OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

オルガン歌謡の若大将

2023-11-28 17:21:50 | 歌謡曲

幻のアマリリア / 加山雄三 (東芝)

とにかく加山雄三が大ブレイクしていた昭和40年代は、もちろん自身の主演映画「若大将シリーズ」において、痛快な演技に颯爽とした歌と演奏の両方を遺憾なく発揮していたからではありますが、流石に年齢的な壁と申しましょうか、三十路ともなれば学生には見えづらくなり、それゆえに前述の人気シリーズも社会人になった若大将が描かれるというスタイルに転換された事は歴史的事実として、その端境期に作られた映画や関連楽曲には、それゆえの面白さが確かにあると思っています。

例えば、本日掲載のシングル盤A面曲「幻のアマリリア」は昭和42(1967)年末に公開された「ゴーゴー若大将(岩内克己監督)」の挿入歌だったんですが、レコード化しての発売バージョンと劇中サントラ音源では当然ながらテイクも異なり、加えて歌詞の違っていたという逸話は良く知られるところでしょう。

もちろん、制作クレジットは作詞:岩谷時子&作曲:弾厚作=加山雄三ですから、楽曲そのものは何時もの味わいという、所謂「若大将節」が全開したミディアムテンポのポップス歌謡ながらも、劇中の若大将は驚くなかれ、トランペットを吹きながら、歌も披露するという新機軸!?!

そして、あらためてスタジオレコーディングされたシングルバージョンは、掲載したジャケットスリーブにも記載があるとおり、ハプニングス・フォーがバックを務めたもんですから、そのアレンジは河内邦夫=クニ河内によるキーボードサウンドがメインのラウンジロック仕様なんですねぇ~~♪

このあたりの経緯は知る由もありませんが、楽曲としての「幻のアマリリア」は前述した映画本篇の中では2回歌われており、その両方で歌詞が違っているのも問題(?)ですが、このレコードのシングルバージョンは2回目に歌われた歌詞に極め近くなっていますので、気になる皆様は既にソフト化されている映画「ゴーゴー若大将」をご確認くださいませ (^^)

いゃ~~、それにしてもシングルバージョンの「幻のアマリリア」は左にオルガン、右のピアノがミックスされた分厚い演奏パートが見事に「若大将節」を引き立てているというよりも、その素晴らしいコラボが最高ぉぉ~~♪

カントリー&ロカビリー、フォーク&フォーロック、エレキ&エレキ歌謡等々、その時流にアクセスした幅広い音楽性こそは、加山雄三というシンガーソングライターの神髄であろうと思うばかりですが、いよいよ……、ここではニューロックに踏み込んだ感もあり、同時に歌謡曲も大好きなんでしょうねぇ~~、若大将は (^^♪

ちなみに奥村チヨもレオ・ビーツと共に「幻のアマリリア」を企画レコーディングしておりますが、そのトラックは幾分エレキ歌謡っぽさを残した仕上りになっており、それはそれで魅力たっぷり (^^♪

現在では「チヨとベンチャーズとレオ・ビーツ」というCDに収録され、復刻されておりますので、これまたお楽しみくださいませ (^^)

ということで、この時期になると、こ~ゆ~キーボードサウンドもイイですよねぇ~~♪

実は、加山雄三の「幻のアマリリア」では、ちょっぴりですが、あのロシア民謡「トロイカ」がワンフレーズだけ、カラオケパートのオルガンで奏でられるという遊び心もニクイわけでして (^^)

オルガン歌謡、万歳♪♪~♪

コメント (2)
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