夏休みの宿題……、ではないけれども、そこに本があれば読みたくなって買っちゃうよ、というのが人の常。
今回も奈須きのこさんの『DDD2』だとか、西尾維新さんの『刀語8 微刀釵』だとか、竜騎士07さんの小説版『ひぐらしのなく頃に』を買ってみたりだとか(ん、何かひとつのレーベルに偏ってないか?)、と読む時間も考えずに、とりあえず買っちゃうんだよね。
そんなとあるレーベルだけ買ってるわけじゃないだよ、という言い訳でもないのですが、個人的には初めて購入するレーベルで、それでもなんで買ったのか?と問われると、ひとえにその名前によった、というか、名前で買ったと言っても良いですね。
そう、その本には、
構成/佐藤 大
と書いてあったわけです。
佐藤大さんと言えば、このブログ的に言えば、もちろん『交響詩篇エウレカセブン』のシリーズ構成を担当した方で、個人的には大好きな方なんですよ。
#僕のブログの半分以上はエウレカセブンで出来ていると言っても過言ではないので。
#あ、でもあとファフナーと最近ではグレンラガンもあるので、その3つで出来ています(笑)。
それに今はカップヌードルの『FREEDOM』とかも構成やってますけど、その前の『攻殻機動隊 S.A.C』の忘れもしない第9話「CHAT!CHAT!CHAT!」を書いた方なんですよね。
たぶんあの時初めて僕はこの佐藤大という名前を覚えたと記憶しております。
あれはある意味僕にとって非常に衝撃的で、ああいうスタイルで30分間の作品を作っちゃうというビックリにして、惚れ込んじゃった、という瞬間でした。
その佐藤大さんが書いたものなら、とりあえず読んでみたいよ、ということで、前置きが非常に長くなりましたが、それはこんな本でした。
■脳Rギュル ふかふかヘッドと少女ギゴク
つか、最初に手に取ったとき、何てタイトルか分かりませんでした(笑)。
お話の中身については、エウレカセブン的では全くなくて、かと言って攻殻ほどシリアスでもなく、佐藤大さんご本人が言っているようにさえない中年とかわいい女子高生が活躍する痛快スパイアクション、B級アクション映画好きの人は是非、という感じの雰囲気です。
#まさに的を射ていると思います。そりゃ本人が言ってんだもんな。そりゃそうか。
ただ、この作品の面白いところは、もう1つ別にあるんだな。
かなり実験的要素が強くて、こんな風に創ってみたらどうだろう?的に創られているわけです。
まず、佐藤大氏の位置づけが「構成」とあるわけです。
「構成」ってなんで?って感じなのですが、その横に「原作」とあるので、ああそういうものなのか、と最初は納得するわけです。
#それについては後述しますが。
その「原作」ですが、僕も本は読んだことないけど、名前は有名なので知っていた「夢野久作」氏です。
「夢野久作」の代表作と言えば、昭和三大奇書の一つと言われる『ドグラ・マグラ』ですね。
読んだことないけど、この名前は有名だったので、うへー、それをリメイクで持ってくるのかぁー、と思ったのでした。
#本編は『ドグラ・マグラ』じゃなくて、『人間レコード』を中心としたリメイクになってます。
#今回はそれを「跳訳」と言ってます。
夢野久作と言う人は、「人間の脳髄はプロジェクターに過ぎない」と昭和35年に独自の理論を展開した人なんだそうですが、本作もそれに近いところを扱っていて、主人公たちが対峙するのは、人間の脳髄を書き換えて別物にしてしまう、という正体不明のモノなんですよ。
この辺については『寄生獣』や奈須きのこさんの『DDD』の悪魔憑きや『空の境界』の起源を起こされたもの、というのに近い感じもあり、ひょっとしてその辺影響とかあるんだろうか?なんて考えたりもしました(全く関係ないかもしれんけど)。
中身的には前述の佐藤氏のコメントにもあるようにB級スパイ映画の雰囲気満載なんですが、じゃあ話は戻って「構成」って何よ?という話。
そう、これはかなり実験的。
だって、4人の作家さんが、それぞれのキャラが登場するところを分担して物語を書き、それを佐藤大氏が「構成」する、というまるでアニメを作るように創られた小説だ、ということなんですよ。
確かに、確かに文体も雰囲気も大きく変わる。
けれどもストーリーとしては一気通貫して流れている。
ようやるわ、と思った(笑)。
これは内容的にはエウレカセブン的ではないけれども、構成的には確かにエウレカセブンで感じたところに近い感じがしました。
それは、大枠の元ネタを存分に使いながら、時にサンプリングしながら、複数の曲を使い分けてマッシュアップ、あたかも1つのオリジナル曲としてDJが見せていく、そんな創り方、なんじゃないかなと。
#エウレカセブンや攻殻もそうだけど、外部要素としてSFや文学作品をサンプリング的に使って物語りのサブセットを構成していましたよね。
そういう実験的作品。
どうも、これは続くようなので、個人的にはこの続編に期待してみようかなと(B級映画を楽しむが如く)。
と、作品紹介はここまで。
で、ココからネタバレ含む一言感想、読むときは注意です。
オトラちゃんって実は男の子じゃね?
あの歌声の高い部分がかすれるってところと、ヴァリがプロファイルした犯人像の言葉が引っかかって、クライマックスではあからさまに着物がはだけてるわ、ラストはヒロインをおいてっちゃうわ、で、なんとなくそんな気がした。
#それが男の子なら許せる気もするし。いや、ギヤマは許せないかもしれないけど(笑)。
だから「少女地獄」じゃなくて「少女ギゴク」なんじゃないの?
ちゅーところが本編感想の一番のところかな(笑)。
今回も奈須きのこさんの『DDD2』だとか、西尾維新さんの『刀語8 微刀釵』だとか、竜騎士07さんの小説版『ひぐらしのなく頃に』を買ってみたりだとか(ん、何かひとつのレーベルに偏ってないか?)、と読む時間も考えずに、とりあえず買っちゃうんだよね。
そんなとあるレーベルだけ買ってるわけじゃないだよ、という言い訳でもないのですが、個人的には初めて購入するレーベルで、それでもなんで買ったのか?と問われると、ひとえにその名前によった、というか、名前で買ったと言っても良いですね。
そう、その本には、
構成/佐藤 大
と書いてあったわけです。
佐藤大さんと言えば、このブログ的に言えば、もちろん『交響詩篇エウレカセブン』のシリーズ構成を担当した方で、個人的には大好きな方なんですよ。
#僕のブログの半分以上はエウレカセブンで出来ていると言っても過言ではないので。
#あ、でもあとファフナーと最近ではグレンラガンもあるので、その3つで出来ています(笑)。
それに今はカップヌードルの『FREEDOM』とかも構成やってますけど、その前の『攻殻機動隊 S.A.C』の忘れもしない第9話「CHAT!CHAT!CHAT!」を書いた方なんですよね。
たぶんあの時初めて僕はこの佐藤大という名前を覚えたと記憶しております。
あれはある意味僕にとって非常に衝撃的で、ああいうスタイルで30分間の作品を作っちゃうというビックリにして、惚れ込んじゃった、という瞬間でした。
その佐藤大さんが書いたものなら、とりあえず読んでみたいよ、ということで、前置きが非常に長くなりましたが、それはこんな本でした。
■脳Rギュル ふかふかヘッドと少女ギゴク
つか、最初に手に取ったとき、何てタイトルか分かりませんでした(笑)。
お話の中身については、エウレカセブン的では全くなくて、かと言って攻殻ほどシリアスでもなく、佐藤大さんご本人が言っているようにさえない中年とかわいい女子高生が活躍する痛快スパイアクション、B級アクション映画好きの人は是非、という感じの雰囲気です。
#まさに的を射ていると思います。そりゃ本人が言ってんだもんな。そりゃそうか。
ただ、この作品の面白いところは、もう1つ別にあるんだな。
かなり実験的要素が強くて、こんな風に創ってみたらどうだろう?的に創られているわけです。
まず、佐藤大氏の位置づけが「構成」とあるわけです。
「構成」ってなんで?って感じなのですが、その横に「原作」とあるので、ああそういうものなのか、と最初は納得するわけです。
#それについては後述しますが。
その「原作」ですが、僕も本は読んだことないけど、名前は有名なので知っていた「夢野久作」氏です。
「夢野久作」の代表作と言えば、昭和三大奇書の一つと言われる『ドグラ・マグラ』ですね。
読んだことないけど、この名前は有名だったので、うへー、それをリメイクで持ってくるのかぁー、と思ったのでした。
#本編は『ドグラ・マグラ』じゃなくて、『人間レコード』を中心としたリメイクになってます。
#今回はそれを「跳訳」と言ってます。
夢野久作と言う人は、「人間の脳髄はプロジェクターに過ぎない」と昭和35年に独自の理論を展開した人なんだそうですが、本作もそれに近いところを扱っていて、主人公たちが対峙するのは、人間の脳髄を書き換えて別物にしてしまう、という正体不明のモノなんですよ。
この辺については『寄生獣』や奈須きのこさんの『DDD』の悪魔憑きや『空の境界』の起源を起こされたもの、というのに近い感じもあり、ひょっとしてその辺影響とかあるんだろうか?なんて考えたりもしました(全く関係ないかもしれんけど)。
中身的には前述の佐藤氏のコメントにもあるようにB級スパイ映画の雰囲気満載なんですが、じゃあ話は戻って「構成」って何よ?という話。
そう、これはかなり実験的。
だって、4人の作家さんが、それぞれのキャラが登場するところを分担して物語を書き、それを佐藤大氏が「構成」する、というまるでアニメを作るように創られた小説だ、ということなんですよ。
確かに、確かに文体も雰囲気も大きく変わる。
けれどもストーリーとしては一気通貫して流れている。
ようやるわ、と思った(笑)。
これは内容的にはエウレカセブン的ではないけれども、構成的には確かにエウレカセブンで感じたところに近い感じがしました。
それは、大枠の元ネタを存分に使いながら、時にサンプリングしながら、複数の曲を使い分けてマッシュアップ、あたかも1つのオリジナル曲としてDJが見せていく、そんな創り方、なんじゃないかなと。
#エウレカセブンや攻殻もそうだけど、外部要素としてSFや文学作品をサンプリング的に使って物語りのサブセットを構成していましたよね。
そういう実験的作品。
どうも、これは続くようなので、個人的にはこの続編に期待してみようかなと(B級映画を楽しむが如く)。
と、作品紹介はここまで。
で、ココからネタバレ含む一言感想、読むときは注意です。
オトラちゃんって実は男の子じゃね?
あの歌声の高い部分がかすれるってところと、ヴァリがプロファイルした犯人像の言葉が引っかかって、クライマックスではあからさまに着物がはだけてるわ、ラストはヒロインをおいてっちゃうわ、で、なんとなくそんな気がした。
#それが男の子なら許せる気もするし。いや、ギヤマは許せないかもしれないけど(笑)。
だから「少女地獄」じゃなくて「少女ギゴク」なんじゃないの?
ちゅーところが本編感想の一番のところかな(笑)。