蒼穹のぺうげおっと

-PEUGEOT in the AZURE- マンガ・小説・アニメの感想を書き流すファフナーとエウレカ好きのサイトです

ガンダムSEED DESTINY 第8話 「ジャンクション」 感想

2004-12-05 01:34:37 | ガンダムSEED DESTINY
二年間の一時的な平和の期間から、ユニウス・セブンの落下を契機に一気に開戦へと傾くことになり、まさに仮初めの平和から戦争への「分岐」となった今回、世界の大きな「分岐」だけでなく様々なところでも「分岐」が描かれていました。
またその「分岐」がタイトルである「ジャンクション=接合点」とも対比されていて非常に興味深かった第8話。
それにしても今回、ワンカットたりともガンダムどころか(証拠写真のジンを除く)モビルスーツを登場させなかったあたりに、製作者サイドの意気込みを感じました。ガンダムはかなりスポンサーの意向に沿わなければならない制約とかあると思うのですが、DESTINYは好きに創らせてもらう、その代わり良くも悪くも話題は必ず創って見せる、そんな意気込みに視聴者サイドとしても何気に期待しています。

■オーブという国家の分岐路
平和から戦争への分岐を世界が迎えようとしているように、オーブもまた国家としての分岐点を迎えなければならないようです。
客観的に見ると、被害が少なかったのは幸いだがそこでプラントの肩を持てばそれは被害が少なかったから言えることなのだと地球サイドからは非難されるし、何よりどちらにもつかずに国を一度滅ぼすことになった二年前の二の舞は踏みたくない、そういう思いが国全体として強いのかもしれません。

ただ実際は被害が大きければ大きかったで、プラント憎しの感情をドライブする輩(この場合宰相サイド)がいて、どちらにせよ大西洋連邦に与することになったんでしょうね。
ミネルバが到着した時点で「今は」と言っている時点で既に大西洋連邦へ与することはほぼ決定していて、カガリが到着すればそちらへ誘導する算段は整えられていたのかもしれませんね。

サハク家のモルゲンレーテが大西洋連邦と癒着していたのはモビルスーツ技術を取得するためだったんですが、今回は国の総意として傾くようになっているのかもしれません(実際ウナトは大西洋連邦寄りということもあるんで個人的には癒着しているかもしれませんし、アスハ家を外すための算段かもしれません)。
これがオーブとしての分岐でありジャンクション。

■誰と痛みを分かち合わねばならないのか
さすがカガリ。
伊達に前作で修羅場をくぐっているわけではありません。
「それは報復を叫ぶ人たちと一緒になってプラントを憎むことではないはずだ」
為政者としてはまだまだでも、外してはならない点はきちんと見えている。
しかし、オーブという国自体もシンに象徴されるように二年前のトラウマを抱えていて素直にその境地に達することはできない、言わば国としても見えてない状態にあるわけで、カガリのテーマはやはり為政者としてウナト達を押しのけてでもオーブという国をそれが見える状態へ導くことに他ならない、そう思わずにはいられません。
アスランと離れて独りになって進まなければならない、これが彼女の分岐でありジャンクション。

■アスラン、旅立ちの序章
アスラン・・・カッコよすぎ。
やはりアスランは父親であるパトリック・ザラのことをずっと引きずっていたんですね。
だからこそ身分を公表してでもパトリック派の説得にあたりたい、もしくはパトリック派に世論が流れないようにデュランダル議長に自分を戦争回避のプロパガンダとして利用して欲しいと決意するあたり切な過ぎます。
こういう表現を見るにアスランがキラに「まだ見つからない」と語りますが、自分達がやってきたことを無駄にしないために、何と戦わなくてはならないか(この場合前述のカガリの言葉にかかってくるんですが)、世論が憎しみで本質を見失わないように、自分でできることを十分模索しています。卑下していてもこちらも伊達に修羅場をくぐっているわけではありません。
またアスランでもアレックスでも構わない、と言っているあたりに彼の決意が見えて彼の成長が見えるというものです。

今の時点では恐らくザフトへ復帰するためにプラントへ戻るわけではなく、あくまで憎しみの連鎖をプラント側から広げないために戻るわけで旅立ちとしては序章にあたると思われます。
恐らくこのペースでいくと次週あたり開戦してしまいそうなんですが、そのときアスランがどう決意するのか?それが本当の彼のDESTINYにおける旅立ちになるんでしょうね。
前述の部分でアスランの決意があるわけですが、そのアスランを以ってしても言葉で説得しに行っても通じない相手がいる、止めようとしてもどうにもならないとき、そこで問われる決意こそが本当の彼の分岐でありジャンクション。
やはり模索者ポジションの彼はカッコイイ。
#だから今回は序章、でもプラント行ったら行ったでデュランダル議長が離そうとしないかもね。

■アスランから渡される指輪
個人的にアスカガ応援決定の瞬間。
ED曲の「遠く離れていても近くに感じている」を地で行って欲しいこの二人。
相変わらずな二人にこちらもほっとするところがあり、親近感も倍増。
笑顔で送り出すカガリに拍手。
これが二人の分岐でありジャンクション。
ユウナがなんぼのもんじゃい、つか彼がストーリー上曲者であることは何となく察しがつくところですが、婚約者であろうが何であろうがきっちり袂を分かって欲しいもんです(えー)。

■シンとキラ
第7話の感想で「オーブでキラと知らずにシンが出会うとまた面白いかな」とか軽く書きましたがいきなり出会ってました・・・。
「誤魔化せないのかも・・・、いくら綺麗に花が咲いても人はまた吹き飛ばす」
そして最終カット、背中合わせに別の道を進み始めるキラ&ラクスとシン・・・。
し・び・れ・す・ぎ。
今は見えていないシン、言った言葉は確かに真実だし核心を突いているかもしれないんだけど、実はその憎しみの連鎖を終わらせるにはどうすべきかを知っているキラ、このシーンこそが第7話でのミクロ視点での最大の分岐でありジャンクション。

再びシンと再会するとき、もしくは仲間ポジションに入るとき、ラクスに「それでもまた花を咲かせるのが人なのですわ」という台詞を思わず期待してしまうところです。
ひょっとしたらシンの一言がキラを動かすのではないかと思っていたりもするんです。
「誤魔化せない」だからこそ僕は再び立ち上がらなくてはならないのかもしれない・・・なんて感じで。
これで再度シンがあの海辺で出会った青年があのキラ・ヤマトであると認識して再会するシーンが堪らなく楽しみです。

■次週早くも開戦か
かなり早く開戦するんじゃないかなと思っているんですが、予告を見る限り次週もう開戦しそうです。
ブルコスのプロパガンダは非常に分かりやすいんですが、あの表向き和平主義者のデュランダル議長がどうやって表向きを保ったまま戦争をドライブしていくのか、そのプロパガンダが気になります。
やっぱり緒戦は手ひどく負けるように仕組んだりするんじゃないんすか、あんた腹黒そうだし。
で表向きの仮面を保つために偽ラクスを利用したりするんですかね、やっぱり。

■懐かしい面々
今回出ましたね、マードック曹長(いやそうだけどそっちじゃないでしょ)。
マリューさんと虎、今回顔見せだと思いますが、DESTINYでもきっちり絡んできそうで嬉しくなりました。
もうこの二人で艦とか出したりして欲しいくらいの勢いです。
#虎の手は義手ですかね、まあモビルスーツ技術があるんで超高性能義手とかありそうですが。

タリアとの新旧艦長揃い踏みは何となく和みましたね。
同じ境遇に偶然陥った艦長にしか分からない二人の気持ちがシンクロする感じで、これもひとつのジャンクション。
この二人がまた戦場で敵として、もしくは味方として合間見えるとすればそれはそれで密かな楽しみです。
完全にモルゲンレーテの人になっているマリューさんですが、確か元は技術仕官とかじゃなかったでしたっけ?
MGエールストライクガンダムの説明書に「G」にフェイズ・シフト装甲の実装を決断したのはマリューさんだったとかで、彼女は開発の現場が好きなんですよね。
ちなみに虎も振動工学博士だったんで、知識や技術を生かしてモルゲンレーテで働いているんでしょうね。

■それにしても
メイリンかわいい。
先週も思ったんですけどメイリンにかなりやられました(つか私服とかアリですか)。
#もちろんスタラたんはステラたんでアリです。

今週はいろんな意味でのジャンクションが含まれてて嵐の前の静けさ的に満足でした。
ignitedのピアノバージョンやラクスの歌も入ってるとしたらサントラ買うかもしれません。