蒼穹のぺうげおっと

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巌窟王 最終幕 感想

2005-03-31 02:29:29 | 巌窟王
「渚にて」と言えばネビル・シュートの『渚にて』を思いつくのですが(ちなみに管理人は未読)、ネビル・シュートの『パイドパイパー』は名著なので是非皆さんにお勧めしたいところ。

さて、最終幕となった巌窟王エピローグ「渚にて」ですが、これまで巌窟王の作品の中身は非常に良かったのですが、タイトルのネーミングがイマイチで肩透かしを喰うこともしばしば。
しかし今回のタイトル「渚にて」は全物語中で最高のタイトルだったと思います。

■渚にて・・・
大人たちの過去に映る渚での幸せそうな美しい光景と、第18幕で映る若者たちの過去に映る渚での幸せそうな美しい光景、これまでずっと観てきた視聴者はこの2つのシーンを思い浮かべずにはいられなかったと思うのです。
特に第18幕の渚での光景は作中最も美しいと思ったところでもあり、また最も悲しいと思ったところでもあります。

そしてどちらの光景も、もう二度と全員揃って見ることはできず、それがまた切ない・・・。
このシーンだけでエピローグは十分その役を果たしたのではないでしょうか。

■我が名は巌窟王
渚での美しい光景を二度と帰らぬものにしたのは、些細な偶然が幾重にも重なり、恨み・嫉妬によってその歯車が回ってしまったことに原因があったわけですが、第23幕で「我が名は巌窟王、私はいつもお前と共にある」とアルベールに向けて言ったのは、恨み・嫉妬に呑まれれば、すぐにでもそして誰にでも巌窟王(という名の復讐者)になる可能性がある、そういうことだったのかなと。

アルベールはやはりそれに気が付いていて、その恐怖と対峙するためにゼロから5年かけて積み上げてきたってことなんでしょうね。
いくら純真なアルベールとはいえ、さすがにフランツの墓を前にしては恨みに喰われてしまう、そう感じていたのかもしれません。

そういう中で踏ん切りがついたのはやはりあの絵の裏にあった手紙のエピソードなのかもしれません。

「あなたは・・・、僕が生まれる前からここにいたのですね・・・」

このシーンは切なく、これまでの伯爵との思いを受入れることにつながったところだったんじゃないかと。

個人的にはエピローグでこの2点をやってくれたんで満足。

■その他には
エデとヴァランティーヌに共通することなのですが、髪で顔の反面を隠す表情が多かった二人が、顔を見せて笑顔を見せるという表現は最初からきっとやりたかったことだったんだろうな。
髪と表情については以前★ジャンさんがそういうことを仰ってましたね。
エデとヴァランティーヌに幸多からんことを。

ベルッチオやバティスタンもいい味だしてたなぁ。この人たち大好きです。
そして忘れてならないペッポ。一番好きです(性別関係なし)。

■多くの名演技者たち
アルやフランツはもちろん、モンテ・クリスト伯役の中田さんや、フェルナンの小杉さん、カヴァの関さん、その他大勢の声優の皆さんの演技力は素晴らしかったです。
彼らに惜しみない拍手を。

深夜枠でのこの完成度と2Dテクスチャを使った画像の美しさ、またその音楽には個人的に満足でした。
次はデュマの原作を読んでみたいと思います。
最後にアルとユーに静かな拍手を。

■余談
CMの時に出たクラシック版サントラ、あれはラフマニノフのピアノ協奏曲第2の第1楽章の最初でしたね。
やっぱりラフマニノフは良いですな。

■巌窟王 3



巌窟王 第23幕 感想

2005-03-23 03:19:08 | 巌窟王
素晴らしかった。ほんとに素晴らしい。
番組始まって以来のOP無しアバン、そしてそこには制作スタッフの名前が浮かび、一瞬今回が最終回かと錯覚するほどでした。

そして本編は、第20幕の感想で「アルベールが伯爵を巌窟王としてではなく、モンテ・クリスト伯としてその最期を見届ける、そういうラストをやってくれれば満足」と書いたとおりの展開を見せてくれたので、個人的にはこれ以上無いというほど満足です。

■巌窟王とモンテ・クリスト伯そしてエドモン・ダンテス
中盤あたりから予想していたのですが「巌窟王」の意味が分かれば自ずとその狙い(というのは作品の狙い)が見えてくると思っていたように、やはり「巌窟王」とは絶望を欲する寄生タイプの「何か」だったわけですが、作品の狙いとしてはやはり「巌窟王」化するモンテ・クリスト伯をアルベールという純粋な心を持つ少年が、「巌窟王」としてではなく「モンテ・クリスト伯」として、ひいては「エドモン・ダンテス」として葬ることができるかどうか、ここがポイントになってくれたわけで、半年間感想を書いてきて本当に良かったなと思うんですよ。
そして因果応報もきちんとやって欲しい、そう思っていたのでやはり納得の最期だったと思うのです。
緊張感を最後の最後まで切らせない脚本、演出は本当に素晴らしいと思います。
前田監督とその制作スタッフに拍手です。

■もうひとつの魅せ場、フェルナン
今回は小杉さん演じるフェルナン、これも実は素晴らしかったと思うのです。
前半の剣戟のシーンはともかく、後半のアルベールを人質に取られてからのフェルナンという男の変化、というよりも懺悔・贖罪、その描き方も素晴らしく、また演じる小杉さんも素晴らしかった。
何もかもに嘘をついてきたフェルナンが最期にアルベールを思う気持ちだけは本物だった!
なりふり構わず、まるで憑き物が落ちたかのようなフェルナンに、ここまでの見せ場を作るというのがまた良かった・・・。
このまま恨みで死んで行くというシチュエーションよりも、視聴者としては今回のフェルナンを見て救われた気がしましたよ。
そしてその後伯爵が「死ではなく、絶望が欲しい」という台詞もまた秀逸。
ここに来てもまだ緊張の糸は切れない、みたいな。
でもそこでヴァティスタン!
ヴェルッチオと言い、奴らどうしてこうもカッコイイですかね?
呆れるほどカッコイイですよ。
フェルナンに話を戻すと、最期の銃を用いるあたりやはり演出が上手いなと。
うん、素晴らしいね。

■エデ
崩壊する城の中で「逃げても構いませんよ」と言うエデですが、「逃げてるのはエデだよ」と思った瞬間、アルベールの台詞に全てを代弁された気がしましたね。
アルベールが最高にカッコイイシーンでした。
そしてユージェニーをお姫様抱っこして飛ぶシーンは全てこのシーンのための伏線だったのか!!迂闊(笑)。
エロイーズとアリの描写もあれでイイな、と思いました。
生きるにせよ、ここで潰えるにせよ、それだけの業を背負ったのだし、その後を視聴者の想像に任せるというのはイイと思います。
また手を引くのがアリというのが設定としては良いなと。

いや、ほんと巌窟王は今シーズン(正確には昨シーズンから)の作品の中でも一・二を争う傑作だと思います。
最初から最後まできっちりと緊張感を与え続けた前田監督と制作スタッフにもう一度拍手を。
素晴らしいミステリーエンタテイメントでした。

次回、最終幕。
エピローグと考えて良いのでしょうか?
最後まで楽しみです。


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巌窟王 第22幕 感想

2005-03-17 02:59:36 | 巌窟王
ラストへ向けて一気に加速してきた巌窟王第22幕「逆襲」。
今回は崩壊していくフェルナンを中心に見所たっぷりでした。
特にメルセデス、地味に良かったです。
もちろんヴェルッチオ&ヴァティスタンは最高です。

■崩壊するフェルナン
エンディングの銃を口に突っ込むシーンはここで使われるのかぁ、なるほど、と思わずにはいられないフェルナンの崩壊っぷりが見事でした(小杉十郎太さん、すばらし!)。
ついに最後の3人目の心情暴露となったわけですが、メルセデスにすらあたりちらし、そして跪く、さらには去ろうとすれば撃ち、さらにはアルベールをも手にかける。
伯爵の復讐のシナリオとしてはこれ以上無いとでも言わんばかりでしたね。
ヴィルフォール、ダングラールに関しても最後の壊れっぷりが描写されていて、ここまでやるかという感じで崩壊の仕方に引き込まれました。
フェルナンには伯爵との最後の一騎打ち、是非とも盛り上げて頂きたい。
そしてその後の人質合戦も。

■メルセデス
そんな中で、フェルナンの行為を知ってなお、一緒にパリを離れようと言うメルセデスは地味に良かったですね。
その許そうとする想いすらフェルナンには届かず、結局メルセデス自身も因果の渦に巻き込まれてしまったわけですが、許すという行為に出たメルセデスにはもう一舞台、頑張って頂きたいところです(もうないか?)。

■こうして舞台は整っていく
伯爵とアルベールの対峙、これが最後の舞台となると思いますが、フェルナンとの一騎打ちが終わり、そして人質対決が終われば自然と二人の物語に突入するわけで、最後の最期にアルベールが伯爵を救えるのか、ここに物語が収束していく、ここを見てみたい。
ヴェルッチオ&ヴァティスタンがアルベールに期待すること、やはりそれは自分達が尊敬する伯爵を救って欲しい、その可能性を唯一秘めているのがアルベールの馬鹿が付くほどの純粋さだと気付いているからなんでしょうね。

ストーリーテリング、音楽ともにこの巌窟王という作品は素晴らしい。
ほんとこの作品は大当たりです。


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巌窟王 第21幕 感想

2005-03-09 21:42:01 | 巌窟王
ダングラール、ヴィルフォールの両名に対しては全くの同情すら感じることなく、むしろそんな状況まで流れ流れてきた伯爵を思って悲しくなったりはするのですが、今週は何よりも関智一さんが凄かった。

■目には目を
アルベールやフランツ、ユージェニーに災厄が降りかかるときはいつも尋常ならざる状態でTVを正視することができないのですが、今幕は全く別。
むしろダングラール、ヴィルフォール両名がいかに後悔してくれるかどうか、こんなことを考えながら見ている僕は正直救いようがありません。
つか、むしろ伯爵もっとやっちゃってください、くらいのノリで見てました。
ダングラールには金を。
ヴィルフォールには法を。
きっちりとカタにはめてくれました。
・・・と、ここまでノリノリで書いてますが、やっぱりエドモンがこうなって(復讐鬼と化して)しまったというのはこうなんていうか切ないものがありますね。
人の弱み、妬みがピンポイントで交錯して1点に収斂してしまった結果が今に至っている。
そこがこの作品の悲劇としての面白みでもあるわけですが、視聴者としては「ああ、あの時・・・」と思わずにはいられない。
つかそういうのが狙いなわけでもあるんで、やっぱり原作含めてこの作品は面白いなと。

■カバ様
彼に関する考察については「第9幕の考察」でほぼ正解だったと思います。
それにしても今回は彼の法廷での演技が見事。
最期の一刺しをするために全てをだまし続けたカバ様。
そしてこの作品に登場する人物たち全てを暴くかのような最後の捨て台詞。
Bパートは彼のためにあったようなものでしたね。
あまりに見事だったため、ユージェニーの件は僕は水に流すことにしますよ(未遂だったし)。
つか、関さんが凄いんだってば、あれは。
あれはイザークを抜いたんじゃないですかね?
声優さんってばほんとに凄いですな。

■ラストシーン
素晴らしい引きですね。
対峙する伯爵とアルベール。
もう来週が待ち遠しい。

■予告
ぬぁ、モンデゴがトチ狂ってる!
パリが惨劇に巻き込まれそうなんですが、その中で伯爵とアルベールは何を語るのか?
モンデゴはどうでもいいから、この二人の動向が気になってしかたありません。

何か、巌窟王の感想書いているとき、微妙にいつものスタンスと違うような気がするのは本人だけでしょうか・・・。
たぶん伯爵マジックですので、気にしないで下さい。


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巌窟王 第20幕 感想

2005-03-03 02:00:38 | 巌窟王
さよなら、ユージェニー


良かった・・・。
良かったよぉぉぉ・・・(涙)。

もうここで終わっても良い。
もうここで終わっても良い。

全国のユージェニーファンの皆様、ほんとに素晴らしい回でしたよ。
巌窟王をこれまで観ていて、緊張感に震えることや、悲しいことで泣いたことは数知れず、しかし今回は、しかし今回は初めて良かったと思いながら涙が溢れて参りました。
美しきかな。
美しきかな。
どうかこの二人にささやかな幸せを・・・(涙)。

そしてこの二人を助けた陰の功労者、ペッポに惜しみない拍手と、惜別の涙を。
そして靴を脱ぎ再び歩き出す(あえて)彼女に幸多からん事を(涙)。

この回は何度も観返しそうです。

■陰の功労者と言えば
もちろんリュシアンとボーシャン。
特にリュシアンは最もおいしいところ持って来ましたね。そして視聴者としては最高に胸のすく思い出したよ。
今までユージェニーを傷つけてきたリュシアンが最後の罪滅ぼしだったとでも言わんばかりにカッコよかったです。

そしてルノー。
君の存在意義はこのためにあったんだよ(違)。
ヴァランティーヌの時と言い、プチジョーカーです。

■でも忘れてならないのが
ズラがずれようが、メイド姿が死ぬほど似合わなかろうが、そんな姿でユージェニーをお姫様抱っこしようが、全ての肩書きが無くなって自分の足で立つアルベール、君は今回かっこよかったよ・・・。
そして伯爵に話をしに行くアルベール、そうだよ、そうこなくっちゃね。

■伯爵
胸を押さえるシーンからみるに、まだ心はかすかに残っているのかもしれません(フランツの剣は届いていたのか)。
僕個人の思いとしては、フランツの遺言にもあったように、アルベールが伯爵を巌窟王としてではなく、モンテ・クリスト伯としてその最期を見届ける、そういうラストをやってくれれば満足です。
つか、今回で終わってもいいよ。ほんとに。


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巌窟王 第19幕 感想

2005-02-25 02:01:22 | 巌窟王
ッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(怒)。
うおのれぇぇぇ・・・・カァバァルゥーーーーックワァンティーーー!!!!!!(怒)。
ああ、この恨みどう晴らすべきか・・・、許すわけがなかろうがぁ!!
・・・でも未遂でよかった・・・(本音)。

と、かなりユージェニーファンを公言して憚らない僕は相当取り乱す結果になりましたが、とりあえずタイトルと内容にどういうつながりがあったのか分かりませんでした(えー)。
やはりフランツを失ったことへの自責の念と、伯爵への復讐心に我を忘れる(特にユージェニーの件も伯爵絡みだと気付いたならば)という伏線という意味なんですかね。
うーん、今回は分かりませんでした。

■やっぱり伯爵はフランツだと分かって殺したんですね(涙)。
フランツに剣を刺されても(アリという名医が居たとしても)無事ということは、伯爵自身がかなり「巌窟王化」しているってことなんでしょうね。

ストーリーのクライマックスとしてはまだ全然予想できていませんが、「巌窟王化」していく「モンテ・クリスト伯」をアルベールが「エドモン・ダンテス」としてもしくはアルベールがかつて憧れた「モンテ・クリスト伯」として葬ることができるかどうか(この場合の葬るとは、倒すという意味に非ず)というところに焦点が最終的にあたってくれると個人的には満足かも。

■次週、さよなら、ユージェニー
美しすぎる花嫁姿が眩しければ眩しいほど、嫌な予感というものは募るもので・・・。
つか、ユージェニー・・・、死んだりしないよね?
想像するだけでもイヤーーーーー。

ピアノを前にして「アルベール・・・、誕生日にプレゼントする曲が、お別れの曲になっちゃったね・・・」とかマジで言いそうで今から鬱になりそうです。


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巌窟王 第18幕 感想

2005-02-17 01:03:27 | 巌窟王
「決 闘」

もはやこの幕に感想など書けるはずもなく、ただただ悲しいばかり・・・。

フランツ、さようなら、ありがとう。

3人で居た浜辺のシーンはとても美しく、ずっと僕の胸に残るでしょう。

フランツ、ありがとう、さようなら。



おかしいな・・・、涙で・・・、キーボードが、・・・見えないや・・・。



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フランツ、君の姿を忘れません、ありがとう、さようなら


巌窟王 第17幕 感想

2005-02-12 15:28:29 | 巌窟王
巌窟王を観てしまったから熱が出たのではないかと思う節がなきにしもあらずな第17幕。
伯爵からアルベールに語られる真実、そしてそれを受けるアルベール、またそんなアルベールを想うフランツとこの作品にはテンションが下がることは無いのか?と思ってしまうほど今回も素晴らしい出来でした。

■俺の心を弄びやがって!
もう今週はアルベールファンには見ていられないような、それでいて見ずにはいられないような悶絶の展開だったと思うのですが、とりあえず鼻水べしょべしょのアルベールは良かったです(笑)。

ついに伯爵自身から復讐のためにアルベールに近付いたのだということが語られましたが、今後のポイントとしてはアルベールの気持ちが伯爵への復讐に傾くのか、それとも宇宙船の中で呟いたように「人の心なんか信じられない、そう思うことの方が哀しい」という気持ちに戻れるか、今の怒りに満ちたアルベールの心がどっちに振れるか、これが楽しみ。

■フランツ
前述のどっちに振れるかの大きな鍵を握るのがフランツだと思うのですが、今回アルベールに酒をしこたま飲ませて、自分が身代わりに決闘に赴くフランツ、彼の生死がアルベールに大きく左右しそうですよね。
つか、フランツ、あれに乗った時点で死亡フラグ立つんで止めて!!
客観的に考えたら、親友を殺されても尚「人の心なんか信じられない、そう思うことの方が哀しい」と思うことができるのか、なんて盛り上がる展開なんですが、個人的には嫌。つか、フランツ、死なないで(懇願)。

■メルセデス
メルセデスに対してエドモン・ダンテスが死んだということを証明しましょう、というのはどういう意味か。
アルベールを決闘で殺すことで、メルセデスの最愛の息子を奪えるほど自分はひどい男なのだから、既にあなたの愛したエドモン・ダンテスはこの世にいない・・・、そういう表現なのでしょうか・・・。

今回大きくはこの3点だったんですが、その他気付いた点をいくつか。

■ユージェニーがアルベールに贈る曲
既に突っ込んでる人たくさんいると思いますが、あれはOP曲ですね。「We Were Lovers」。
・・・既に過去形なんですが・・・。
さらに、あれは原曲がショパンの「別れの曲」なんですよね・・・。
テーマ的にはエドモンとメルセデスの曲のような気がしないでもないですがね。

■出だしの語り主は
「私の友人」という語りを入れているのがようやくはっきりしましたね。
あれが「巌窟王」なわけで、友人がエドモンというかモンテ・クリスト伯というわけですか。
ということで「巌窟王」=寄生タイプという予想は当たるか?

■剣と鎧
あれがEDで飛び回っていた騎士の正体だったわけですな。
つか、GONZO凄いわ、相変わらず。ああいうのやらせたら右に出るものはいないって感じです。
GONZO作品の醍醐味でもありますね。レトロな鍵を差し込んでパネルが明滅するってものかなりカッコ良い。

残りの尺もまだ残っていることから、まだ二転三転しそうな気配があるんですが、やはり直近ではフランツ。
ユージェニーにカードを託して死ぬ気満々なのが既に嫌です。鬱です。だれかフランツを止めてください(無理)。


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巌窟王 第16幕 感想

2005-02-04 00:30:00 | 巌窟王
今週も大満足の巌窟王第16幕。こんなに魅力的な作品に出会えるとは今シーズンはほんとに幸せです。
音楽がまた素晴らしくて、これは本格的にサントラを視野に入れねばならないかもしれませんね。
川の流れに例えると第16幕は流れの先にある滝の直前、ここから一気に流れ落ちてしまいそう、そんな緊張感に満ちた回でしたが、個人的に今回の主役はペッポです、断言します(えー)。

■アルベールに残っていた最後の二人
これまで徐々にアルベールの周囲の人が剥がされていったのですが、今幕ついに最後の二人が剥がされました。
一人は母親であるメルセデス。今幕で個人的に二番目に素晴らしいシーンだと思ったのがアルベールとメルセデスが会話をするシーンでした。

いつまでも何も知らない子供のように扱われるのはもうたくさんだ!!
もうこれ以上の嘘は聞きたくない!!


これね、僕はアルベールが親からはじめて自立しようとするシーンに見えたんですよ。
信じていたものが全て無くなって初めて自立しようとしているように。
親の力ではなく、自分の力で物事を見据えたいんだ、馬鹿にするなみたいな。

またここでメルセデスがアルベールに語る言葉が何ていうかこの作品の核心を突くような言葉で、なんか一気に最終回まで頭が飛びそうになりましたよ。

人は自ら為した事の報いを受けなくてはならない。
真実から目をそむけることは・・・許されない。


メルセデスも過去を偽っていたというのも個人的には衝撃だったんですが、その後に語られたこの言葉には一種の悟りにも似た覚悟を感じましたね。
過去に生きる大人達の中で一番カッコいいよ。

自戒を込めて母から息子へ贈る言葉とも取れるんですが、この言葉が最終回への帰結を想像させるんですよ。
前回のエデの言葉もその伏線だったと思うのですが、この言葉は伯爵へも向けられると思うんですよ。
自分が為したこと=「復讐」、その報いを受けなくてはならない・・・。
だからアルベールという存在が重要なんだろうなぁ。
復讐の連鎖を断ち切れる可能性があるのはアルベールの純粋さであり、前回伯爵へ見せた涙なんだろうな・・・。
子供の世代、頑張って欲しい。
親の世代のしがらみを断ち切って欲しい。
そう思わずにはいられませんね。

■最後の一人
これはペッポ。
振り向き様に見せる涙のシーン、ここ今回一番良かったです。ペッポファンだから(えー)。
前回のアルベールを送り出す伯爵にも通じる、そんな感じでした。
アルベールの純粋さはペッポにも作用していて、それがあの涙につながったんだろうな・・・。
ルイジ・バンパの登場シーンや、雨の中で立ち尽くすシーンとか、ほんと素晴らしいよ。
切ないねぇ。

■ラストの引きがまた絶妙で
伯爵の帰還に合わせる形で到着するアルベール、こんな引きをされたら希望したって待てないよ。
ほんとにこの作品はミステリーエンターテイメントとして秀逸の一言に尽きますね。
激情をぶつけるアルベール、これはほんとに目が離せません。

あともっとペッポに出番をください(切実)。


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