蒼穹のぺうげおっと

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機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 2ndシーズン 第8話 「無垢なる歪み」 感想

2008-11-24 01:40:44 | ガンダム00(ダブルオー)2ndシーズン
いやー、ダブルオーの2ndシーズンって何でこんなに面白いんですかね。
先週までのバトルシーン、過去からの恋愛シーンなどからまたまた打って変わって、今回はティエリアの出自の秘密からダブルオーワールドにおけるテクノロジー、そして何よりイオリアの、うーん、今のところはイノベイターの、としておきましょうか、目的というか、目指すべきステップというところが明かされるという、物凄い情報量の回でした。

その情報量だけじゃなく、ニアミスから徐々にクロスしていく人間関係も緊張感があって、ミステリータッチなつくりが更に面白さを増すというか。

すげー面白いな。


大きなところからいくと、イオリアの計画は3段階あって、

1.ソレスタルビーイングによる世界の変革
2.アロウズによる意識の統一
3.人類を外宇宙に出して来るべき「対話」に備える

ということで、それを実行するためのイノベイターだ、と言っているわけです。

しかしながら、そこで面白いのは、ラストでリジェネがプランは3段階まで構想があるにも関わらず、イオリアが最も執着していたのは第1段階の紛争の根絶だった、というのが非常に面白いと思うわけです。


第1段階の紛争の根絶を目指した(けれども計画では壊滅するはずだった)ソレスタルビーイングか?

それとも、紛争の根絶がなされるかどうかは別として(しかしながら紛争が根絶されていればその先は無かったと思われる)第3段階までのプランを進めるイノベイターか?


ということ。
#リジェネの一言で、どちらが実は正しいのか?というのが分からなくなった、というのがポイント。

人間性を前面に出し始めたソレスタルビーイングなのか、それとも無機質・非人間性を持つアロウズか、という対決の度合いをより色濃くしてきたわけですね。

果たしてイオリアが真に望んだのは何か?

そして現在のプランそのものが本当にイオリアのプランなのか、それともリボンズのプランなのか?
#でも実はそういうことすら本筋じゃないのかもしれない。それはあくまでミステリータッチにおけるスパイスなのか?
#もういまではそれを知るすべが無いのだから。

ここからはすこし脱線するんだけど、個人的に面白いと思っているのは、イオリア原理主義なのか、それともそうじゃない(自分たちで考えていく)のか?という違い。

イオリアの計画を進めるために生み出された人工生命体のイノベイターにとっては、(リボンズが捨てられたと1stシーズンで言っていたので)ひょっとしたらプラン上(人間性が大事だっていうことになったと仮定して)廃棄される運命にあったところを、イオリアの当初プランがそうだったのだから、それを進めるのが自分たちの役割であり、存在意義であり、それが可能なのは自分たちしかいない、というイオリアを本当に信じているのかどうかは別として(むしろ憎んでいる?)、イオリアが描いたプランを実行していくことに意義がある、イオリア原理主義。

対するソレスタルビーイングは、GNドライブ(ガンダム)とトランザム、ツインドライヴをイオリアから託された時点で、イオリアのプラン自体はもう終わっていて、後はそれを託したマイスターが判断して考えるんだ、という自由思想。

僕の中ではこれは、人工生命体(無関係、無機質化する世界)v.s.人間性というせめぎあいをみせつつも、近現代の世を支配しつつある原理主義v.s.自由主義(現在のアメリカにおけるリベラルではなく、本来的な意味でのリベラル)のせめぎあいにも近いんじゃない?とか、勝手に思ったり思わなかったり。

原理主義ゆえに、無垢であり(無垢であろうとする?)そもそも歪んでいる、みたいな。
それがタイトルの「無垢なる歪み」・・・なのか?

なーんて、かなり深読みしすぎた感が自分でもあるんですが(笑)。

脱線しましたが、リボンズたち自身もトランザムとツインドライヴの存在によって、自分たちの存在基盤が何気に揺らいでいて、だからこそティエリアにちょっかいをかけてみたり、ソレスタルビーイングに揺さぶりをかけてみたりと、ヴェーダに無い情報を得ようと、余裕を見せつつも、実は内心気になっているんじゃないか、という感じですよね。

だからすぐに会場で捕らえたりしないで、情報を与えてみたり、成り行きを見守ってみたり、と彼らが内心気になっている部分を、余裕を見せつつも、ちょっかい出してイオリアプランの検証をしていたりしているのかも・・・。

そういう中でティエリアがリボンズに対して、(ロックオンの影響を受けて)がむしゃらにやって生きると宣言したところが余計に面白くなってくるところだと思います。
#こういう感情面を前に出して、自分で考えて判断してく、というのが2ndシーズンではクローズアップされているので、この辺がラストまで引っ張っていく鍵になるんだろうなぁ。


つか、ティエリアはボクっ娘だったのか!!
#て、今頃そこにそんな突っ込み!!


あと、脳量子波って何?みたいなところのなんとなくの回答も出たみたいだったので、なるほどー、みたいな。


話は変わって、ルイス。

最近ではルイスを沙慈くんが迎えにいく、というプロセスがこのダブルオーの裏の(否、真の)クライマックスじゃないかと踏んでいるんですが、彼女はうちのコメント欄でも少し教えてもらったとおり、左手の治療の対価?としてマインドコントロールを受けているかのような感じでしたね・・・。
可哀相過ぎるんですけどー。
#だからこそ元一般人だった彼女と沙慈くんが救われるところに価値がある、と思う!!

ルイスはやっぱりアロウズへの出資者だったんだね。
#トリロバイトの開発資金はやっぱりハレヴィ家だったんだろうなぁ。

そのルイスを軸にニアミスどころか交差してしまう人間関係。

うはー、面白い。

このドラマがダブルオーの面白さを引き立たせているような気がしてきました(特に2ndシーズン)。

意外と僕は「乙女」発言つながりで(ミスターブシドー、じゃなかったグラハムさんでもないよ)、セルゲイさんがソーマを(嫁に出すようにして)助けたように、その息子もルイスを守るんじゃないかと、スミルノフ家の男はそういう男なんじゃないのか、というのも思ってきましたよ。
#セルゲイさんもソーマを最初にみたときに「乙女」発言をしているんだよね。


そんな人間関係にもう一人登場するのがコーラサワーくん。

7度対戦しても死なない男。
たぶん12回くらい殺しても死なない(ヘラクレスか!!)。

彼がいいよね。
人間性を無視した作戦の多いアロウズにおいて、あの馬鹿っぷりは人間性そのものと言いたい。

カティさんも、非人間的な部署に辟易して心労が耐えないところに、このある意味心労の耐えない馬鹿、じゃなくて部下が来たというのは、人間性の補給という意味でカティさんにも救いなんだよね。

無機質化V.S.人間性という構図において、コーラサワーみたいなキャラが計算外(できない)のキャラとして、アロウズが割れていく、という展開があったとしても不思議じゃないなぁ。

あと、今回登場したアヘッドを凌ぐ?新型はカラー的にAEUデザインっぽい?
ということはアヘッドは人革連系デザイン(だと思うんだけど)、新型はAEU系とすると、ビリー・カタギリデザインでユニオンモデルが登場、という感じなんだろうか。

ダブルオーの特に2ndシーズンはガンダム以外のメカも結構目が話せないので、これはこれで楽しみだなぁ。

いやー、でもダブルオーの2ndシーズンは本当に良くできていると思います。

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機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 2ndシーズン 第7話 「再会と別離と」 感想

2008-11-17 00:55:17 | ガンダム00(ダブルオー)2ndシーズン
「再会と別離と」というタイトルからある程度の予測はしていたものの、アレルヤとの再会、そしてセルゲイさんとの別離。
まるでお嬢さんを僕にくださいと結婚の許しを請いに来た青年を前に、苦渋の決断の末、娘の幸せを祈って送り出す(父親は黙って背中で語る(泣く))、そんなシーンでした・・・。

セルゲイさんの娘にならないか?と最初尋ねたときに、ピーリスという名前でいたことを忘れたくない、と語った娘は、皮肉にもピーリスという名前ではなく、マリー・パーファシーという名前になり、自分の手元から巣立っていった。
アレルヤ、ハレルヤ、ソーマ、マリーと名前に関するアイデンティティー的な部分はあるんだけれども、やはりここは、ピーリス(自分の娘)から、娘をパーファシー(嫁)として送り出す父親の心境、と言った感じもするんですよね・・・。
#娘を持つ父親としては。

セルゲイさんの男としてのかっこよさに切ないながらも涙腺が刺激され、セルゲイさんの父親として娘を送り出す切なさにシンパシーを感じて涙腺を刺激され・・・、とどんだけセルゲイさんかっこいんだよ、という話です。

ただ、このタイミングでのソーマ→マリー化というのは、今後いったいどういう展開になっていくのか?ハッピーエンドで残り話数が続くわけもない、という非常に先が楽しみでありつつも、どうなるんだと心配する気持ちもいっぱい。
ソーマが繰り返し言っていたように、そして今回もアレルヤが言っていたように、超兵が戦いを回避して生きていくことができるのか?セルゲイさんはこのままソーマ(として)をつれて帰っても、彼女は結局アロウズに戻されることになり、超兵として非人間的な戦いに巻き込まれていく、ということが予測できたから、彼女の幸せを思って嫁がせた、けれども、アレルヤがソレスタルビーイングにいる限り、彼女自身もまた戦場に身を置くことになる。

ここがセルゲイさんにお嬢さんを僕にください、と言ったところのポイントにもなってくるし、今後の見所のひとつにもなるんだろうなぁ。
#父親観点からは娘には幸せになって欲しいに決まっているのだけれども・・・。

いずれにせよ、1stシーズンでアレルヤ、ソーマの間にあるであろうと視聴者的に色々と予想されたことを、改めて半年後の2ndシーズンで丁寧に紐解くという、非常ににくいというか、上手いというか、面白いじゃないか!!という感じですよ。

アレルヤにとってマリーが妄信的に大事だ、というのが1stシーズンの振りで、2ndシーズンでアレルヤの名前の由来とともに、いかにマリーが大事であったが描かれたばかりでした。

対するマリーはどうなのか?というと、これもまたマリーにとっても、アレルヤと出会えたことはアレルヤに「感謝」という名前を与えただけでなく、それは自分自身でもアレルヤという存在に出会えたことに対する「感謝」であった。

つまり、お互いに出会うことで、初めて世界を認識できた、生きる意味を知ることができた、というかけがえの無い存在だった(一方通行でもなかった)、ということ。

そして互いの二面性を知っていて、そしてそれゆえに互いを許すことができる、相互肯定存在、ということ。
ここの描写は結構僕的には凄いなと思っていて、ミクロ的には二人の相互肯定の話なんだけれども、マクロ的には(今回の主役・準主役級の人が順に体験・回想しているように)相手を殺すことへの逡巡であったり後悔であったり罪の背負い方だったりということを必ず入れてきていて、マリーとアレルヤにしても互いにそうなんだよ、という描き方をしているところなんだよなぁ。
#これがオートマトンとか無機質化していく虐殺との対比をより鮮明にしていくんだよね。

アレルヤ、マリーともモラルハザード、バイオハザードの行き着く先に生まれた悲しい存在なのに、互いに肯定できる相手がいる、というだけで、生きる理由になっていく、というなかなかに美しい話じゃないですか。うんうん。


なんてことを考えながら見ていたら、ラストの引きでティエリアの前に現れたリジェネ・レジェッタ。
おいおい、このタイミングでそこを持ってくるのか!?と絶妙の引き。

1stシーズンでのタメをアレルヤ・マリー(ソーマ)で丁寧に紐解いたかと思えば、今度はティエリアの過去にぐっさりと踏み込んできそうな気配が充満しすぎてます。

アレルヤ(ハレルヤ)・マリー(ソーマ)が単一の体で二重人格の話をやったかと思えば、こちらは同じDNAを持った別の個人、という対比構造。

どんだけ対比構造をとるんだ、という話ですよ。
#つか、対比構造が上手い作品は必ず面白い、というのが僕のあてにならない持論なんですが。

いやいや、これも次週が本当に楽しみですね。

1stシーズンのタメをこれ以上無いくらい上手く使ってきてますね。
参るなこれは。
#そして今回は絵コンテに水島監督、演出も角田さんという第1話コンビ。気合入ってるなー。


もうひとつの対比である沙慈くんとルイス。

敵同士になってのファーストコンタクトはこういう結果になったけれども、イアンさんが言ったように沙慈くんは撃たなくて良かったな、と。
彼にはやっぱりルイスを連れ戻す、否、迎えにいく、という大役があるのだから、そういうポジションで良いと思うんですよね。

今回はそうだったけれども、今後についてはどうだろうか。

マリー(ソーマ)がソレスタルビーイングの艦(トレミー)に来る、ということはその直前に会話をしていたルイスの話なんかも間接的にかどうかは分からないけれども、沙慈くんにルイスがアロウズにいる、ということが伝わるんじゃないかとも思うんだけどね・・・。

これまた切ない予感・・・。

けれども、ルイスを迎えに行く、というのがこの物語の最高のクライマックスとして描かれても僕としては良いんじゃないかと思っていて、むしろそう願っているくらいなんだよね。
だから沙慈くんにはその大役へ向けて頑張って欲しいところなのです。
#彼もまたオートマトンの虐殺に二度も遭遇してしまい、自らも引き金を引かなくちゃいけなくなってしまった、そういう死の葛藤の中でもがいている、という作中マクロのテーマまでもきちんと背負っている主役なんだと改めて認識するところなんですよ。
#うちの6歳の娘もルイスのことをずっと気にしているので、やはり沙慈くんには頑張って欲しいね。

いやー、まじで2ndシーズン面白いです。
勢いでHGのダブルオー買っちゃったし。
MGまで待てなかった・・・。たぶんMG出たらまた買っちゃう気がするなぁ。

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機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 2ndシーズン 第6話 「傷痕」 感想

2008-11-11 01:20:50 | ガンダム00(ダブルオー)2ndシーズン
沙慈君は視聴者目線での代表格なんだけれども、非常に切ない、これは切ないよ、という感じの第6話。

人を殺してしまったらソレスタルビーイングと同じになってしまう、そう言って刹那たちと距離を置いたつもりの沙慈くんだったけれども、自分のしたことで虐殺を引き起こしてしまって、そしてそれがまた飛び火して報復活動になって、と平和な世界を過ごしていた一瞬前までとは全く違う、転げ落ちるように世界が変わっていくことに理解が追いつかない、何かを贖罪のようにしようとする、彼らを助けたいとは言ったものの、引き金を引いてしまえばもう戻れなくなる、そういう葛藤。

そしてその葛藤のスコープの先にいるのはルイス。

何この悲劇?

ちょっと切な過ぎないか?

1stシーズンではルイスと沙慈くんという愛すべきバカップルは平和の象徴であり、日常生活、つまり視聴者目線の代表だったんですよね。

ガンダムっていう作品は戦争を描くわけだから、その中に視聴者がどうやって入り込んでいくか、というとやはり感情移入とか、目線を合わせて、という形になるんだろうけれども、ほんの少し前まで日常にいた視線から一気に戦場へと、ぐいぐい放り込まれちゃった。

ダブルオーは2ndシーズンになってから感情面が前面に出ていて非常に面白いと思っているんだけれども、改めて1stシーズンのあの狙い済ましたまでの静けさが計算されたものだったというのを改めて思い知った、という感じがここ数話でひしひしと感じますね。

まさかルイスと沙慈が、照準越しに互いを狙いあう、なんていうシーンが来るとは・・・。

沙慈君が引き金を引いたかどうかは次週へ持ち越しだけれども、沙慈くんの自責の念と引き金を引くことへの葛藤、それだけでも十分辛いのに、そこにその照準の先に愛すべきルイスがいるだなんて・・・。

いやー、切ないわー。

この辺はルイスも初陣で敵MSを撃ったときにしばらく震えていたんだけれども、本来引き金を引くことの葛藤が人間性と言う意味ではあるはずなんだけれども、アロウズの虐殺には無機質な殺戮への警鐘なんかもあって、対比されてるんだろうなぁ、きっと。

この辺はある意味、ダブルオーって凄く丁寧にやってるんだよね。
特に2ndシーズンはそこが本題、と言わんばかりに。
#圧倒的武力で敵を殲滅、というのはその通りなんだろうけど、湾岸戦争なんかを攻撃される目線で描くとこういう感じになるのかも・・・。

あと、ティエリアが沙慈くんに言っていたのは、改めて言うことでもないけれども、沙慈くんがしゃべったことを言っているのではなく、(戦場)現状を前にして、自分は関係のない、ただ巻き込まれただけ、世界がどうなっていようとも、自分とは関係が無い、という無意識の悪意(世界がこういう状況になっていることに対して無関心であることも悪意の一種である)が、こういう結果を引き起こしたんだ、ということだよね。

これはマクロ的には視聴者目線の沙慈くんを通じて、視聴者サイドへの問いかけにもなっている、というわけですね(多分)。


もう一人切ない人、といえばソーマ・ピーリス。

ピーリスという名で呼ばれていたことを忘れたくない、というのもなかなかに切ない話。

これは名前と記憶の伏線になっているんだろうけれども、セルゲイさんによって人間性を回復?してきたソーマが、虐殺を目の当たりにして思うのは、自分は戦うために生み出された存在であり、人間らしい幸せを求めてはいけない、という非常に切ない決意でした。

人間性を微塵も感じさせないオートマトンによる虐殺を目の当たりにして、自分の存在としての人間性を否定しなくてはならないという皮肉。・゜・(ノД`)・゜・。

ここについては、ソーマ・ピーリスとマリーという二面性のどちらが前に出てくるのか、何が幸せなのか、何が本当なのか、と視聴者としても非常に迷うところ。
ただひとつ、人間性を失ってはいけないんじゃないか?というのだけが分かるところ。


そしてスメラギさん。

彼女のトラウマは自分の愛する人を自分の立てた戦術で失ってしまったこと。
これもまた切ないなー。

しかも驚くべきことに、カティさんも同じ立場で互いに戦術をぶつけ合う結果になってしまったこと。

果たして誤った情報は故意だったんじゃないのか、とかいろんな妄想がよぎるところだけれども、結果的にスメラギさんはソレスタルビーイングに入ることになった、というわけなんですね。

1stシーズンってどんだけ過去とか感情とかを抑えてきたのかってことですよ。

ある意味、2ndシーズンになって、というかオートマトンを投入してから鮮明になったと思うんだけれども、無機質化する殺戮と、感情の対立・葛藤(スメラギさんや、カティさんも過去の失敗でそれを痛感している、というか、いまだ引きずっている)=人間性の勝負!!じゃないけど、最後はそういうところに行き着くんじゃないかと予感してきました。

もちろんそれは、イノベーターという人工生命体集団と人間性を帯びた集団(刹那たちはもちろんそこにはティエリアやソーマ、アレルヤなんかも含まれるはず)の人間性を巡る対決、という感じになるとダブルオーの熱さが増す感じがしてきました。

いやー、参ります。


あとは王留美。

彼女に関しては全く読めない・・・。
紅龍がお兄様、とかそういうのも含めて。

彼女はどこへ行こうとしているんだろうか・・・。


と言う感じで、ダブルオーが非常に面白いので、マスターグレードが出るまで待っていようと思ったんだけれども、ダブルオーのHGを購入してしまいました(笑)。
現在子供と一緒に作成中。
#おねえちゃんはお利口に手伝ってくれるけど、下の子燕。はいたずらしまくりではかどらない・・・(笑)。

ガンプラって、間接とかほんと進化していくのね。
すげー曲がるんですけど。

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機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 2ndシーズン 第5話 「故国燃ゆ」 感想

2008-11-04 01:11:50 | ガンダム00(ダブルオー)2ndシーズン
ダブルオーをここまで観てきて、改めて面白いなと思っています。
1stシーズンのタメがここに来てものすごい効果を発揮してて、実はこの作品、ストーリーラインは凄く丁寧に作られているんだ、というのを実感してます。

最近は起承転結の承を短くする傾向が他作品では多くなってきた(というかそれがトレンド?)と感じていただけに、1stシーズンを丸々承として使った(んじゃないかくらいの感じ)ようなお話の運びってのは、そこから転じてくるストーリーに重みを増すから面白いんだよね、と改めて実感です。

今回はお話自体はそれほど大きく動いたというわけじゃないんだけれども、それでもそこに登場しているキャラクター達の心情描写や立場たるや、1stシーズンと全く違う状況を呈しているんですよね。

この辺の対比っていうのが、1stシーズンがあったから凄く丁寧に感じます。

特にマクロの部分で「人の感情」に凄く重きを置いているというのが今回明確になった気がしますね。

無機質な殺戮を展開するオートマトンや、おそらくそれらを作り上げたであろう人工生命体集団?のリボンズたちイノベーター、更に人間を超えた?とも言わしめたアリー・アル・サーシェスの虐殺など、この辺は近年警鐘を鳴らされ続けているバイオハザード、モラルハザードであり、近年のイラク戦争に見え隠れするような戦争におけるゲーム化?(地上戦は別としても圧倒的戦力で)自動で行われる人が人を殺すことへの罪悪感の希薄化?というような、漠然とした戦争のあり方はどこへいくの?というような不透明感の象徴みたいな感じで描かれてるんじゃないかな、とも勝手に思ったりしてるんです・・・。
#アレルヤが「罪の意識~(だったっけ?)」と言っていたところが象徴的。
#ミクロ的にはソレスタル・ビーイングは罪は背負うという覚悟を持っているところとの対比にもなっている。
#人が人を殺すということに対して、無機質になっていくんじゃないか、という不安感・不透明感との対比、というのがマクロの対比でしょう。

それに対して、今回で行けば特に超兵として生み出された、それこそバイオハザード・モラルハザードの禁忌を犯して生み出されたようなマリー、もといソーマ・ピーリスが、1stシーズンではあれだけ感情が不安定だったのに、2ndシーズンになってセルゲイさんの存在もあって、凄く人間らしくなった。

何でもありなのか?というと、そうじゃないだろう、と言わんばかりのタメ。

ソーマの(自分の存在への)ジレンマや、ミスターブシドーの人が参加しなかったこと、カティさんも苦渋の表情で、セルゲイさんに至ってはアロウズに参加することから拒んでいる状況。
#セルゲイさんについては、妻への贖罪の意味もあって現在は人格者的な位置に落ち着いたのかも。
#そういう意味では彼は既にアロウズがしてきたようなことを経験していて、その結果(反動?)として物事の分別をきちんとできる人になっているのかも・・・。
#ソーマを養子として引き取るのも贖罪の意味が強い?
#いずれにせよ、セルゲイさんにしても、そういった感情の反転が過去にあった(そういう意味では一歩先行している)人物なのかも。

ソレスタル・ビーイングのメンバーにしても、1stシーズンと決定的に違うのは、自分たちの意思に基づいて行動をしていたり、顔を晒していたり、そして何より感情が前面に出るようになってきたこと(特にティエリア)。

ダブルオー・ガンダムが刹那の気合?で起動したような演出にしても、やっぱり2ndシーズンというのは、統一と言う名のもとに(イノベーターという人工生命体によって生み出されたアロウズという暴力装置によって)無機質化の道を辿ろうとする(そういった現実世界への不透明感・不安感)に対して、やっぱり根底には「人間の感情でしょう?」みたいな対比が見えてくるんじゃないかと思うんですけどね。
#作品は違うけれども、同じサンライズ作品のコードギアスR2で、コーネリアさまが大量殺戮兵器ダモクレスが出てきて「戦争の仕方に品が無くなってきた」みたいなことを言っていたのは結構感覚的には近い感じかなとも思う。

だから、半分作られたようなソーマや、おそらくリボンズたちと同じように作られたティエリアたちの戦いっていうのは、個人的には物凄く楽しみであるところです。
#もちろんアレルヤや、(感情を失ったかのような)ゲリラに仕立て上げられた刹那もそうなんだけどね。

ただ今回は、自分の存在意義と人としての幸せの間で悩むソーマや、感情のかけらも見せなかったティエリアが冗談を言うようになったりと、1stシーズンではあえて感情の起伏を抑えて表現させていた、というのが良く分かって、これは本当に丁寧に仕込んであったんだな、と改めて思うわけです。


そして感情の起伏、という意味では別の意味で沙慈君とルイスでしょう。

あの愛すべきバカップルぶりが本当に懐かしい。

戦争とは全く無関係だった二人が、本人たちの意思とは無関係に戦争に巻き込まれた結果、あの愛すべき二人の立場はいまや・・・。

これは予想されていたことだけれども、現在進行形となっているTV本編ではやっぱり辛いよねぇ・・・。

沙慈くんはこれまで巻き込まれてはいたけれども、それでもまだ外野に近いポジションにいたわけじゃないですか。
それが形はどうあれ、戦争・虐殺の渦に飲み込まれてしまった・・・。
沙慈君を責めるのはあまりにも酷だけれども、現実としてはそうなってしまった・・・。
彼も重い荷物を背負ってしまった。

そしてルイス。
沙慈君が結果的に引き起こしてしまった惨劇。
その惨劇を率先して起こした暴力装置たるアロウズ。
そこに帰属する彼女。


今回は物語としては大きく動いたわけじゃないんだけれども、それでもそういった感情のうねりというか、1stシーズンからのタメが効果的に利き始めているというか、きっちり積んできたものをさあ開放してやる、という面白みを感じてしまいます。

沙慈くんとルイスにしても、1stシーズンのあの愛すべきバカップルぶりがあってこそ、僕らもどうなってしまうのか、と気になって仕方がなくなってしまう。

いやー、ダブルオー2ndシーズン、いや、1stシーズンから含めて、ガンダムダブルオー、面白いです。

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