今回も非常に美しく、丁寧で、そして静かに感動的でした。
『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』は静かに楽しみたい作品なのでした。
戦災孤児→戦車(軍人)→ガラス→ラッパ→青空、という流れが美しくて、カナタのラッパが青空に響いていくシーンはこの作品を象徴するような綺麗で丁寧なシーンで、これはまた良いものを見たなぁ、としみじみ。
フルスペックハイビジョンで是非観ていただきたい美しさ。
丁寧な仕事されてるなぁ、と毎回思いますよ。
今回フォーカスが当たるのは順番としてもノエルで、今まで一番何を考えているかが難しいキャラであったノエルの考え方、思いにスポットが当たったわけですが、どういうキャラだか分からなかったからこそ、そこでの心情吐露が印象に残るのでした。
この作品の大きなポイントとして予想するのは、カナタというキャラを通じて、これまでの1121小隊のメンバーが持っていた心のトラウマ的なもの、拘ってきてそれでも誰にも言えなかったこと、というのが、カナタが持つ雰囲気を通じてお互いに共有し合いながら、5つの音として共鳴していく、そういうところが一番の見所(特に前半はその仕掛けで、後半はその仕掛けが共鳴という効果を持ってクライマックス)になるんじゃないかなぁ。
多分、みんな家族に対して何らかの思うところがあり、1121小隊は女子だけの部隊だけど、今回も台詞としてあったように、お母さんのようだな、とか、家族的な雰囲気がとても溢れているんですよね。
きっと、過去にどこかで無くしたものや、気に病んでいたことがそれぞれにあって、この小隊を通じて過去と向き合って、心が融解・溶解していく感じがしますね。
カナタは味噌っかす、リオはおそらく父親との確執、クレハが最年少で部隊に参加している理由(おそらく家族の関係?家族がいないのかもしれない)、そして今回のノエル。
ノエルの戦災孤児からの反応と、彼女の博識ぶりからすると、ノエルの実家は軍人家系とかだったりするかもしれないですね(違うかもしれないけど(笑))。
もしくは戦争・軍人そういうワードで、過去に何かしら人を殺すのに関わってしまった、というようなそういう影が見えますよね。
ソ・ラ・ノ・ヲ・トは美しいながらもどこか哀しい。
それはそういう影がキャラにも、そして終末を迎えそうな世界にも見え隠れするからなんでしょうね。
そういう哀しさが見隠れする中で、カナタがノエルに、戦車や軍人という存在自体が悪いのではなく、自分がそれをどう捉えているかが問題なんだ、軍人だからとか、(ノエルが一生懸命修理している)戦車だからとか、そこを気にしなくても大丈夫、という、ついつい人の心情を吐露させてしまう雰囲気でノエル自身を落ち着かせてあげる、というシーンはソ・ラ・ノ・ヲ・ト序盤の象徴的なシーンだと感じます。
また、そこからは古き良き時代のジブリ作品のにおいがして、ガラス工房の職人さんたちはそういう温かい雰囲気がにじんでいるのが良いですね。
その中で、ラッパ手としてどんなに練習しても上手くラッパが吹けない悩めるカナタに、カールおじさんが、
俺がこういう形にしようとしてるんじゃねぇ
ガラスがな
こういう形になりたがってるんだ
と言って、ガラスを見せ、それにインスパイアされる形で、外に駆け出し、
素晴らしく蒼い空の下、
カナタが初めて「音楽」としてのラッパを吹く。
最高に美しいシーン。
ここは是非地デジで、フルハイビジョンで観て頂きたい。
このガラスのような透明感。
素晴らしく蒼い空。
そして鳴り響く音楽。
これがこの作品の持つ「色」であり「雰囲気」なんだな、と感じることができるシーンでした。
やっぱりカナタは良いですね。
周囲の緩衝材として、人の気持ちをやわらげる効果を持っています。
今回のタイトルのように、梅雨の空から、玻璃=ガラスの虹へと変わっていく、そういう美しさ。
各キャラにはまだ影の部分が残っていて、それが後半にもう一度それぞれにスポットがあたると思いますが、そこはきっとこの作品の谷となるのかクライマックスとなるのか、楽しみなところであります。
きっと5人の奏でる五重奏、美しいと思います。
■ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 1【完全生産限定版】 [Blu-ray]
![](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51ej9WvqNkL._SL160_.jpg)
『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』は静かに楽しみたい作品なのでした。
戦災孤児→戦車(軍人)→ガラス→ラッパ→青空、という流れが美しくて、カナタのラッパが青空に響いていくシーンはこの作品を象徴するような綺麗で丁寧なシーンで、これはまた良いものを見たなぁ、としみじみ。
フルスペックハイビジョンで是非観ていただきたい美しさ。
丁寧な仕事されてるなぁ、と毎回思いますよ。
今回フォーカスが当たるのは順番としてもノエルで、今まで一番何を考えているかが難しいキャラであったノエルの考え方、思いにスポットが当たったわけですが、どういうキャラだか分からなかったからこそ、そこでの心情吐露が印象に残るのでした。
この作品の大きなポイントとして予想するのは、カナタというキャラを通じて、これまでの1121小隊のメンバーが持っていた心のトラウマ的なもの、拘ってきてそれでも誰にも言えなかったこと、というのが、カナタが持つ雰囲気を通じてお互いに共有し合いながら、5つの音として共鳴していく、そういうところが一番の見所(特に前半はその仕掛けで、後半はその仕掛けが共鳴という効果を持ってクライマックス)になるんじゃないかなぁ。
多分、みんな家族に対して何らかの思うところがあり、1121小隊は女子だけの部隊だけど、今回も台詞としてあったように、お母さんのようだな、とか、家族的な雰囲気がとても溢れているんですよね。
きっと、過去にどこかで無くしたものや、気に病んでいたことがそれぞれにあって、この小隊を通じて過去と向き合って、心が融解・溶解していく感じがしますね。
カナタは味噌っかす、リオはおそらく父親との確執、クレハが最年少で部隊に参加している理由(おそらく家族の関係?家族がいないのかもしれない)、そして今回のノエル。
ノエルの戦災孤児からの反応と、彼女の博識ぶりからすると、ノエルの実家は軍人家系とかだったりするかもしれないですね(違うかもしれないけど(笑))。
もしくは戦争・軍人そういうワードで、過去に何かしら人を殺すのに関わってしまった、というようなそういう影が見えますよね。
ソ・ラ・ノ・ヲ・トは美しいながらもどこか哀しい。
それはそういう影がキャラにも、そして終末を迎えそうな世界にも見え隠れするからなんでしょうね。
そういう哀しさが見隠れする中で、カナタがノエルに、戦車や軍人という存在自体が悪いのではなく、自分がそれをどう捉えているかが問題なんだ、軍人だからとか、(ノエルが一生懸命修理している)戦車だからとか、そこを気にしなくても大丈夫、という、ついつい人の心情を吐露させてしまう雰囲気でノエル自身を落ち着かせてあげる、というシーンはソ・ラ・ノ・ヲ・ト序盤の象徴的なシーンだと感じます。
また、そこからは古き良き時代のジブリ作品のにおいがして、ガラス工房の職人さんたちはそういう温かい雰囲気がにじんでいるのが良いですね。
その中で、ラッパ手としてどんなに練習しても上手くラッパが吹けない悩めるカナタに、カールおじさんが、
俺がこういう形にしようとしてるんじゃねぇ
ガラスがな
こういう形になりたがってるんだ
と言って、ガラスを見せ、それにインスパイアされる形で、外に駆け出し、
素晴らしく蒼い空の下、
カナタが初めて「音楽」としてのラッパを吹く。
最高に美しいシーン。
ここは是非地デジで、フルハイビジョンで観て頂きたい。
このガラスのような透明感。
素晴らしく蒼い空。
そして鳴り響く音楽。
これがこの作品の持つ「色」であり「雰囲気」なんだな、と感じることができるシーンでした。
やっぱりカナタは良いですね。
周囲の緩衝材として、人の気持ちをやわらげる効果を持っています。
今回のタイトルのように、梅雨の空から、玻璃=ガラスの虹へと変わっていく、そういう美しさ。
各キャラにはまだ影の部分が残っていて、それが後半にもう一度それぞれにスポットがあたると思いますが、そこはきっとこの作品の谷となるのかクライマックスとなるのか、楽しみなところであります。
きっと5人の奏でる五重奏、美しいと思います。
■ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 1【完全生産限定版】 [Blu-ray]
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