ぶっちゃけ…独り言?

日記と言うよりも雑記…映画とか漫画の感想やらスポーツの観戦記やら、そりゃもう思いっきり雑記です。

ゲド戦記

2006-08-26 | 映画 か行
4点 (10点満点。5点で普通。6点以上なら満足って感じです。)

ワタクシ、年に数回「ジブリ強化月間」と称してジブリ&宮崎駿作品を片っ端から観まくるくらいに”ジブリ好き”です。
実は最近も6月から7月にかけて「ジブリ強化月間」を実施したばかりでして・・・
ジブリに対する思い入れが強い分、この作品も観る前から色々と思うところはあったんですよね~。

ま、映画化の話を自ら持ち込んだはずの原作者ル=グウィンが映画の出来に不満を持っているとか、監督がこの業界では全くの素人であるとか、キャストがタレント・新人・俳優と声に関しては決してプロではない人に偏りすぎてるとか・・・
正直、不安な事ばかりだったんですけどね。

う~ん・・・
残念ながらこれらの不安は全て当ってしまいました。

原作を未読なので実際のところは分かりませんが、原作者が不満を感じているので恐らくは原作とは違ったものだと思うのですが・・・
話が面白くなさすぎです。
ストーリー構成が甘く、いつまでも回り道をしてるし、話や演出にメリハリがないから一向に盛り上がっても来ないし・・・
一体この話は何処から何処へ向かってるのか、全然分からなかったです。
どーやら吾朗監督のテーマは「ガンガンいこうぜ」・・・じゃなくて、「いのちだいじに」だったみたいですが、それを映像、映画として見せるのではなく台詞としてしか見せれなかったのも・・・
そこに収束させるためにやたら説教臭くなってしまった気がしました。
ちょっと素人が扱うには荷が重すぎる作品だったかなぁ。
描写不足・説明不足のオンパレードだったしね。

あと、作画レベルが・・・
『猫の恩返し』ほどではなかったけど、最近のジブリ作品と比べるとちょっと低かったですね。
あからさまにヘタレてるところもあったし・・・
動画チーム、もう少し頑張れ~。
色もいちおー保田道世女史が色彩設計として加わっているものの、彼女が関ってるところと、そーじゃないところが丸分かりなくらいにレベル差があったし・・・
色彩チーム、もうちょい頑張れ~。
てか、どーも『もののけ姫』をピークにジブリの作画レベルが落ちてるよーな気がしないでもないんですけどね。
いつも進行がいっぱいいっぱい(てか遅れまくり)だから厳しいのは分かるんですけど。

で、キャスト。
個人的にはやっぱり主役と一部の主要キャラはちゃんとした声優さんを使って欲しいです。
個人的には宮崎駿監督初の駄作と思っている『ハウルの動く城』もキムタクを始めとするタレント・俳優さんの”声だけの演技力”のなさが不満の一つだったのですが、今回もやっぱり・・・
どんなに役者として優れていても声だけの演技って中々出来ないですよね。
所詮、画面に映っているのは画なので、それこそ目を瞑っていても伝わるくらいの演技を声だけでして欲しいのですよ。
それにはやっぱり声優さんをもう少し多く使ってくれた方が・・・

それにしても、ついにジブリも世襲という最終手段を使いましたか。
宮崎駿監督か保田道世女史が居なくなればジブリは危機的状況を迎えるので後継者作りが急務なのは分かるけど・・・
『海がきこえる』で若手達にチャンスを与えたのに、宮崎駿がダメ出しした上に片腕だった近藤喜文を起用して同じタイプの『耳をすませば』を作る嫌がらせをしてしまい有望な人材が離脱でしょ。
しかも、近藤喜文監督は急逝・・・
『猫の恩返し』でジブリの若手有望株だった森田宏幸を、『ハウルの動く城』で今のアニメ界の若手No.1とも言える細田守を招いて後継者を作ろうとしたものの、森田監督はジブリとしてのクオリティを保てず、細田監督は恐らく宮崎駿とモメて完成間近に降板・・・
唯一、宮崎駿と同格なはずの高畑勲は一般ウケがイマイチで『となりの山田くん』でコケちゃったしね。
宮崎駿監督の圧力に耐えられて(受けなくて?)、かつ興行的にも宮崎ブランドを使えるので成功を見込める最後の砦が息子の吾朗監督だったんでしょうね。
でも・・・
やっぱり全くこの業界に関ってなかった人にいきなり監督をやらせるのはどーかと思うんですよねぇ。
しかも、全6巻にも及ぶ大長編の中からの映画化って、いきなりハードル高すぎですよぉ。

と、ジブリの話となるとついつい長く語って・・・
て、ほんとに長っ!
ま、この作品はワタクシ的にはダメだったので、勢いに任せて色々と言いたい放題ですが、それもこれもジブリ作品を愛すればこそです。
ほんとワタクシ、ジブリ作品でご飯三杯は食べられるくらいのジブリ・フリークなのでジブリ作品に対してより高いレベルを求めちゃうんですよね、きっと。
てか、高坂希太郎監督でジブリ作品が観たいと思っているのはワタクシだけ?
お願いします、鈴木P。


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