蒼穹のぺうげおっと

-PEUGEOT in the AZURE- マンガ・小説・アニメの感想を書き流すファフナーとエウレカ好きのサイトです

来週は企画ものでいきたいと思うのです。

2004-12-17 18:24:54 | Weblog
gooブログのアドバンスサービスを利用してみて3日目、アクセス解析機能の一つに「検索ワード」のTop20を表示してくれるのですが、ここ2日(初日は計上できないので)、圧倒的に多い検索ワードが

「蒼穹のファフナー」

次いで

「巌窟王」
#舞-HiME、ガンダム、おおきく振りかぶってなどなどが続きます。

これが意味するところは「蒼穹のファフナー」と「巌窟王」の人気が今盛り上がっていることに他ならず、作品の出来から考えても至極妥当な結果なんだろうなと妙に納得していたところです。

特に「蒼穹のファフナー」、これは26日に最終回を迎えるにあたり、放送地域が限定されているとは言え、視聴者としては最終局面が気になって仕方ないということでしょう。
つか、僕自身最終回を考えるだけでドキドキしてしまいます。

ということで来週からは「超個人的お勧め小説」企画と並行して、「蒼穹のファフナー」を厚め(熱め)に取り上げて行こうと思います。
#感想は火曜日の昼にアップできるかな。それ以外のコンテンツも考えてみます。

よって今日からこのブログは「ぺうげおっと55」改め「蒼穹のぺうげおっと55」になります(えー)。
#カテゴリも「蒼穹のファフナー」を新設しました。


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KURAU 第19話~第24話(最終話) 感想 そして総括

2004-12-17 13:15:19 | アニメ 感想
今週で最終回を迎えた『KURAU Phantom Memory』、昨夜撮りためていた最終回までの5話を一気に見ました。
静かなる感動をありがとう、決して派手ではないけれど、しっかりとしたテーマを最後まで丁寧に昇華したBONESとその制作スタッフに惜しみない拍手を送りたいと思います。
切なくて嬉しい涙とともに。

この『KURAU Phantom Memory』という作品は恐らく放送地域も限定されていると思いますし、ストーリーに派手なところが無いことからも、視聴者数はそれほど多くなかったのではないかと思います。
ゆえに、ここから書くことは私の独り言に近いものになるかもしれません。
それでもこの静かなる感動作についてラスト付近を中心にご紹介したいと思います。
しばしお付き合いを。

■一貫したテーマを二重にも三重にも昇華した制作スタッフに拍手を
うちのブログではこの『KURAU』のテーマを寂しさの裏側に見える「家族への憧憬」「親しいものへの思慕」と捉えて、それを軸に感想を書いてきたのですが、最終回となる第24話までを通じてそれが見事に昇華されていて、一視聴者として切なくそして嬉しい最終回を迎えることができました。

人を支えているのは憎しみという感情や孤独ではなく、惜しみない愛情を注ぐ家族であり、支えあう「対」の存在ということを一貫して静かに語りかけていたのですが、象徴的なエピソードをピックアップすると、

■家族への憧憬
最初は娘(クラウ)から父親への思慕だけかと思っていたのですが、それだけではなく父親から娘への思慕もしっかりと描かれていたわけで、その象徴的台詞が第12話の「紹介します、私の娘たちです」であり、最終話の「(実の娘のクラウとリナクス化したクラウ)どちらも私の娘なんだ」に繋がっていて、最後に本当に家族としての想いが昇華された瞬間でした。
自分の娘でありながら自分の娘ではない、そういう状況においてサブタイトルである「Phantom Memory」=「記憶」が効いてきて、本当に家族として心を通わせる、嬉しい涙しか出ない瞬間です。
ちなみに第12話で私は号泣しています。

■憎しみからの変化
クラウとクリスマスの他にもう一人スポットを当てるとすればそれはアヤカ。
憎しみに囚われていた彼女が第18話で前を向いて進み始めるシーンは第12話に次いで涙を誘うシーンでした。
そのアヤカが自分の心と本当に対峙するシーン、最も憎んでいる対象のサイトウ長官が殺されるかもしれない状況で、それでも長官を守りに行こうとするアヤカにほんとうの「変化」が訪れる。アヤカのストーリーはここで完結したと言っても過言ではありません。
その後にアヤカが家族を築くというエピローグはこの「変化」に対する製作者側からのプレゼントなのかもしれません。
「家族」によって癒されるべき存在、アヤカもその一人に違いありません。

■世界には二人しかいない、しかしそれでも世界は二人だけではない
第7話の感想でクラウもクリスマスも世界は二人だけで構成されているわけではないことを受け入れているんですが、それでも二人はリナクスで世界に二人しかいないんです。
それでも第23話でクラウは、そしてクリスマスはこの世界を、いろんな人で構成されているこの世界を守るために身を犠牲にしていく(涙)。
第7話でのシーンから本当に決意して、それでもあえて守ろうとするこのシーンに大きく張られた伏線の帰結を感じるとともに静かに感動してしまうのです。

■寂しさの裏返し
第1話の感想を書いたときに、「寂しくて寂しくて仕方ない」のかもしれない、そう書いた一言がこの最終話に帰結。
人間に戻ったクラウの口から「(母を失った悲しみで)寂しくて仕方なかったのかもしれない」の一言が出た瞬間、ああ僕はこの作品を観ていて本当に良かった、正直身震いしそうになりました。
第1話で表現したことが最終話で帰結する、丁寧に丁寧に積み重ねたストーリーの核心がここに帰結する、そんな瞬間(涙)。

■Phantomo Memoryの意味
「Phantomo Memory」とは「幻想の記憶」、つまりリナクス化した人間たちが持っている別の記憶。
それは「大事な人たち」と共有してきた記憶。
双子のリナクスを描いてきた意味、それがここに収斂してくるなんて熱すぎる。
彼らはその「Phantomo Memory」を思い出すことによって、最後に救われている。
大事なものは何かを思い出すことによって。
そしてこれが最後の最後、クラウとクリスマスの関係に収斂する、この積み重ねに涙が・・・。

■別れに対する答え
第13話以降、本作のサブテーマは「別れ」にあるんではないかと書いてきたのですが、その答えも最後に素晴らしい形で昇華されていました。
世界を守って消えていくリナクスのクラウ、そして残されるクリスマス。
これまで数々の「別れ」を描いてきて、「対」無しでは生きていけないという展開を見せつつも、最後には自分の胸に生きている、ずっと見守っている、物理的な「別れ」ではなくむしろ「始まり」を描くラストに大きな拍手を送りたい。
そして第1話と同じく、クラウがリナクス化した12歳の姿だったクリスマスがクラウと同じように10年の歳月と寂しさを積み重ねて再び12歳のクラウが出現するシーンは、クリスマスに対する製作者サイドの最高のプレゼントなのでしょう。

最後の「Welcom home」に心温められつつ、静かにこの小さな名作を見終わりました。
各話のエンディングの出来はときにガンダムSEED DESTINYを上回る切なさを見せるほど秀逸。
こういう作品があっても良い、BONESはいい仕事してますよ。
DVDも出ているので、もしこの静かな作品に興味を持った方は是非美しい音楽とともに静かに観てみてください。
物足りなさはあるかもしれませんが、こういったしっかりした作品が僕は結構好きなんです。
改めて制作スタッフに静かなる拍手を送りたいですね。

独り言にお付き合いいただきありがとうございました。

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