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■ 伊豆山温泉 「般若院浴場」 〔 Pick Up温泉 〕



伊豆山温泉 「般若院浴場」
〔2005年4月に閉鎖〕、下記は営業時のデータ
住 所 :熱海市伊豆山(喜志)375-8
電 話 :不詳
時 間 :14:30~20:00(6/1~9/30)、14:30~21:30(10/1~5/31)
     正月三ケ日は10:00~17:00 / 水休
料 金 :250円

2005年4月に惜しくも閉鎖、取り壊しされてしまった伊豆山温泉の伝説の共同浴場。
個性のつよいすばらしいお湯が楽しめたので、記録の意味でUPしておきます。

伊豆山温泉は、湯河原と熱海のあいだにある古い温泉地。
海側にある”走り湯”が有名ですが、伊豆山神社あたりの山側にも多くの泉源があり、バラエティ豊かな泉質が楽しめます。


【写真 上(左)】 バス停
【写真 下(右)】 般若院あたりからの眺め

山側エリアの代表格だったこの浴場は、伊豆山の山側、真言宗の古刹、般若院のよこにひっそりとありました。
前の道は細くPは近くにありませんが、そばにバス停はあります。
一軒おいた山側に櫓が建っているのでここが泉源かも。
般若院を挟んで反対側の海側にも櫓が建っているので、このあたりは泉源地帯のようです。


【写真 上(左)】 泉源?
【写真 下(右)】 近くの泉源

営業時間は通常14時半からですが、正月三ヶ日のみ10:00からあいているので2005年の正月、満を持して10時すぎに突入。
初湯狙いで混むかな~?と思いきや意外に空いていて、2人から独占となり、ゆったりとお湯を堪能できたのはいまとなっては貴重な体験。
(このときは、よもや半年もたたないうちに閉鎖になるとは思いもしなかった。)


【写真 上(左)】 泉源??
【写真 下(右)】 渋い脱衣所

共同浴場にありがちな無骨なコンクリ造の建物。入口から男女別に分かれる番台方式で、脱衣所にはがっしりとした渋い木製ロッカーが据えられています。


【写真 上(左)】 浴場
【写真 下(右)】 ほのぼの

浴室には味のある楕円形水色タイル貼5-6人の浴槽と手前に扇形の小さな浅めの上り湯槽?。
壁には地元の子供が描いたとおぼしき富士山と忍者?の絵が掛けられていてほのぼの。
カラン4(たぶん温泉)、シャワー・シャンプー・ドライヤーなし。
余計なものが一切ない浴室は清掃が行き届き、居ごこちがいいです。


【写真 上(左)】 浴槽
【写真 下(右)】 上がり湯?

浴槽は、ふたつのカランから温泉(熱いのでホース経由の注入、量はさほど多くない)と少量の水が差されていました。
槽内注排湯は見当たらず全量オーバーフローは、おそらくかけ流しでしょう。


【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 浴槽と洗い場

ほぼ適温のお湯は、無色透明で微塩味+弱渋味+αに焦げ明礬臭の奥ぶかい味臭。
さほどの濃度感は感じられないですが、妙に勢いのあるお湯で印象に残ります。
浴後はここちよい充実感とともに肌に焦げ臭が残り、「温泉に入ったな~!」という感じ。
北毛あたりの石膏泉とかなり印象がちがうのは、pH=4.4という微妙な液性が関係しているのだと思います。
上り湯のお湯は浴びただけなのであまり記憶がないですが、たしか浴槽より金気がつよかったような・・・。

同浴した地元の方によると、「伊豆山温泉は地元でも人気があって熱海から入りにくる人もいる。海側の『浜浴場』にもよく行くが、こことは全然違う塩っぽいお湯で温まるが石鹸が効かない。」とのこと。
海側、”走り湯”系の濃いめの土類食塩泉とは全く異質なお湯です。
めがねさんも指摘されていましたが、たしかに海側の走り湯系とは全然違うキャラのお湯で、あえて誤解をおそれずにいうと、姥子「秀明館」を濃くした感じのお湯かな・・・?。


【写真 上(左)】 湯色
【写真 下(右)】 今となっては貴重な分析書

渋いたたずまいといい、含蓄のあるお湯といい、温泉好きには応えられない浴場でした。
伊豆山でもとくにキャラの立った名湯だったので、入れなくなってしまったのはとても残念。
井戸は休止してしまったのでしょうか? それとも他の施設に送られているのでしょうか?

〔 源泉名:伊豆山56号 〕
Ca・Na-硫酸塩・塩化物温泉
63.0℃、pH=4.4、総成分=1733.149mg/kg
Na^+=274.9mg/kg、Ca^2+=247.2、Fe^2+=0.8、Cl^-=293.7、SO_4^2-=831.2、メタほう酸=8.8 <H2.2.19分析>

一郷一会100名湯

○ 元レポは「みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報」でもご紹介いただいています。

■ブランドグルメ
〔 七尾沢庵 〕
明治初期より湯治客の食膳に添えられていたという伊豆山温泉の名物たくあんで”伊豆沢庵”とも呼ばれます。
富士火山帯の火山灰土で栽培した練馬系漬物用品種の大根を11月に収穫、1ヶ月ほど天日で干し上げ、糠と塩で大樽に漬け込み15貫(56kg)ほどもある大石で重石をして、3年も熟成を重ねるという手のこんだもので、いわゆる”古(ひね)たくあん ”です。
製法のためか、しわの多さとパリパリした歯ごたえが特徴の逸品です。

〔 2010/11/21内容補強のうえUP (2005/06/02レポ (2005/01入湯)) 〕


E139.4.59.663N35.6.38.882
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