■さすらい慕情 / 友永順子 (ビクター)
やっぱり真夏はベンチャーズ!
―― という美しい日本の風習(?)に従って、本日は久々にベンチャーズ歌謡のご紹介です。
それは昭和49(1974)年に友永順子が出した掲載のシングル盤A面曲「さすらい慕情」でして、原曲はベンチャーズが既に1970年7月に発売していたシングル盤「ジャガーのテーマ / The Mercenary」のB面に収録されていた「さすらいの心 / The Wonderer」を改題し、岡田 冨美子が訳詞を附した!?!
―― という、ちょっぴり違和感を覚えるクレジットの真相を確認すれば、なんとっ!
この「さすらい慕情」の作詞作曲はドン・ウイルソン、メル・テイラー、ジェリー・マギー&ジョン・ダリルという、当時のベンチャーズの面々の名前が表記してあるんですが、件のベンチャーズのシングルバージョンは当然ながらインストであり、そこでは如何にもジェリー・マギーという、クラシカル・ガスなギターワークが楽しめるわけですから、この「作詞」ってのは、何なんですかねぇ~~~???
しかし、それはそれとして、ここに竜崎孝路がアレンジした「さすらい慕情」はベンチャーズのオリジナル・インストバージョンよりは遥かにテンポアップした溌剌ポップス歌謡に仕上がっており、とにかくイントロから勢いのあるパーカッションが炸裂すれば、キャッチーなホーンセクションと流麗なストリングスが見事な水先案内人を務めるんですから、友永順子の持ち前の清涼で芯の強いボーカルが本当に心地良く楽しめるんですねぇ~~ (^^♪
サイケおやじは原曲「さすらいの心 / The Wonderer」のオリジナル英語バージョンは全く知りませんが、「さすらい慕情」の歌詞の世界は失恋と旅情をリンクさせた、まあ……、ありがちな路線とはいえ、メロディラインの程好いドラマチックな展開をキメのフレーズに強調していくアレンジは、なかなか秀逸だと思います。
それでも個人的な希望があるとすれば、演奏パートでオカズを弾くギターが、なにやらアコースティックなスライド、もしかしたらドブロギターっぽいところはギンギンのエレキで演じて欲しかったですねぇ~~ (^^;
しかし、それでも繰り返しになりますが、友永順子のボーカリストとしての資質は本当に素晴らしく、それほどヒットしたとは言い難い「さすらい慕情」が忘れられないベンチャーズ歌謡になっているのも、彼女の歌唱力があればこそっ!?
サイケおやじにとっての友永順子は、例によって「この人」シリーズの歌手ではありますが、コンプリートな音源蒐集を目指しながら結局、入手出来ているのは、これっきり……。
ただし……、他の音源に関しては、デビュー作と云われるシングル盤にカップリングされた「恋よサヨナラ」「愛は永遠に」の2曲がオムニバス盤に収録されてのCD復刻という現状は歓迎すべきではありますが、サイケおやじは、ど~しても当該アナログ盤が欲しいんですよ。
この気持ち、分かっていただけますでしょうか (^^;
それと最後になりましたが、前述した本家ベンチャーズの「さすらいの心 / The Wonderer」はアメリカではリアルタイムで出していたアルバムには未収録なんですが、流石に我が国では昭和45(1970)年2月に日本独自制作編集のLP「ゴールデン・ポップス」に、ちゃ~んと収録されておりますよ (^^)
おぉ~~!
するとっ、これは前述したとおり、本国アメリカでのシングル発売が同年7月ですから、やっぱり日本のレコード会社はベンチャーズの真価を理解し、ファンの気持に沿った仕事をやっていたという、尊敬すべき事実の証明でありましょう (^^♪
ちなみに、件のA面曲「ジャガーのテーマ / The Mercenary」はオーケストラを導入した、例の「ハワイ・ファイブ・オー / Hawaii Five-O」スタイルで作られているので、ベンチャーズならではのギターバンドのサウンドは薄味ですから、過大な期待は禁物でしょうか (^^;
一応は下に掲載したとおり、日本盤もアメリカと同時期に発売されていたんですが、それほどウケていなかったと記憶しています (^^;
ということで、本日は蒸暑い中、ネタの仕入れで、あちらこちらと猟盤活動&ブート屋急襲、そして新譜も物色したくて、輸入盤屋も徘徊出来たという、これもサイケおやじの幸せかと思えば神羅万象、感謝しかございません <(_ _)>
それなりに素敵な収穫もあり、お盆の墓参りも行けた昨日同様、こ~ゆ~心の安寧は大切にしたいものです。
台風も接近している現在、諸々の難事に冷静に対処するには、それも必須でしょうか。
皆様も安全第一で、過ごしましょうね。