昨夜は酒席で、若い者とプロレスの話になったんですが、最近のプロレスは私から見ると芸能か演劇です。
それは若い者達もそう思っているらしく、元来、ショウ的な要素が強かったプロレスが今のように興行されていても、笑って楽しく観ていられるとのことです。
しかし、ねぇ~。
確かにプロレスは擬似格闘技かもしれませんが、それにしても往年の名レスラーが、オチャラケやっているのは哀しいかぎり……。プロレスラーは決して弱い存在ではなかったのが「昭和」でした。
今のようなプロレスがあっては、過去のプロレスまでが、それと同じ程度と思われることが、くやしいです。
あぁ、全盛期の日本プロレスの映像とかDVD復刻しないかなぁ……。と切望しております。鉄の爪・エリックとか暴虐タッグのブルーザー&クラッシャー、黒い魔神・ブラジル、ガチンコのダニー・ホッジ……、そんな凄い外人レスラー相手に奮戦した日本人レスラーの勇姿を、もう一度蘇えらせて欲しいのですが……。
ということで、本日も嬉しい復刻です――
■Cocksucker Blues / The Rolling Stones (Idol Mind Pro.)
1972年の北米巡業から作られた、ストーンズ禁断のドキュメンタリーフィルムが、これです。
その存在は、結局は幻となったライブフィルム「Ladies And Gentlemen」と対をなすものしとして、当時からファンの間では語り草になっていた代物ですが、ついに一般公開されることなく、地下市場で流布されていました。
内容は、セックス・ドラッグ・ロックンロールというストーズの生き様を赤裸々に映し出しています。例えば、あまりにも有名なキース・リチャーズのテレビ投げとか、女を連れ込んでの合意のレイプ、悪いクスリ、ハードな巡業での揉め事やグループ内の人間関係の縺れ、さらに業界人の汚い思惑や金と女のドロドロ……。
もう、こんなものを観ていたら、人を信用する気分が失せるほどです。
しかし、これほど人間臭いドキュメントも無いでしょう。あまりにリアルであるがゆえに、後にこれはヤラセが多かったという言い訳的なコメントがグループや関係者から出されたほどです。
で、この「Cocksucker Blues」はビデオが普及した1980年代から海賊盤ビデオとして様々な業者が販売していましたが、その画質は酷いものが大半でした。もちろん字幕なんか入っていませんし、会話にはスラングと端折りが多くて、とても意味が分からない場面が多々あったのです。
それか今回のブツでは、見事にリマスターされ、格段に画質が向上した映像に、待望の日本語字幕が入っています。あぁ、ここは、こういう意味があって、こうなったんだぁ~~~! と歓喜驚愕の連続です。当に目からウロコの連続!
気になるアノ場面、極度にアブナイ所だけ、ボカシも入れてあります。
それと目玉となるのが、ステージ終了後の楽屋での映像に、リハの音をバックにキースが「Brown Sugar」の歌詞を朗読するところでしょう。これは入っていないフィルムが大半ですから、貴重だと思います。
そしてもちろん演奏場面も入っていますが、完奏しているトラックはありません。それでもライブ最強時代ですからねぇ~♪ 物凄いロックンロールショウの本質に触れて、涙されること請け合いです。
特にこの時のツアーでは前座だったスティーヴィー・ワンダーとの共演場面「Uptight - Satisfaction」は、強烈なファンキーグルーヴが大爆発していて、後のストーンズのファンク路線の萌芽が感じられます。
もちろんミック・ジャガーは現在のような歌い方に変える前なので、激烈シャウトしまくって、痛快至極!
ということで、ある意味、18禁なんですが、ストーンズはもちろんの事、1970年代ロックに興味がある皆様は必見というブツです。ちなみに書き遅れましたが、海賊盤ですからねっ、DVD-Rなのは残念というか……。ただし初回盤にはライブ音源の抜粋CD-Rのオマケが付いてます。