蒼穹のぺうげおっと

-PEUGEOT in the AZURE- マンガ・小説・アニメの感想を書き流すファフナーとエウレカ好きのサイトです

今週のマガジン 44号 感想

2004-09-30 19:52:55 | マガジン(とサンデー)感想
午前4時30分からマリみてを読み終わった勢いで読んだので覚えているようないないような・・・。

■スクラン
TV化目前で3本掲載の大サービス。
ブリーチが18:30から放映というのは分かりますが、スクランの18:00はどうかと思うのです。
スクランのコアなファンは深夜枠に集中していると思うのであります。
つまり、自分がリアルタイムに見たいだけなのであります。

・・・えー、本編の感想ですが、
ひょっとしてこの恋は終着駅のない恋なのか・・・(播磨)。
納得。激しく納得。
そうか、それがこのマンガのベースだったんだ。
これって播磨だけじゃなく、主要キャラ全員向けの言葉ですよね(多分)。

つか、今週はミコチン最高(個人的に)。

■ネギま
アスナわざわざお着替えですか。ありがとうございま(殴)。
つか、他のメンバー服着てないし。
でもそれは違うと思うんですよ。
大暮先生も言うようにやっぱり着エロだと思うんで(略)。

■チェンジング・ナウ
おおー、違うマンガかと思った。
ウィングマンだったかなぁ?あんな武装した敵がいたような・・・(違うマンガだったか?)。
この作者慣れてきたなー、としみじみ。

■エア・ギア
休載(泣)。

■キャプテンとかSTAY GOLDとか
マガジンはこういうマンガを大切にすべきだと思うですよ。

■涼風
水着、今週だけで終わりでつか・・・orz
もう1週やって・・・(懇願)。

特別でないただの読了

2004-09-30 12:57:37 | マリみて
昨夜の帰宅時間 深夜2時30分。
せっかく「アレ」を手にしているのに、読めないジレンマ、これを乗り越えてようやく帰宅することができました。

夜中ですから読書の邪魔をする奥さんや娘は熟睡中です。
まずシャワーを浴びて身を清め、飲み物片手にソファに座り読書モード突入です。

午前4時30分、読了。本日の読了は、
『マリア様がみてる 特別でないただの一日』

あまりの出来の良さに嬉しさを隠し切れません。うぎゃー(嬉)。
『子羊達の休暇』以降、ライトエンタメ系が続いていたのですが、その路線は踏襲しつつ厚みのある仕掛けを展開してくれましたよ(涙)。
そしてこのタイトルは既刊随一かもしれない・・・。
#十二国記の『図南の翼』の意味が語られた時クラスの感動でしたよ(嬉涙)

既に2度読み返しました。
しばらくこれで幸せが持続しそうです。

『マリア様がみてる』第1巻をまた読みたくなった、そんな秋の一日。

#ヤケになって昨日の待ち時間を利用してマリみて感想2本書いたのは自分の中ですごく良かったかも。
#妹候補とか祐巳の視点とか整理できたことで、ほんと『特別でないただの一日』が楽しめたから。
#後輩よ、君のおかげだ!!

感想は10月1日をちょっと過ぎてからアップすることにします。
では、ごきげんよう。

『マリア様がみてる チャオ ソレッラ!』

2004-09-29 21:02:22 | マリみて
『特別でないただの一日』を十二分に楽しみたいと思うがゆえに、既刊分の感想を残すことはできない!
そう心に誓った僕は、今日二つ目のマリみて感想を書いてしまいました。
#つか、いつもこのペースで書けよ、自分。
#えー、こんな待ち時間じゃないと時間つくれないっすよ(言い訳)。

これって祐巳たちの修学旅行というよりは今野先生の旅行日記なのではないか?
読後最初の感想がこれでした。そしてその感想は今も変わってません。

■偶然ですが
自分が初めてイタリア旅行したときのコースと殆ど同じで、やっぱり北から入ってちょっと南下してまたミラノに戻ってくる、そういうコースを取っちゃうもんなんだなと。
だから今回は感情移入というよりは情景移入?そんな感じでした。
完全に視点が旅行者視点でしたからね、だから旅行日記でしょ。

私はツアーの海外旅行が苦手なので個人旅行しますが、イタリアは特に個人旅行がお勧めであります。
何と言っても料理が美味しい。
ツアーで行くとたいして美味しくないリストランテに連れて行かれる(両親談)話を聞きますが、ホテルのコンシェルジュみたいな人に美味しいところを聞いて、予約もお願いしておくといいっす(まず外れない)。
ローマなんかは美味しかった思い出しかありません。
ああーまた行きたい。
#イタリアは色んな都市を周るより、一つの都市を中心にローカル路線を使う程度で楽しむ方が満喫できると思います。

■出発と帰国が
一番面白かったと言うと怒られるんでしょうか。
#いや、もちろん涙を流すマリア様のような志摩子さんとかよかったすよ。ほんと。
#蟹名静さま、再登場とか正直嬉しかったス。
#熱出しちゃう由乃とかも。
#海外でも前向きに吸収しようとする祐巳とか普通に良かったんですよ。
#もっとはめ外すのかと思ってたんで。しかし皆さん最後までリリアン淑女でした(ガッカリ、えー)。

出発前に島津・支倉家の壮行会の後、令ちゃんと由乃が二人で歩くシーンとか良かったですねぇ。
出発前に乃梨子が志摩子さんに電話して「待ってるから」なんてシーンとか良かったですねぇ。
それに引き換え、祐巳・祥子さまは「ローマ饅頭とフィレンツェ煎餅」買って来いですよ。
#その分、帰ってきてから絵葉書が届くシーンは良かったですねぇ。特に祥子さまが。

■エピローグにあたり
可南子は祐巳争奪戦争の中で祐巳の姉である祥子さまにばっさり切り捨てられていたんですが、その可南子と祥子さまを和解?させフラットなラインに戻したってのはにくい演出ですね。
戦況は膠着したまま既に7ヶ月が過ぎようとしていた・・・なんてナレーションが聞こえてきそうです。
つか、伏線の度合いで言えばこれで可南子リードでつか?
それともニュートロンジャマーキャンセラー搭載クラスの新キャラが登場するのでしょうか?

否が応でも『特別でないただの一日』への思いが盛り上がります。
でも、まだ読めない・・・(泣)。
#早く仕上げてくれー、待ちでこっちはこんなに文章書いちゃったよー。
#頑張れ若者!(いや僕もまだ二十代だから、ぎりぎり)。

『マリア様がみてる バラエティギフト』感想

2004-09-29 18:45:00 | マリみて
間に合わなかった・・・。
『特別でないただの一日』を購入する前に既刊すべての感想を書いておきたかった・・・。
#でもまだ読んでないので、今日全部アップしようかな。
#どうせ後輩の指導で残業確定なので・・・、こんな日に・・・。
#あれ、涙でディスプレイが見えないや(涙)。

こんなのありか?と思うような短編集だったのですが、十分有りですと思った読後感でした。
#ただ僕の場合そのまま『チャオ ソレッラ!』を読んだのであまり感じませんでしたが、新刊待ち状態に入った人たちは結構物足りなかったかもしれませんね。

■ここに来て新キャラを
登場させてくるとは恐るべし今野先生。
もちろんこれは笙子のことなんですが、挿絵3枚入っててこの役どころだから今後も登場予定で当然の如く誰かの妹候補になっていると思われます(たぶん、そうですよね?)。
つか、是非今後も登場して欲しい。

■これで妹候補は3人
になった訳ですが、現時点で「祐巳の妹」という線でいくと笙子はまだ微妙なところ。
ただ気になっているのは、笙子のこの言葉、

自分がどんな風に写るか、それを過剰に意識しすぎて、それで身動きがとれなくなってしまっているのだ。

いかに飾らない自分を出せるか、姉を持つことによって変わっていけるか、そういうテーマを持ってしまっているので、祐巳の妹という線も捨て難い。
#蔦子さんの写真でテーマ解決だとするならこの線は消えると思いますが、あれは次へのつなぎっぽいんすよね。
#弱々しく見えた祐巳が生き生きと見えるなんて描写も「変化」というキーワードにあたるし、ほんと笙子は(祐巳の妹候補として)微妙です。

■そういう意味で可南子は
父親の伏線をまだ消化していないので、やっぱりリード気味なんすかね。
テーマ的にも「拒絶」から「理解」へなんて考えも当てはまるし。

■でも瞳子は
最近えらく愛着のわくキャラに進化しつつあるし、最初の印象が最悪という状況から憧れ対象へ変化していくプロセスも面白い。
つか、作者は絶対瞳子で遊んでいると思う(個人的にもそれは支持)。
つか、瞳子っていうキャラが最近すごく好き。

■結論
こうやって悩んでいる僕は確実に作者の術中にはまっている。
実は作者も絞れてないなくて世論が盛り上がるのを待っている(かもしれない)。
個人的にはまだこれに妹になって欲しいというキャラが出てきてないということもあって、祐巳が祥子さまの妹になったかの如く全くノーマークの新キャラがかっさらっていく、なんてパターンもありだなと。

■何気に
由乃の妹選びについてもきっちり追い込みをかけてるんですよね。
こっちは候補の影もないため、上記の3人のうち誰かが由乃の妹になったりしたらめっちゃ面白いんですけど。

『のだめ カンタービレ 第4巻』 感想

2004-09-29 13:11:27 | コミックス 感想
最寄の書店で4巻だけ売り切れていたのですが、無事補充されておりました。
もちろん即購入です。

■今回はオケから少し外れて
個人にフォーカスを当てた感じの4巻でした。それにしても面白い!

オーケストラの素晴らしさは何となく読者に伝わったかな、ならばもう一段上の素晴らしさを伝えるためには、個々人のレベルアップが必要だろう、そんな作者のテーマが見えた気がします。
つまりRPGで言えば経験値稼ぎのターン相当しますが、それだけに終始することなく、レベルアップのその先に見えるもの(プロとか留学とか)を今回示唆してきましたね。
こういう自然な振りがとても上手くて、読者も自然と乗せられてるみたいなそんな感じです。

■千秋とのだめ
千秋はのだめを介すことによって劇的に進化しているんですけど、この二人が離れたならばどうなるのか?
シュトレーゼマンの過去話でもあるように、別離で才能を開花させるのか、それとも逆か?
ふたりの場合後者のような気がしますが、当面は留学というイベントをちらつかせながらのだめの埋もれた才能をどう世に出していくか、千秋サイドでは千秋の中でののだめのポジションがどう変化していくか、この辺目が離せないっすね。
二人でいることでのだめは「世間」に千秋は「才能」を開花させていくでしょうから。

■天才でも不断の努力
峰が千秋、沙悟浄に触発されて「脱皮」していくプロセスは秀逸でしたねぇ。
不断の努力、熱いねこれは。

■番外編
そうか、そうやってのだめの才能は世の中から埋もれていったのか。
でも、ああだったから今の「型にはまらない」のだめがいるわけで、個人的にはすごく好きなエピソードでした。

帰りに5巻買って帰ろうかと思ったのですが、今日はほらアレ読まないといけませんから。
では、ごきげんよう(書くとこ違う)。

ゲットしました

2004-09-29 11:21:59 | マリみて
『マリア様がみてる 特別でないただの一日』

昨夜深夜1時をまわる帰宅だった私にかわり、職場の女性先輩が某書店にてゲットしてきてくれました。
つか、この人「神」でつか?
#十二国記を貸してくれたのもこの御方。
#涙でディスプレイが見えないや(感涙)。

ぎゃぼー、仕事なんかしてられないですー(のだめ風)。
つことで、今会社に来たのですが今日はもう帰っていいですか?

もう仕事が手につかないや(挙動不審)。

今週のジャンプ 44号 感想

2004-09-28 13:04:28 | ジャンプ感想
メジャー作品が軒並みバトルに入っているため、個人的にはあまり響かなかった今週のジャンプ。
#バトルシーンが多いとトーンが下がる私はジャンプ読み失格?
#しかし、ブリーチの表紙はかっこいー。
#剣八だけでなく日番谷もこっちサイドかよ(燃)。

■ブリーチ
ちょっとかっこ良過ぎやしませんか?
めっちゃかっこいいよ、一護。
もう1週くらいタメるかと思いましたが、これはこれで、というかこれがイイ。
双極が火の鳥化する設定もかっこいいし、久保先生のこういうセンスは秀逸ですねぇ。
さあ、役者が揃いましたよ。

■いちご
多分ですね、河下先生も頭の中に「こういう構図でこのキャラをこう描きたいんじゃー」と閃いて描くタイプだと思います。
今回は夏期講習ばっかりやってて東城の水着描き忘れたー!、水着描きてー!という思いから実現した回だと信じて疑いません。
大暮先生も同じだと思っているんですが、そういう作家さんが僕は大好きです。

■デスノート
相沢の涙、実はこれに結構ぐっときました。
同じ妻子持ちとして、これを天秤にかけることは本当に本当に厳しいと思いますよ。
今週ジャンプ全体がトーンダウンしてる(と感じてるのは僕だけかもしれませんが)ので、今回のデスノートにもストーリーが動かないので不満を感じる人もいるかもしれませんが、地味にこの話良かったと思います。
#たぶん他が盛り上がっていれば感じ方が異なるかもしれません。

そんな中、今週最も登場していたのはミサだと思います。
完全に作者が遊んでいます。
どこもかしこもミサです。
もっとやってほしいです。

■WaqWaq(ワークワーク)
感想の中でしつこいくらいに「ナウシカの世界観を連想させる」と呟いてきたのですが、今回マツダさんの発言から未来に相当する世界観であることが伺えました。
ナウシカも世界大戦後の地球だし、蟲に相当するのが機械だとするとまたこれも面白し。
でも、エンブレムTake2みたいにゲーム落ちっていうのは勘弁して欲しいところ。

■リボーン
やっぱりこのマンガはハルちゃんがいないとね。
2コマでも十分です。

■ゲドー
実は結構好きで、こういった善・悪みたいなのをはっきりさせない終わらせ方が特に好きです。

■武装錬金
休載・・・(泣)。
武装錬金無いとしまりが悪いというか寂しいです。

『マリア様がみてる レディ、GO!』感想

2004-09-27 22:24:01 | マリみて
来週・再来週あたりになると運動会・体育祭の季節なんですね。
本書でも丁度そういう季節、つまりテーマは体育祭でした。

祐巳の妹をいつ決めるのか、誰になるのか?が読者として目下の最大懸案事項なわけですが、それにしても学園祭まで引っ張りますねぇ。

■紅薔薇のつぼみとして
前巻『涼風さつさつ』のラストで紅薔薇姉妹の磐石振りを発揮したので、今回は予想通り祐巳が紅薔薇のつぼみとして、上級生としてどう成長していくか、にポイントが傾倒してきましたね。
それと切っても切れないのが妹探しになってくるわけで、妹探しという大きなテーマをバックグラウンドに今後も色んなイベントが消化されていくのでしょうね。

■この作品の一番大きなテーマとして
どうやって理解し合えるか、ということに尽きるのですが、今回そんな中で手強い相手が可南子。
彼女は瞳子が言うように「自分を憐れんで」自分の世界を作ってしまい、憧れ先行で勝手に人物像を描き、自分の理想と違えば拒絶とまさに相互理解の対極に位置しています。
十二国記で言えば『風の万里 黎明の空』の鈴そのものです。
この対極に位置した可南子をどう崩していくか、これを読んでいくのが楽しくて。
何事も一歩踏み込む祐巳の姿勢がこの壁を崩していくのはいうまでもないのですが、第1巻から読んでいる読者としては「たくましくなったなぁ」なんて娘の成長を見る親の視点になっていたりしたます。

■崩したからと言って
妹候補が絞られたかというとそうではなくて、今の時点では瞳子、可南子ともにスタートラインに立った状態でしょうか。
この巻では可南子の変化だけでなく、瞳子の変化も見ていてかなり面白かったのですが、可南子には父親という伏線がまだ消化されておらず、この時点では伏線有りということで一歩リードなんですかねぇ。
可南子が祥子さまに嫌われている点については『チャオソレッラ』のエピローグに譲りますが、このネタでまだ引っ張るんでしょうね。
これは多分作者自身が「まだ機が熟してない」と感じているのではないでしょうか。
もっと世論よ盛り上がれ、みたいな。

■でもこの中でもう一つのテーマというかイベントといえば
やはり由乃さんが体育祭で令ちゃんと並んで走れるようになったことだと思うんですよ。
手術でスーパー由乃になったとは言え、初めてまともに参加する体育祭ですからね、ご両親、祐巳だけでなく読者としても涙ぐましいシーンでしたよ。ほんと。
そういう意味では令ちゃん視点で今回の体育祭をやって欲しいんですよね。
また黄薔薇絵日記とかやってくれないかなぁ。

■あと
既刊の感想も2つとなりましたが、出来れば10月1日までに既刊の感想は書き終わりたい。
けど、最大の敵は中間決算。新刊発売に間に合わないかもしれない・・・(泣)。

ハガレン 第50話 感想

2004-09-27 14:12:44 | ハガレン
これまでこの世界で信じられていた「等価交換」という考え方が崩れた今回ですが、色々と考えさせられることがありました。

錬金術で再現しようとする物体と同じ構成物質を準備したとて、それを再構築するには+アルファの力が必要になる。
この+アルファが人の「死」であり、錬金術師の「門」を通じて錬金術は行使されるとホーエンハイムが語りました。

■ふむふむ
これはうろ覚えですが、人間が死ぬ瞬間体重が21g少なくなると言われていて、そのエネルギーはプール一杯の水を一瞬で蒸発させる力があるとか。
#ヤンサンの山田○司『絶望に効くクス○』をちろっと読んだだけなので、間違っていたらゴメンなさい。
「賢者の石」の生成方法は大量の人の「死」が必要になりますし、それを結晶化した「賢者の石」が膨大なエネルギーを持つというのも頷けるところ。
だから敢えて扉の向こう側の「死」が必要という設定は必要なかったのではないかと思ったりもしましたが、この辺深く突っ込むところではないと思っていますので流します。

人の「死」のエネルギーが扉のある空間にプールされていて、それを引き出して錬金術を行使するってことですかね。
なんとなく納得。

■「親が子供に向ける愛に代価や見返りを必要としない」
これもホーエンハイムの言葉ですが、これに対してエドは
「努力しても報われないということが肯定されるべきではない」的発言をします。
正反対の意見のようにもとれますが、私としてはこれはどちらも正しい考えだと感じました。
物理や数学ってね、正しい答えを見出すために仮定を作って問題を解いていくと思いますが、それで得られた答えはやはり一つの真実だと思うのです(想定に過ぎない答えもありますが一般論で)。
だけど、世界はその一つの答えだけで構成されているわけではなくって、色々な要素やそれこそ答えが複合的に関係して構成されていると思うんですよ。
つまり、答えではあるが全てではない。
エルリック親子の会話を経て、1児の娘の親としてそう思った次第。

■最終話へ向けて
個人的にはホークアイ中尉がかなりヤバめな気がしています。
ウィンリィとの会話で「ある人を守るために」的発言が最終話に帰結しそうで怖い。
マスタングの危機的状況にその危険度が比例していて心配。
また、このクーデターに「大義」が無いことも気がかり。
勝ってるときは支持されるからなぁ(この場合支持されるのはブラッドレイね)。

エド・アルの兄弟については体を取り返せないという最後は有りだと思うのですが、この雰囲気でいくとアルが危ない。
エドの肉体的損傷を賢者の石の力を利用して回復させるという気はしますがその後が読めない。

個人的には「等価交換」とはひとつの答えだが全てではないという思いに至って、エド・アルの兄弟が再び旅に出るという最後を期待しています。
#しかしあの脚本家は普通で終わりそうにない・・・。

『十二国記 図南の翼』感想

2004-09-24 14:09:43 | 小説 感想
十二国では王になる者は通常、蓬山に昇山し天帝の意を問うと言います。
しかしながら、その正攻法を王になる者の支店で描かれた話はまだないな、なんて思っていたので今巻はまさにタイムリー。
しかも前巻にちらっと登場した十二歳の女王珠晶の話とは恐れ入ってしまうこの『図南の翼』。

その「図南の翼」の意味が語られるシーンでは本当に鳥肌が立ちました。
このタイトルは既刊一だと確信しています。

■「とっても難しいの。・・・いろんなことが」
王になる準備が、心の準備が始まった。
並みの大人よりよっぽど聡明で負けん気の強い珠晶をして言わしめたこの言葉を見た時、そんな風に思ったものです。

珠晶は十二歳ながら達観とも言えるほど世の仕組みを理解しているし、本質を見る目もある。
しかし、妖魔はびこる黄海で突きつけられる数々の事態は、迷い、考え、行動することで更に本質への理解を迫られ、対峙しなければならなくなる。
それはあたかも王となる者が覚悟しなければならない試練を乗り越えさせて行くように。

このプロセスが本当に秀逸で、そこで語られる言葉はまさに名言の宝庫としか言いようが無いですね。
このプロセスがあるからこそ、前巻、後続巻でちらっと出てくる珠晶の王としての言葉に深みを持たせていますよね。
小野不由美先生はこういった人物の掘り下げが上手くて、個人的には芸術の域に入っている気がします。

■「ほんとうは王様なんてどうでも良い!」
上記プロセスがあるからこそ、最後に珠晶が叫ぶこの本音が堪らないんです。
王がいなくて国が傾くと嘆く人は多くとも、それに勇気を持って立ち向かう人がいない。
愚痴は言っても動き出さない、そんな大人に小さな私でも勇気一つで黄海まで来れた。
恭を想う気持ちがあるなら国民としての義務を果たせ、そう言ってやりたいんだと。

この言葉に衝撃を受けるとともに、珠晶に対してそこはかとないシンパシーを感じました。
自分はアプリケーション開発の仕事なんかをしてたりしますが、文句だけ言う人が本当に多いんですよ。
自分の知識は公開しないくせに、やれナレッジマネジメントができてないだとか、理論だけで実践しない人とか。
「これは今までのたくたやってきた、アンタたちトップの怠慢だよ!!!」
こんな台詞を吐きたいところですが、これをやるとローエングリンの塵と消えるので、男は黙って実践あるのみ。
社内の方法論の整備だとか、各指標値の統計だとか、PM同士の会合だとか、若手の育成(私もぎりぎり20代なのですが・・・)だとか、通常プロジェクトの合間を縫って足掛け2年、ようやく軌道に乗ってきて、上も意識するようになってきた。
愚痴ってるだけでは何も変わらない、必要なのに誰もやらないなら俺がやる、やらないといつまでたっても良くなることないんだよ、なんて思いながら仕事してたので、必要以上に珠晶にシンパシーを感じた次第。

珠晶が王になるプロセスだけでも十分素晴らしいコンテンツなのに、珠晶の本心の叫びが加わって、もう小野不由美先生にはやられっ放しだな、と思いながら、壮快な思いとともに次の巻を手にとっていました。