蒼穹のぺうげおっと

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ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第8話 「電話番・緊急事態ヲ宣言ス」 感想

2010-02-28 22:33:35 | ソ・ラ・ノ・ヲ・ト
今までで一番ほのぼのしたような、それでいて一番緊迫したような、そんな回でした。
#電話番のカナタが緊急事態宣言をしたのは、自分のことだった(笑)。

しかしながら、ラストの本来この回の主題となるべき電話が鳴った、その内容自体は本当に緊迫する事態を予感させる内容という、何気に小技の利いた演出だったのでした。
#それもリオが電話を受ける、というのがポイント。


ひまわりの花も枯れてきて、そろそろ夏も終わりだなー、と思っていたら、カナタからもそんな言葉が聞こえてきました。
たぶん、カナタが春に配属されて、夏を経験して、秋へ。
そして、冬を、物語的にも本当に冬のような厳しさを迎えて、また春へと向かう、そんな展開になるんじゃないかと予想。

ほのぼのシーンであっても、アップルサイダーを掲げて、日に当てれば非常に美しい映像になるように、この物語は脚本の吉野さん曰く、女の子の日常を真面目に丁寧に描く、というテーマを持っているだけあって、本当に丁寧で美しい。

また、何気ない会話とかしぐさの中にちょっとした情報を意図的に埋め込んであるのも上手いなと感じるところ。
#リオの料理の下手さや、ユミナの服のセンスが痛いとかは明確だけど(笑)。

多分、各キャラの過去編が一通り終わったので、今回が転換点かなー、と思っていたら、夏の終わりを告げるような、そんな電話がきっと物語の転換点なんだろうな、と思いました。

季節も演出的に意味があるならば、これまでの春と夏の季節の移り変わりから、秋から冬へと向かっていく、これもまた意味があるんだろうな。

長引く休戦協定、既にこの世を去ったイリヤ皇女。

まだ起動しないタケミカヅチ。

そして亡き皇女殿下の妹=リオ。

秋の終わりには何かしらの波乱の予感。

やはりクライマックスは冬に訪れるんじゃないかなー、と密かに予想。
フィリシアを除いては、まだ各キャラの過去はもう一度掘り下げがあると思うし、ちょうどそういう過去のしがらみと(特にリオ)、その乗り越えイベントが隣国との諍いとリンクするような形で動くと面白いよね。

個人的希望としては、厳しい冬を乗り越えて、春を感じられるエンディングが観たいところです。

この丁寧さがね、またぐっときますよ。

今回は失敗してしまいましたが(笑)、我らがカナタ二等兵には、是非ともこの明るさで、五人の和音を空に響かせて欲しいものです。

危うく周回遅れになるところでした(笑)。
ここ数週間、超・忙しくて他の録画、デュラララ!!以外観れてないなぁ。
でもソ・ラ・ノ・ヲ・トを一番最初に観ることにしてます。やっぱり丁寧な作品には感慨深くなりますな。

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ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第7話 「蝉時雨・精霊流シ」 感想

2010-02-22 23:28:34 | ソ・ラ・ノ・ヲ・ト
ここ最近ずっと忙しくて、録画したものを丸々1週間溜め込んでいたのですが、その中でも一番最初に観たのがこの「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」。
今回のお話は非常に重要なお話になると脚本の吉野さんも言っていたので、ちゃんと時間を取って観ようと思っていたのでした。

そしてやはり予想通り、とても重要なお話でした。
フィリシアの笑顔に隠された過去。
いつも笑顔でいる裏にはこんな哀しいお話がありました。

ここまで色々と感じていたことや、予想してきたことが、徐々に輪郭を持って描かれてきた、そんな感じの重要なターニングポイント、という、そんなお話。

相変わらず丁寧で、そしてみんなが素直に心を開くのはやはりカナタで、素直なカナタの雰囲気がみんなを優しくしていく、そういうのがしみじみ出てました。

そして何よりも、カナタ、リオ、フィリシアをつなぐ人物が全て同一人物であり、なんとそれは皇女殿下であり、リオのお姉さんにあたる人物だった、というのも驚きですよね。
※リオが先輩のように振舞っていたのは、姉を目指す気持ちとか、男っぽく振舞っているのは家に対する反抗だったりするんだろうね。
※そしてその目指すべき姉はもう居ない・・・(今回の精霊流しに願う、とはそういう意味だから)。

みんなが音を通じてつながりあっていくこの物語ですが、その第一の音を作ったのは実は同一人物であり、今はまだ皆そのつながりをしらないけれども、いつか来るべき日にそのつながりが、単音から和音に変わっていく、そういう予感がありますね。

常につきまとう物悲しさ。
それもこの作品の風景の一つなんですが、フィリシアが背負う過去はまさにそんな哀しさの代名詞のような過去でした。

ノエルはそのときも居た、ということですが、それは砲手としてか、それともそこが故郷だったのか、いずれにせよ、ノエル自身も重い過去を背負っているんだろうなぁと予想できますね。

クレハにしても、精霊流しに祈るのは、やはり両親のことで、既に鬼籍に入っていたということなんですよね。
※手紙のエピソードで、クレハが一人淋しい思いをしているところはやはりここに由来していました。


そういう中で、凄絶な過去を背負うフィリシアに、


終わろうとしていく世界に意味はあるのかい?


そう問いかける亡霊に、応えるフィリシア。

意味なんて無くていい。
自分で意味を作ればよいのだから。


と応えるところが、今回の一つ目のホッとするシーン。

そして、もう一つが感想冒頭に書いたカナタという存在が、人を優しくする緩衝材として、フィリシア、クレハ、ノエルも含めて、優しい音を作り出す、そういう存在になっていっている、というのが丁寧に描かれているわけで、こういうのが本当にこの作品は素晴らしいなと思います。
※美術的にも凄く美しくて「フィーエスタ・デュ・ルミエール」=光の祭りが静かに、そして美しく、この作品を象徴する映像でした。


物語は後半に入りましたが、司祭様がリオの姿を見て気がついたように、多分小隊のメンバーそれぞれの過去にもう一度スポットが当たっていくシーンが来るんだと思います。

旧時代の人々が何と戦っていたのか?
それは炎の乙女の神話に関連するであろうことは間違いないと思いますが、第1話でカナタが見たものは何だったのか?
今、まだ続く戦争はどうなっているのか?
それらが絡んでいくというのが僕の予想ですが、脚本の吉野さん曰く、タケミカヅチは完全状態で一度のみ起動するということなので、そのクライマックスと、1121小隊のメンバーが過去から未来へ向き合うクライマックスとがシンクロしてくるとかなり熱いなと思います。

いやー、ほんと良い作品だと思いますよ。僕は。

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ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第6話 「彼方ノ休日・髪結イ」 感想

2010-02-11 01:08:07 | ソ・ラ・ノ・ヲ・ト
めちゃめちゃ良い話だった。・゜・(ノД`)・゜・。


いやいや、正直ラストはウルッときてしまいました。

誰かが起こした偶然が巡り巡って誰かの大きな影響を与える、そういう素敵な偶然と、小さな幸せを守るためにみんなが少しずつ頑張っている、という真摯さにぐっと来てしまいました。

この話も、この前の話も、そういう意味では第1話からずっと、この作品って静かで、そして丁寧に作られていて、少しの哀しさと、静かな熱意と、登場人物たちの少しずつの優しさで出来上がっている、そういう作品なんだよね、ということを改めて実感した回でした。

サブタイトルの「髪結イ」がここにかかってくるとはねぇ・・・。・゜・(ノД`)・゜・。

改めて良いお話でした。

脚本の吉野さんがインタビューで仰ってましたが、この作品のやりたかったことの一つに、女の子たちの日常を丁寧に描いてみたかった、というのがあり、これは第1話を観たときからずっと「丁寧な作り」を意識して観てきた僕にとっては嬉しいお話でした。
大人の本気をなめてはいけません。

AパートとBパートの時間軸をわざとずらして、オーバーラップしながら、2つの物語を視聴者だけが俯瞰して見れるという、なかなかに贅沢な作りだったのですが、Aパート、Bパートともに共通して、登場人物たちが自分たちの優しさを少しずつ持ち寄るようなつくりになっていて、それがA・B全く違う話なのに、エピローグ的なカナタとリオの会話に収斂する、というのがとても素敵でしたね。

カナタが起こした偶然は、巡り巡って素敵な偶然を引き寄せた今回。

しかしながら、実はカナタが起こした偶然はそれが最初ではなく、一番最初に起こした偶然は、他でもない、リオが見につけている鈴をカナタが再び探し当てるという偶然を引き起こしていて、きっとその鈴はこの先の物語で語られていくファクターになると思うけれども、巡り巡った偶然が他人の人生に影響を与える、きっとそれを奇跡と言うのかもしれないですね。

今回カナタの起こした偶然は、心を閉ざしていたミシオの本心を引き出して、ユミナが一番大事なんだという大切な思いを受け入れる(受け入れられなかったのはそれまで幸せだった頃の家族の思い出があり、受け入れることでその思い出が風化してしまうのを恐れていたからなんだと思う)、というとても素敵なハプニングに至るわけで、それがAパートのギャングアクションとうまーくリンクしてるんだから、ニヤリとさせられるところです。

ちなみに、作中に登場する「漢字」ですが、今回赤ちゃんの命名時に使われた「美穂」という字も、一般の人は既に読めなくなっている文字で、こうやって意味を教えてもらって、魔よけのように使われているそうです。

次回はどうも待ちに待った小隊長さんのお話みたいです。
色々と苦労してそうな小隊長さんですが、結構重要なお話になるのではないかと期待してます。

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ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第5話 「山踏ミ・世界ノ果テ」 感想

2010-02-04 22:20:26 | ソ・ラ・ノ・ヲ・ト
これまでで一番ニヤニヤしながら観てしまった第5話。


予想としてはそろそろ小隊長のお話かな、と思ってましたが、小隊長のお話はもう少し先な感じかもしれないですね。
今回はカナタ、ノエル、クレハの3人を鍛えつつも、先輩たちがこれまで見てきた景色を追体験する、というものでした。
それを見守る先輩たち、というのもきっとこれまでと同じ光景だったんでしょうね。
#クラウスはこれまでもその光景を見てきたんでしょうね。
#イノシシの登場は同じだったかどうか分かりませんが(笑)。


相変わらず美しい背景描写で、どの絵を見ても綺麗。

そしてラストシーン。

夕日に映る、世界の果て。

いつもこの作品は、美しくて丁寧で、そしてどこか哀しい。

それを象徴するシーンでした。


ノーマンズランド=不毛の大地

Noman's Land=誰のものでもない土地なのか、誰も居ない土地なのか、世界はもうこうなってしまっている。
きっと海も無いのかもしれない。

こうした哀しさの予感がカナタたちの隣には常にある。

けれども、カナタたちは今を一生懸命に生きる。

そういうコントラストがもの哀しくて、儚く見えるんだろうね。



色んなものを今積み重ねて静かに伏線が出来上がっている感じですが、こういう日常がずっと続いたとしても僕個人としてはこの作品好きなんで良いなぁ。

今回も細かいところでは、クレハには手紙が来ない=ひょっとすると家族がいない、ということかもしれないし、ノエルも教授?からの手紙であり、家族からではない。
#教授が何者か?というのは追々語られると思いますが。
リオはリオでやはりあの手紙は父親からだと思うのですが、おそらく母親を巡る確執があるんだろうと想像。

そういう意味で小隊長だけが謎。
#名前も漢字が当てはまらないしね。

やはりクレハの言うように黒いのか(笑)。


今は静かに伏線が積み上がっている状態なので、これまで通り、静かに楽しみにしたいと思います。
#今回はニヤニヤ楽しんでしまいましたが。

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