蒼穹のぺうげおっと

-PEUGEOT in the AZURE- マンガ・小説・アニメの感想を書き流すファフナーとエウレカ好きのサイトです

コードギアス 反逆のルルーシュR2 第25話『Re;』

2008-10-01 01:27:35 | コードギアスR2
コードギアスの物語も足掛け1年、ついに最終回。

最終回にきてようやく「反逆のルルーシュ」というタイトルの意味に納得。

これまでの物語の展開上、ルルーシュが成してきたことから考えると、単純にハッピーエンドで終わるとは思えなかったわけですが、この物語のラスト付近でのメッセージというのは、谷口監督が思ってきたことをそのままぶつけてきたんだな、と僕なりに解釈しました。

ラストに至るここ数話における僕の感想はあまり新しいことを言ってなくて、コードギアスの世界においては(現実世界もそうなんだけれども)、世界というのは基本的に厳しいものであって、ままならないものである、ということを早めに自覚しないといけなくって、キャラの思想としてもルルーシュをはじめ、一方通行の考え方(他者を理解しようとするというものではなく、こうであろう、こういう情報を与えればこう動くだろう、こうでなくてはならないという考え方)をするキャラを記号化して分かりやすく配置していたんですよね。

ギアスという万能の力をもってしてもままならない世界。

この厳しい現実の中で、独りでは生きていけないということを理解しないといけない。


また一方で、抑圧された中から生まれる本当のブレイクスルーを志向することについては作中是として捉えられていて、そういう意味ではブレイクスルーをなすにあたって、たとえ10万人から嫌われようとも、100万人から支持されるならそれはありだろう、万人から嫌われる勇気を持つことも必要だろう、というのは谷口監督の持論でもあるわけです。

世界というのは厳しくて、自分の世界だけで成り立っているわけではなく、たくさんの人が関わって成り立っていることを自覚しないといけない。

万人から嫌われようとも、それをなす勇気を持つことも必要。


ルルーシュはこの2つについて、世界を創るために、世界を壊すという形で実現させたんじゃないかと思うんですよね。

ルルーシュ自身が抑圧された中で、本当のブレイクスルーをなすために反逆を続けてきたように、今度はルルーシュ自身が抑圧という記号化することで、世界全体のブレイクスルーを促した。
これがゼロ・レクイエム。

ギアスという自由意志を奪う能力が、そしてそもそもルルーシュという他人の意思を理解しないところから始まった主人公がこの1年の物語を通じて辿り着いた先、ギアス=抑圧という記号化した存在になる、それが世界における他者の自由意志を生み出すためのきっかけになるという、関わった人たちがたくさんいたからこそ辿り着いた結末。

10万人から嫌われる覚悟をもって、後の100万人のためを考えた反逆。

抑圧された中から生まれる反逆のパワーの中にこそ、新しいものを生み出す力があるんじゃないか、万人に嫌われることを恐れちゃいけない、そういう意味での「反逆のルルーシュ」。

これはある意味、ものすごく納得してしまったんですよね。

谷口監督がインタビューなんかで語っていたこと、そういうのを全て凝縮していくと、こういうラストへつながっていくのか、こういうタイトルにつながっていくのか、と。


しかしながら、世界は厳しい、というだけで終わったのか?というと実はそうでもなかったとも思うのです。

それはラストでC.C.が呟いた言葉、



ギアスという名の王の力は人を孤独にする

少しだけ違っていたかな

なぁ ルルーシュ?




タイトルの「Re;」というのは、無題に対する返信。

この無題の中に入るのは、ルルーシュが成してきたこと全部じゃないかと思うんです。

であるならば、それに対して誰かから返信がなされている。

それだけで、実は孤独の中で死んでいったようなルルーシュではあるものの、本当の本当のところでは実は孤独ではなかったという証。

ギアスという自由意志剥奪の能力を、最後には他者の自由意志を促すために使った、その違いが最後の最後で孤独ではなく、誰かに届いて返信が宛てられるというタイトルにつながっているんじゃないか、と思うんですよね。

それはその言葉を呟いたC.Cであったり、ラストでナレーションをするカレンであったり、ルルーシュの死の淵でルルーシュの真意を悟ったナナリーからルルーシュへ宛てた「Re;」だったんじゃないかな。


そしてもうひとつ。

「Re;」が現す内容がこの物語のTRUE ENDならば、実はこちらがこの物語のGood ENDだったんじゃないかと思うところ。

ジェレミアとアーニャ。

ギアスに翻弄された運命を辿った二人が、最後にオレンジ畑で二人で暮らす。

これはルルーシュとC.C.のもうひとつの道、Good ENDだったのかもしれないな、と二人の姿にルルーシュとC.C.を重ねてしまいました。


まだまだ書きたいことはあるのだけれども、やっぱり感想というのは自分の中にある一番熱いところを取り出して書く、というのが良いのかなと思っているので、とりあえず、僕の中にあるところはここまで。

コードギアスという作品をそれこそ「全力で」作ってくれた谷口監督はじめスタッフの皆様には本当に感謝です。
この感想をもってスタッフの皆さんへの「Re;」とさせて頂ければと思います。

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume01 (Blu-ray Disc)



コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume02 (Blu-ray Disc)



1/35 メカニックコレクション 紅蓮弐式



コードギアス 反逆のルルーシュR2 第24話『ダモクレス の 空』

2008-09-26 00:12:40 | コードギアスR2
エンタメ的にも、これまで積み重ねてきたお話の集大成という意味でも、非常に熱かったラスト直前の「ダモクレスの空」。

思えばシュナイゼル、というキャラクターに集約された記号というか、作中のメッセージは凄く面白い、というのがここ数話の僕の感想。

ルルーシュもシュナイゼルも基本は同じ。
他人の気持ちを理解したり共感したりすることは(ほぼ)無く、他人とはチェスの駒と同じで、こういう情報を与えればこう動く、こう動くからこう手を差し伸べてやれば良い、そうすれば結果的に思い通りに動いてくれる、という気持ちの双方向理解どころか、思いっきり一方通行なキャラとして記号化されていたわけです。

詰まるところ、シュナイゼル的世界というのは、自分の中で完結してしまった世界で、他者を必要としない、非常に狭い世界になってしまっているわけです。
この狭い世界の中、つまり自分の世界の中では思うとおりに事が進む、自分の世界なのだからその世界は優しい、という感じに。

しかしながら、コードギアスの世界というのは、(日常生活においても)世界というものは基本的に厳しいものなんだ、というところからスタートしていて、自由意志を奪うという万能の能力を有するはずのルルーシュでさえままならないことばかりが続く。

だからその(実は世界は厳しいもので、その世界が広がれば広がるほど厳しいものなんだという)ギャップを乗り越えていかないといけない、というのがルルーシュに課せられた宿題、というか宿命のようなものになっていると思うんです。

それってつまりは、中学生から高校生くらいにかけて、また社会人になって、接する世界が広がって、実は自分が想像していた世界(自分の中で完結していた世界)と、現実世界はギャップがあって、いろんな人と交わりながら、そういう厳しい中で生きていかないといけない、ということに気がついて成長していく、ということと同義なんじゃないの?という感じなんですよね。

作中で、唯一ナナリーだけが、最初からハンデを負っていて、世界とはかくも厳しいものだから、独りで生きていくことはできない、だから助けてくれた人にはせめてもの笑顔で返そう、という独りゴールに最初からいる大人キャラだった、という凄い設定なんだよね。たぶん。
#だから優しい世界、というのは他人に優しくなれる世界、のことなんだよね。


ルルーシュ的にはそういうままならない世界の中で、それでももがき続けて、抑圧された中から本当のブレイクスルーに至る、というのを体現した、というのがエンタメ的要素としても非常に熱かった、と思うわけです。

それがシュナイゼルに対して、論理で初めて勝った、というところにつながったんじゃないかなぁ。

過去、現在を求めたシャルルとシュナイゼル。

対して、ベースは彼らと同じところにあったルルーシュだけれども、結果としていろんな世界を経験して、ままならない苦い思いを積み重ねてきた結果、未来を渇望するようになった(生来、彼は未来を渇望していたのかもしれない)。

それが自分の世界のための未来ではなく、これまで関わってきた人たちの未来も含むようになった=ルルーシュの世界が広がって、厳しい世界の中でももがき続けた、というところがこの物語の肝になったんじゃないかと思います。


たとえ万人に嫌われたとしても、俺はこの道を通す、というような抑圧とプレッシャーの中からのブレイクスルーというのも、この作品の大事にしていた部分だったと思うので、その辺は最後にゼロレクイエムという形で結実するんじゃないか、と思っています。


あとは、ルルーシュ、スザク、ナナリー、C.C.というこの四人で、最終話を飾って欲しいところです。
どんな結末になるのか、これはもう終末=週末を待つしかないでしょう。

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume01 (Blu-ray Disc)



コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume02 (Blu-ray Disc)



1/35 メカニックコレクション 紅蓮弐式



コードギアス 反逆のルルーシュR2 第23話『シュナイゼル の 仮面』

2008-09-20 01:11:26 | コードギアスR2
シュナイゼルはルルーシュの鏡のような存在、というのが僕が思ってきたことだったんだけど、ルルーシュが嘘をつくための装置としてゼロという物理的にも記号的にも仮面を使ったのに対して、シュナイゼル自身もやはり仮面をかぶっていて、ただしそれは物理的な装置など必要なく、シュナイゼルはシュナイゼルのままで嘘をつくことができる、仮面使いとしてはルルーシュよりも上にいる、という存在でした。

ルルーシュに代表されるように、コードギアスに登場するキャラクターたちは基本的に気持ちの一方通行化、つまり他人の気持ちよりも自分の気持ちを優先する(そういう風に極端に振ることで事象を分かりやすくする=記号化している)ようにできていて、その傾向がもっとも強く描かれているのが、ルルーシュとシュナイゼル、という形になっているんじゃないかな。

ルルーシュの仮面も分かりやすかったけれども、シュナイゼルの仮面もある意味分かりやすくて、二人とも他人はチェスの駒と同じように、こう動かせば、こう動く、だからこういう情報を与えてあげよう、というように、他人の気持ちがどうあれ、こうやればこう動くであろうという、自分の世界の想定のもとで駒を動かしている、気持ち的には一歩通行の人たちです。

それが今回シュナイゼルが言った、人はどうしようもなく理解しあえない、だから感情なんかいらない、システムで支配してあげることが一番平和的解決なんだ、という持論に行き着くわけです。

それはあくまでシュナイゼルの中だけの世界なんじゃないですか?
実はその世界は独りだけの世界であって、凄く小さい世界なんじゃないですか?
それってナナリーの言う、みんなが(他人に)優しい世界、とは対極にあって、相容れないものですよね?

という展開を期待したいところですが、対するルルーシュも基本的には同じところがあるので、ゼロレクイエムが何か?というのも気になるのですが、シュナイゼル的世界と同じ方向性でルルーシュが動くのか、それとも、何かが起こって違う方向性へ進むのか?というのがラストの見所なのかもしれないです。

その予兆としては、C.C.との会話で、もうナナリーのためだけに戦うわけにはいかなくなってしまった、とか、(おそらくフレイアに対する切り札になるであろう)ニーナに対する接し方なんかがヒントになるんじゃないかな、とも思うわけです(その辺はシュナイゼルとの違いとして描かれるかもしれない・・・)。


作風的にはたとえ万人から嫌われようとも、抑圧された世界から打ち破って外へ出ようとするブレイクスルー的なパワーみたいなのは凄く大事にしているような気がしているので、万人に嫌われる覚悟を持ってゼロレクイエムを敢行しようとするルルーシュとスザク、この二人をどういう風にラストまで描いていくのか、というのが僕的な見所ですかね。

ルルーシュに関してもそうですが、スザクに関してももう一段何か深堀的イベントが欲しいところなので、もう何回かピンチがあって、本当のブレイクスルーを迎える、という展開を期待したいなぁ。
#多分、ルルーシュとスザクという二人の関係性の物語として最後を描いてくれても僕的には嬉しいので。


それにしてもコーネリアさま。・゜・(ノД`)・゜・。
#コーネリアファンの僕としては泣ける。
#もう一花、咲かせてください。

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume01 (Blu-ray Disc)



コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume02 (Blu-ray Disc)



1/35 メカニックコレクション 紅蓮弐式


コードギアス 反逆のルルーシュR2 第22話『皇帝 ルルーシュ』

2008-09-13 18:22:44 | コードギアスR2
今週ほとんど大阪に出張していたので、感想がほぼ1週遅れに。
内容としては、ほとんど最後の引きの1コマに持っていかれたので、今回は簡潔に。

それにしても、最後にナナリーが再登場してきたのにはビックリ。
#つか、公式HPも微妙なことしなければいいのに・・・と素直に思ったよ。

しかしながら、ナナリーが担っている作中での意義は凄く大きいので、やはりここでの再登場はクライマックスへ向けて必定というところでしょう。

気持ちの一方通行が登場人物の大半を占めるなか(現在生存しているキャラでは)ほぼ唯一他者を思いやり、世界とはそもそも優しくなく厳しいものだと(だから他人に優しくなれる世界が必要だと)知っているナナリーというのはある意味最強キャラです。

対してルルーシュは、皇帝ポジションになって、これまで比べてより「世界が優しくないのならば(自分の思い通りにならないのなら)その世界ごと作り変える、そのためには既存の世界を壊しても構わない」という色をより強めた、という感じに見えます。
#おそらくこれはスザクも同調した考え。

つまりは気持ちの一方通行化に拍車がかかった形になっており、超合衆国との和解?についても、他者とどう通じ合うか?という方向性ではなく、他者はこう考えてこう動くであろうから、こう仕掛ければ望んだ結果が得られるだろう、という自分の世界を貫いています。

反面、ユフィのことも思っており、自分の悪名が轟けばユフィの虐殺皇女という汚名もいずれは薄れ行くだろう、という優しさも併せ持つ。
#ナナリー、ユフィ、シャーリーだけが現在のルルーシュが心を開いていたから、とも言えるかも。
#近い存在としては、大事ゆえに遠ざけているカレンがいるかもしれない。そういう意味ではリヴァル、ミレイあたりもそうなんだろうな。

ここでラスボスとして対峙するのはシュナイゼルですが、彼もまたルルーシュと同じく一方通行の人なので、他人の気持ちがどうであろうと、彼の誘導術によって、その人が望んでいるであろうものを用意し、誘導することで選択肢を狭めてあたかも自分が決断したかのように落とす。

やっていることはルルーシュと同じなわけで、先週の感想にも書いたとおり、やはり彼はルルーシュの鏡的存在。
ゆえに、ルルーシュが対峙しないといけないのは自分なのかもしれない。

ちなみにシュナイゼルの上手いところは、自分が主張しているのではなく、周囲の皆がそう思っているので私はそれを代弁しているに過ぎない、と自分が前に出て主張することを避けるところにあります。
#今回の皇帝にふさわしいのはナナリーというところにもそれが現れています。
#こういう手法は普通に会社で物事を進めていくときに非常に有効です。
#(サービス提供を渋る社内の部署に対して)私が言っているのではありません、お客様のご要望なんです。あなたはいったい誰から給料をもらっているのですか?会社が給料を払ってくれているのではないのですよ(お客様ですよ)?という会話は結構日常的にあったりなかったり・・・。


脱線しましたが、ルルーシュはナナリーを通してしか、今のところ他者の気持ちを考えるすべを知らない。
そんなナナリーを敵に回して、ルルーシュそしてスザクはどう抗えば良いのか?

・世界は自分が思っているほど優しくはなく、基本的に厳しいものである。

・自分ひとりの世界に閉じていれば世界は優しいかもしれない。
 が、現実には独りの世界なんて有り得ない。

・そんな世界の中で気持ちの一方通行の人間がいかに万能の能力を有していても、自分の世界の王にしかなれない。

というルルーシュを現す一方で、

・抑圧された中からこそ、本当の気持ちが突き破ってくる。

・反逆精神の中に光るものが現れる。

・本物のブレイクスルーはそうした中から生まれる。

というような点についても、作中是として扱っていると思うので、人は支配されたがっていると思っているシュナイゼルはこの作品では(例え居心地が良い世界であっても)抑圧としての存在かもしれないし、ルルーシュはその抑圧の中で思い通りにならない力を溜め込んで、本当のブレイクスルーまでつなげることができるかどうか?という戦いなのかもしれない。

当然、こういう流れなのだから、世界は厳しい(ナナリーはハンデがあるからこそ最初から自分ひとりでは生きられないという世界の厳しさをしっていた)というなかで、他人に優しくなれる世界、つまり自分だけの世界じゃなくて、他者の世界をも受け入れて相手を思っていける世界という方向へ行かなくてはならない、と思う(たぶん)ので、ルルーシュのブレイクスルーがあるとすればそこなのかもしれない・・・、なんて思ったり思わなかったり。

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume01 (Blu-ray Disc)



コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume02 (Blu-ray Disc)



1/35 メカニックコレクション 紅蓮弐式



コードギアス 反逆のルルーシュR2 第21話『ラグナレク の 接続』

2008-09-04 01:15:01 | コードギアスR2
今回のお話の内容は、これまでの第1期から含めたコードギアスの中でも回答編に近い位置づけにあったんじゃないかと思うくらい、自分の中では何かが見えたようなそんな感じになりました。

コードギアスの法則・・・じゃないんだけど、真実に近づいたキャラは退場してしまったことを考えると、やっぱりそうか、という思いを強く持ってしまいました。

それは、ルルーシュが叫んだ「ナナリーの笑顔の意味を考えたことがあるか?」だったわけです。

ルルーシュという人物は、基本的に他人の心情に対して一方通行な人間なんですが、その彼がナナリーのことだけは違っていて、他人(ナナリー)のために行動しようとする。

そのルルーシュが叫んだ言葉。

これがこの物語の核心であって、答えだったんじゃないかと思いますよ。

これは後で別記事にしよう、しようと思って全然時間が取れなくてまだ書けてないんだけど(笑)、日経ビジネスオンラインで谷口監督のインタビューが掲載されているんですよね。

ものすごく端的に要約してしまうと、コードギアスという物語において、ルルーシュという人間性だけじゃなく、登場人物のほぼ全てが自分の気持ちに一方通行な人間になっていて、万能の能力を持つルルーシュは他人の気持ちを考えることはなく、チェスの駒のように、こうすればこいつはこう動くだろうという一方通行コミュニケーションになっている。
そんな万能能力を持つルルーシュでさえ、ままならない世界。
それは、この作品において、世界というものはそんなに優しいものではなく、厳しいものなんだというのを徹底的に描くためである、という感じになっているわけです。

気持ちの一方通行

というワードと

世界とは基本的に厳しいものである

というワード。

この2つが持つ意味というのはこのコードギアスという作品においては非常に大きいわけです。

だからこそ、この2つのワードが持つ意味が反転する部分、そこに答えがある、という気がしてならないんですよね。

世界というものは基本的に厳しいものであり、自分の思う世界とはギャップがあるのが当然で、人が成長する中でそのギャップに気づき、埋める努力をしていかないと人としての営みができるわけがない。

他人との接点が少なくなれば少なくなるほどその世界は極小化し、自分そのものが世界になっちゃう。

自分が世界になっちゃえば思い通り・・・なのか?

否。

世界は優しくない。

それは当たり前のことなんだから、それに早く気がついて、自分の考えや意思をしっかりと持たないといけない。

そして当然ながら気持ちの一方通行では世界は成り立たない。

相互理解をしながら、ぶつかり合いながら歩み寄っていかないとそのギャップを埋めていくことはできない。

そういう意味で、マリアンヌを殺害したV.V.の意思は作中では一方通行の世界を支持するV.V.がマリアンヌと知り合うことで変わっていくシャルルを許せなかった、自分の世界が小さくなって、独りになってしまうことを恐れた、作中悪を体現した、ということになるわけだ。


ナナリーという存在は、そういう意味で作中の究極回答になっていて、ナナリーだけがこの物語において、世界というものは基本的には厳しいもので、自分ひとりではできないことがたくさんあることを理解していた存在だったんですね。

だからこそ、ナナリーの笑顔はその助けてくれる人に対するせめてものお礼、優しさのお礼なんですよね。

ユフィやシャーリー、この二人のヒロインも基本的にはナナリーと同じ。

この気持ちの一方通行をあえて描いていくキャラの中で、この二人だけがルルーシュや他人を理解して受け入れるという選択、その境地まで達したヒロインだったんですよね。

だからこそ、ユフィ、シャーリー、ナナリーという既に散ってしまったヒロインたちの意味合いは非常に大きいな、と今回を見て痛感しました。

そしてロロ。

今回シャルルやマリアンヌが目指した世界は嘘の無い世界、意識の統合でした。
このギミックはSFでもよく取り扱われる素材で、グレッグ・ベアや最近でいけば僕の大好きな「交響詩篇エウレカセブン」でも意識の統一を取り扱った作品がありますね。

意識の統合による嘘のない世界。
シャルルとマリアンヌが言う優しい世界。

それって本当なの?

否。

優しい世界の意味が違う。

ナナリーの言っていたのは他人に優しくなれる世界のこと。

全てを本当に語ってしまうことが優しいことなのか?

それを体現したのがロロ。

嘘や仮面をかぶってでも、世界と向き合わないと駄目だったり、時にはそれが人を助けることもある。

相手を思って嘘をつくこともある。

良くも悪くもそれが現実なんだから、それを受け入れないといけない。

シャルルとマリアンヌの世界は、究極の逃避。

一方通行の最終形態。

これが皮肉にもC.C.の言葉として残っていて「お前たちは自分が一番好きなんだ」という言葉に集約される。

優しい世界というのは自分に優しい世界。

ナナリーの目指した、他人に優しい世界の対極。

これをルルーシュが受け入れるはずがない。


世界というものは基本的には厳しい。

だから独りだけで生きていけるわけでもない。

でも、もし他人を思いやる心が互いにあったならば、その厳しい世界の中にも、優しい世界というのは確かに存在する。

これが作中答えのような気がするなぁ。


この意味においては、ルルーシュはまだ一方通行の人間のまま。
スザクにおいても同じように感じる。

それは当然シュナイゼルも同じ。
彼もルルーシュと同じタイプの人間で、他人の意思は彼の前ではどうでも良くて(というか興味がなくて)、チェスのように、こういう風に情報を伝えれば、この人間はこういう風に受け取って、こういう行動を取るだろう、という人間なんですよね。

つまりルルーシュの鏡。

ルルーシュが最後に対峙しないといけないのは、鏡に映る自分自身ということなんじゃないかと考えると、ラスボスがシュナイゼルというのは納得なのかもしれないですね。

あとはC.C.。

彼女の憂うような表情はシャルルやマリアンヌを見て、ルルーシュに何かを投影してみてしまっているのかもしれない。

だからこそ、シュナイゼルという鏡にどう対峙するか、というのは大事だよね。

最後の最後はルルーシュとスザク、そしてC.C.という、第1期第1話に登場する3人で物語の締めに向かうんだろうか。

うーん、でも今回なんかこのコードギアスの目指すところがようやく1年分くらいかけて理解し始めることができた気がしてきた(遅すぎるくらいだ(笑))。

#アーニャがルルーシュの妹、と言う妄想は外れちゃったなぁ(笑)。
#また新たな妄想を考えることにします。

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume01 (Blu-ray Disc)



コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume02 (Blu-ray Disc)



1/35 メカニックコレクション 紅蓮弐式



コードギアス 反逆のルルーシュR2 第20話『皇帝 失格』

2008-08-27 01:09:33 | コードギアスR2
ここ数話の展開から、もう一歩深い地点で物語を進行させるとしたら、マリアンヌ絡みの過去話がそろそろ出ないと視聴者の想像の域も手詰まり感が出てくるんじゃないかな、なんて思っていたら、過去話どころか、ご本人?登場!!という、これまたこのタイミングですかい!と思わず叫んでしまいそうになった、第20話「皇帝失格」。

それにしてもアーニャは何か過去絡みで関係があるんじゃないか、と思っていたら、どんなギアスなんだ!というくらい、見事にヨリシロにされていました。

・・・・・・これって、これもひとつのコードギアス的なところで言うところの自由意志の剥奪になるんだろうか。
・・・・・・やっぱり、ギアスという能力はそういう意味では自由意志の剥奪という位置づけであることは間違いないんだな・・・。


■アーニャ≒マリアンヌ?

ぶっちゃけアーニャはルルーシュの本当の妹なんじゃないか、とさえ思っていたのですが、その可能性はまだ残すとしても、とんでもない展開してくれた気がします。
まさか、マリアンヌがこういう形?で登場してくるとは、思ってもいませんでした。

いやー、実際、OPではシャルル、V.V.、マリアンヌの三人が並んで遠くを眺めているシルエットが一瞬映っていたり、何話か忘れましたが、マリアンヌとC.C.が並んでいるところをシャルルとV.V.が眺めていたりしたので、マリアンヌは当然ギアス能力者で(C.C.から与えられた)、そのことをシャルルもV.V.ももちろん知っていて、何かしら3人(もしくはC.C.も含めて4人)で何かを成そうとしていたんじゃないか?というのは思っていて、そろそろその辺の話をシャルルあたりから過去話としてルルーシュ、もしくはC.C.あたりへ話しをしないと、もう一歩深いレベルでの謎に迫れないから、タイミング的にはルルーシュとシャルルが再度対峙したくらいかな、と思ってたんですよ。

そしたら、何を契機に発動したのか?アーニャがギアスにかかった状態に。

しかも、それがマリアンヌが憑依したような状態じゃないですか。
#無口なアーニャが饒舌にしゃべってるよ!!

これがどういうギアスか?っていうのは追々作中で語られていくと思うので、それを待つとしても、うーんびっくり。

しかも、アーニャ(マリアンヌ)はおそらくC.C.の精神世界にもアクセスして(つか、できるんだ!)、従来のC.C.を引っ張りだしちゃうし。
#そういう意味ではC.C.は意図的に記憶喪失になっていたとも考えられますね。
#自分の揺らいだ気持ちの理由は何だったのか?それを素のC.C.に戻すことでルルーシュに対して確かめたかったのかも?

ただ、やっぱり言えるのは、ルルーシュの母親だけあって、頭の回転が凄く良さげな感じ。つか、むしろいたずら好き、くらいの勢いです。
#そして何よりナイトメアフレームの腕はマスタークラス?

アーニャはこういう状況に合わせて準備されていたのかもしれないですが、自由意志を剥奪されているという意味では完全剥奪なので、彼女、いったいどうなってしまうんでしょうか。

多分、マリアンヌとC.C.のことだからルルーシュがやろうとしていることも理解していて、それでもなお、助けるか?という相談だったんだろうなぁ。
#多分助けると思うけど。


■神楽耶

実は何気に今回、地味に注目してしまったのが神楽耶で、彼女自身はゼロの妻である(と自分が言い張っている)ということの意味を重々理解していて、所詮盤上でのこと、と言っているわけなんだけれども、それでも・・・、とコードギアスの回答のひとつになっていそうな、例えそれが偽りであったとしても、その時間の中で流れた記憶や、想いは本物である、偽りであってもそれを受け入れる、許すといったキーワードの一端を披露したことになるんですよね。

伏線にもならないかもしれないけれども、結構地味に注目してしまいました。
#ただこのキーワードに触れた主要キャラは散っていくという呪いがかかっているので、それも要注意だけど。

でも彼女は、カレンを除くと、唯一ゼロサイドとして残った(信じた)人なので、大きな出番がもう一度廻ってくるんじゃないかとも思ってるんですけどね。

■スザク

ナイト・オブ・ワンのビスマルク・ヴァルトシュタインに指摘された点が全て、で、それがまた非常に納得だったわけですが、なるほどね、葛藤こそがスザクの本性というか、力の原点だったわけだ。

ということは裏を返すと、そこに戻ってくる可能性がまだあって、戻ってこないとorその殻を破らないと次に進めない、ということなのかも。

基本的にコードギアスの物語は、最後はルルーシュとスザクの二人の物語になっていくんじゃないかと思っているので、極論に寄ってしまったスザクが、次にどう転ぶかは楽しみなところ。

やっぱりスザクはどんなに転がっても、ルルーシュのカウンターパート、という位置づけは変わらないと思うので。

■ルルーシュ

いやー、今回ルルーシュは「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア」の名前で皇帝に決戦を挑んだんですよねー。
なるほどー、と思いましたよ。

今現在、彼が残している名前はそれしかないからなんだよね。
#ランペルージはシャーリー、ナナリー、そして裏としてロロが死んだので無くなった(戻れなくなった)。
#さらに言うと、花火ができなくなった、というリヴァルへの電話で踏ん切りしてしまった。
#ゼロは神楽耶とカレン以外、現在信奉者がいない。ゼロも捨てた。

それすら無くなる、というのが面白いかな、と思うんですがどうでしょう。

一度全部失って、そこからギアスではなく、ただのルルーシュとして復活してくる、というストーリーはかなり熱いと思うんですよね。

そういう意味では、神楽耶、カレン、リヴァル、ミレイ会長、ジェレミアあたりが残っているのは本当に最後の救いなんじゃないかって思えてきました。
#何となくC.C.とは最後の最後まで共犯者、という位置づけを守りそうな気もする。

ただ、残り話数も少ないので、ここで待ってましたと登場したマリアンヌがどんな展開を見せてくれるのか?というのはもう想像できないですね。
個人的には、現在絶賛自由意志剥奪されているアーニャがなんとかならないか、ときになっちゃってますが。

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume01 (Blu-ray Disc)



コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume02 (Blu-ray Disc)



1/35 メカニックコレクション 紅蓮弐式



結構なインパクト

2008-08-18 23:21:04 | コードギアスR2
コードギアスの公式HPが更新されていたのでチェックしてみると、結構な衝撃でした。

というのも、

・・・フレイアに巻き込まれた主要キャラは当初「行方不明」となっていたんですが、

・・・全員、死亡になってた。

・・・ご丁寧にキャラ相関図まで更新されてる。

・・・でも、カレンはバニーのまま@相関図


これは何気にショックで(カレンがバニーである、ということではなく(←当たり前だ))、これでナナリーの出番が無くなってしまった、ということを意味しちゃうわけじゃないですか。

それこそほんとに、えええーーーって感じですよ。

うはー、結構ナナリーありきで色々妄想してた部分があったんだけど、これはもう一回最初から考え直さないと駄目かな。

もしくは仮にナナリーが何らかの姿で登場することがあるならば、皇帝の一発大逆転的、超奇想天外とんでも兵器?システム?の登場しかない・・・。

ナナリーがギアス能力者で大脱出!!とか(笑)。


・・・駄目だ。


いやー、しかしこんな公式HPの更新もあるんだな(笑)。

コードギアス 反逆のルルーシュR2 第19話『裏切り』

2008-08-17 21:43:00 | コードギアスR2
今回のタイトルの「裏切り」というのうはそういう意味だったのか。
ナナリーの喪失を期に、シュナイゼルが繰り出した一手はルルーシュから黒の騎士団を引き剥がすことだったのね。

そして、今回のロロの死に関しては、これまでのコードギアスのテーマ的にはすごーく重要なことを言っていて、このコードギアスはそういった真実に一番近づいた人から退場していく、という暗黙のルールでもあるんじゃないかと思うくらいなんだけれども、ロロが最期に言った言葉は、このコードギアスの答えのひとつだったんじゃないかと思います。

■たとえそれが偽りであっても

たとえそれが(ギアスという意思強制によって出来上がった)偽りの人生であっても、そこに流れた時間や、一緒に過ごした思い出は本物で、何が嘘で何が本当か分からない世の中で、その自分の気持ちだけは本物である、それがあるから生きていける、という、ロロが最期に残した言葉が実はこのコードギアスの本質に迫るもののひとつだったんじゃないかと思います。

ユフィしかり、シャーリーしかり。
今まで主要キャラとして散っていったヒロインがいみじくも示したように、作中真実に迫ったものから退場する暗黙のルールでもあるかのように、あの憎まれ役のロロもルルーシュの命をつなぐ、という大役を果たして退場しました。

ゼロに使われようが、いつか殺されることになっていようが、ロロにはあくまでルルーシュはロロの兄であるルルーシュ・ランペルージであり、その1年過ごした時間はたとえその出発点がギアスによる偽りの1年であっても、紛れもなく本物だった。

そこで芽生えた感情も紛れもなく本物で、すべて(黒の騎士団)が裏切っていく中で、偽りの中で本物の時間を過ごしたロロだけが最期までルルーシュを兄と慕い、そしてその命を懸けて守り抜いた。

なんという皮肉。

そしてシャーリーを殺され、あれだけ憎んでいたロロの最期に対して、ルルーシュが見せる優しさ。

そこはルルーシュも認める、偽りであったとしても本物の関係性。

なんとも皮肉。

そしてここでやはり、ある程度確信してきたこともあって、妄想大爆発でいけば、仮にナナリーが実の妹ではなかったとしても、これまでルルーシュがナナリーと共有してきた時間や、サンタの格好をしてまでナナリーを楽しませたいと想った気持ち、ナナリーのために世界を変えようと想った気持ちは本物である、という展開があったとしてもおかしくない、と思うわけです。

ナナリー生死不明(現状では限りなく死に近い状態) → ナナリー生存 → (ルルーシュやナナリーが実は皇帝(もしくはマリアンヌ)のギアスにかかっていてそれが解けて)ナナリーが実は妹ではないことが判明

という流れがあっても、コードギアス的で面白いと思うんですけどね。

ということで、ルルーシュは神根島(皇帝のいる場所)を目指すことになるんだろうけど、むむむ、って感じですね。

ああ、それにしても、真実に近づいたものから散っていく、というのは何たる皮肉なんでしょう。

そういう意味で、ルルーシュのいろんな顔を知っていて、その心情が一番理解できるのはカレンだけ、ということに。
彼女は最後の最後まで、ルルーシュが言ったように生きて欲しいものです。


■シュナイゼル

シュナイゼルのうまさは、交渉のタイミングで、相手の欲しい情報を与える点にあって、情報はすべて寄せ集めで、真実の断片でしかないんだけれども、それをあたかもすべて真実と思わせるように話の流れを作る、シナリオ作成能力にあるんですよね。

シュナイゼルの能力の凄いところは、そういった誘導能力なんですよね。
そこにいかにも信憑性のありそうなデータを提供する。
#このデータが本当かどうかの検証はできないんだけれども、状況的に皆そう信じざるを得ない。

あくまで自分が主張しているのではないけれども、状況から見てこういわざるを得ない、皆さん、どう思いますか?と。
#だから玉城なんかは使いやすくて、ゼロへの忠誠も高い、けれども、躍らせれば派手に踊るタイプは、そこを落とせば影響力があるから。
#シュナイゼルはその辺も分かっていて同席して欲しい、と言ったわけです。

これは騙しのテクニックの基本で、会社でも使えるのでマスターしておきましょう(笑)。

こうなるにはゼロ=ルルーシュにも大きな原因があって、これまで少しずつ秘匿していたことがあだとなって、例えば藤堂あたりに少しでも真実を伝えていたなら、こういうことにはならなかったかもしれないし、ディートハルトに関しては自分でも「もう少し信頼してくれても」と言う始末。
#おそらく今回の決め手はそこにもあったかもしれないし、冷静にゼロの物語はここで「打ち切りだ」と思ったのかもしれません。

みんなが少しずつ、おかしいと思っているところに、その回答となるような答えをちらつかされれば、飛びついてしまうのが心情。
#ただでさえルルーシュはあの時ナナリー喪失で正気を失っていたし。
#それを見越したシュナイゼルの特攻に等しい一手だったわけですが。
#つまりゼロは登場しない(精神的苦痛で出てこれない)ことを読んで、その側近が対処するであろう、つまりそこでこそゼロの正体を効果的に公開=黒の騎士団の崩壊のチャンス。

情報を信頼できる部下を増やして、そこにうまく公開して権限委譲していくことで、何も怖いものはなくなる、というのも社会で使えるテクニックです(笑)。
#信頼できる部下をいかに増やすか、がポイントなんですけどね。誰でも彼でも公開していいものと、人を選んで、というのは当然ありますし。


最後に、スザクがおかしくなってしまったような場面は気になりますね。
やっぱり心が壊れてしまったんでしょうか。
ルルーシュのギアスがなければこんなことにはならなかった、と逆恨みするんでしょうか。


王の力はお前を孤独にする、という言葉通りにルルーシュは独りに。


残り話数も少なくなってきたし、かなり佳境に入って行きそうです。

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume01 (Blu-ray Disc)



コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume02 (Blu-ray Disc)



1/35 メカニックコレクション 紅蓮弐式


コードギアス 反逆のルルーシュR2 第18話『第二次 東京 決戦』

2008-08-16 12:35:47 | コードギアスR2
物語は究極の振り出しへ。

前回の感想で、スザクとルルーシュの関係構築がチャラになったことによって、物語的にもいったん振り出しへ戻って、問題をシンプル化(より根源的に)する方向にあるのかも、なんて書いたのですが、前回を上回る究極の振り出しへ。

スザクとルルーシュの関係性の振り出しを超える振り出しがあるとしたら、ナナリーが本当の妹じゃないかもしれない、くらいのことがあっても面白いと思っていたら、本当の妹とか、そういうレベルを超越してしまっていた・・・。

つか、これって嘘でしたー、くらいにならないのか(涙)。
#咲世子さんまで・・・(涙)。
#でも、公式HP見ると、朝比奈とかギルフォードも含めて「行方不明」になってるんだよね。
#これはこれで、また違う展開があるのかもしれない。

いやー、ほんと、そこまでする必要があるのか?っちゅーくらいの展開です。

これでルルーシュとしては、ナナリーという反逆のための理由を失ってしまうわけですが、ゼロを続ける理由を失ったルルーシュがどうするのか、あれだけ強烈に持っていたナナリーへの想いが、対象を失うことでどうなっちゃうのか。
これは第3期くらいまでやるつもりなんじゃなかろうか・・・。


■撃っちゃったよ、フレイア

もっとためて、ためてから撃つのかと思っていたフレイアですが、予想をはるかに上回る展開で発射されちゃいました。

うそー!!って感じ。
#しかも放映時期として8月の日本ですか・・・。

これはもう途中から、「この」スザクでは、「この」カレンには勝てない、ナイトメアフレームのスペックがどうとかじゃなくて、アイデンティティーの持ち方で、人間としてのスペックで負けちゃってる、と思いながら観てました。

シュナイゼルに前回、君はいったい誰だい?と問われて答えられないスザクが、シュタットフェルトではなく紅月を迷うことなく選んだカレンに勝てるわけがなくって、ジェレミアなんかにしても、自分の道はこれなんだと選んだ人は強いよね。

でもこれ厳しいなぁー。

フレイアを撃ってしまったことっていうのは、死んで詫びる、とかそういうことすらできないスザクにとっては相当に厳しい。

これは今後もシュナイゼルさんに使われそうな感じがあるかもなぁ。
あの、スザクがフレイアを撃ったときの「フッ」て笑いは、狙い通り、みたいなところがあったし、シュナイゼルの凄さは、周りを違和感なく誘導して事実を作り上げていってしまう遂行能力にあると思うんだよね。
自分が望んだんじゃなくて、周囲が望んだので・・・、みたいな民意醸成力?

でも、これ書きながら、大分落ち着いてきたんだけど、やっぱり公式HPでフレイアの被害にあった人たちはみんな「行方不明」になっているから、ここでナナリーの退場はないと見てるんですけどね。

逆にナナリーが実の妹ではない、という展開が仮にあった場合、それが判明してから再度ナナリー登場、という展開は相当に面白いと思いますよ。

個人的にはそういう展開を希望ですね。


■その他

紅蓮聖天八極式、強すぎ!

公式HPで「原型を留めないほどの新形態となっている」という解説に笑った。
確かに。

ヴァルキリエ隊

キューエル卿の妹さんだそうです。
コスが過激です。
つか、登場時間短すぎる!!

コーネリアさま&ギルフォード

コーネリアさま脱出?
ギルフォードは「行方不明」

彼の忠義は半端ないので、真の主君に再会できますように。

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume01 (Blu-ray Disc)



コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume02 (Blu-ray Disc)



1/35 メカニックコレクション 紅蓮弐式



コードギアス 反逆のルルーシュR2 第17話『土 の 味』

2008-08-08 12:05:49 | コードギアスR2
ここでまさかのふりだしへ戻る的展開。

コードギアスの第1期ではもう少しでユフィと手をつなぐ、というシーンまで行って、その直前でギアスの暴走によってすべてを失ったけれども、R2になってからは、いくつかの修正要因をきちんと押さえつつ、ユフィの後を継いだナナリーの言う、優しい世界へと少しずつルルーシュのマインドも変化していったはずだったのに・・・。

シャーリーの退場、スザクとの決別、この2つのイベントの大きさは計り知れず、いったんは作中の答えに肉薄しておきながら、またしてもここでふりだしへ。

皇帝もいろんな意味で復活したっぽいし、シュナイゼルはギアスの正体に気がついて、彼曰く「カードが揃った」状態に、そしてルルーシュは優しい世界ではなく、自分が裏切られたことにより、誰も信じない方向性へと進んでいく。

スザクはフレイア=核を持って日本を戦場に。

ルルーシュも振り出しに戻ったけれども、そういう意味ではスザクも振り出しへ。

本人はそんな意図は無かったのに、という点ではルルーシュと同じ。

同じ座標に戻した、という意味なのか・・・。

振り出しに戻すことによって、明確に答えが近づいてきているところもあって、ルルーシュはゼロの仮面やいろんな側面を捨てるというクライマックス的な意味や、スザクについては、これまでどちらともとれない煮え切らない態度でズルズル来ていた(ユフィが希望だったがそれも失われた)状態から、結局君たちはいったい何なんだ?というもろストレートで深い問いかけになるのかな。


■振り出しへ

もう一番書きたいことは書いちゃったのですが、振り出しに戻ったことで、逆に問いかけになっていて、ゼロとかいろんな側面がチャラになるというのと、スザク的には煮え切らない八方美人タイプがいったい、あなたは誰なんですか?といわれちゃうところがポイント。

ゼロという仮面は嘘をつくギミックなんだ、というのを言葉で現したのは面白かったですね。
これって、これまで明示化されないんだけど、見てる方もああ、そういうことだよね、と何となく理解しながら見ていた部分。
これが明らかになるってことは、嘘をつく必要がない、嘘をつけない状況になる、ということ。

なんとなく最終的には、多面性があったっていいんじゃない?それで救われるものもあるんじゃない、というかそもそもそこに良い悪いの判断は受け取る側の判断でしょう?君はその中でその意味をどう捉える?という感じになるんじゃないかとも思ったりします。

ルルーシュとスザクの共闘、というのは今回ぎりぎり実現しなかったので、演出的には次に手をつなぐシーンがあれば、そこはある意味クライマックスなんでしょうね。
持ち越しです。


でも振り出し、という点で色々妄想したこともあって、究極の振り出しってなんだろう?という点で考えると、コメント欄でもこういう予想はどうか?みたいなので、アーニャが本当のルルーシュの妹で、ナナリーは実の妹ではなかった、が実現するとなるとこれまた究極の振り出し策だな、と。

振り出しに戻すってことは、ある意味作中テーマをもう一回考えるところだから、よりシンプルになって、実際の状況としては答えに近づいている場合もあるかなと思うわけです。

そういう意味で、ルルーシュが反逆をする一番の原点、それはナナリーの存在なんだけれども、そのナナリーが実の妹ではなかった、例えばそれがギアスによるもので、ルルーシュもナナリーもそういう風に思わされていた、とするとまた面白いよね。
#アーニャがナイトメアフレームのラウンズという点だけ取れば、マリアンヌの血を引いている、とも取れなくもない。
#髪の色がピンクだから微妙だけど、ユフィとかコーネリアさまとか、そっち側の人の髪の色はそんな感じだしなぁ・・・。

シャルルはマリアンヌのことが好きだったっぽいから、その辺の過去も気になるなぁ。
#シャルルがマリアンヌとC.C.を見ながら、人の嘘がどう、とか言っていたのも気になるし。

そんな妄想振り出しになったら、そのときルルーシュがどう考えるのか?というのがまた見てみたい気がしますね。

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume01 (Blu-ray Disc)



コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume02 (Blu-ray Disc)



1/35 メカニックコレクション 紅蓮弐式