんが活動しています。林さんは、この他にタオム村の教会にも出かけ、子どもや青年たちを対象としたプロジェクトに関わっています。

下の写真は、礼拝会という修道会が設立母体となっている女性シェルターです。ここで、礼拝会の日本人のシスターといっしょにJLMMの濱田麻里さんが活動しています。

林さんも濱田さんも昨年カンボジアに来られたばかりと聞きましたが、6ヶ月間の語学研修のあと、さっそく現場でがんばっています。その笑顔がたいへん印象的でした。






これは、シェムリアップ教会。右側の白い建物が司祭館と事務所。正面の木造の建物が聖堂。インドネシア人でイエズス会のフェリー神父さんが主任司祭です。



聖堂内部。カンボジアの教会は、このようにイスは使わずに床に座ってミサに参加します。



カンボジアの正装をしている聖母像。これは、シェムリアップ教会の近くにあるショファイユの幼きイエズス修道会の修道院の聖堂にあったものです。この修道院に5名の日本人のシスター方がいらっしゃって、今回の黙想会にも参加されました。



上と同じ修道院にあった聖櫃(せいひつ)。カンボジアらしい仏教寺院のような形をしています。シェムリアップの教会も、同じタイプの聖櫃でした。



これは、林さんにいただいたタオム村の教会のカード。創立130周年をお祝いしたところだそうです。カンボジア内戦で、ほとんどの教会が壊されてしまったそうですが、この教会は、田舎にあったからでしょうか、戦火を免れて残りました。