内閣も相撲協会も優柔不断ですねぇ。日本国民として嘆かわしいかぎり……。
ということで本日は、ただただ、和みたい気分です――
■Sweet Stptember with The Pete Jolly Trio and Friends (ava)
今日は残暑が厳しいけれど、やっぱり秋の風が爽やかに感じられます。そしてこういう季節になると、ジャズ者は和み系ピアノトリオ盤が恋しくなりますねぇ。これは私だけでしょうか?
そこで聴くのが、このアルバムです。リーダーのピート・ジョリーはスマートなスイング感がウリの白人ピアニストですが、実は黒いフィーリングも嫌味なく取り入れる実力者! そのものズバリのタイトルはベタな雰囲気ですが、内容は先日ご紹介した「リトルパード」の姉妹盤ですから、楽しさと和みは保証付きです。
録音は1963年11月15日、メンバーはピート・ジョリー(p)、チャック・バークホーファー(b)、ラリー・バンカー(ds) のトリオを中心に、曲によってはハワード・ロバーツ(g) とケニー・フューム(per) が加わっています――
A-1 Sweet September
A-2 Kiss Me Baby
A-3 Yours Is My Heart Alone
A-4 I Have Dreamed
A-5 No Other Love
B-1 Any Number Can Win
B-2 Soft Winds
B-3 Oleo
B-4 Can't We Be Friends
B-5 I'm Begining To See The Light
――上記の演目は全てスタンダードやモダンジャズのオリジナル、そして当時のヒット曲なので、なかなか聴き易く、素直に和めますが、手抜きなんか全くありません。
まずアルバムタイトル曲の「Sweet September」が素晴らしい♪ 胸キュンのテーマメロディをワルツと4ビートを織り交ぜて解釈し、アドリブパートで豪快に変奏していく歌心とテクニックは驚異的ですねぇ~。演奏時間が短く、フェードアウトしてしまうが本当に勿体無いです。
また、さり気なくファンキー感覚を入れた「Kiss Me Baby」や「Can't We Be Friends」、逆にファンキーなテーマメロディを脱色していく「Any Number Can Win」のジャズ的な手法は、もう最高♪
ですからモダンジャズどっぷりの「Soft Winds」や「Oleo」あたりの爽快感は言わずもがな、「I'm Begining To See The Light」での軽さも良い感じです。
共演者ではラリー・バンカーのドラミングが素晴らしく、また長年の相棒となるチャック・バークホーファーも存在感があります。ちなみに参加メンバーは全員がスタジオの仕事でも物凄い実績を残した猛者ばかりですから、「No Other Love」のようなポビュラー色が強い演奏でも力んだところが無くて、結果オーライです。
肝心のピート・ジョリーは「Yours Is My Heart Alone」や「I Have Dreamed」のような自己中心の演奏でも、なんとなく気配りが感じられるという、本当に良いヤツっていう感じでしょうか。憎めません♪
ということで、これは和みの傑作盤!
しかも現在、紙ジャケット仕様の復刻CDとして発売中で、私が今、聴いているのも、それです。オリジナルアナログ盤との比較では、ステレオバージョンということもありますが、分離の良さと低音域を強調したようなリマスターが、かなり良好だと思います。
やっぱり秋はピアノトリオが一番でしょうか♪