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小松基地問題研究会

こんなに恥ずかしい「押しつけ」論

2016年10月08日 | 教育、憲法、報道
こんなに恥ずかしい「押しつけ」論

 『Will』11月号には、「こんなに恥ずかしい日本国憲法」という特集が組まれ、古森義久(産経新聞論説委員)は「象徴天皇は私たちが作った―ケーディスの証言」という駄文を投稿している。

 古森はケーディスの「天皇を『国の象徴』とか『国民統合の象徴』とする表現は実は私たちがふっと考えて、作り出したものなのです」という証言を引用している。

 さて、古森はこの証言で、鬼の首を取ったように喜び勇んで、日本国憲法=「メイドインUSA(押しつけ)」論の根拠にしている。

 まあ、この手の話しは、憲法学者からすれば、反論するのもばかばかしい内容だろう。象徴天皇制論は1945年12月26日に憲法研究会(高野岩三郎、鈴木安蔵ら)が「憲法草案要綱」として発表し、28日に新聞各紙が大々的に報道している。

 ケーディスがGHQ民政局課長だから、この時点で、象徴天皇制論について知らないはずがない。しかも、同じく民政局のラウエルがこの「憲法草案要綱」に注目し、翌年1月11日に「所見」をマッカーサーに書き送っている。

 ケーディスは民政局の課長だから、当然ラウエルの「所見」を見ており、「ふっと考えて作り出したもの」などという作り話に飛びついて、この証言を検証もせずに、「メイドインUSA(押しつけ)」論の根拠とする古森の軽薄さに乾杯だ!

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