蒼穹のぺうげおっと

-PEUGEOT in the AZURE- マンガ・小説・アニメの感想を書き流すファフナーとエウレカ好きのサイトです

図書館にて

2004-12-23 07:32:32 | マリみて
昨日手に入れたので25日には何か記念記事でも掲載しようかなと。
えーと、タイトルとカテゴリで「何じゃ?」と思う人(が殆どですが)は軽く流しておいてください。
#感想はネタバレ配慮で年明けにやりますね。
以上、短信。

超個人的お勧め小説 第2位 『神様のパズル』

2004-12-22 13:46:09 | 小説 感想
超個人的お勧め小説も今回で2回目、第2位をお届けいたします。
例によって選定のコンセプトはこちら。

■超個人的お勧め小説 選定コンセプト■
1.広義のSF系作品
2.男女ともにお勧めできる作品
3.3巻以内で完結する作品

そんなコンセプトに基づき、私燕。が自身を持ってお勧めする小説第2位は、

■機本 伸司『神様のパズル』角川春樹事務所
第3回 小松左京賞 受賞作品

世の中にはこういう傑作が隠れているから恐ろしい。
恐らく商業ベースとしては成功していないと思われるし、作品・作者自体ベストセラー作家に比べるとかなりマイナーな部類に入ると思います(失礼)。
しかし、この作品は間違いなく傑作、このまま世に埋もれるには早すぎる、惜しすぎる傑作です。
誰かがプッシュしなければならないのなら、喜んでその役を買って出ましょう、惜しみなく買って出ましょう、それほどお勧めの作品です。
特に高校生、大学生に読んで欲しいところではありますが、これは老若男女問わずお勧めできる作品で、社会人はもちろんそれこそ登場人物には大学で学びたいという老人まで登場しますが、そういった方にもお勧めなのです。

■テーマは「宇宙のつくり方」
宇宙をつくる、なんてこと考えたことありますか?
そもそもどうやって出来たんだ宇宙って、ここに今宇宙があるのならつくることもできるんじゃないか?
そんな壮大なテーマに真っ向から挑むのは、超天才の16歳少女(飛び級大学生)と落ちこぼれ大学生のコンビ。
その超天才が基礎理論を構築し、多くの企業・研究所が出資した「重ヒッグス粒子」を発見するための研究が行き詰まるところから物語は始まります。
超天才ならではなの苦悩、孤独を抱えた少女と、就職、恋愛、卒論に悩む落ちこぼれ大学生(4年生)が、「重ヒッグス粒子」の発見というビッグプロジェクトをバックグラウンドに、真剣に宇宙のつくり方を検証していきます。
自分とは何かという宇宙とはまた違った意味での永遠のテーマを投影しながら。

宇宙なんてつくれるのか?誰もが思うことだと思います。
これはその永遠のテーマについて真剣に取り組んでいます。
しかし、宇宙のつくり方を通じて辿り着く主人公の結論に共感し、僕は涙を浮かべていました。
そしてこう思ったのです、これは紛れも無い傑作だと。

■物理なんて分からないよ
本作では物理用語がたくさんでてきますが、全く心配いりません。分かりやすく解説されているし、もしそれが分からなかったとしてもこの作品の本質を理解することにおいて全く支障ありません。
もっと大事なことが本当はかかれているんですから。
ちなみに私も文系ですし、物理を避けて通ってきたような人間です。
そんな私がブルーバックとか購入して今からでも物理の勉強しようかな、と真剣に思うくらいのめり込むこと請け合いです。

■物理が導くその先には?
(広義の科学という意味で)物理で説明できないものはない、物理は間違えない、どこまで行っても正しい。
これはある意味で正しく、ある意味で正しくない。
何故ならそれは「一側面」に過ぎず、世界は、現実は、もっと多面的で様々な要素で構成されているから。
落ちこぼれ主人公が「保証論」と名付けた卒業論文を提出するまでのプロセス、これをじっくり味わって欲しい。
#この辺の考え方については「鋼の錬金術師 第50話 最終話 感想」のベースになっています。

■何でも知ることが必要なのではなく、何が大事なのかを知ることが大切
超天才である16歳の穂瑞 沙羅華(ほみず さらか)と作中に登場する農家のおばあちゃんの対比は非常に興味深く、物理と農業というこの作品の中では全く正反対にあたる存在を対比させながら、「知る」ことの大切さを浮き彫りにしていく手法が素晴らしい。
生きていくうえでほんとうは何が大事なのか、何をしっていることが大事なのか、悲しいこともあるけれど、宇宙のつくり方を通して人にとって何が大切なのかという考え方に辿り着いていくプロセスが本当に素晴らしい。
最後のエピローグは大きな嵐の後に訪れた陽だまりのように優しく、温かいのです。

つい最近、日本でも理化学研究所において新しい113番目の元素(ジャポニウムやリケニウムという命名が有力)が発見されましたが、この本を読んだ人にとってはどこかくすぐったいような気持ちになるかもしれませんね。

本作はマーケティング的には失敗している作品なんで、書店とかにあるかどうか微妙なんですが、こういった傑作が世に埋もれる前に一読してみては如何でしょうか?
物理に興味を持つと共に、何か大事なことに気が付いた気がして晴れやかな気分になれるかもしれません。
これも本当にお勧めです。

■神様のパズル


蒼穹のファフナー 第24話 感想-追記- ~土と理解と親子の絆~

2004-12-21 21:10:00 | 蒼穹のファフナー
殲滅戦という最悪のシナリオではなく、総士の救出、そして北極ミールのコアの救出のために最後の戦いに赴くという最高のエンディングを見せた第24話。
その中でも対話、共生、受け入れ、そして「受け継ぐ」というあまりにも美しい感動的なつなぎを見せたシーンについてクローズアップしてみたいと思います。

■土(フェストゥム)と理解と親子の絆
第24話のエンディングで『Separation』をバックグラウンドに、最終出撃を目前にして真壁親子が交わした会話から。

父さん・・・、生きて戻ってきたら陶芸を教えてくれないか・・・、器の作り方や土のいじり方なんかを教えて欲しいんだ・・・。

この会話に込められた意味、それは恐らくこの蒼穹のファフナーに込められたテーマ、メッセージを端的に象徴した切ないくらいに美しいシーンだったのではないでしょうか。
「土」に込められた意味、そしてそれを「受け継ぐ」意味、それはBパート開始直後のフェストゥムとして再び登場した真壁赤音と真壁史彦と対話の中にある回想シーンにの会話にありました。

実体化したフェストゥムは全体が珪素系の物質で形成されてるわ。この宇宙でもっとも多く存在する物質。要するに、ただの土よ。

皆城たちが必死にミールを分析しているときに、真壁隊長は土に触れながら、フェストゥムを理解しようと言うんですか。

私は、彼らと会話がしたいだけ。アサギ君もやってみなさい。こうして土に触れていれば、いつかあなたも、フェストゥムの気持ちがわかるかもしれないわ。


陶芸家である真壁紅音は「土」と向き合い、「土」と会話することによって自分の分身となる作品を作りつづけてきたわけです。
そしてフェストゥムを構成する物質も「土」、そんな真壁紅音はフェストゥムをも理解しようとしていたんですね、陶芸と同じように向き合うことで、語りかけることで。
そしてその語りかけは10年間続き、ようやくフェストゥムの中に小さな、しかし新たな分岐を生むことに繋がるんですね、まるで10年の歳月をかけて陶芸作品を作り上げるように。

そして今、その息子である真壁一騎が、これもまた紅音の意思を継いで陶芸に挑む真壁史彦に、そして父親である真壁史彦に自ら陶芸を教えてくれと、「土」を教えてくれと頼む。
「土」を介して母親が、そして父親が何を考えて「土」と対峙してきたのかを息子が考え、そしてそれを受け継ごうとする。
それが今生の別れになるかもしれない出撃前に交わされた親子の言葉、親子の絆。
泣ける・・・。これはマジで泣ける。
母から父を介して息子へ受け継がれる想い、このシーン美しすぎます(涙)。
#ここで流れるangelaの『Separation』は切な過ぎて涙が止まりませんでした。

そしてこの受け継がれていく「理解しようとする想い」こそが、この蒼穹のファフナーのテーマであり、答えではないでしょうか。
最終回では恐らく一騎と総士の最終クロッシング(会話)でクライマックスを迎え、一騎と紅音の親子の「会話」の中に救いがある、そして全員生き残って欲しい、そんな展開が観てみたい、今素直にそう思っています。

Thanks to:えのっちさん(第24話のコメントより)、えみゅさん(回想シーン台詞使わせて頂きました)

■蒼穹のファフナー 公式HP■最終チェックはこちらから


蒼穹のファフナーのOP曲とED曲を収録したシングル
激しくも悲しい旋律で奏でる命の歌

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今週のジャンプ 3・4号 感想

2004-12-21 15:16:00 | ジャンプ感想
今週は合併号、厚みもぎっしり、内容もぎっしり、年内最後のジャンプ感想でございます。

■アイシールド21
っしゃあ!!
こむすびやったぜ!!
ここまでタメにタメた挫折、努力、みんなの想いをここで一気に開放、ほんとよくやった!
そしてその後、チビ3人トリオでボールを奪取するつなぎにフォローも良し!やったぜ。
また水町が嫌な奴というわけではなく、努力する天才であり、それとガチンコでぶつかってそこから突破口を開いたのだからこの感動は堪らない。
最後のこむすびの父親の台詞は締めくくりとして最高、年内最後に良いもの読ませて貰いましたよ。

■ワンピース
ネコ!?、いや豹!!それ反則!!
ネコじゃらしとかでゴロゴロしちゃうような伏線は無いのか(無いだろ)。マタタビとか(いや無いから)。尻尾を引っ張ると(いや違うマンガだから)。
つか、麦わらバラバラじゃん!
ゴーイングメリー号、フランキー、サンジ、みんなでウソップのもとに集結しかないか?

■ナルト
6話に収める必要がほんとうにあったのだろうか?単行本1巻くらいやってくれ!
このカカシのストーリーは個人的に本編よりも好きかもしれず、前回までの展開は非常に秀逸だっただけに、オビトの死から写輪眼移植についてはもう一話かけて描いてくれても全く問題ない、つかそれくらい描きこんでくれて十分だったんじゃないか?
しかし現在のカカシを形作るエピソードとして秀逸であることには変わらず、散っていったオビトに合掌。

■ブリーチ
単行本のカバー付録すげーな。そんなの見た事無かったよ。
さて、一護が最初から卍解を出さなかった理由は何故か?
1.まだ加減ができないから白哉を殺してしまう可能性があるから
2.主人公がボロボロの方が燃えるし、最高の状態で卍解出したらすぐ終わっちゃうから
3.一護の卍解、実はまだどんな風にしようか決まってないから
・・・さ、さんばん(殴)。

■デスノート
追い詰められた火口、まさか死神の目に手を出すとは思わなかった。
つかどうやって確保するの?ウェディとか大丈夫かな。
逃げ場が無いネズミほど危険なものは無い、噛み付くしかないから。

■ボーボボ
昨日、電車の中で立体メガネをかけている人を見た(嘘)。

■リボーン
クルーソーですか!?ロビンソンですか!?
ハ、ハルちゃん、最高ですよ、最高!!
ロビンソンですか!?クルーソーですか!?ではなく、クルーソーですか!?ロビンソンですか!?ですよ。
今回も短いながらハルちゃん最高です。
ああ、やっぱりハルちゃんがいるリボーンは違う。
そろそろハルちゃん特集を切実に希望します(反論は黙殺ですからね)。



■D.Gray-man
リナリーたんに蹴られたい。

■ムヒョとロージー
ムヒョとロージーという話については、怨念的な描写をすればするほど、その中に見える何気ない優しさが垣間見える、そういう対比構造を上手に表現している良作だと思います。
特に今回、依頼人といういつものパターンを使わず、ムヒョとロージーだけにスポットを当てて、ぶつかることはあるけれども互いに思い合っていたというエピソードは、余計な描写を省いていてシンプルでほんとに良かったと思います。
こういうエピソードが描ける作者だから、派手に見せるよりも丁寧にストーリーを積み重ねて欲しいなと。
応援しております。

■MP0
実はこの作者の『プリティフェイス』は読んだこと無くて(たぶん僕がジャンプから離れていた時期だったんだろう)、初めて読んだのですが、さすがに連載経験作家さんは読みきりの構成も上手くて安心して読めますよね。
これは同じ作品でやるかどうかは別として連載を意識したアンテナ的読みきりだったんでしょうかね?
#そうすると近いポジションに来そうないちごがピンチ?とか深読みしすぎか。

■いちご
ふふ、最後に4人を受け止めるには重すぎた、これが言いたかったのか。
一応、これで東西南北(南はどうかと思うが)スタートラインを合わせたってこと?
個人的にはずっと続いて欲しいんですけどね。

■武装錬金
先週の核鉄破壊はミスリードだったってことですね。
ここで戦部が引くというのは予想外だったんで、ホムンクルスを喰っても自分のポリシーは守るみたいなキャラがいると、ほんとうに化物の定義が難しいというか、和月先生はあえてそういう風に善・悪の区別を(少なくとも戦士レベルでは)しないということなのかな。
錬金の戦士たちも救いの対象である、そういうことですか?
再殺部隊の面々はひとくせもふたくせもあるし過去に何があったのか、そういうところまでやって救いの対象にするのかもしれませんね。
しかし、パピヨン、次に人気投票やったら確実に一位になりそうなほど好きになりそうです。

■ゲドー
えー、そっちに持っていくんですか?
それは止めて欲しいな・・・。
ドラゴンとフェニックス、ペガサス、あとはキグナスは何とかなるとしてアンドロメダはどうやって連れてくるんだ(いやマンガ違うから)。やっぱりフェニックスが(だから違うから)。

■WaqWaq(ワークワーク)
そういう引きかよ!オエーって。

■H×H
け、掲載されている・・・。
最近結構掲載されてるよ・・・。
しかもこのネーム風作画に完全に慣れてる自分がいるよ。

■こち亀
日本公認のサンタ、マンボミュージシャンのパラダイス山本もきっとこの大会に参加したに違いない。
つか、ほんとのサンタ試験では走ったり梯子のぼったり、サンタ笑いのテストがあるらしいよ(まじで)。
それにしても纏(まとい)ちゃんイイ!!

今年のジャンプも読み収めでしたが、面白かったですね。
新人読みきり3本載せたり、毎週富樫先生の代打ちがあったりして、どうなることかと思った時期もありましが、リボーンやD.Gray-manやレベルの高い読みきりが伸びてきたりして、今のジャンプやっぱり面白いです。
ではジャンプ読みの皆さん、また来年。良いお年を~(早いって)。
#ここまで書いて不安になったのですが、年内はもう発売ないですよね?>皆さん。

蒼穹のファフナー 第24話 感想

2004-12-21 03:00:00 | 蒼穹のファフナー
「蒼穹=青くて広い空」(by遠見真矢)

号泣!
そして最高!!
蒼穹のファフナー、最高だよ、Bパート後半、甲洋登場以降ずっと泣いてたよ。
エンディングで『Separation』がかかる頃には号泣してましたよ。
散っていった命たちに追悼を捧げつつ、新たな未来へ向けられた鍵を示した第24話。
凄すぎる・・・(泣)。

■死にに行くわけではない(byカノン・メンフィス)
涙の堤防が決壊したのはカノンのこの言葉からでした。
竜宮島に来るまでは自分はいつ死んでも構わない、居なくなってしまいたいと存在を拒否していたカノンの口から凛と発せられた言葉、この彼女の「変化」にこそ蒼穹のファフナーにおけるひとつのテーマであり、回答の一つがあった、それを思うだけで涙が・・・。
そして極めつけは
「生きて帰ってきたら・・・、母さんと呼んでも良いか」
もう泣かせてください、存分に。
カノン、君にも帰る場所があるじゃないか、そしてそれを受け止めてくれる人もちゃんといるじゃないか。
既にカノンの存在自体、凄惨な中に差す一筋の光明と化しています。
絶対生きて帰ってきて欲しい。

■遠見には生きていて欲しいんだ(by真壁一騎)
恐らくこれはみんなの総意、そして一騎の本心(そして恐らく視聴者大多数の意見)。
最終出撃直前に真矢がみんなの腕に書き込んだ竜宮島の座標「W175N57」、必ず帰ってくるという座標、それは最終回においてきっとみんなが何を見失ったとしても帰る場所を忘れない、絶対にそこに帰結するはず、そしてみんなの心の座標軸、それが遠見真矢という存在なんだよなぁとしみじみ思う。
この座標軸を見失わない限り、きっと帰ってこれる。
だから真矢、絶対死なないで欲しい。

■オレも護みたいに強くなれるかな(by近藤剣司)
ここまで生き残った剣司、絶対君は作中ジョーカーの役割を担うんじゃないのか?
最も精神的に弱かった剣司が、護、咲良の思いを引き継いで立ち上がる、強くなったよ・・・(涙)。

■ありがとう・・・みんな・・・さよなら(by春日井甲洋)
こ、これは、本当のさよならだ・・・(泣)。
フェストゥムとの共生の鍵の一端を担った甲洋、その命はフェストゥムとの最終決戦、そして総士の救出に赴くかつての仲間たちを北極へ送り出す共生のための礎となったのか、カッコよすぎだし切なすぎだろう。

■もはや戦う以外に術(すべ)がない(by真壁史彦)
完全に追い詰められていた竜宮島の人々が出した結論、それは殲滅戦であり、一度は共生の道を目指そうとしていたけれども、前回の壊滅的打撃でもはやその余裕が無くなってしまったんですね。
この台詞を発した瞬間が人類側とフェストゥムの差が最も無くなってしまった瞬間だったわけですが、それを救ったのはかつての妻、真壁紅音でしたね。

■「理解」しようとしたこと=「対話」による「新たな分岐」
紅音と史彦の難解な会話について、その全てを理解することはできないし、またそれも必要がないと思うんですよ。
ここでの重要ポイントは紅音が常に「対話」をし続けた、「理解」しようとし続け、その「対話」は今もなお続いている、「理解」し「受け入れること」が重要なんだよ、そこがフェストゥムと最も異なる点であり、それはフェストゥムと同化してもなお可能なことなんだ、つまり最も人らしい行為、それを忘れてはならない、忘れてしまってはフェストゥムと同じになってしまう、そういうことだと理解しました。
そしてフェストゥムとなっても(フェストゥムとしても)母性として一騎を気にかけ、史彦に「ありがとう」と告げる、これが人でなくてなんだと言うのでしょう(涙)。
第15話での総士と一騎の会話、そして今回の紅音と史彦、そしてフェストゥムとの会話、これだけでも蒼穹のファフナーのテーマをかなり昇華してしまっているんではないでしょうか。

■約束を守った道生さん
道生さん、あんたやっぱり生きてたよ、受け継がれていたよ。
一視聴者としてはそれだけでも嬉しいのですが、やはりこの新しい生命は最後の救いの光だと思いますし、パイロットたちに生きて帰ってくる理由の一つを明確に示している、やはりそれはパイロットたちの生きる希望になったんでしょうね(道生さんの最後の後輩パイロット育成なんだきっと)。
パイロットたちは次なる生命に伝える役目があるんだから、生きて帰ってきて欲しい。

■次回最終回
さあ、号泣する準備は出来ている、いつでもこいや!
たぶん録画になると思うけど、正座してみることにします(割と本気)。
総士との最後のクロッシング、そしてパイロット全員でそれを共有する、最高の見せ場でしょう。
殲滅戦ではない、総士の救出のための戦い、そして共生のための鍵を握る戦い。
そして総士と一騎の対話、「ここにいること」の昇華。
もはや誰も死ぬことができない、しかしそれでも分からない、どんなエンディングになってもしっかりと見届けたいと思います。

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超個人的お勧め小説 第3位 『空の境界』

2004-12-20 18:06:16 | 小説 感想
割と好評だった「超個人的お勧めマンガ」に引き続き、今週は「超個人的お勧め小説」のご紹介をしたいと思います。
年末年始の休みを利用して本でも読んでみるか、とお考えの皆様の一助になれば幸いです(て言っても私の趣味で紹介する本なんでそのへんご理解を)。

さて今回もコンセプトを定めてお勧めの小説を例によって3作品、1日1作品ずつご紹介致します(じゃないとお勧めがありすぎて紹介しきれないので)。

■超個人的お勧め小説 選定コンセプト■
1.広義のSF系作品
この中にはファンタジー、伝奇ものも含む広義のSFと捉えてください。つか、うちのブログの方向性そのものです。

2.男女ともにお勧めできる作品
うちのブログを参照してくれる人の構成比は(勘ですが)男女比率がだいたい同じ気がするので、極力男女問わずお勧めできる作品を紹介したいと思います。

3.3巻以内で完結する作品
年末年始の休みを利用して読んでもらうことを前提にしているので長編ものではなく、かつ完結しているものを選定します。
#3巻と言ってしまったのでノミネート作品の最大巻数がバレましたね。

上記コンセプトに基づき、私燕。が推薦する小説第3位は、

■奈須きのこ 『空の境界』 講談社ノベルス

これは今年読んだ小説の中でもか・な・り・凄かった、いや凄まじく良かったですよ。
既にこのブログでも紹介済みなんですが、それでも敢えてここで紹介したい。
#あいばさんのところでも紹介されているのであわせてチェックして見て下さい。

暴力的な表現もあるので女性の読者の方には最初のハードルが高いかもしれませんが、それを超えた先に見えるもの、その輝きを知っているだけに、敢えてお勧めしたいと思います。

■もはや伝奇というジャンルではない
新伝奇という宣伝文句が付けられていますが、そういう描写や雰囲気が強まれば強まるほどに、主人公両儀式(りょうぎ しき)と黒桐幹也(こくとう みきや)の関係性が透明度を増していき、ラストで辿り着く二人の姿は輝いていてとても美しい。
倫理という境界が崩壊しそうな絶望的な状況であればあるほど、研ぎ澄まされていく切ない純愛小説、そう言い換えても過言ではないと思います。

■随所に盛り込まれた「対比構造」と「境界」の意味に酔いしれる
様々な「概念」を各章ごとに描写しているのですが、その中に表現されている徹底した「対比構造」に注意して読んで頂きたい。
必ず一つの「概念」を語っていくにあたり、随所に「対比構造」が散りばめられており、その境目つまり「境界」の意味について考えるとき、いかにこの作品が緻密な計算に基づいて構成されているかを思い知ることになります。
この感覚に驚愕し、そして酔いしれて欲しい、間違いなく面白いですから。

■そして2回読むべし
「何も無い」と空虚に描かれていた「式」が、どこまでも「式」と向き合う「幹也」と触れ合うことで徐々に自分を取り戻し(創造し)、色付いていくプロセスはほんとうに切なくそして温かい、ここで辿り着くラストだけでも十分美しくかなり満足なところなのですが、エピローグの描写が最高に切なく、そして改めてこの作品がどれほど緻密に作られているかを実感することになります。
エピローグを読んだ上でもう一度この『空の境界』を読み直してください。
一文一文に込められた「仕掛け」、「対比構造」、「境界」の意味に再度気が付かされることになりますから。
そして最初に描かれた点と最後に描かれた点が結ばれる時、壮大な1本の「線」がそこに浮かび上がるんです。

一度目は緊張感と勢いで読破。
二度目は仕掛けの緻密さを味わうようにじっくり熟読。
私は既に今年3回読んでいます(それでもまた面白い)。

ノベルスを購入したのは実はこれが初めて、おかげで以後西尾維新作品とも出会えることになったきっかけをくれた本作。
いろんな意味でこの作品には感謝したい&お勧めの作品です。
なお、西尾維新作品をはじめ、この奈須きのこ氏の文章も中毒性が高いため、読後は十分お気をつけ下さい(笑)。

空の境界 上
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空の境界 下
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舞-HiME 第12話 感想

2004-12-20 13:34:31 | 舞-HiME
舞-HiME・最・高・!!

バトルエンターテイメントという観点で観れば舞-HiME、ほんと面白いよ、これは。
今回の各HiMEのチャイルド召喚シーンと、それに相対する深優との対決はほ・ん・と・に・し・び・れ・た。
悶絶死するかと思った(ふぅ)。

しかし皆さん、我々は忘れてはなりません。
このバトルのとんでもない緊迫感を与えているのが今は亡き和くんとあかねちゃんの存在にあることを。
改めて悲劇の二人に合掌。
そして碧ちゃん、早く出てきてください。

■新たなるHiME、雪乃
そろそろ来るか?と思っていましたが今週来ました!
雪乃のチャイルド召喚シーンとか、マジで良かった、カッコ良かったよ!
しかも召喚したチャイルド「ダイアナ」が触手ってのはアリなのか?いや、この際、何でもアリだろう!
鏡が全面展開するシーンとかしびれすぎ。
こういう非戦闘系の情報収集型チャイルドもいるわけで、雪乃らしくていいよねぇ。
その代わり雪乃自身が狙われると危なくて、危なくて。

■チャイルド召喚シーン
これ、毎回思うんですが良すぎないかい(誰に聞いてるんだよ)?
雪乃もすげー良かったですが、その後に続くなつきのデュラン召喚、そして「ロード クローム・カートリッジ!撃てー!」の決め台詞(深優にかわされはしたけどやっぱりイイ)。
そしてやっぱり舞衣のカグツチ召喚。
舞衣の魂みたいなのが表出してその胸から剣が抜け出てくるシーンは何度見てもイイ!!

し・か・も、今回はそこで真っ向勝負する深優がまたカッコいい!!
MIYU OS開放、リミッター解除みたいで、銃弾をよけるシーンとかしびれすぎでしょう。

またこの戦いのバックで流れる梶浦由紀の音楽がまたカッコいいことこの上なし!!

■アリッサは黒かった
アリッサ、金色じゃなくて真っ黒でしたよ。マジすか。
あの態度は世を欺く仮の姿だったのか・・・orz(全国のアリッサファンが泣くよ、でも新しいアリッサファンができそうです)。
これで、風花学園における、「どっちの小学生が黒いでショー」が開催できます。
アリッサの黒さが目立った今回ですが、小学生理事長も負けていませんでした。
雪乃にHiMEの力を使わせるべく、「遥が危ない」と超殺し文句を言う訳ですから、これって脅迫だよ!
という訳で第1回「どっちの小学生が黒いでショー」は引き分け(続くのか?)。

■対深優と今後
深優の戦闘力と戦術レベルは今のHiMEたち単体では勝てないだろ、つか強すぎ。ターミネータークラスだよ。
HiME同士の連携、チームワーク、これが問われることになるんでしょうね。
つか、深優が複数登場してきたらどうすんだよって感じだし。

■遥と藤乃
遥かは雪乃の「たいせつなもの」に確定してしまったんで、HiMEとしての設定はあるんでしょうか?
ひょっとしたらHiME設定無いかもしれませんね。理事長の言葉は単に雪乃を動かすためだけなんでしょうかね。
遥にもHiMEの能力があっても良いなと思ったり思わなかったり(無ければ無いで雪乃が遥を守るというシーンに燃えます)。

で生徒会長の藤乃。更に謎。自身もHiMEなのか、それとも一番地の人間か。全く分かりません。
黎人や美術の先生あたりもHiMEを監視するための一番地側の人間なんじゃないかと訝しいんでみたりみなかったり。

■なつき
なつき、最高。もうサービスキャラとしてこのうえなし!

■次回
おお、浴衣!!
しかも舞衣と黎人?

最近、舞-HiMEが良すぎて、夜空を見上げたら月の隣に赤い星が見えそうな気がします(えー)。

そんな舞-HiMEのDVD第1巻は1/28発売です(予約だと20%OFFらしい)。
『舞-HiME』DVD Vol.1
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ガンダムSEED DESTINY 第10話 「父の呪縛」 感想

2004-12-19 02:17:29 | ガンダムSEED DESTINY
セイバーの登場に奮えるとともに、第10話にしてこの面白さ、こんなにすごくていいのだろうか、いや良いに決まっている!
今回はアスラン、デュランダル議長、ミーアの言葉を一言も漏らすことができないほど、この会話に込められた意味は終盤まで引き合いにだされる、そう思えるほど面白かったですよ。

■だが君にできること、君が望むこと、それは君自身が一番よく知っているはずだ
奮えがくるほどの最終カットの引き、この台詞(殺し文句)をリフレインさせてのエンディングとは相変わらず唸らせてくれます。
今回はアスランの独白、そしてそれを受ける形でアスランの呪縛を紐解く議長との会話、最後のアスランを決意させるミーアの独白、ここにポイントを置いて見て行きたいと思います。
それにしてもMS戦殆ど無くてもこの面白さ、DESTINY、前作と比較してもかなり凄いな。

■怒りと憎しみだけで、ただ撃ち合ってしまったら駄目なんです ~アスランの独白~
キラとの死闘を回想するアスラン、この瞬間一視聴者としても前作の全てがフラッシュバックしてこの一言の重さに涙すら出そうになりましたよ。
数々の苦難を経て、ザフトのアスラン・ザラから「オレはアスラン・ザラです」と言い切れるまでに成長したアスラン。
しかし前作で既に伏線となっていたのかは定かではありませんが、ザフトというカテゴリーからは脱却できても、父親であるパトリック・ザラが引き起こした最後の惨劇は前作からずっと責任を感じており、「パトリック・ザラの息子」というカテゴリーの中にあることが明示化されるわけです(既にこの時点でこの構成に唸るところです)。

さらに「間違いと気付いても止められなかった」ことを非常に後悔していることを独白。
こ・こ・が、前作SEEDからDESTINYへとつながる前作キャラたちの重要なモチベーションなんですよ。
アスランはもちろん、キラ、ラクスにしても「間違いと気付き」行動を起こしたにも関わらず「止められなかった」、「世界」は何一つ変わらなかった、ここでのアスランの独白はSEEDからDESTINYへの明確な引継ぎポイントになっているんです。
父親パトリックに対する自責の念に囚われている点と、止められなかった後悔の念、この2つのポイントをデュランダル議長がどう解きほぐすか、ここが今回の最大の見所でしたね。

■彼らは彼ら、ザラ議長はザラ議長、そして君は君だ
複雑なアスランの背景を的確に読み取り、レバレッジポイント(てこの原理で最も効果的に作用する点)を見極めた殺し文句、こんな風に口説かれたら落ちない奴はいない(レイとかシンとかも手篭めにされたに違いな(略))。

まずアスランの抱える「父の呪縛」に対して、客観論を交え的確にアスランの悩みを解きほぐしていきます。

発せられた言葉がそれを聞く人にそのまま届くとは限らない
受け取る側もまた自分なりに勝手に受け取るものだからね

自分達は間違っていない、何故ならザラ議長もそう言っていただろう、とね
だから君までそんなものに振り回されてしまってはいけない
彼らは彼ら、ザラ議長はザラ議長、そして君は君だ
例え誰の息子であったとしても、そんなことを負い目に思ってはいけない
君自身にそんなものは何も無いんだ


ここまで完璧にやられたら誰だって落ちるってもんですよ。
「人は自分の都合の良いように解釈する」
テロリストたちはそれを利用しているだけであって、そこまで君が背負い込む必要は無い。
父の呪縛を解放するのに、これ以上の言葉があるのか?と言わんばかりに畳み掛けています。
#ただ「逃げるな、生きる方が戦いだ」に象徴されるように、これ以上の言葉がキラ、ラクスあたりから出ないとも限りませんが。

発せられた言葉がそれを聞く人にそのまま届くとは限らない
受け取る側もまた自分なりに勝手に受け取るものだからね


再度、これは名言ですな。
このテーマは難しいですよ、ほんとに。
「互いに理解しようとする気持ち」が無ければ、容易にこのシチュエーションに陥るわけで、十二国記『風の万里 黎明の空』で鈴が陽子に「(どんな人だか知らないで)みんな勝手に期待して、陽子自身のことなんか考えてもみないで失望していくの。」という台詞を言うのですが、これと双璧をなす社会の現実を的確に示した言葉ですね。
#ただこの言葉の裏にデュランダル議長がもうひとつの意味をかけていたとしたら驚愕なんですがいくらなんでもそれは深読みし過ぎかな。

■思いを同じくする人には共に起って欲しいのだ

(こうして来てくれた)一人一人のそういう気持ちが必ずや世界を救う
夢想家と思われるかもしれないが、私はそう信じているよ


ここが第二のレバレッジポイント。
「間違いと気付いても止められなかった」ことに対する、デュランダル議長の答えは自分が持っている信念と同じで、以前は果たせなかった、しかしまた同じことを繰り返してはいけない、果たすなら今なのではないかとアスランに思い起こさせるわけです。
もう陥落寸前です。
ここまでやられて落ちない人がいたらみてみたい(笑)。

そしてここからがとどめの一言。

■そんなときのために君にも力のある存在で居て欲しいのだよ 私は

できることなら戦争は避けたい、だがだからと言って銃も取らずに一方的に滅ぼされるわけにも行かない

そんなときのために君にも力のある存在で居て欲しいのだよ 私は
先の大戦を体験し、父上のことで悩み苦しんだ君ならどんな状況になっても道を誤ることはないだろう
我らが誤った道を行こうとしたら、君もそれを正してくれ
だがそうするにも力は必要だろう 残念ながら

だが君にできること、君が望むこと、それは君自身が一番よく知っているはずだ


「破壊を進めるための力」ではなく「破壊を止めるための力」になって欲しい、そうなりたいと思っていたアスランにそんなことを言われたら落ちないわけには行かないじゃないか!
レバレッジポイントに対する明確な打ち手(解決策)、クリティカル・シンキングのお手本のような論理攻めにこちらが参ってしまいそうです(でも騙されないよ、デュランダルさん)。

そして見逃せないのが、

できることなら戦争は避けたい、だがだからと言って銃も取らずに一方的に滅ぼされるわけにも行かない

ここですね。これが前作SEEDでも問いかけられ、今作DESTINYでの大きなテーマとして取り上げられるポイントになるのではないかと思います。
そしてこれは各キャラに対して問いかけられると共に、最終的にはウズミが採った道の是非を問い、カガリの成長に帰結するようになると最高に熱いと思っているんですが、先走りすぎでしょうか。
「武力」を肯定したうえで、どういう風にテーマを昇華していくのか、これは見逃せないポイントだと思いますよ。

■ミーアは別に誰にも必要じゃないけど・・・、だから今だけでもいいんです私は
ぐらぐらになったアスランの背中を最後に押したのはミーア・キャンベルでした。

ミーアは別に誰にも必要じゃないけど・・・、だから今だけでもいいんです私は
今いらっしゃらないラクスさんの代わりに議長やみんなのためのお手伝いができればそれだけで嬉しい


自分の信念と期待される役どころがリンクしている、戦禍が広がるのを防ぐには渦中に飛び込むしかない、今目の前の少女でさえ、平和のために自分の役目を果たそうとしているのに自分は何を迷うのか、ミーアという偽りであっても名前が示す役割を果たそうとしている、ならば偽りの自分は?
アスランに今見えている「まなざしの先」はほぼ決まったも同然であると・・・。

名はその存在を示すものだ ならその存在が偽りだったとしたら(デュランダル)
そこで何をしているんです あなたは(シン)

だが君にできること、君が望むこと、それは君自身が一番よく知っているはずだ


そしてエンディングへ。
凄すぎる、この密度。
小学生とかは分からんよこの回は。
今この年で、この作品に出会えたことが本当に嬉しいと思ったり思わなかったり、でもやっぱりそう思ったりするわけです。
すげー、この作品。

■ただ言葉の通りだよ、君に託したい
前作SEEDのDVD Vol.9 第34話「まなざしの先」を引っ張り出してきて観ちゃいました。

想いだけでも 力だけでも駄目なのです
君は誰?
私はラクス・クラインですわ キラ・ヤマト


懐かしさとフリーダム登場の感慨にしびれつつ、今回セイバーの登場は全てをフラッシュバックさせてくれましたよ。
奮えるほどにカッコイイ!!

そして、アスランとキラ、同じシーンであるのにも関わらず、そして交わされる言葉の内容も同じはずなのに、決定的に違うもの。
それは、語り手がラクスなのか、デュランダル議長なのかということ。
この差は大きい、終盤まで引き合いに出されそうな、そしてSEED第34話とも引き合いに出されそうな、それほどまでに決定的な差のような気がします。

■次回
ステラたん登場(ヤター)。

今回見応えのあるアスラン、デュランダル議長、ミーアの会話でしたが、一見方向性も信念も同じように見えるこの会話の内容の「質」が実は全く異なっていた、そんなことがあるのでしょうか(異なってくるというのが僕の妄想ですけど)。
そして今回本格的に登場したミーア・キャンベル。
彼女は今は単にラクスの代理を演じているに過ぎないのですが、今後アスランたちとのやりとりを経て彼女自身がどう「変化」していくのか、これは意外と重要なポイントになる気がしています。
そして願わくば彼女も救われる対象であって欲しい。
「偽りの存在」はアスランだけでなく、彼女にも帰結していくはずなので。
個人的にはめちゃめちゃしびれた今回、皆さんはどうだったでしょうか?
いろんなコメントお待ちしております。


来週は企画ものでいきたいと思うのです。

2004-12-17 18:24:54 | Weblog
gooブログのアドバンスサービスを利用してみて3日目、アクセス解析機能の一つに「検索ワード」のTop20を表示してくれるのですが、ここ2日(初日は計上できないので)、圧倒的に多い検索ワードが

「蒼穹のファフナー」

次いで

「巌窟王」
#舞-HiME、ガンダム、おおきく振りかぶってなどなどが続きます。

これが意味するところは「蒼穹のファフナー」と「巌窟王」の人気が今盛り上がっていることに他ならず、作品の出来から考えても至極妥当な結果なんだろうなと妙に納得していたところです。

特に「蒼穹のファフナー」、これは26日に最終回を迎えるにあたり、放送地域が限定されているとは言え、視聴者としては最終局面が気になって仕方ないということでしょう。
つか、僕自身最終回を考えるだけでドキドキしてしまいます。

ということで来週からは「超個人的お勧め小説」企画と並行して、「蒼穹のファフナー」を厚め(熱め)に取り上げて行こうと思います。
#感想は火曜日の昼にアップできるかな。それ以外のコンテンツも考えてみます。

よって今日からこのブログは「ぺうげおっと55」改め「蒼穹のぺうげおっと55」になります(えー)。
#カテゴリも「蒼穹のファフナー」を新設しました。


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KURAU 第19話~第24話(最終話) 感想 そして総括

2004-12-17 13:15:19 | アニメ 感想
今週で最終回を迎えた『KURAU Phantom Memory』、昨夜撮りためていた最終回までの5話を一気に見ました。
静かなる感動をありがとう、決して派手ではないけれど、しっかりとしたテーマを最後まで丁寧に昇華したBONESとその制作スタッフに惜しみない拍手を送りたいと思います。
切なくて嬉しい涙とともに。

この『KURAU Phantom Memory』という作品は恐らく放送地域も限定されていると思いますし、ストーリーに派手なところが無いことからも、視聴者数はそれほど多くなかったのではないかと思います。
ゆえに、ここから書くことは私の独り言に近いものになるかもしれません。
それでもこの静かなる感動作についてラスト付近を中心にご紹介したいと思います。
しばしお付き合いを。

■一貫したテーマを二重にも三重にも昇華した制作スタッフに拍手を
うちのブログではこの『KURAU』のテーマを寂しさの裏側に見える「家族への憧憬」「親しいものへの思慕」と捉えて、それを軸に感想を書いてきたのですが、最終回となる第24話までを通じてそれが見事に昇華されていて、一視聴者として切なくそして嬉しい最終回を迎えることができました。

人を支えているのは憎しみという感情や孤独ではなく、惜しみない愛情を注ぐ家族であり、支えあう「対」の存在ということを一貫して静かに語りかけていたのですが、象徴的なエピソードをピックアップすると、

■家族への憧憬
最初は娘(クラウ)から父親への思慕だけかと思っていたのですが、それだけではなく父親から娘への思慕もしっかりと描かれていたわけで、その象徴的台詞が第12話の「紹介します、私の娘たちです」であり、最終話の「(実の娘のクラウとリナクス化したクラウ)どちらも私の娘なんだ」に繋がっていて、最後に本当に家族としての想いが昇華された瞬間でした。
自分の娘でありながら自分の娘ではない、そういう状況においてサブタイトルである「Phantom Memory」=「記憶」が効いてきて、本当に家族として心を通わせる、嬉しい涙しか出ない瞬間です。
ちなみに第12話で私は号泣しています。

■憎しみからの変化
クラウとクリスマスの他にもう一人スポットを当てるとすればそれはアヤカ。
憎しみに囚われていた彼女が第18話で前を向いて進み始めるシーンは第12話に次いで涙を誘うシーンでした。
そのアヤカが自分の心と本当に対峙するシーン、最も憎んでいる対象のサイトウ長官が殺されるかもしれない状況で、それでも長官を守りに行こうとするアヤカにほんとうの「変化」が訪れる。アヤカのストーリーはここで完結したと言っても過言ではありません。
その後にアヤカが家族を築くというエピローグはこの「変化」に対する製作者側からのプレゼントなのかもしれません。
「家族」によって癒されるべき存在、アヤカもその一人に違いありません。

■世界には二人しかいない、しかしそれでも世界は二人だけではない
第7話の感想でクラウもクリスマスも世界は二人だけで構成されているわけではないことを受け入れているんですが、それでも二人はリナクスで世界に二人しかいないんです。
それでも第23話でクラウは、そしてクリスマスはこの世界を、いろんな人で構成されているこの世界を守るために身を犠牲にしていく(涙)。
第7話でのシーンから本当に決意して、それでもあえて守ろうとするこのシーンに大きく張られた伏線の帰結を感じるとともに静かに感動してしまうのです。

■寂しさの裏返し
第1話の感想を書いたときに、「寂しくて寂しくて仕方ない」のかもしれない、そう書いた一言がこの最終話に帰結。
人間に戻ったクラウの口から「(母を失った悲しみで)寂しくて仕方なかったのかもしれない」の一言が出た瞬間、ああ僕はこの作品を観ていて本当に良かった、正直身震いしそうになりました。
第1話で表現したことが最終話で帰結する、丁寧に丁寧に積み重ねたストーリーの核心がここに帰結する、そんな瞬間(涙)。

■Phantomo Memoryの意味
「Phantomo Memory」とは「幻想の記憶」、つまりリナクス化した人間たちが持っている別の記憶。
それは「大事な人たち」と共有してきた記憶。
双子のリナクスを描いてきた意味、それがここに収斂してくるなんて熱すぎる。
彼らはその「Phantomo Memory」を思い出すことによって、最後に救われている。
大事なものは何かを思い出すことによって。
そしてこれが最後の最後、クラウとクリスマスの関係に収斂する、この積み重ねに涙が・・・。

■別れに対する答え
第13話以降、本作のサブテーマは「別れ」にあるんではないかと書いてきたのですが、その答えも最後に素晴らしい形で昇華されていました。
世界を守って消えていくリナクスのクラウ、そして残されるクリスマス。
これまで数々の「別れ」を描いてきて、「対」無しでは生きていけないという展開を見せつつも、最後には自分の胸に生きている、ずっと見守っている、物理的な「別れ」ではなくむしろ「始まり」を描くラストに大きな拍手を送りたい。
そして第1話と同じく、クラウがリナクス化した12歳の姿だったクリスマスがクラウと同じように10年の歳月と寂しさを積み重ねて再び12歳のクラウが出現するシーンは、クリスマスに対する製作者サイドの最高のプレゼントなのでしょう。

最後の「Welcom home」に心温められつつ、静かにこの小さな名作を見終わりました。
各話のエンディングの出来はときにガンダムSEED DESTINYを上回る切なさを見せるほど秀逸。
こういう作品があっても良い、BONESはいい仕事してますよ。
DVDも出ているので、もしこの静かな作品に興味を持った方は是非美しい音楽とともに静かに観てみてください。
物足りなさはあるかもしれませんが、こういったしっかりした作品が僕は結構好きなんです。
改めて制作スタッフに静かなる拍手を送りたいですね。

独り言にお付き合いいただきありがとうございました。

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