昨夜、某宴会のビンゴ大会で、電子レンジが当りました。
と、まあ、ここまでは良かったのですが、なんとその場で持ち帰りなんですねぇ。外箱みたら16キロもあるんですから、困った、困ったです。
仕方なく寒中に大汗かいて駐車場まで運び、車に積んで帰りましたが、私は酒を飲まないので、これでOKでも、電車とかで帰宅する人なら困惑したでしょうねぇ。
ということで、本日は――
■Ry Cooder (Reprise)
凄腕ギタリストという範疇に留まらず、現在では所謂ワールドミュージックの大御所でもあるライ・クーダーは、しかし私の前にはストーンズ関連のサイドメンとして現れました。
それは1971年に発売された「スティッキー・フィンガーズ」に収められていた「シスター・モーフィン」という曲で、打ち震えるようなスライドギターを聞かせてくれたのが、決定的な出会いとなりました。
この曲は原題が「Sister Morphine」とされているように、明らかにモルヒネの禁断症状を歌っているとされますが、う~ん、確かに幻覚的中毒症状を感じさせるような曲調に、ライ・クーダーのスライドギターは欠かせません。
しかしストーンズとライ・クーダーの邂逅は、このアルバムが始めてではなく、既に「レット・イット・ブリード」に収められた「むなしき愛」でマンドリンを弾いていると、クレジットされていたのです。
しかも、この「シスター・モーフィン」は、その時のセッションと同時期に録音されていたものですから、個人的にはブライアン・ジョーンズの代わりを務めたのか!? という思いを禁じえません。
さらに後年、ライ・クーダー自らが語るところによれば、ストーンズとのセッションでは、自分のアイディアやフレーズが盗まれたという話ですから、穏やかではありません。実際、「ホンキー・トンク・ウィメン」における変則オープンチューニングによるリフとか、ノリそのものは、ライ・クーダーが作り出していたと言われても反論出来ないものが、後々、明るみに出てくるのです。
ちなみにストーンズとライ・クーダーの腐れ縁は、ミック・ジャガーの主演映画「青春の罠」のサントラ作りで渡英したジャック・ニッチェが当時、スタジオ・ミュージシャンとして重宝していたライ・クーダーを伴っていた事から始ったそうです。前述した「レット・イット・ブリード」のセッションも、その横流れで行われていたのですから、結果は押して知るべし……。
さて、このアルバムは、その「スティッキー・ファンガーズ」と同年に発売されたライ・クーダーの初リーダー盤で、我国でのタイトルは「ライ・クーダー登場」でした!
そして「シスター・モーフィン」でのスライドギターにシビレていた私は、当然、リアルタイムで買ってしまったというわけです。
ところが、中身が???の連続でした、正直なところ……。まあ、確かにストーンズ色の演奏もあったのですが――
A-1 Alimony
A-2 France Chance
A-3 One Meat Ball
A-4 Do Re Mi
A-5 Old Kentucky Home
A-6 Hou Can A Poor Man Stand Such Times And Live ?
B-1 Available Space
B-2 Big Meat
B-3 Police Dog Blues
B-4 Goin' To Brownsville
B-5 Dark Is The Night
――ちなみにプロデュースはヴァン・ダイク・パークス、録音されたのは1969~1970年頃と言われており、メンバーはライ・クーダー(g,vo,b)、ヴァン・ダイク・パークス(p)、ロイ・エストラダ(b)、クリス・エスリッジ(b)、マックス・ベネット(b)、リッチー・ヘイワード(ds)、ミルト・ホランド(per) 等々が参加しています。
冒頭「Alimony」はR&B歌手のトミー・タッカーが1965年にヒットさせた名曲のカバーですが、重いビートに変則的なノリのスライドギター、とぼけたボーカル、おまけに妖しい熱気の女性コーラスが混濁した名演♪ しかしリアルタイムの私には全く???でしたねぇ……。なんとも長閑な雰囲気としか言いようがなかったです。
それでも「France Chance」や「Do Re Mi」になると、ストーンズの名盤「ベガーズ・バンケット」風の演奏になっているので、馴染めました。ただしここにも混濁したストリングが入ったり、肩透かしのホーンとか意図的にズレたようなビートがありますから、遊び感覚なのか? なんて当時は思ったものです。
まあ、このあたりは実際に聴いて感じるしかないのですが、実はザ・バンドとかトラフィックあたりの全方位音楽のポリリズムがあったんですねぇ。
う~ん、これで良いのか!?
このあたりは有名曲の「Old Kentucky Home」やゴスペル味が濃厚な「Hou Can A Poor Man Stand Such Times And Live ?」でのストレートな味わいも深いものがあります。
肝心のギタリストとしての腕前は「Available Space」でのシンプルで力強いスライドとか、「Police Dog Blues」での素晴らしい生ギターのピッキングが圧巻!
そしてオーラスの「Dark Is The Night」での雰囲気ギターインスト♪ 生ギター&スライドの妙技が最高で、後年の名画サントラ「パリ・テキサス」の世界が既に堪能出来るのです。これを聴いた時は、本当にブッ飛びましたですねぇ~♪
ですから私はCDが出た時、迷わず買って、この「Dark Is The Night」を1曲目にセットし、続けて冒頭の「Alimony」から順に聴くという技を使っています。
もう、こうすると天国なんですよっ!
というよりも、実はこのアルバムが日本発売された当時、ラジオでDJの福田一郎がライ・クーダーについて解説していて、こういう鑑賞がベストと推奨していたのです。
そして私は、それからライ・クーダーが理解出来たというのが真相なのでした。もちろん今は生活に無くてはならない1枚になっています。
はじめまして、コメントありがとうございます。
バースライドは黒人ブルースの技ですが、それを1960年代からバッチリ使っていたのが、ストーンズでした。
ロックで本格的に使われるのは、1970年代に入ってからですので、如何にブライアン・ジョーンズが凄かったかという一言ですね。
ライ・クーダーはスライドだけでなく、アコギのピッキングも天才です。各種変則チューニングも多様ですし、とてもコピーは不可能でしょうね。
私のブログは今、ジャズとストーンズがメインになっていますが、本当はもっといろんな音楽を聴いていますので、これからもよろしくお願い致します。
内省的な作品を歌うSSWばかりが脚光を浴びていた時代に、ボトル・ネック・ギターでフォークやブルースを演奏するライ・クーダーの存在は少々異色だったのでしょうね。ワールド・ミュージックへと幅を広げる前のライの歌声とプレイが瑞々しくて良いですね。
キースのC&W好きは、ストーンズ初期から認められているみたいですよ。ただし当時のC&Wは、歌の内容が愛国心とか家族愛、さらに宗教観みたいなものでしたから、反体制のロックには馴染まないものだったのです。
グラム・パーソンズは、そんなC&Wを反体制の象徴である長髪姿で歌ってロック化した先駆者というわけですから、当然、世間からは顰蹙でした。
キースとグラムの接点としては、グラムが在籍していた時期のバーズが1968年にロンドン公演を行った時、そのライブに来ていたキースと意気投合したのが始りとされています。
あとオープンGチューニングは、低い弦から順にDGDGBDと調弦するので、リズムカッティングの時には6弦を外したほうがキレが良いという判断じゃないでしょうか。
ですからキーを変える時には、カポタストを使っていますよね。
なんにせよ、キースはヘタウマの極みかと思います。
キースは6弦をはずし、バンジョーチューニングにしたのは、そんな指摘から逃れるためだったのでしょうか?
しかし、キースがアメリカのルーツミュージックの影響を受けているとは知りませんでした。確かに、ギターはカントリー系の人が多用しているテレキャスですね。