分類:催
酉小屋と松送り
酉小屋(とりごや)
場所:いわき市鹿島町下蔵持字八合(かしま病院職員駐車場脇の旧田地)
実施団体:鹿島地区地域振興協議会 歴史と文化委員会・地元有志
今朝(8日)は地域の人たちが酉小屋に、お正月飾りやお札を持ってきて6時の点火式に酉小屋と一緒に燃やし、今年1年の家内安全・身体賢固・五穀豊穣を祈念しました=写真
《勢いよく燃え盛る酉小屋から火の粉が天に向かって舞い上がった》
酉小屋は、いわき地方に古くから伝わる小正月の行事で、前年の12月の下旬に篠竹や藁を使って小屋を建て、新年の7日に子供たちが集まり囲炉裏をかこんで鍋物や餅を焼いて食べる行事です。
北陸や東北には類似した正月の行事が幾つもあって、例えば秋田の「かまくら」や、新潟の「鳥追い祭り」などがあります。鳥追い祭りは川端康成の小説「雪國」の中にも出てきます。
元来、酉小屋の原点はスズメやカラスなどの害鳥が田畑を荒らすので、それを防ぐためにお祓いをするという意味があり、併せて盛んに燃え上る火に虫が飛び込んできて害虫駆除の効果もあると言われています。
《酉小屋の中には神棚があって、囲炉裏も据え付けられている》
鳥追い祭りには、いわきと同じような小屋が建てられて、その名を「鳥追い小屋」と呼んでいます。
そこで、いわきの「酉小屋」というのは、ひょっとすると最初は「鳥追い小屋」だったのではなかったかという素朴な疑問が湧いてくるのです。「鳥追い小屋」が長い間、人々の口伝によって(野菜市場がヤッチャバに変化したように)、通称「酉小屋」で浸透してしまったのではないかと考えられます。
しかも、文字さへも「鳥追い小屋」から「鳥小屋」へ、「鳥小屋」から「酉小屋」になっていったのではないかと推察できます。
小さな子供が -どうして?- -なんで?- と訊ねるのと同じように私も、郷土史や民俗学に精通している方に、この辺りを解明して教えて頂けたらいいな、と考えながらの1年がスタートしました。
《防火上の問題も考慮して広い空地に昨日まであった酉小屋 ・ 幣束が掛かっているのは梵天竹》
《酉小屋の入口》
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