アスランとキラの視点でこれまでの経緯・動機を振り返ることで次週のオーブ決戦でぶつかりあうであろう想いを描くための第41話 総集編「リフレイン」。
個人的にはいつかのタイミングで総集編は必要だと思っているし、第29話「FATES」のような総集編なら意味あるよなー、と思っていたので、それにしてもオーブ決戦前に入れるのはタイミング悪いよな、でもそれでも入れるんだからきっとぶつかりあう想いの視点で描いてくれたりするんじゃないなか、と期待してしまっただけに残念。
アスラン、キラだけじゃなくて、恐らくオーブ決戦ではシンとカガリを交えたこの四人の想いがぶつかりあうと思っているので、この四人の視点で総集編やってくれたらよかったのになぁ・・・。
新規台詞についても心に響くところが無く、これって制作サイドの総集編に対する想いが伝わってこないなぁ、ひょっとしたら脚本は両澤さん書いてないんじゃないの?と思いながらBパートを見つつEDへ。
案の定、今回は脚本に両澤さんの名前が無く、大野木さんと森田さんということなので、総集編というのはシリーズ構成をしている人がやらないと、ホントにダイジェストで終わってしまうというのを実感。
#というかシリーズ構成をする人がしないといかんのじゃないかな。任された方も辛いんじゃないの?
でも、新カット、ありましたよ。
OPに。
キラ、アスラン、カガリのバックに映るMSがそれぞれSフリーダム、Iジャスティス、アカツキになってましたね。
#レイのレジェンドもドラグーン展開してました。
そういう風にカットを途中で変えて欲しいなぁとOPが変わったときに言っていてので、個人的にはこの演出は嬉しいところ。
今回は総集編を振り返るんじゃなくて、自分の感想を少しポイント絞ってまとめておこうかなと。
■DESTINYでのテーマ
これっていくつかあるんですが、特に前半部分を使って描かれたのが前作のアンチテーゼでしたね。
プロデューサーの竹田青滋氏はインタビューで「物事を多角的に見る」ことが重要、という言い方をしていたので、やはり前作とは逆のアプローチをすることで、SEED、DESTINYという連続シリーズを通じて制作サイドとして何を伝えたいのかを浮かび上がらせようという手法なんだと思います。
これを浮かび上がらせるために描かれたのが、シン・アスカとミネルバという存在ですね。
シンというキャラは最初から軍にいるポジションにいて、キラが前作序盤で周囲から否定されたり、褒められる対象ではなかったように描かれたことに対して、シンというキャラは兵士というポジションにいても、キラとは全く逆で勲章を貰う等、同じ力を使うにしても(世間的には)肯定的に受け取られるという描き方をしています。
#しかしそれでも大事なものを失っていくという共通点があるわけで、そこもポイントなんですが。
これがもう一人のキラ、キラのIFのストーリー、そういうことがやりたかったんだろうなと。
ミネルバについても同じで、前作AAは味方からもやっかいもの扱いされる存在だったんですが、ミネルバはエース級戦艦として、またその搭乗員も自分の意志で軍に参加するという違いを持っているんですね。
これももうひとつのAA、AAのIFのストーリーとも取れますね。
こういう前作とは逆のアプローチをとることで、テーマとして浮かび上がらせたかったのは個人的にはこの2点なんじゃないかなと思っています。
1.想いだけでも 力だけでも
2.自立・自律
■想いだけでも 力だけでも
前作SEEDで登場したこの言葉ですが、基本的にはDESTINYでもこの言葉は残っている、むしろ残していると言っても良いと思っていて、今回のDESTINYの最初は旧作の主人公たちもあれで良かったのか?と自問したり、後悔しているところから入っているんで、今作では敢えてそこを問い直す、という意味があったんでしょうね。
だからこそ、今作では特に武力否定派としてAAサイド、武力肯定派としてミネルバサイドという対比構造を取らせているわけですが、この辺は現実には恐らくずっと明確な答えは出ない問答なのかもしれないですね。
そういうのを踏まえて作中メッセージとして出された結論が第40話「黄金の意志」で、力を放棄すればそれで良いというわけではなく、護りたいものを護るためには、護るための力が必要なんだ、と僕個人としては理解しています。
実はこれまで対比表現として描かれていたシンについても、彼自身は戦争なんて無くなれば良いと思っていて、その想いは全く逆のアプローチを取りつつも、AAサイドと同じ、というのが何気に熱いところです。
ゆえに、作中テーマとしてのひとつの答えは出たんだけれども、それを持ってシンとカガリがどんな展開を見せてくれるのかはボーナストラック的に楽しみだし、キラ、アスランまで含めたオーブ決戦というのはここまでのプロセスが長かっただけに、エンタメ的に締めくくって欲しいなと、個人的に思っています。
■自立・自律
上のテーマが主人公サイドが内面的に抱えるテーマだとすれば、こちらは議長という外部要素、DESTINYにおける最重要キャラからの問いかけになっていますね。
僕は議長自身は「FATES」に抗って「DESTINY」を切り開く、という立場を取っている人なんで個人的には結構好きなんですね。
議長自身のスタンスも今作のテーマだったりするわけで、僕が単純に議長白・黒論を言えなくなってしまっているところなんですが(笑)。
さて、議長を通じて問いかけられているところは「役割」に対する考え方ですね。
エンタメ作品なんで分かりやすくするために極論に振っているところはあると思いますが、議長が考える世界というのは皆に「役割」を与えて、それを充足感とともに全うできるならば争いは起こるまい、というところですかね。
恐らく外しちゃいけないポイントとしては、専制君主制が望ましいか否か?ということをテーマにしているわけではなくて、与えられた「役割」を疑問も持たずただ諾々と受け入れているだけでいいのか?自分たちでものを考えて、判断する、「役割」を自分で創出していく、そういうことが大切なんじゃないの?という点じゃないかと僕個人としては思っているところです。
例えば仕事なんかもそうなんですが、今の変化の激しい時代では、与えられた仕事をただこなしているだけでは時流の変化が起きたときに次に対応できないんですね。
今は組織なり、会社なりに立脚している自分の立場が、そのときの都合・時流によって消滅する危険性をはらんでいるのですが、与えられた役割をただ諾々と受け入れているだけだと、この変化に気づくことができないし、気づいたときには会社側、組織側から変化を迫られるか、厳しければ用無しということになります。
#会社が無くなることもあるので、その場合は有無を言わせず路頭に迷うことになります。
議長自身が絶望・諦念の中から、自分で切り開くしかないと決意した結果が、そういった他人の自立意志を奪う結果になっているというのが皮肉が利いているというか、彼自身が熱いですね。
このテーマについては、主人公ポジションで唯一まだ答えを出していないラクスが残っているので、是非議長との論戦を展開して欲しいところです。
これはずーと言って来たことなんで、是非実現して欲しいなぁ。
議長個人については、タリアさんとの別離に彼の行動のバックボーンがあるならば、議長の最後の最後は再びタリアさん絡みのエンディングというがあると個人的には嬉しいですね。
■ラストへ向けて
個人的には前作のラストは主人公たちがどんなに頑張ろうとも、一人の力で出来ることには限界があり、結局は世界は何も変わらないまま終結したというエンディングが非常に気に入っていて、切なさを残す終わり方がまた良いなと思っています。
#それでも前作は個人レベルでは相互理解は出来るし、変わっていくことはできるんだ、という希望的側面も描いてくれているわけで、そういった個人と世界の描き分けがあると面白いかなと。
自立をテーマとした感想は大分前から持論として考えているのですが、個人的にこれをやってくれたら満足というは、前作が個人レベルで終わった部分を、今回は少なくても良いから(むしろ少なくて良い)、国レベルでの自立の話をして欲しくて、それが連携してくるという展開があると熱いなと。
オーブは国としての自立を多少なりとも描いてきている部分があるので、作中登場したスカンジナビアみたいな勢力が、「想いを同じくする者」として連携して、終戦へ動くという展開だとかなり熱いんですけどね。
こればっかりはどうなるか分かりません(笑)。
ともあれ、残りも少なくなってきましたので、最後まで楽しませて頂きたいですね。
#時間があれば過去記事のLink貼りでもして、完全に個人的総集編にでもしようかな(笑)。
個人的にはいつかのタイミングで総集編は必要だと思っているし、第29話「FATES」のような総集編なら意味あるよなー、と思っていたので、それにしてもオーブ決戦前に入れるのはタイミング悪いよな、でもそれでも入れるんだからきっとぶつかりあう想いの視点で描いてくれたりするんじゃないなか、と期待してしまっただけに残念。
アスラン、キラだけじゃなくて、恐らくオーブ決戦ではシンとカガリを交えたこの四人の想いがぶつかりあうと思っているので、この四人の視点で総集編やってくれたらよかったのになぁ・・・。
新規台詞についても心に響くところが無く、これって制作サイドの総集編に対する想いが伝わってこないなぁ、ひょっとしたら脚本は両澤さん書いてないんじゃないの?と思いながらBパートを見つつEDへ。
案の定、今回は脚本に両澤さんの名前が無く、大野木さんと森田さんということなので、総集編というのはシリーズ構成をしている人がやらないと、ホントにダイジェストで終わってしまうというのを実感。
#というかシリーズ構成をする人がしないといかんのじゃないかな。任された方も辛いんじゃないの?
でも、新カット、ありましたよ。
OPに。
キラ、アスラン、カガリのバックに映るMSがそれぞれSフリーダム、Iジャスティス、アカツキになってましたね。
#レイのレジェンドもドラグーン展開してました。
そういう風にカットを途中で変えて欲しいなぁとOPが変わったときに言っていてので、個人的にはこの演出は嬉しいところ。
今回は総集編を振り返るんじゃなくて、自分の感想を少しポイント絞ってまとめておこうかなと。
■DESTINYでのテーマ
これっていくつかあるんですが、特に前半部分を使って描かれたのが前作のアンチテーゼでしたね。
プロデューサーの竹田青滋氏はインタビューで「物事を多角的に見る」ことが重要、という言い方をしていたので、やはり前作とは逆のアプローチをすることで、SEED、DESTINYという連続シリーズを通じて制作サイドとして何を伝えたいのかを浮かび上がらせようという手法なんだと思います。
これを浮かび上がらせるために描かれたのが、シン・アスカとミネルバという存在ですね。
シンというキャラは最初から軍にいるポジションにいて、キラが前作序盤で周囲から否定されたり、褒められる対象ではなかったように描かれたことに対して、シンというキャラは兵士というポジションにいても、キラとは全く逆で勲章を貰う等、同じ力を使うにしても(世間的には)肯定的に受け取られるという描き方をしています。
#しかしそれでも大事なものを失っていくという共通点があるわけで、そこもポイントなんですが。
これがもう一人のキラ、キラのIFのストーリー、そういうことがやりたかったんだろうなと。
ミネルバについても同じで、前作AAは味方からもやっかいもの扱いされる存在だったんですが、ミネルバはエース級戦艦として、またその搭乗員も自分の意志で軍に参加するという違いを持っているんですね。
これももうひとつのAA、AAのIFのストーリーとも取れますね。
こういう前作とは逆のアプローチをとることで、テーマとして浮かび上がらせたかったのは個人的にはこの2点なんじゃないかなと思っています。
1.想いだけでも 力だけでも
2.自立・自律
■想いだけでも 力だけでも
前作SEEDで登場したこの言葉ですが、基本的にはDESTINYでもこの言葉は残っている、むしろ残していると言っても良いと思っていて、今回のDESTINYの最初は旧作の主人公たちもあれで良かったのか?と自問したり、後悔しているところから入っているんで、今作では敢えてそこを問い直す、という意味があったんでしょうね。
だからこそ、今作では特に武力否定派としてAAサイド、武力肯定派としてミネルバサイドという対比構造を取らせているわけですが、この辺は現実には恐らくずっと明確な答えは出ない問答なのかもしれないですね。
そういうのを踏まえて作中メッセージとして出された結論が第40話「黄金の意志」で、力を放棄すればそれで良いというわけではなく、護りたいものを護るためには、護るための力が必要なんだ、と僕個人としては理解しています。
実はこれまで対比表現として描かれていたシンについても、彼自身は戦争なんて無くなれば良いと思っていて、その想いは全く逆のアプローチを取りつつも、AAサイドと同じ、というのが何気に熱いところです。
ゆえに、作中テーマとしてのひとつの答えは出たんだけれども、それを持ってシンとカガリがどんな展開を見せてくれるのかはボーナストラック的に楽しみだし、キラ、アスランまで含めたオーブ決戦というのはここまでのプロセスが長かっただけに、エンタメ的に締めくくって欲しいなと、個人的に思っています。
■自立・自律
上のテーマが主人公サイドが内面的に抱えるテーマだとすれば、こちらは議長という外部要素、DESTINYにおける最重要キャラからの問いかけになっていますね。
僕は議長自身は「FATES」に抗って「DESTINY」を切り開く、という立場を取っている人なんで個人的には結構好きなんですね。
議長自身のスタンスも今作のテーマだったりするわけで、僕が単純に議長白・黒論を言えなくなってしまっているところなんですが(笑)。
さて、議長を通じて問いかけられているところは「役割」に対する考え方ですね。
エンタメ作品なんで分かりやすくするために極論に振っているところはあると思いますが、議長が考える世界というのは皆に「役割」を与えて、それを充足感とともに全うできるならば争いは起こるまい、というところですかね。
恐らく外しちゃいけないポイントとしては、専制君主制が望ましいか否か?ということをテーマにしているわけではなくて、与えられた「役割」を疑問も持たずただ諾々と受け入れているだけでいいのか?自分たちでものを考えて、判断する、「役割」を自分で創出していく、そういうことが大切なんじゃないの?という点じゃないかと僕個人としては思っているところです。
例えば仕事なんかもそうなんですが、今の変化の激しい時代では、与えられた仕事をただこなしているだけでは時流の変化が起きたときに次に対応できないんですね。
今は組織なり、会社なりに立脚している自分の立場が、そのときの都合・時流によって消滅する危険性をはらんでいるのですが、与えられた役割をただ諾々と受け入れているだけだと、この変化に気づくことができないし、気づいたときには会社側、組織側から変化を迫られるか、厳しければ用無しということになります。
#会社が無くなることもあるので、その場合は有無を言わせず路頭に迷うことになります。
議長自身が絶望・諦念の中から、自分で切り開くしかないと決意した結果が、そういった他人の自立意志を奪う結果になっているというのが皮肉が利いているというか、彼自身が熱いですね。
このテーマについては、主人公ポジションで唯一まだ答えを出していないラクスが残っているので、是非議長との論戦を展開して欲しいところです。
これはずーと言って来たことなんで、是非実現して欲しいなぁ。
議長個人については、タリアさんとの別離に彼の行動のバックボーンがあるならば、議長の最後の最後は再びタリアさん絡みのエンディングというがあると個人的には嬉しいですね。
■ラストへ向けて
個人的には前作のラストは主人公たちがどんなに頑張ろうとも、一人の力で出来ることには限界があり、結局は世界は何も変わらないまま終結したというエンディングが非常に気に入っていて、切なさを残す終わり方がまた良いなと思っています。
#それでも前作は個人レベルでは相互理解は出来るし、変わっていくことはできるんだ、という希望的側面も描いてくれているわけで、そういった個人と世界の描き分けがあると面白いかなと。
自立をテーマとした感想は大分前から持論として考えているのですが、個人的にこれをやってくれたら満足というは、前作が個人レベルで終わった部分を、今回は少なくても良いから(むしろ少なくて良い)、国レベルでの自立の話をして欲しくて、それが連携してくるという展開があると熱いなと。
オーブは国としての自立を多少なりとも描いてきている部分があるので、作中登場したスカンジナビアみたいな勢力が、「想いを同じくする者」として連携して、終戦へ動くという展開だとかなり熱いんですけどね。
こればっかりはどうなるか分かりません(笑)。
ともあれ、残りも少なくなってきましたので、最後まで楽しませて頂きたいですね。
#時間があれば過去記事のLink貼りでもして、完全に個人的総集編にでもしようかな(笑)。