「渚にて」と言えばネビル・シュートの『渚にて』を思いつくのですが(ちなみに管理人は未読)、ネビル・シュートの『パイドパイパー』は名著なので是非皆さんにお勧めしたいところ。
さて、最終幕となった巌窟王エピローグ「渚にて」ですが、これまで巌窟王の作品の中身は非常に良かったのですが、タイトルのネーミングがイマイチで肩透かしを喰うこともしばしば。
しかし今回のタイトル「渚にて」は全物語中で最高のタイトルだったと思います。
■渚にて・・・
大人たちの過去に映る渚での幸せそうな美しい光景と、第18幕で映る若者たちの過去に映る渚での幸せそうな美しい光景、これまでずっと観てきた視聴者はこの2つのシーンを思い浮かべずにはいられなかったと思うのです。
特に第18幕の渚での光景は作中最も美しいと思ったところでもあり、また最も悲しいと思ったところでもあります。
そしてどちらの光景も、もう二度と全員揃って見ることはできず、それがまた切ない・・・。
このシーンだけでエピローグは十分その役を果たしたのではないでしょうか。
■我が名は巌窟王
渚での美しい光景を二度と帰らぬものにしたのは、些細な偶然が幾重にも重なり、恨み・嫉妬によってその歯車が回ってしまったことに原因があったわけですが、第23幕で「我が名は巌窟王、私はいつもお前と共にある」とアルベールに向けて言ったのは、恨み・嫉妬に呑まれれば、すぐにでもそして誰にでも巌窟王(という名の復讐者)になる可能性がある、そういうことだったのかなと。
アルベールはやはりそれに気が付いていて、その恐怖と対峙するためにゼロから5年かけて積み上げてきたってことなんでしょうね。
いくら純真なアルベールとはいえ、さすがにフランツの墓を前にしては恨みに喰われてしまう、そう感じていたのかもしれません。
そういう中で踏ん切りがついたのはやはりあの絵の裏にあった手紙のエピソードなのかもしれません。
「あなたは・・・、僕が生まれる前からここにいたのですね・・・」
このシーンは切なく、これまでの伯爵との思いを受入れることにつながったところだったんじゃないかと。
個人的にはエピローグでこの2点をやってくれたんで満足。
■その他には
エデとヴァランティーヌに共通することなのですが、髪で顔の反面を隠す表情が多かった二人が、顔を見せて笑顔を見せるという表現は最初からきっとやりたかったことだったんだろうな。
髪と表情については以前★ジャンさんがそういうことを仰ってましたね。
エデとヴァランティーヌに幸多からんことを。
ベルッチオやバティスタンもいい味だしてたなぁ。この人たち大好きです。
そして忘れてならないペッポ。一番好きです(性別関係なし)。
■多くの名演技者たち
アルやフランツはもちろん、モンテ・クリスト伯役の中田さんや、フェルナンの小杉さん、カヴァの関さん、その他大勢の声優の皆さんの演技力は素晴らしかったです。
彼らに惜しみない拍手を。
深夜枠でのこの完成度と2Dテクスチャを使った画像の美しさ、またその音楽には個人的に満足でした。
次はデュマの原作を読んでみたいと思います。
最後にアルとユーに静かな拍手を。
■余談
CMの時に出たクラシック版サントラ、あれはラフマニノフのピアノ協奏曲第2の第1楽章の最初でしたね。
やっぱりラフマニノフは良いですな。
■巌窟王 3
![](http://images-jp.amazon.com/images/P/B0006ISHRY.01.MZZZZZZZ.jpg)
さて、最終幕となった巌窟王エピローグ「渚にて」ですが、これまで巌窟王の作品の中身は非常に良かったのですが、タイトルのネーミングがイマイチで肩透かしを喰うこともしばしば。
しかし今回のタイトル「渚にて」は全物語中で最高のタイトルだったと思います。
■渚にて・・・
大人たちの過去に映る渚での幸せそうな美しい光景と、第18幕で映る若者たちの過去に映る渚での幸せそうな美しい光景、これまでずっと観てきた視聴者はこの2つのシーンを思い浮かべずにはいられなかったと思うのです。
特に第18幕の渚での光景は作中最も美しいと思ったところでもあり、また最も悲しいと思ったところでもあります。
そしてどちらの光景も、もう二度と全員揃って見ることはできず、それがまた切ない・・・。
このシーンだけでエピローグは十分その役を果たしたのではないでしょうか。
■我が名は巌窟王
渚での美しい光景を二度と帰らぬものにしたのは、些細な偶然が幾重にも重なり、恨み・嫉妬によってその歯車が回ってしまったことに原因があったわけですが、第23幕で「我が名は巌窟王、私はいつもお前と共にある」とアルベールに向けて言ったのは、恨み・嫉妬に呑まれれば、すぐにでもそして誰にでも巌窟王(という名の復讐者)になる可能性がある、そういうことだったのかなと。
アルベールはやはりそれに気が付いていて、その恐怖と対峙するためにゼロから5年かけて積み上げてきたってことなんでしょうね。
いくら純真なアルベールとはいえ、さすがにフランツの墓を前にしては恨みに喰われてしまう、そう感じていたのかもしれません。
そういう中で踏ん切りがついたのはやはりあの絵の裏にあった手紙のエピソードなのかもしれません。
「あなたは・・・、僕が生まれる前からここにいたのですね・・・」
このシーンは切なく、これまでの伯爵との思いを受入れることにつながったところだったんじゃないかと。
個人的にはエピローグでこの2点をやってくれたんで満足。
■その他には
エデとヴァランティーヌに共通することなのですが、髪で顔の反面を隠す表情が多かった二人が、顔を見せて笑顔を見せるという表現は最初からきっとやりたかったことだったんだろうな。
髪と表情については以前★ジャンさんがそういうことを仰ってましたね。
エデとヴァランティーヌに幸多からんことを。
ベルッチオやバティスタンもいい味だしてたなぁ。この人たち大好きです。
そして忘れてならないペッポ。一番好きです(性別関係なし)。
■多くの名演技者たち
アルやフランツはもちろん、モンテ・クリスト伯役の中田さんや、フェルナンの小杉さん、カヴァの関さん、その他大勢の声優の皆さんの演技力は素晴らしかったです。
彼らに惜しみない拍手を。
深夜枠でのこの完成度と2Dテクスチャを使った画像の美しさ、またその音楽には個人的に満足でした。
次はデュマの原作を読んでみたいと思います。
最後にアルとユーに静かな拍手を。
■余談
CMの時に出たクラシック版サントラ、あれはラフマニノフのピアノ協奏曲第2の第1楽章の最初でしたね。
やっぱりラフマニノフは良いですな。
■巌窟王 3
![](http://images-jp.amazon.com/images/P/B0006ISHRY.01.MZZZZZZZ.jpg)