■Don't Let Me Down c/w 瞳を閉じて眠らないで / Phoebe Snow
(Columbia / CBSソニー)
バカヤローの松本某が大臣を辞めたのは当然が必然で、その潔さは最低限の矜持だったでしょう。
しかし、その会見の中でサイケおやじが大好きなフィービ・スノウの名前を出されたのには、またまた抑えがたい憤怒の気持を覚えました。
まあ、これは個人の好き嫌いですから、なにもダメな人格云々の話ではないんですが、おまえには言われたくないっ!
そういうことです。
ただし、これを不幸中の幸いとして、フィービ・スノウという素晴らしい歌手に興味を抱いていただければ、あのトンデモ政治屋にも存在価値が少しはあったという事になるのでしょうか……。
で、肝心のフィービ・スノウは1974年夏に突如としてブレイクした黒人女性歌手なんですが、そのスタイルはギターの弾き語りを基本としながらも、決して普通(?)のフォークシンガーではなく、ブルースやジャズスタンダード、さらには中南米エスニックからニューソウルの領域もカバーする、なかなか奥深い音楽性がジワジワと迫ってくる逸材でした。
そして実際、同年に発売されたデビューアルバム(Shelter)ではテディ・ウィルソン(p)、ズート・シムズ(ts)、チャック・イスラエル(b) 等々のジャズの大御所が参加している話題に負けず、本当に芯がブレない魂の歌を披露し、忽ち注目されたというわけですが、確か我国でもジャズのラジオ番組で異例とも言える彼女の特集が放送されたと記憶しています。
こうして、言わば実力派としての地位をいきなりに築いたフィービ・スノウは、如何にもニューヨーク出身らしい都会的な部分と決してこじつけではない原初的な歌の魅力を両立させる活動に邁進し、多くのファンを獲得していったのですが……。
ご存じのとおり、本年4月、享年60歳で天国へと召されました。
実はその時、サイケおやじは追悼文をここに掲載しようと思ったのですが、やはり様々な思いが去来して纏めることが出来ず、それがあまりにも酷すぎる今日の社会情勢によって、少しは書けるようになったのは皮肉としか言えません。
そこで幾つも残された彼女の素晴らしい歌の中から、思わず取り出したのが、ビートルズでお馴染みの「Don't Let Me Down」を素敵にカバーしたシングル盤です。
言うまでもなく、がっかりさせないで、と訴えるフィービ・スノウの魂の歌心は、松本のバカヤローはもちろんの事、迷惑な存在以外の何者でもない総理大臣以下、内閣の面々には絶対に届いて欲しいものです。
ちなみにフィービ・スノウの魅力のひとつには、歌のフェイクの上手さがあって、良く知られた曲メロを独得のフィーリングで変化させていく味わいは、当然ながらジャズやブルースの常套手段を用いつつも、イヤミがありません。
それはこの「Don't Let Me Down」でも存分に楽しめますし、中盤でのレゲエ&カリプソ風味のアレンジに横溢する不思議なムードは、サイケおやじの稚拙な文章力では説明不能の素敵さですよ♪♪~♪ なによりも、こういう歌を力まない説得力で表現出来るという感性が凄いと思いますねぇ~~♪
そしてB面収録の「瞳を閉じて眠らないで / Don't Sleep With Your Eyes Closde」が、これまた軽くて楽しいカリプソ調の隠れ名曲で、当時はアルバム未収録がウリになっていましたですね。もちろんサイケおやじが、このシングル盤をゲットしたのも、それが目当てだったのです。
ということで、フィービ・スノウは所謂シンガーソングライターとして、自作の歌もどっさり持っていますし、ヘッドアレンジの力量やカパーの選曲センスも素晴らしいミュージシャンでした。
今となっては、プライベートでの様々に不条理な問題を抱えながらの活動も、その虚実が各方面で語られほど、ファンは尚更にせつない気分にさせられると思いますが、例えなんであろうとも、フィービ・スノウという歌手の存在と歌ってくれた楽曲音源の魅力は不滅だと思うばかり!
こういう人の歌は、本当に大切に聴きたいもんです。
ただこれまでは単なる黒人女性シンガーくらいの認識だったのですが、サイケおやじさんの解説を拝読し、その認識を改めました。
ところで1975年前後という時代は、フォーク系のミュージシャンのバックをジャズ系のミュージシャンが務めるということが流行ったのでしょうか?
ジョニミッチェルのライブ盤もそうですし、1975年(?)頃のS&Gのコンサート(再結成?)もそうではなかったでしょうか?
クロスオーバー誕生する直前でもあります。
まさか彼女の名前が発せられるとは
夢にも思ってみませんでしたが、
このことが切っ掛けで今年亡くなられていたことを
初めて知った者のひとりになります。
唯一所持していたアルバムが
『Never Letting Go/薔薇の香り』なんですが
そのノスタルジックな少女の写真をあしらった
ジャケットに惹かれたのが入手の理由の
ひとつではあるも
彼女はデビュー当時から耳にしており
デビュー・アルバムは
欲しいレコードリストの一枚に数えるほど
注目していたものでした。
デビュー当時から味わい深かく、
独特のクセのあるヴォーカルスタイルが
今無性に恋しくも
今度リリースされますリマスター盤は
ご遠慮させて戴くこととし
アナログ盤をGETにて癒して戴こうかと
目論むしだいです。
コメント感謝です。
フィービ・スノウ、まずはシェルターで作られたデビューアルバムから聴いてみて下さいませ。ほどよいジャズっぽさ、洒落たブルースフィーリングが素晴らしく、シビれますよ♪
ジャズの大御所が起用されたのは、おそらくプロデューサーのフィル・ラモーンが仕組んだことじゃないでしょうか。
この人の製作音源は、とにかく本物のジャズミュージシャンが当たり前のように参加しています。例えばビリー・ジョエルの「素顔のままで」はフィル・ウッズのアルトサックスが最高の間奏を演じていましたですね。
ちなみにラモーンとウッズは学生時代からの親友らしいですよ。
それと当時のシンガーソングライターのアルバムに参加しているフュージョン系のメンツは、スタジオセッションからの流れじゃないでしょうか?
もちろん彼等の凄腕が買われての結果だと思いますが、フォーク系に限らず、その頃の歌手はほとんどがジャズ&フュージョン系のバックを使うのが流行というよりも、当たり前だったのです。
これは1960年代からの音楽産業としての伝統であって、特にフュージョンを意識していた事は結果論かもしれませんね。
コメント感謝です。
フィービ・スノウもついにリマスターCDが出るのですか!?
一応、アナログ盤は揃えていますが、食指が動きますねぇ~~♪
個人的にはデビューアルバムが最高に好きですが、コロムビアに移籍してからの軽いタッチも捨てがたく、結局は全てが愛聴盤になっているのでした。
僕は仙台出身&在住ですので松本バカタレは絶対に許せん!と憤っておりました。
絶対に許せはしないのですが、サイケおやじさんの言うとおり、亡くなったばかりのフィービに時ならず光があたることになったのは、あのバカタレの残したわずかな功績かもしれません。
ファースト以外は未聴でしたので、リマスターCDを芽瑠璃堂に予約して、8月の発売を楽しみにしていたところでした。
それにしても、ズート・シムズのテナー・サックスとフィービの声ってすごく良く合いますよね!
コメント、ありがとうございます。
まさに松本のバカヤローは歴史に残る愚か者ですよ!
自分も含めて、直接的な被害の無かった国民のほとんどが激怒したんですから、被災された皆様の胸中、如何ばかりかとせつなくなりました。
さて、しかしそれにしてもフィービ・スノウは何時聴いても心に染みますねぇ。
ズート・シムズは歌伴もセンスが良くて、いろんな名演を残していますが、フィービとの共演も決定的なひとつじゃないでしょうか。
新リマスター盤、やっぱり予約してしまいました(微笑)。
これからも、よろしくお願い致します。