OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

クラッ! と、正統派

2023-03-23 18:54:47 | 歌謡曲

誘惑光線・クラッ!/ 早見優 (taurus / 東芝)

早見優は説明不要、所謂「1980年代アイドル」の中でも極めて王道路線を歩んだスタアという共通認識は揺るぎないものと思いますが、逆に言えば、それゆえに例えばアイドルシンガーとしての全盛期に残したシングル曲には、いまひとつ……、面白味が足りない?

―― というのが、サイケおやじの忌憚のない意見です (^^;

う~ん、仕上りは流石に纏まった楽曲であり、早見優のボーカルにしても、ナチュラルな平凡さと申しましょうか、幾分メリハリに欠けた節回しが、如何にもキュートなアイドルっていう感じで、極言すれば、ルックスどおりの声による歌いっぷりはド真ん中の正統派であるがゆえに…… (^^;

しかし、その中で確実にサイケおやじのツボを刺激してくれたのが、昭和59(1984)年3月に出した本日掲載のシングル盤A面曲「誘惑光線・クラッ!」でありました。

それはアップテンポで打ち込みメインのデジタルサウンドで彩られたディスコ歌謡の進化系という印象でありながら、歌詞の世界はボーイフレンドに誘いをかける乙女心の清純な生臭さ?

―― みたいな、可愛いセクシー路線の歌詞に附されたメロディにしても、小粒ながら美味しい黄金律が次々に積み重なっているという周到さで、これは作詞:松本隆&作曲:筒美京平という輝かしいクレジットを確認すれば、納得して脱帽するしかありませんし、既に述べたとおりのデジタルサウンドにはサイケおやじが苦手のテクノ系ベースまでも使われていながら、ストリングスは往年の響きという、こ~ゆ~気の利いたアレンジは大村雅朗の如何にも「らしい」イイ仕事でしょう (^^♪

そして肝心の早見優のボーカルは、それほど前に出ず、それでいて決して引っ込んでいないという絶妙のミックスがあればこそ、ちょっぴりドライな声質を逆手に活かされた(?)様なセクシーさが、たまらないところですよ、サイケおやじには (^^)

う~ん、このあたりの仕上り具合は、ソングライター陣&アレンジャーばかりか、製作スタッフ全員の創意工夫がジャストミートだったと思うばかりです。

ちなみに楽曲そのものは、早見優としては恒例という、某化粧品メーカーとのタイアップ作品でしたから、そっち方面からの意向も見事に反映されていたのかもしれませんが、全ては早見優という正統派アイドルシンガーの存在があってこその成功作でしょうか。

いゃ~~、曲タイトルに感化されるまでもなく、クラッ!

―― させられますねっ!

ということで、早見優は何時までもアイドルでやっていける存在であり、子持ちのママドルとしての活動にも華やかさが失われてないという、羨ましくも稀有なスタアという見方すらすれば、真正アイドルシンガー時代に爆発的なヒット曲を放てなかって事が逆に幸いしている様な気がしております (^^;

いゃ~、「スタア」の定義って、殊更芸能界では、一筋縄じゃ~ありませんねぇ~~。


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