蒼穹のぺうげおっと

-PEUGEOT in the AZURE- マンガ・小説・アニメの感想を書き流すファフナーとエウレカ好きのサイトです

マクロスF 第8話 「ハイスクール・クイーン」 感想

2008-05-29 00:11:12 | マクロスF
前回の大激戦を終えて今回はインターバル、そして新展開へという第8話。
それにしても、マクロスで学園ものが見れるとは。

シェリルとランカの現在における対比が描かれた回でもあったわけですが、これが今の現実なのね、と突きつけられちゃうランカちゃん。

遠い、遠いなぁ、シェリルは。

■ランカちゃん

ランカちゃん的には、仕事面においては下積みで、歌を聴いてくれる人もいない。しかもキャンペーンソング&かぶりものつき。

学園生活においても、アルトたちのいる美星学園に転入してきたのにもかかわらず、同じタイミングでシェリルが登場して、アルトを独占されてしまう。

シャワー室でシェリルから特番に出る?と誘われるも、自分で頑張りたいと伝える、けれども、不運が重なって、自分が掴んだ収録そのものが無くなってしまう。

そこで見上げると街一面、シェリルで埋め尽くされている光景。

これが今のランカちゃんとシェリルの差。

でかい、でかい差ですね。

演出的にこれでもか、と。

そんなランカちゃんがひとり「アイモ」を歌っていると、例のパイロットがハーモニカであわせて・・・、という超気になる展開でしたね。

マクロスFの冒頭のナレーションには結構ヒントが隠されていて、例えば、フォールド航法は断層を越えられず、それがプロトカルチャーに根源をなす人類の限界だった、というナレーションがあれば、裏を返すと、その断層を越えてくるテクノロジーが出現する、とも捉えられるわけですね。

そんな気になるナレーションが今回言っていたのは、ゼントラーディーは戦闘種族(文化から切り離された存在)、人類は逆に文化を残すために生み出された存在、という風に言っているわけで、プロトカルチャーに由来する人類が他にも存在する、もしくはそれを絶滅の危機まで追い込んだ存在がいる、というのを仄めかしているわけですよね。

そういう意味では前回登場した新しい形のバルキリーは、全く新しいテクノロジーで作られていたようにも見えますし、そのパイロットのブレラの姿かたちも人類に近い。

こう考えると、プロトカルチャーに由来する人類の分派したひとつ、なのかもしれない。
#でも全く違うかもしれない。

レオンが隠蔽しているのはどの辺までで、いったいどんなインパクトがあるのか?

ランカが「(お兄ちゃんとの約束だから)誰にも言っていない」というのは、生き残りだから、とかそういうレベルではないかもしれない。

ブレラたちと何らかの種族的な関係があるからこそ、ランカがアイドルとしてメディアに露出しようとしているのを意図的に抑えた、という感じなんでしょうかね。

レオンは小物くささが漂ってますが、それにしてもランカちゃん、こういう本人の努力とか意思とかそういうのを超越したところでとばっちりをくらってます。
頑張れ、ランカちゃん。

マクロス的トライアングルとするならば、ブレラ&ランカちゃん&アルトって感じで、恋もバルキリーも三角関係・ライバル同士、みたいな感じかな。

マクロスFも何気に小さいトライアングル、たくさんありますからね。
#キャシーとオズマ、レオンとか、ランカちゃんとナナセとか(ナナセはランカちゃんがすきなので、ランカちゃんに近寄るやからは全部ライバル)?

でもこっちは主人公含めた大きなトライアングルになりそう。

■女王 シェリル

Ex・ギアで走り出したときはいい感じにガニマタになってました(笑)。

何事にも負けず嫌いなシェリルですけど、アルトへの態度は単純に照れ隠しなのか、それとも本人が自覚していないのか。
なんとなく後者のような気もするけど・・・。

それにしてもパイロット養成コースに転入してくるとは。

確かにギャラクシーに帰るまで、フロンティアにいることになるんだから、その間、ツアーも終了したし、学生生活を送っても問題ない、ということかな。

かなり大事にしていたイヤリングを無くしたアルトに対して、それなりに怒ってはいるけれども、超・激怒ってほどでもなかったのは、やっぱりアルトが生きて戻ってこれたからなのかも。


やっぱり、ランカ、シェリルの気持ちにこれっぽっちも気づいてないのはアルトだけなんだろうな(笑)。


でもこれで、主人公の三人が同じ舞台に立った、というのは面白いですね。
三人とも、学校以外のステージ(戦う場所)を持ちながら、日常生活では同じステージを共有するっていう構図はなんとなく今後も色々対比できそうで楽しみだなぁ。

マクロスF O.S.T.1「娘(ニャン)フロ。」

6/4発売。大ニュース、大ニュース(ランカ風に)。

ダイアモンド クレバス/射手座☆午後九時Don't be late


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やっぱりBlue-Rayで購入決定です。
新しいデッキを購入する意思を決めたのはマクロスFと言っても過言ではない(笑)。

コードギアス 反逆のルルーシュR2 第8話『百万 の キセキ』

2008-05-27 00:32:23 | コードギアスR2
命を救った百万人の日本人から感謝されることのないスザクに対して、ただ一人、ルルーシュだけがスザクに感謝するというラストがなかなか切ない第8話「百万 の キセキ」。

ルルーシュが前回、既にナナリーのためだけのゼロから、行動を起こしてしまった責任を感じつつ、自分を信じて着いてきたものに対する責任を果たそうと考えるゼロへと変化していくなか、そんなゼロが取った行動が「行政特区日本」に参加すること、だったわけですけれども、その答えは何とエクソダスだった、というとんでもない回答を用意してくれていました。

・・・・・・全く想像つかなかったです。

ナナリーのために立ち上げた黒の騎士団を、ナナリーのために捨てるかどうか、という完全なる二律背反、ダブルバインドに陥っていたルルーシュが取った行動は、日本という土地を捨てる、という選択だったんですね。

チェスで追い詰められた状態で、そこで打った手は、手持ちの駒を動かすんじゃなくて、チェス盤そのものをもう一枚付け足した、みたいな大奇策だった、という感じですかね。
いやー、まったく予想できませんでした。

個人的にはこのエクソダスの派手さが目立つようで、実はこの回はそれよりももうちょっと大事なことが描かれたんじゃないかな、と思うんですね。
実はこっちの方が僕は結構感心してしまったんですね。

百万人の日本人からスザクは感謝されることはないんだけれども、ただ一人ルルーシュからは感謝される、という点もしかり、その結果に至るまでのプロセスしかり、実はそのプロセスが何気に良くできてる、と思うわけです。

エクソダスという結果だけ見ると、何となく荒唐無稽、みたいな感じなんですが、その瞬間までのスザクとルルーシュの間の葛藤と、ナナリーとユフィという互いに大事にしている存在とその思い、最後にスザクを納得させる、その合意に至るプロセスがなかなかに良くできてる、と思ったんですね。


■これは結構すごいかも

百万人を移住させる、というと、とんでもないことなんだけれども、物語的には百万人を移住させることも大事だったのかもしれないけれど、ちょっと個人的にはここが良かった、というか凄く良かったという点があったんですよね。

上手く説明できるか自信がないのだけれども、二段階あったんですよ。スザクが決断をするまでのプロセスで、アーニャとナナリー(&ユフィ)について。

舞台を小舞台と大舞台に分けて、小舞台で予兆みたいなのを見せておいて、大舞台で決断を迫る、みたいな演出?

小舞台の方は、スザクがまた試されるところを描いていて、スザクを襲った日本人に対する処刑のサインはラウンズ以上のサインで執行できる、というシーンですね。

ここで、ルールに厳格であれ、とするスザクと、日本人であり、相手もまた自分が救うべき日本人だと思うスザク、という二律背反に答えを出せないでいるんですよね。
ここでアーニャが歩み寄って、スザクに決断させることを先送りする。

ここまで見たときには、なるほど、と思うくらい&アーニャってなかなかよい子だな、とか思ってたんですが、これが小舞台で伏線的に描かれたんだ、と思いついたときに結構、構成的にすごいなと思ったんです。

これがですよ、大舞台としてナナリーとゼロが対峙して、百万人のゼロが登場したときに、スザクが更なる決断を迫られるわけじゃないですか。

小舞台では一人の命を。

大舞台では百万人の命を。

30分の中でこういう構成をとってくるのか、と正直感心してしまいました。

で、ですよ。
一人の時はアーニャがその荷を負ってくれたわけですが、百万人になったとき、先送りじゃなくて、本当に決断を迫られるんですよね。

そこで用意される選択肢は二択で、虐殺か助けるか、だったわけです。

ただ、そこにはルルーシュがちゃんと落としどころを考えていて、そのヒントに気がつけるか?という一種の賭け。

ナナリーもユフィも許そうとしていたんだ、というのと、ルールを曲げるわけにはいかない、という一見二律背反、ダブルバインドな状況を、両方肯定できる、というヒントがゼロの記号化だった、ということなんですよね。

言葉遊び、みたいな感じもするけれども、誰も傷つかない、優しい世界の実現へ向けた試金石だったんじゃないか、という感じがするんですよね。


あー、うまく説明できた自信がない。


今回は「日本人とは何だ?」という点とか、「ゼロは前のゼロと同一なのか?」とか、よく見ると伏線としてちゃんとヒントが出されているんですね。

で、最後に出した答えが、全員ゼロになって、ゼロが特定の人物である、ということを無くしちゃって(象徴化しちゃって)、日本人っていうのも、どこに住んでるか、とか名誉ブリタニア人とかじゃなくって、心だ(=これも象徴化)と作中で答えをもらっちゃうわけ。

象徴化っちゅーのが記号化と捉えてもらうとわかり易いんじゃないかと思うんだけれども、この2つもいっぺんにやっちゃってるんだよね。

第1期の最初の感想からこの作品はアイデンティティーを問う作品だ、と書いてきてるんだけれども、今回のでゼロと日本人、という両方のカテゴリというか、しがらみ、みたいなのを取っ払っちゃって、新しく立て!といってるような感じ。

ここまで書いてまた新しく思ってきたんだけれども、確かに今回、イレブンにとってのゼロの言葉は重い(ゼロを妄信している意味)、とか、名誉ブリタニア人とか、蔑んでみたりする表現が「くどい」くらいに出てきたんですよ。

今回の記号化ってところでは、そういったゼロへの妄信を捨てて、全員がゼロなんだ、という意図とか、心が折れてなければ日本人なんだ、みたいなそういうカテゴリ解放的な意味もあったんじゃないかと思ったりするんですよね。


・・・・・・全然うまく説明できてないんだけれども(笑)。


で、最後にスザクは命を救った百万人の日本人からは誰も感謝されないんだけれども、ナナリーの意思(ユフィの遺志)を尊重してその決断を下したスザクに、ルルーシュだけが感謝する、という何気に切ないラストで幕、というのがすごく光ってたんですよね。

ちょっとたくさんありすぎて、うまく整理できてないんだけれども、もうちょっと何回か見たらもっと理解できるんだろうか・・・。
ちょっと自信ない(笑)。

でも、エクソダスの実行以上に、記号化しちゃうまでのプロセスがよくできてて、その締めもすごくよかった、という僕の雰囲気だけでも伝わるとよいな・・・、なんて。


■咲世子さん

まさか咲世子さんの前で仮面を取るとは思ってなかったんだけれども、咲世子さんもそれほど驚かなかった感じ?
つか、実はゼロ=ルルーシュって知っていた?
&ルルーシュも咲世子さんがゼロの正体を知っていることを知っていた?(ややこしい(笑))

となると、ナナリーが王族ってことを(今回の総督就任で)知ってるってこと=ルルーシュが王族ってことも自然と知れる、ということだよね。

何気に咲世子さんって、ルルーシュにとっての重要人物なんじゃ・・・。

あなどれないメイドさんです。


次週は特番みたいですけど、今週のをもう1回くらいみて、ちゃんと頭を整理しておきます。
いやー、今回は自分の頭の整理能力が低くて、申し訳ないって感じです。

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Blue-Ray版を購入予定です。

冲方丁 オイレン/スプライト・シュピーゲル 第4巻 感想

2008-05-23 02:01:17 | 小説 感想
冲方丁(うぶかたとう)さんのシュピーゲルシリーズも第4巻目、オイレン/スプライト合わせると8巻目、今回も凄い、もうとんでもなく凄かったです。

よく冲方丁さんの本を読むときに陥る現象が、息をするのも忘れて読んでいるか、あまりの感動と共感に涙を溜めて読んでいる、という現象が起きるのですが、今回も、というか、今回更に、もうずーと、息するの忘れるか、涙腺刺激されまくりかのどっちかでした。

ほんとに息を止めて読んでる感覚になりますよ。

そして読了の瞬間。

凄い、としか言い様が無い、それこそヒロインの一人である涼月の口癖のように(感動に浸りながら)「何か世界とか救いてー」と思ってしまうくらいに。

僕は冲方丁さんの大ファンなので、もう客観的に見ること(読むこと)ができなくなってしまっているかもしれないけれど(笑)、このシュピーゲルシリーズについては、凄すぎて、とりわけ、このこの各4巻目については、本当に素晴らしくて、正直、この衝撃&感動を感想として書き表す自信がありません。

ヒロイン3人×2シリーズ(オイレン/スプライト)にそれぞれこの4巻では一人につき3回くらいのクライマックスが訪れる感覚なので、通常の18倍くらいの感動指数(当ブログ比)となっております(なにそれー)。

読んでいるこちらがラストを読み終えて精根尽き果ててしまう状態なんだから、この執筆をされている冲方丁さんの精神状態はいったいどんなことになってしまっているのだろう?と心配してしまうほどです。

できればこのブログを読んで頂いている方には是非読んで欲しいシリーズなのであります。

今まで読み返した数で言えば、奈須きのこさんの『空の境界』か冲方丁さんの『マルドゥック・スクランブル』か、というくらい中毒的に読んでいますが、この『オイレン・シュピーゲル』と『スプライト・シュピーゲル』も、そのリピート数に負けないくらいの再読数になりつつあります。

特に今回。

僕はオイレン・シュピーゲルから読みましたが、その後続けてスプライト・シュピーゲルを読み、そしてまたオイレンに戻るということをやっているので、エンドレスループ状態になっています。

個人的には今回、オイレン→スプライトの順で読むことをお勧めするかな。
#3巻まではどちらから読んでもOKだと思いますが、4巻はこの順が僕はお勧めだな。
#でも初めて読む人は、オイレンを4巻まで読んでスプライトへ、とかじゃなく、必ず交互に読むことをお勧めします。

かなり前置きが長くなりましたが、それだけ読了後に興奮してしまって、頭が纏まらない状態なんです(笑)。

舞台は2016年のヨーロッパ、オーストリアはウィーン改め、ミリオポリス。

今回の事件はこのミリオポリスで開かれる国際戦犯法廷、この開催を阻止しようとする超複雑に絡み合った因果関係。
果たして我らがヒロイン3名×2シリーズは、証人たちを守りきり、この戦犯法廷を守り通すことができるのか!?

ガンダムダブルオーでもこういった紛争に関する視点を描いているけれども、それを遥かに凌駕(当ブログ比18倍(笑))する政治・経済・宗教の複雑な因果関係。
描かれているのはごく近未来(今から10年後くらい)の話だけれども、それゆえに、今の国際経済、国際政治に興味を持つには十分にして重厚、そしてなにより興奮沸騰の感動作です。

■バックグラウンド

今回の2つの物語の核となる背景は、アフリカのスーダンで起きた大量虐殺「エルファシル紛争」を裁くための国際戦犯法廷をオーストリアのミリオポリスで開催する、というものなんだけれども、バックグラウンドとして押さえておくとより理解が深まることがいくつかあります。

丁度、僕がこの小説を読んでいるときだったんだけれども、ニュースでスーダンが隣国のチャドと断交、という記事が流れたんですよね。
これを読んだとき背筋がぞっとしましたね。
あまりのタイムリーさ、というか、冲方丁さんがこの小説を執筆しているときは、まだこのニュースは無いわけなんだけれども、やはり、スーダンの情勢は非常に厳しくて、2003年に起きた「ダルフール紛争」は2008年の今現在も継続中なんですよ。
20万人を虐殺、という近年まれに見る大事件なわけです。
本編では「エルファシル紛争」はこの「ダルフール紛争」の後に続いた歴史的虐殺事件であり、今回はそれを戦犯法廷で裁く、という位置づけになっています。
#ちなみに作中に登場するグループ「ジンジャウィード」は実在するアラブ系のグループです。

で、現在。

何故チャドと断交なのか?
とか、
何故スーダンなのか?
とか

この辺、今ならインターネットですぐに調べられるので、興味がある方は是非。

関係ないようで関係ある話をすると、今年度から日本の商社が一般職の採用を再開するというニュースがありましたが、これは昨年度の日本の商社の売り上げが非常に良かったからなんですが、穀物&原油が安定しない状況で何故売り上げが良かったか?というと、レアメタルの採掘に関する利益が非常に好調だった、というのが大きな理由の一つですよね。

穀物(食料)、原油、レアメタル。

精密機器を作るために欠かせないレアメタル。
産業を興そうとするならばこのレアメタルはレアというだけあって希少価値も高く、必須になってるんですよね。
#携帯電話にも使われてるよ。

四川の大地震、チベット問題などは今後、このレアメタルに関する状況を左右する要因のひとつにもなると思いますよ。たぶん。

作中では中国もスーダンに関係して大きな意味あいをもっていますが、これは実際の現実世界でも関係していて、作中スピルバーグの名前が出て、(ダルフールの話をしつつ)北京オリンピックの演出をやった人だろ的に書かれますが、これは惜しくて、恐らく執筆中はそういう形になっていたんだけれども、2008年の2月だったかな、スーダンへ対する支援のあり方を巡って、中国側とスピルバーグの対立があって、スピルバーグはオリンピックの演出を辞退してるんだよね。

そしてもう一つ。

スプライト・シュピーゲルのほうで、戦犯法廷へ出席する6人の証人たちとヒロインたちが人生ゲームをやるわけですが、その人生ゲームで問題になるのが食糧問題とそれにともなう水の問題。

これも本書が出版されるほんとに寸前に、英エコノミストの4月19日号で「世界の食糧危機」を取り上げているんですよね。
確かタイトルは「サイレント・ツナミ(津波)」という感じで、忍び寄る恐ろしい被害、という意味あいなんだろうね。

人口増加に全く食糧供給が追いついていない、という事実。
先進国ではそれがインフレにつながるけれども、貧困国では餓死につながり、暴動につながるという事実。

サブプライム問題のような金融問題で虐殺は起こらないけれども、食糧問題では虐殺は起こる、それだけ深刻な問題として受け止められている、というのが発表されたんですよね。

近年取り沙汰されているバイオ燃料。

まずはここから話をすると、近年、原油価格の上昇と、もうひとつ問題になっているのが穀物価格の上昇ですね。
これは消費者レベルで非常に重要。

穀物って、人が食べる分だけじゃなく、乳牛のエサだったり、食用の牛、鳥、豚の飼料でもあるんです。
つまり、食糧の価格が原油高騰と相まって一般家庭を直撃します。
これは既に牛乳、バターの値上げとなって現われています。

ちなみに、肉100カロリーを得ようとすると、そのエサとなる飼料として必要な量は700カロリーになると言われています。
つまり、飼料穀物ってめちゃめちゃ重要で、また、そういった肉類を提供する家畜による二酸化炭素は全体の18%を占めるとも言われていて温暖化の原因の一つとも言われています。

つまり物凄い密接に物事が絡み合ってる、ということですね。

あと、見えないところで、これにともなう輸送用の船の確保も大変になってます。
原油高騰の影響で、フレートはますます高騰するし、船の確保も難しいと必然的に値段も上がります。

さて、その穀物が、ですね、原油高騰のあおりを受けて、化石燃料に代替するバイオ燃料として非常に注目されているわけです。

だから大豆・トウモロコシといった飼料穀物の代表格は投機目的も含めて高騰・品薄になる、というわけです。

じゃあ、その飼料穀物を大量に取るために、品種改良がなされるわけですが、今度はその特許が必要となってくる。
正確に言うと、1粒の種をまくために必要な特許使用料。

結果的に穀物が増産されても、高くなっていく。

高くなると買えなくなる。

僕ら日本は完全なる輸入国だから身に染みていると思うけれども、環境に良いと思って開発されるバイオ燃料も良い点悪い点があって、穀物が手に入らなくなる、ということは、死活問題へとつながるわけです。
貧国に位置する国は言わずもがな、です。
食糧を買えなくなるのですから。

前述した肉100カロリーに対して、必要な穀物は700カロリー。

近代化した国家は、それまで主食だった穀物から肉類に主食の軸を移していきます。

肉を食べるということは、単純に穀物を消費するよりも7倍消費する、という形になって、人口増加が著しい今の地球において、人口増加と化石燃料の枯渇、という問題は、食糧問題直撃、という形になるわけです。

僕は丁度お客様が商社さんで、その中でもエネルギー資源と穀物が担当だったこともあって、ここ数年の変化だけでも、超めまぐるしい変化を遂げてきてるんですよね(それを目の当たりにしてきた)。
インド・中国の成長に関して、本当にこれは新しい局面を食糧・エネルギーともに迎えていると言っても過言ではないと思います。

……と、かなーり前置きが長くなってしまいましたが(笑)、こんな感じのことを頭の片隅に置いておいてもらえると、またより一層理解が深まって楽しめるのではないかなーと思います。
#つまり、冲方丁さんはかなりこの辺の事情を気にしながら、真剣に考えながら書いていると思いますよ。

正しい答えもないし、どうすれば良いかも難しいけれども、少しずつでも考える人が増えたなら、ちょっとずつ良くなるかも?しれないですね。
やがて大きなうねりになれば最高、みたいな。


■拳を握れ

ここまで前置きを長くしておいて、本編に関しては極力ネタバレをしたくない(未読の人には是非その興奮を味わって欲しい)ので、できるだけ中身に触れないように書きたいんだけれども、ここに来てどうしても書いておきたいと思ったこと、これだけは書かせてー。

二つの物語(オイレン/スプライト)が完全同時並行で進んでいくこの物語ですが、その完全同時並行を繋ぐのが、ヒロインにして両小隊長である鳳(アゲハ)と涼月が重要な手がかりとして拾う携帯電話。

非常に不確かで、細いこの糸のようなつながりが、互いの反目を超えて、相互作用から徐々に太い絆となって、最後に相乗効果へと移って行く動きは感動もの。

並行していた物語が点として時に交わることがあったけれども、ここで初めて交差して融合する。

この第4巻という位置づけはそういうものなんですよね。

そしてその4巻の中でもことさら、特に共感してしまったのが涼月。

そうだよ、そうなんだよ!と心の中で絶叫・喝采。

彼女が心の虚無を乗り越えていくときに、心の中で握る拳。

握れ、強く!

と繰り返し唱える。

自分を見失わないために。

この言葉、この心意気に大いに共感・共振。

僕の職種はシステムエンジニアでありプロジェクトマネージャ。

プロジェクトマネージャの資質として必要なものはたくさん「ものの本」でも書いてあるけれども、僕は本当に必要だと思うものの一つが「折れない心」だと思っています。

それは単に鈍感だったり、傷がつかない心のことじゃなくて、僕らプロジェクトマネージャって職種は神経と寿命をすり減らしながら、一つの目的へ向って這いずり回る職業だと、思うんです。たぶん。

傷もつくし、折れそうになる。

逃げたいし、びびることもある。

でも、そういうときに、心のいやーな感じのところをぐっと握りしめて、後ろを向いちゃダメだと自分に言い聞かせ、ここで踏ん張らなかったらどこで踏ん張るんだ?と、泣きながら前を向いてるんですよ。

折れそうになるとき、この涼月の「(心の)拳を握れ!」という言葉、これと全く一緒のことを僕らはどこかでやってるんだと思います。

抜くところは抜いても、逃げない。

これがどんな最悪なプロジェクトでも乗り切る、また、自分の心を守ることなのかな、と思いましたよ。


ストレート・フォワード

フライ・ハイ


作中に登場するこのキーワード。

冲方丁さんの物語の中で、その一言を読んだだけで泣ける、というのは本当にたくさんあるのですが、その泣ける中でも、この2つ、この2つは特に、今僕の涙腺を直撃して止まないもののひとつです。
#あと、「オレ・・・・・・ナマクラだ・・・・・・」という乙(つばめ)の言葉とかも泣ける。


冲方丁さんの作品に共通して言えるのは、どんなに凄惨な状況においても、その中で這いずり回って、そしてその中から希望を見つけ、そこに向って一心不乱に飛び立っていく、生きることに真摯に向かい合う姿、なんじゃないかと思います。

それが蒼穹のファフナーでの有名なひとこと「あなたはそこにいますか?」であったり、そのアンサーである「NoWhere(どこにもいない)」から「Now Here(今、ここに居る)!!」なんだと思います。


何度読んでも面白い。

何度読んでも泣ける。

最後に双方から送られたビデオレターが読後感を爽やかにしてくれつつ、このオイレンとスプライトが同時並行で織り成す物語をまた最初から読んでみたいと思います。

オイレンシュピーゲル肆(4) Wag The Dog


スプライトシュピーゲルIV テンペスト

レポート フロム サンノゼ

2008-05-22 17:11:20 | Weblog
現在、アメリカ西海岸付近に生息中の燕。です、みなさん、こんにちは。

予想はしていたのですが、結構寒いっす。
#サンフランシスコはちょい寒くらいで、サンノゼは暑いと思っていたのですが、サンノゼもちょい寒でした。
#ジャケットが手放せません。


まじめに仕事をしている振りをするのは得意な方なんですが、その特技を活かして早速サンフランシスコまで足を伸ばしてきました。
#つか、到着した日は移動日で、午前中に着いちゃったから眠いの我慢して強行したんですけど。

サンフランシスコは結構ゆったりとして、というかこじんまりとして落ち着いた都市なんですよね。
今はハイシーズンでもないので、人もそれほど多くなく、駅から電車に乗って港まで坂を越えてゆっくり観光できます。

サンフランシスコと言えば坂。
とにかく坂が多いです。

で、坂と言えばケーブルカー。

サンフランシスコの観光名物のひとつでもある、あの路面電車ですね。

この路面電車ですが、マクロスFを観ている方は第5話「スター・デイト」でアルトとシェリルがデートするシーンで、二人が路面電車に乗るシーンが描かれていましたよね。
あれがまさにサンフランシスコの風景そのままです。

すっごい坂を登っていくんですが、そこに途中から乗ってくる人や、体乗り出して乗る人がいて、建物の雰囲気までそのまんま、という感じ。
#マクロスFを観てから行ったので、一人で楽しくなってました(笑)。

マクロス・フロンティアのあの一画のモデルはサンフランシスコなんでしょうね。
#ちなみに作中で地名は日本の地名が付いてましたね。


あと、そのケーブルカーに乗って港に行く途中にユニオン・スクウェアがあるのですが、ここでひとつ気が付いたことが。

このユニオン・スクウェア。

僕は恥ずかしながらこないだまでこのユニオンが労働組合関連(の集会があった広場)の意味だと思っていたのですが、全然違ってました(笑)。

南北戦争の北軍=ユニオン、という意味だったんですね。

いやー、お恥ずかしい。

ガンダムダブルオーでも三大勢力のひとつにユニオンって登場しますが、こちらもなんとなく労働組合っぽくて変な感じだなぁと違和感を持っていたのですが、意図としては北軍の意味合いとしてつけたんだろうか・・・、なんて今ごろ考えてしまいました。

サンフランシスコに行っても、考えてることはマクロスとガンダム。

駄目な人って感じ満載です(人としてかなりダメな感じです)。



で、今日は打ち合わせ&調査が予定より早く終わったので、レンタカーも借りてることだし、遠出すっか、ということでサンノゼのシリコンバレーから南下して、モントレーとぺブルビーチまで行ってきました。
#さすがに時間がなかったのでタッチ&ゴー状態でしたが(笑)。
#日が長いので勘違いしがちなんですが、戻ってきたら23時だった・・・。

ぺブルビーチは有名なゴルフ場があって、ちゃっかりそのコースを見てきちゃいました。
海沿いのコースで超・難関だと思いますよ。

ちょうどホールアウトした組のキャディさんと話をしていたのですが、ここのプレーフィは495ドルだそうです。
・・・たっ、高い。

アメリカのプレーフィーの安さを考えると、この金額は超高級。

名門コースだけあって、プレーしている人も金持ちっぽそうな人ばっかりでした。
#つか、乗ってきてる車が高級車ばっかりだった・・・。

貧乏人の僕はショップに立ち寄って、記念にグリーン直し用のフォークだけ購入。
#すげー庶民っぽい。つか、これで精一杯だよ。
#たまたま仕事帰りに行ったので、ジャケット着てて良かった・・・。怪しまれるところだった(笑)。



・・・・・・、つか、仕事してるんすかね、僕。


大丈夫。たぶん。

そんな振りをするのは得意ですから。
#ってダメじゃん。


シリコンバレーは明日いっぱいなんですが、がんばって仕事してきます(ほんとかよ)。

あと、日本で書いておいた感想もちょっと手を入れたらアップする予定です。
#これで手持ちの感想ストックは打ち止めです(って、ストックと呼べるほど貯めてないだろ)。


渡米。

2008-05-20 16:29:03 | Weblog
本日で開港30周年を迎えた成田空港に遊びにきました燕。です、みなさんこんにちは。

遊びにきた、というのは冗談ですが、本日からアメリカ出張なので成田空港にきたら、たまたま30周年だったみたい。

思えば、まだ30年なんですね。
まあ飛行機ですごい距離を一気に短縮できるようになったというのが最近の話なんだなと実感してしまいました。

土曜日には帰って来るショートトリップなんですが、サンノゼまで行ってきます。

できればサンフランシスコまで足を伸ばしたいなあ。
サンノゼ、何もないからなぁ(笑)。
時間が厳しいけどトライしてみます。

本来は先週N.Y.から入る予定だったんだけど、幹部会議に付議する資料で何度目かのダメだしをくらい、先発隊を送って、僕は残ったんですよ。

会議は無事終了して、ゴーサインをもらうことができましたが、結果的にマクロスの第7話の神回を見ることができましたので良かったのかも(笑)。

では、行ってきます。

コードギアス 反逆のルルーシュR2 第7話『棄てられた 仮面』

2008-05-20 03:09:55 | コードギアスR2
ナナリーが総督となり、特区日本を成立しようとする夢を持つ。
これはナナリーの身の安全が保障され、なおかつナナリー本人が希望したこと、優しさ。
それもユフィの遺志を継いで。

そしてそこにゼロは登場しない。
ルルーシュはゼロを捨て、ルルーシュ・ランペルージとして生活を送れば、ナナリーを敵に回すこともなく、ナナリーの身の安全は保障され、全てが丸く収まる。

つまり、ナナリーのために始めたゼロという仮面が、ナナリーが総督になることによって必要なくなってしまう。
つまり、ルルーシュが居なくても、ナナリーが平和に生活できる世界が獲得できてしまう。

これまでコードギアスではルルーシュに対して、様々なアイデンティティーを消失させてきたけれども(皇子であり、記憶の改ざんであり)、ナナリーが平和に暮らせる世界を獲得する、というルルーシュの最も大事なアイデンティティーが喪失してしまう、という事態に。

なんという皮肉。

そうか、そうだよな、と自分もそれを見ながら納得。
#それをこのR2の序盤で持ってきたのも凄いな、と納得。

で、リフレインに流されそうになるルルーシュを救うのがカレン、という演出は良かったなぁ。

しかも場所は新宿ゲットー。

ゼロが始まった場所であり、カレンがゼロと初めて会った場所。
#カレン的には追いかけてきて欲しかったんだろうけどね。

でも、グッジョブでした。カレン。

カレンの場合、お母さんがリフレインで大変な目にあっていたわけで、それを目の前で見過ごすこともできないし、リフレインを止めるのはカレン、というのはやはり良かったですね。

そして、今回はかなり物語の核心に迫ったところにたどり着いたんじゃないでしょうか?

冒頭から皇帝が、間違っているのは世界だ!と熱弁していました。

ルルーシュも間違っているのは世界だ!オレじゃない!と熱弁しました。

スザクもユフィは間違っていない、と。

じゃあ、いったい何が間違っているのか?

と問われたときに、このコードギアスは常に世の中のあり方は一通りではなく、善もあれば悪もあって、見方によって違うものだよ、と厳しく現実を見せてきたんですよね。

しかしながら、そういう厳しい見方のほかにも、この物語の中では「優しさ」がキーワードにもなってきていて、それが今回「生徒会」という、ルルーシュの日常にして帰る場所で、その「優しさ」が映るという、素晴らしい演出。

これはぐっときました。

ルルーシュじゃなくてもぐっとくるってもんです。

思えば、第1期のOPでは「COLORS」であり「モザイクカケラ」であり、色や形、そのあり方は見方によって変化していくというような意味の曲を持ってきていたのも印象的でした。

なるほど、ここにルルーシュの新たな原点が生まれた、というわけですか。

もうナナリーだけの自分じゃない。
#もちろんナナリーは一番大事だけれども。

自分は色んな人とかかわりを持ってしまったから。

「優しい世界」はこんなにも近くにあったのだから。


この先の結末がどうなるのか、どう展開するのか?は相変わらず分からないけれども、ルルーシュがこのタイミングでこの気持ちになる、というのは非常に面白いと思いました。

色んなものをなくしちゃったルルーシュだけれども、それでも「生徒会」には、ただのルルーシュを待っていてくれた仲間がいた。

ルルーシュはこれまでゼロだとか、皇子だとか、ランペルージの顔だとか色々と持たざるを得なかったけれども、最終的には「ただのルルーシュ」に戻る、もしくはそういったルルーシュを肯定してくれる、というところが何となくラストの希望のような気もするなぁ。
#そのためには色んなものを失い、奪ってきてしまったけれども・・・。

ナナリーのための世界の獲得、から、ナナリーも目指す、かつてユフィが目指した「優しい世界」の獲得、というベクトル、これでシンクロしてくれば熱いんじゃないでしょうか?

その過程で、今ルルーシュを覆う秘密が全て剥がれて行く、ただのルルーシュになっていく、というプロセスが並行するとかなり燃えそう。

まだ道のりは長いですが、次はどんなジェットコースターに乗れるのか?楽しみです。

あと、C.C.が独り言か?と思って喋っていた相手は、前作でもそういう表現のあった「マリアンヌ=ルルーシュの母親」。

ここも確かに謎として残りまくっているところなので、今回は一端仕切り直し、という大事なスタート地点(思えばR2としての本当のスタート地点?)から、どんな展開が来るのか、また楽しみにしたいと思います。

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Blue-Ray版を購入予定です。


マクロスF 第7話 「ファースト・アタック」 感想

2008-05-18 08:42:50 | マクロスF
神回というのはこういうことを言うのか。
かつてゼントラーディーがリン・ミンメイの歌を聴いたときの衝撃がここにっつーくらい凄かった。

まさに”ヤック・デカルチャー!!”だった。

もう既に何回も観直してるんだけれども、この興奮はなかなか覚めやらないですね。
凄い、凄い、本当に凄かった。

マクロスというのは歌とバルキリーと三角関係なんだけれども、なんという高次元トライアングル。
今回はその全てを満たしてるだけじゃなくて、もう純粋に歌の演出と、バトルシーンの見事さ、そしてその美しいまでの融合度合いに度肝を抜かれました。

これは素晴らしかったなぁ。
近年稀に観る素晴らしさです。

もう1回観ようっと。


■射手座☆午後九時Don't be late

第6話でシェリルがライブで歌いながら「ダイアモンド クレバス」をバックに出撃していくマクロス・クウォーターという演出に既にかなり感動指数が高まっていたのですが、その感動指数の余韻を引きずる感じでアバンタイトルが始まる(既にもう感動指数かなり高まってます)。

そこから戦闘開始!!とともにシェリルが歌う「射手座☆午後九時Don't be late」に乗せて、ド派手な戦闘シーンが超展開。

これは本当に凄かった。

第1話でも同じくSMSが戦うシーンとシェリルのコンサート&アルトたちの飛行を組み合わせてこの「射手座☆午後九時Don't be late」がかかったわけですが、そこでも十分凄さを堪能していたのに、今回のこれはそれを更に更に上回ってきて、純粋に歌の演出と戦闘シーンの凄さで感動。

オズマがアーマードのミサイルを全弾射出するところなんか、目線でロックオンしつつ、アーマードの装甲がバカっと開いて、その後展開される「板野サーカス」まで含めて、もう往年のマクロスファンの心理を分かりすぎてるねってくらい(いや、初代マクロス知らなくても十分感動すると思う)感動しました。

また瞬間、瞬間で挿入されるシェリルのコンサートシーンがまた素晴らしくって、バトルシーンに全然引けを取らないところがまた凄い。
まさに歌とバルキリーの戦場。

凄いなー、歌との融合って本当に凄い。

それでもこれがまだAパート。

どんだけ密度濃いんだよって話です。


■インフィニティ

密度の濃かったAパートを更に凌駕するのがBパート。

ここからは本当に凄い。

ここからが本当のマクロス。

歌とバルキリーと三角関係。
この真髄。

そして何よりマクロスがマクロスたる所以。
400M級で何故マクロスの名前を冠しているか?

しびれるなー。ほんと。

シェリルがコンサートのラストナンバーに選んだのは「インフィニティ」。

普段気丈なシェリルが涙ぐむところから既にぐっと来ていたんですが、ここからの心理描写なんかも歌に合わせて秀逸で、本当に凄いね。

ラストナンバーはシェリルのわがままを聞いて、ということですが、これは視聴者もこの展開を待っていた、というものですよ。

命を懸けるパイロットに贈る歌、それを聞きたかった。

そこでランカも気が付くんですよね。

アルトたちが宇宙で戦っている、ということに。

シェリルはそれを知っていて、そしてそれをアルトたちのために歌いたい、と。

そしてその曲「インフィニティ」を、きっと同じ気持ちでいるランカとともに歌いたい、と。

アルトとシェリルの関係を気にしてコンサートにも遅刻してしまうランカの悩みを吹っ飛ばすように、互いに想う人へ歌を届けようとする二人の歌姫。

そう、二人の歌姫なんだよね。
マクロスFの鍵は。

ここから突入していく歌とバトルシーンの融合、この凄さにはもう感動してしまって、涙でそうなくらいでした。
いや、実際、涙ぐんで観ていたような。

で、更にクライマックスはこの後、ってことで、どんだけ贅沢なんだ、この回(笑)。


敵戦艦?の中でルカを目の前に窮地に立たされるアルトを救ったのは、マクロスと歌。

最高過ぎる。

ダメだ、やられる、と思った瞬間に流れてきたのはシェリルとランカの歌「インフィニティ」。

それも「幸運のお守り」たるシェリルのイヤリングを通して伝わり、アルトに希望の火を灯す。

歌姫二人がパイロットを救う。


もう大感動。・゜・(ノД`)・゜・。。


そこに突っ込んでくるのはマクロス・クウォーター!!

やっぱり戦艦が変形しないとマクロスじゃないっしょー!!という往年のファンの期待を裏切らないぶっ飛び方!!

さすがにダイダロス・アタックはかまさなかったけど(笑)、マクロス・キャノン、超・爽快でした。

しびれまくり。

ボビーさんが完全に男声になってるのも笑えた。

いやー、歌とバルキリーと三角関係の高次元トライアングル、堪能しました。

素晴らしい。


■アイモ

またこのエンディングが素晴らしくて、ここで新キャラ、ブレラ・スターン(@保志さん)がハーモニカでアイモを!?

つか、ブレラって男だったんか!!
#OP見てずっと女性だと思ってた(笑)。

これは確実にランカとつながりがあるってことですよね。
最初にバジュラに滅ぼされた船団の生き残りか?

初代でいけば、リン・ミンメイに対してリン・カイフンがいたので、そういう展開でもありかもなー。
ランカじゃなくて、シェリルと関係あっても面白いと思うんだけどな(シェリルも親が分からない)。

OPでアルトのバルキリーと交差するシルエットはあの赤いバルキリーだったんですね。
ここでもランカを巡るトライアングルになるんだろうか?
#今回はパイロットとしてもアルトはライバル心むき出しにしそうだしなぁ。

それにしても、これだけ歌と本編を融合させる演出って本当に素晴らしい。

マクロスがマクロスたる所以、みたいな。
これを待っていた、いや、期待を遥かに上回ってくれました。


■あと気になるところ

今回片目のゼントランの老人が登場していましたが、彼がSMSのバックにいる?ヴィルラ氏?なんでしょうかね。

彼が持つ指輪の石が、シェリルの形見のイヤリングと似ているな、とも思ったんですよね。
#演出的にもそういう風に見せていた?

あの石を通してシェリルとランカの歌がアルトに届いた、と僕は思いたいのだけれども、その辺から更に妄想を膨らませるとシェリルもゼントランとのクォーターくらいだったり、とかありですか?
#ヴィルラ氏とシェリルは何らかの関係がある?

あと、グレイスさんのインプラントについては、怪訝な目を向けてる人もいたみたいだから、サイバネティクス関連でまだまだ何か出てくるのかも。
今回登場した赤いバルキリーは明らかに、これまでのバルキリーとは違うテクノロジーみたいだし、更なるオーバーテクノロジーが登場するかも。

先週書き忘れたところで、フォールド断層を越えられないのが、現在の人類、プロトカルチャーに由来する人類(ゼントラン含む)のテクノロジー限界だ、ということなのだから、今週のバジュラしかり、フォールド断層を越えて出現する、更なるオーバーテクノロジーがあり、その生命体?とのコンタクトが必ずある、ということになるはずですよね。

ゼントランとの遭遇も人類にとってはファーストコンタクトであり、オーバーテクノロジーの吸収だったんですよね。
#バルキリーはそういうオーバーテクノロジーを吸収して誕生しているし。

この辺も楽しみですよ、ほんと。


いやー、マジで堪能しました。
素晴らしかった。

これでサントラ「「娘(ニャン)フロ。」の購入は確定っす!!

マクロスF O.S.T.1「娘(ニャン)フロ。」
6/4発売。大ニュース、大ニュース(ランカ風に)。

ダイアモンド クレバス/射手座☆午後九時Don't be late


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新しいデッキを購入する意思を決めたのはマクロスFと言っても過言ではない(笑)。

マクロスF 第6話 「バイバイ・シェリル」 感想

2008-05-17 11:43:23 | マクロスF
ついに感想が1週遅れになってしまったけれども、それでも非常に見応えがあったので、短くとも自分の感想の整理を兼ねて。

■ダイアモンド クレバス

ラストのマクロス・クウォーターが発進しつつ、この作品のED曲「ダイアモンド クレパス」がかかっていく演出は素晴らしくて、本当に鳥肌の立つ思いでした。
素晴らしいね。
何かが変わって、何かが始まっていく、そういう戦艦の出撃シーンというのは本当に印象的。

シェリルのコンサートに合わせて、戦う者たちが旅立って行く、というのは本当に絵になっていました。

また、シェリルのイヤリング=幸運のお守りをアルトが受け取り、それをコクピットに飾る。
その飾られたイヤリングを見つつ、場面はシェリルのコンサートが始まる直前にフェード、そしてその耳に光るのはアルトが持つイヤリングのイメージ。

素晴らしいね。

アルトとシェリルの間に生まれた(まだ本人たちも自覚していない)絆みたいなのが、このコクピットとコンサートという二人の戦場を通して繋がっていくという演出。

これはしびれました。

そしてここからマクロス・クウォーターの発進、エンディングまでの流れは秀逸。

マクロスは本当に歌の使い方が上手いなぁ。

感動的でした。


■シェリルの生い立ち

会見でも気丈に振舞ってみせるシェリル。

あの意図的に太く描かれた眉毛はやっぱりシェリルの気の強さ、生きるための強さ、みたいなのの象徴なんだろうね。

そんなシェリルにも、マクロス・ギャラクシーでの幼少期は辛かった、という過去が。

それをアルトにだけ打ち明ける。

シェリルを(スターとしての)シェリルとしてみるのではなく、シェリルとしてみるアルトだから打ち明けた、そんな感じ。

だからこそ、シェリルはシェリルたる証として努力を積み重ねてきた、という以前の密閉空間での言葉が光るんだよなぁ。


■ランカちゃん

お兄さんの許しが出たのは、オズマが出兵するという前提があったから、というのに気が付いてしまうわけね。

でも、内心は上の空ちっくで、それというのもアルトとシェリルのことが気になって仕方ないからなんでしょうね。
#ゼントラのモールで一人だった、と嘘をつかれたのもショックの一つ。

シェリルのコンサートに遅刻しているのも、その辺の迷いがあったからなんだろな。

その迷えるランカちゃんが見上げた空には、オズマとアルトが乗るマクロス・クウォーターが発進する光景。

印象的だねぇ。

現時点では、恋のトライアングルは、シェリル・アルトで一歩リード(本人たち自覚なし)。

歌でも恋でも、シェリルのライバルになれるのか?
というのがランカちゃんのポイントか?


さあ、早く第7話見ようっと!!

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コードギアス 反逆のルルーシュR2 第6話『太平洋 奇襲 作戦』

2008-05-16 23:59:19 | コードギアスR2
前回の絶妙の引き、そこでナナリーを持ってくるのか!というラストから明けてすぐ、そこにロロを持ってくるのか!という開始直後の展開。
出だしの短い間だけでも色んな展開を予想することができるわけで、逆に言うと相変わらずコードギアスの展開は先が読めない、凄いね。

ナイトメアに関しては、もう空を飛べないナイトメアは旧世代の遺物!くらいのパラダイムシフトが起きていますが、そんな中、紅蓮もパワーアップ。
(雰囲気的に)ランスロット・コンクエスターの登場はそこでの追い討ちはやめてー、くらいの感じだったけれども、紅蓮のパワーアップのシーンは逆転!!って感じで燃えました。

それにしてもナナリーにまで嘘をつかないといけなくなったルルーシュ。

コードギアスの世界では、皆色んな多面性を持つように描かれているけれども、その中で秘密・秘匿・嘘については、必ず何らかの報いを受けるような形になっていて、逆にその秘密・秘匿・嘘を公開することが前へ進む鍵になっているんですよね。

そういう中で、ついにナナリーにまで嘘をつかないといけない羽目に。

その結果がゼロという姿でナナリーを前にしたときに、ナナリーはゼロを頼ることなく、スザクを頼ってしまう、しかもルルーシュの目の前で、というとんでもなく切ない展開。

もうどうなるんじゃー!

■ナナリーへの嘘

嘘、というには語弊があるかもしれないけれども、いつかはやってくると思っていたルルーシュとゼロという二面性の整合性がナナリーの前で取れなくなってしまう瞬間。

そこでロロ登場かよ!!と感心する反面、これはどう進んでも辛い、とすぐに思ってしまいましたよ。

どっちに動いても辛いけれども、この場合、もう動く方向は決まってしまっていて、最愛のナナリーに嘘をつかないといけない、それしか行動のしようがなかったのですから。

また、その瞬間のロロのやるせない表情もポイント。

本当の妹と、偽りの弟。

ロロとしては、騙されているかもしれないと思いつつも、偽りでも構わない、出来上がった絆を大切にしたいと思って揺れているわけだから、ナナリーに対しては、本人が自覚しているかどうかは別として、かなりジェラシーでしょう。

本物と偽りだものね。

だから、妄想を展開すれば、ロロがナナリーを始末しようとする、という展開があってもおかしくないですよね。

ナナリーがいなくなれば、僕が本当の弟だ、みたいな。
#まあ、そんなことしようとしたら、ルルーシュが激昂して、お前のことを弟なんて思うわけないだろ!ボケ!!くらいの勢いで本心を言ってしまいそうですが(笑)。

EDのイメージボードでもあるように、ロロとナナリーという本物と偽りのルルーシュとの繋がり、というのもひとつ見所ですね。

それにしても、ナナリーが自分から総督になると言ったとは。
しかもユフィの遺志を継ぐ、だなんて。

ギアスの暴走がなければ、本来ならば、ルルーシュがユフィと協調していたかもしれなかった。
けれどもそれは叶わず、結果として殺してしまう以上の悲劇を招いてしまった。

それをナナリーが継ぐと。

ゼロは間違っていると。

ルルーシュ、哀しすぎ。

生きる理由のナナリーから、真っ向否定。

人生、全否定くらいですよ。

しかも、目の前でスザクに助けを求めて。

ぎゃー!!って感じですよね。

ポイントとしては、ナナリーが今は亡きユフィの意思を継いでいるというとこにありますよね。
あのとき(前作で)、分かり合えたかもしれなかった未来、今と違ったかもしれない未来、偶然から手の先を滑り落ちた未来、ルルーシュが掴み損ねて、そして自分で殺さざるを得なかった未来を、今目の前でユフィに重ねるようにして、ナナリーが意思を継ぎたいと言う。

ルルーシュも一度は賛同した夢。
そしてナナリーの夢。

でも自分はゼロ。
その対極にいるもの。

二律背反。
切ねー!!

でも、最後にルルーシュが叫んだ言葉は、ナナリーに何らかの形で届いたっぽくみえたし、勘の良いナナリーのことだからゼロ=ルルーシュには結構早めに辿り着くんじゃないかなとも思いますね。

いやー、これ本当にどうなっちゃうんでしょうね。

ナナリー総督に弓をひけるのか?
それは無理だよな。
なら、どうするのか!?

ルルーシュの妹が総督と知ったとき、カレンはどうするのか?
#つまりルルーシュも王族だということを知ったとき、どうするのか?

また、嘘をついているという意味ではスザクも同じ。
ルルーシュ=ゼロの記憶復活かどうかを判断するためにそこまで手段を選ばずにきているわけで、彼もまた、そしてまた(再び)そういった呪縛に囚われる気がするなぁ。


■紅蓮可翔式

いやー、この展開は燃えた!!

紅蓮可翔式、カッコいい!!

そのときかかる音楽もまた盛り上げたなー!!って感じで大逆転。

いつのまにかナイトメアフレームは空を飛べないとダメ、みたいなパラダイムシフトが起きていたんだけれども、その流れにしっかりと乗っかった紅蓮&カレン、そして可翔式!!

カレンの腕もいつの間にかラウンズとタメを張るまでに。
#あとオレンジさんも腕は評価されていたのね!

それにしても逆転に次ぐ逆転で、燃えたなー。

正直、ランスロット・コンクエスターが登場したタイミングでは、むしろランスロット、(ナナリーとルルーシュを)邪魔しないでよ、みたいに思えてしまって、個人的にはむしろこの登場がブーイング(笑)のような感じだったんだけれども、そうか、そうか、本当の見せ場はそのあと、カレンと紅蓮がやられた後の、その後の大逆転、紅蓮可翔式の登場にスポットを持ってきていたんだね。

憎い演出です。

何気にこのやられた直後のカレンの言葉もポイント高かったですよね。

ゼロ、じゃなくて、ルル・・・って言ってたわけじゃないですか。

カレンの中でゼロとルルーシュの垣根が低くなってる証拠なのかも。
そして、最初に出た言葉はお母さん、次にお兄さん、最後にルルーシュ、というのは、この後のカレンとルルーシュの展開も楽しみだなぁ。

■ブイツー

つか、兄さんって!!

どんだけ年を取ってるんだよ。

EDの皇帝と一緒にいるのはやっぱりブイツーなんだ・・・。
#アニメのキャラ作画だとさらに幼く描かれてるんだな、たぶん。

C.C.が最初の・・・、と言っていたのが気になるんですよね。
まだ他にもブイツーが能力を与えた人物はいる、ということだし、そもそもロロに能力を与えたのは誰なんだろう?というのもありますね。

どこまでも謎の引き出しが多いなー。

■先週C.C.が取りにいったもの

あのぬいぐるみだったのか!!

そのために変装?して学園に行ったのか!?

さすがC.C.(笑)。

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ラストワンパットが近くて遠い

2008-05-15 23:11:21 | Weblog
新年度(4月)になってから、本当に忙しくなってしまって、更新ペースも下がり気味(いつものこと?)だったんだけれども、ようやくようやく一区切りつきそうな雰囲気が。

これまでやってきたことを幹部会議に付議して決議を求める、というのがゴールであり、スタート(になるはず)だったんだけれども、その過程は結構苦しかったなぁ。

正直、自分の会社の幹部会議を舐めていました。
取締役会へ直結する資料になるわけで、あんなに厳しくチェックされるとは思わなかったですよ。

確かに正確な数値や裏づけに基づいたものに隅々までなっている必要があって、かつ簡潔に決議を求める、というものでなくてはならないわけで、そうしないと決議もできないし、そもそも善管注意義務違反になってしまうわけですよね。
#取締役クラスに決議を求めるのだからそれだけ責任も伴うわけですし。

最近思うのは、日本の会社の意思決定スピードについては、経営トップの判断が早い・遅い、ということよりも、その下がいかに日ごろから情報を入れているか、その意図を簡潔に伝えられるか、その判断材料がいかに正確で迅速か、ということが重要なんだ、ということなんだよなぁ…なんて思います。

昨今の新聞報道を賑わすコンプライアンス違反の数々、この辺もトップが釈明できない構図、というのは、隠蔽とかそういうのではなく、トップまで正確な情報がなかなか入ってこないところにあるんじゃないか、とも言われていますよね。

幹部を無能にするのは、下の責任だぞ、と大分前に言われたことがあったんだけど、この言葉は深いなぁ。

そういう中で、ダメ~な僕は何度もめげずに幹部向け説明チャレンジをするんだけれども、

経営企画部長に説明に入ったときは、

(論理的説明の手法として煙突型の絞込みの絵を入れていたんだけれども)

経営企画部長 「こういう絞りこみ方をファンネルと言うんだよ」

燕。 「ファ、ファンネルですか…(形から言うとフィン・ファンネルですねー。逆シャアかっ!!)。」

とか、ひとりそわそわしてしまったり、

副社長説明に入ったときは、

(そもそも副社長の前で説明するのが初めてだったのですが)その顔がシータさんそっくりで、またまたそわそわしてしまったりして、何度も顔見て笑いそうになるところをぐっとこらえたりして、

まったくダメダメでした(笑)。

まあ、そんなこんなでしたが、ゴルフで例えるならパー5のホールで、4オンまでこぎつけた、という感じ。
あとワンパットが入ればパーが狙える。
#でも、大抵そういうときのワンパットは近くても難しい。

公私ともに忙しかったけれども、これで何とか一区切りつけそうかなぁ。

脳内記事にしてしまったことも多かったので、できるだけアーカイブを掘り起こしてみようかなと。

まずは「狼と香辛料」の第八巻を読まないとね。



……と思っているところに、幹部会議事務局から連絡が。


事務局 「ここと、ここと、ここと、あといっぱい、修正、よろしくね」

燕。& 仲間たち 「……、は、はい」


そんな23時過ぎのオフィス。


まだまだ夜は終りません(泣)。

ラストワンパットは、近くて遠いのです。