6.5点(10点満点。5点で普通。6点以上なら満足って感じです。
宮崎・高畑両巨匠がまぁ~ったく関らない(ん?『海がきこえる』は?ま、劇場長編アニメってことで)、完全世代交代を果たしたジブリの最新作で御座います。
監督は新世代のジブリを支えていくはずの、某プロレス団体風に言えば次代の大物、『
借り暮らしのアリエッティ』の米林”麻呂”宏昌。
で、ワタクシ、今更言うまでもなくチャイコフスキー、ジン・キニスキーと並んで世界三大スキー(意味不明)などと言われるくらいのジブリスキーなわけで、そりゃもう、期待やら不安やら不安やら不安で満ち満ちつつ、この作品&今後のジブリの行く末を見届けさせて頂きました。
てか、ぶっちゃけ、明らかにエンタメ性が低そーな内容なので、これを娯楽アニメ映画としてどー処理してるのか・・・
て、まさか間違っても芸術作品に仕上がってることはないですよね~、なんて思いつつ感想なのですが・・・
うん、まぁ、面白かったですよ。
ぶっちゃけちゃえば、ジブリにはもっともっともっとレベル高いものを求めてたりもするのですが、まぁ、取り敢えずは及第点は超えてくれたんじゃないかと。
背景やら美術なんてそりゃもうビックリするくらい細かく美しく丁寧に描けてましたし、何気にそこまで拘らなくて良い場面ではTVアニメレベルのクオリティだったりして、必要に応じ取捨選択が出来てましたよね。
って、もちろん全編超美麗が理想なのは分かりますけどね。
ただ、宮崎・高畑両巨匠のよーに時間とお金を無限(当社比)に使えるわけじゃないですから。
宮崎・高畑両巨匠の半分の製作期間と三分の一の製作費(当社比)でこれだけの作画クオリティなんだから、そっち方面は十分どころか満点に近いかと。
ま、動く方は結構微妙でしたけどね。
で、肝心の内容なのですが・・・
う~~~~~ん、惜しい。
やっぱりこの手のお話って、どれだけ主人公に感情移入させることが出来るかが鍵なんですよね~。
残念なことに、そこがちぃ~~~っと足りなかったかなぁ~と。
特に序盤は観る人に、こんな子なんだなぁ~と感じさせながら、頑張れ~~という感情を芽生えさせてくれないと。
空しか飛べなくてダッサイ服着てても何事にも一生懸命で良い子だなぁ~、みたいな。
せっかく良く出来た面白いお話でせっかくの良いオチなのに、そこが弱いもんだからもひとつドーンと来ず、もったいなかったですよね~。
てか、「こいつとんだイ○レ野郎なのか?」とか「単に中二病?」とか「実はその子の記憶?」とか色んな「もしかして」があってワタクシ的には一番良いところに落としてくれた(ファンタジー方面のあっちでも良かったのだが)ので、もっともっともっともっと前半頑張ってくれてたら良かったのになぁ~と。
ほんと、惜しかったです。
まぁ、『
借り暮らしのアリエッティ』の時にも言いましたが、やっぱり演出の経験値が足りないんでしょうね~。
アニメーターは毎度毎度強制的にでもかなりの経験を積めているのでジブリ内で成長出来るでしょうけど、演出は自分の映画の時にしか経験詰めませんからね~。
宮さんもパクさんも散々TVアニメで演出やりまくって、超超超超、経験を積んでの今(?)なわけで、ジブリにはそーゆー場がなく、麻呂にしても吾朗にしてもそこが圧倒的に足りてないんですよね。
ま、目の前に最高のお手本がいるのでそれはそれで良い勉強にはなるんでしょうけど、自身の経験値って意味では・・・
とまぁ、部外者のワタクシがそんなことに熱くなったところで仕方ないので・・って、そんなこと言ってたらどーやら吾朗はジブリ外のTVアニメをやるとか。
ぶっちゃけ、ちょっと期待してます。
てわけで、ジブリもワタクシも期待の米林監督の第二作目。
たまたまワタクシ的満足度は『
借り暮らしのアリエッティ』と同点になりましたが、今現在の心境ではワタクシ的には『マーニー』の方が良かったかなぁ~と。
なので、次が更に良くなるよー、すっごく期待しています。
とか言ってたたら、ジブリ、製作部門解体って・・・
いよいよその時が・・・
結構、鬱。
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思い出のマーニー@ぴあ映画生活