蒼穹のぺうげおっと

-PEUGEOT in the AZURE- マンガ・小説・アニメの感想を書き流すファフナーとエウレカ好きのサイトです

機動戦士ガンダム00(ダブルオー) 第25話 「刹那」 感想

2008-03-29 22:08:15 | ガンダム00(ダブルオー)
武力による紛争の根絶という矛盾したテーマを持つガンダム00(ダブルオー)第1期の最終話。
「刹那」が求めた答えの行く先は……。

ソレスタルビーイングが引いた世界変革の引き金は、4年後地の球連邦平和維持軍の設立へとつながり、第1期の幕が降りました。

求めた答えは出ないまま、さらに模索しろと告げるように半年後の第2期へ。

底の見えないリボンズ率いるイノベーター、王留美が開発を進める00(ダブルオー)ガンダム、生き残っていたライバルたち。
第1期というのは、このダブルオーガンダムを登場させるための序章だったんじゃないか、とすら思える引っ張り方。

来週からでも第2期を始めてください、と思ってしまいます(笑)。

個人的にはラストで宇宙を漂うエクシアと刹那をみつつ、刹那のモノローグが入るシーンが好きでした。

第24話で刹那はフェルトから手紙を出す相手がいるか?と問われ、居ない、と答えた。
フェルト曰く、(そういう相手がいないのは)寂しいね、ということだったんだけれども、そういう刹那にも手紙を送る相手がいた、というのは一つ救いだったかも。

第2期の舞台は4年後。

タイトルにあるダブルオーガンダムの登場を半年間、待ちたいと思います。


■アレハンドロ・コーナー

前回自らモビルアーマー?を駆って出たアレハンドロ・コーナー。
これは予想通りラスボスポジション陥落で、さらにまさかアレハンドロもここで退場とは思いませんでした。
リボンズの台頭はもう少し引っ張るかな、と思ったんですが、逆にリボンズがアレハンドロに補正をかけた感じに。

ここに来て一気にデフレ(小者化)したアレハンドロさんですが、個人的にさらに悲惨に思ったのは、イオリアの計画を「歪めた」張本人だったにも関わらず、意義的な部分での「歪み」は、その後登場したグラハムさんに持っていかれてしまったところ。

この人、最期に何もかも失ってしまったんですね……。

■グラハム・エーカー

そのアレハンドロさんとの死闘を制した刹那に襲い掛かるのは、GNフラッグを駆るグラハム・エーカー。

相変わらずその「熱い?」台詞は刹那もビックリするくらい最高なんだけれども、彼がこんどは「歪み」の象徴に。
何気にその辺にこのダブルオーの真意が見え隠れしたのかもしれない、なんて思ってしまいました。

ここまで騎士っぽく描かれたきたグラハムさん、GN-Xを手渡されてもあくまでフラッグにこだわった、第1期の作中良識派として描かれた人。

それがGNフラッグを手にし、刹那と戦うところに際して「歪んで」しまったのは個人的に衝撃的でもありました。

軍人だから、というのは言い訳で、その後の台詞なんかはかなり「力に酔ってしまった」感がありありと出ていて、ああ、グラハムさんがGNドライブ(有りすぎる力)を手に入れたことで歪んじゃったよ、と思ったんですよね。
#だから余計にアレハンドロは美味しいところを持っていかれてしまったわけなんですが。

GNドライブを手にするまでは決してそういうことは言わず、良識的なグラハムさんでしたが、最初にガンダムをみたときにその圧倒的な性能=力に既に魅せられていて、それが結果的に自分がそれに比肩する力(擬似GNドライブ)を手にしたことによって、その欲望に負けてしまう(それがグラハムさんの言う「そうしたのは君だ!」になっている)、ただ単純に戦いたかったから、世界などどうでもイイと言ってしまう、そしてそれを今度は「世界の声だ」とも言ってしまう。

刹那が自分の意思で戦う、と言ったのは紛争根絶のため。

しかしここでグラハムさんが「自分の意思」で、と言ったのは単純に力に魅入られてしまって、その力を手にしたことでそれを使って倒したかっただけなんですよね。

グラハムさんだって世界の一部である、という刹那に、じゃあ、自分が世界の声だ、とも。
あのグラハムさんがこんなに思い上がってしまうなんて…(それが刹那が言った「貴様のエゴ」)。

ガンダムマイスターは強い自制心が必要。
それは強い力を扱うものだから。

というのはかなり最初に語られたことでしたね。

つまりそういうことだったんですね。

「歪んでしまう」ものの正体、ここに少しだけ見えたのかもしれません。

そして第2期ではなんとこの人が仮面?の人に?
あの禍々しい感じからして、やはりこれまでの騎士っぽいグラハムさんではなく「歪んだ」グラハムさんとして登場しそうな気配です。


■刹那の手紙

マリナ・イスマイール

貴女がこれを読んでいるとき 俺はもうこの世に……

武力による戦争の根絶

ソレスタルビーイングが

戦うことしかできない俺に 戦う意味を教えてくれた

あの時のガンダムのように

俺は知りたかった

何故、世界はこうも歪んでいるのか?

その歪みはどこから来ているのか?

何故、人には無意識の悪意というものがあるのか?

何故、その悪意に気付こうとしないのか?

何故、人生すら狂わせる存在があるのか?

何故、人は支配し、支配されるのか?

何故、傷つけあうのか?

なのに何故……人はこうも生きようとするのか?

俺は求めていた

あなたに会えば答えてくれると考えた

俺と違う道で 同じものを求める貴女なら

人と人とが分かり合える道を

その答えを

俺は求め続けていたんだ

ガンダムとともに

ガンダムと……ともに……




第24話でフェルトから手紙を書く相手がいないのは寂しいね、と言われた刹那ですが、あの時の一瞬の間、というのはこれのことだったのかもしれないですね。
実は書いていて、やはりその相手はマリナ・イスマイールさんだった、と。

刹那にも手紙を託したい相手がいたんだ、というのは素直にこのシーンを観て嬉しかったですね。

けれどもこの手紙は、このガンダムダブルオーの第1期を象徴するかのような、もしかしたらそれを意図的に凝縮させたような位置づけだったのかもしれません。

刹那はこの物語が始まったときから、意味をずっと捜し求めていたんですね。
何故、世界が歪んでしまうのか?と。

その中で、映像的にも意味を持たせていて、

無意識の悪意、というとこにはネーナを(つまりネーナは無意識の悪意の象徴として描かれた)

人生すら狂わせる存在、というのにはイオリア・シュヘンベルグの柩の前に立つリボンズを

支配についてはその象徴たる軍人を(マネキンさんとかね、でもその憔悴した表情もまた印象的なんだけれども)

傷つけあう、についてはその犠牲者となったルイスと沙慈くんを

そして、なのに何故人はこうも生きようとするのか、についてはセルゲイさんとソーマを。
#セルゲイさんがソーマのことを少尉ではなく、ソーマと呼んだシーン。
#そしてソーマがセルゲイさんを救出するシーンは、今回の唯一とも言える救いのシーン。
#つまり作中における救いのシーン。
#やっぱり答えは「愛」しかないな……。

この手紙はここまで、作中のテーマを凝縮して問いかけてきたものになってるんですよね。
つまりそれが刹那が捜し求めているものなんですよね。

けれども、その答えを「まだ」マリナさんは持ち合わせていない。

あの時、刹那に答えることができなかった。

これが第1期が出した答え、結末、だったわけです。

そう、まだ答えは出ないんだ、ということ。


人と人とが分かり合える道


それはどこにあるのか、と。


武力による紛争根絶の矛盾については刹那も認識していて、それがマリナさんが夢に出てきたシーンにも現われていたんだけれども、しかしながら力の無いマリナさんにもまた何もできない、というのもこの第1期が突きつけた現実。

とことんマリナさん、落とされまくってます。
#しかも4年後にシーリン、いなくなったっぽいし、ますます独りに。
#どうなるんだ。

刹那が


俺が、俺たちがガンダムだ


と言ったのは、やはりこうやって「歪んでいく」世界の中で、純粋に利権も宗教も関係ない、ただ純粋に世界の抑止力となる存在が必要だ、ということだったのかもしれない。

そしてそれだけでは世界の「歪み」は根絶できず、だからこそ刹那はマリナさんにある意味の「救い」を求めたのかもしれない。

個人的にはそんな風に感じましたね。

だからこの手紙の最後にあるように、捜し求めていたんだ、というのがこの第1期のテーマそのものだったんじゃないかな、そう思います。

それらを残して、そして第2期へ、という感じ。
この手紙の答え、それが第2期に描かれることを大いに期待しています。


■アレルヤとハレルヤ

今回はこの二人の鏡を使った演出に唸りました。
上手い、と。

アレルヤとハレルヤの違いは、どちらの眼が隠されているか、によって描き分けがされてきたわけですが、今回はアレルヤとハレルヤの対話を、コクピットに映る姿=鏡を利用して演出したってのが上手かったですね。

アレルヤが前に出ているとき、側面のディスプレイに映る顔は髪型が逆になる。
だから、二人があたかも会話しているように見えるわけです。

そして、二人を同時に出すには、その隠していた髪を上げる、というなるほど分かりやすい演出です。
#エア・ギアのアギトとアキトみたいに。

ここでシングルCPUからCore 2 Duo(つまり2CPU)になることで、演算処理能力があがって、ソーマの反射対応じゃなく、思考で捉えるというレベルまで上がった、ということになった、というわけですか。

これが超兵の本当の進化の姿だ、と言わんばかりに。
#ここは冲方丁さんのマルドゥック・スクランブルのクライマックスでバロットとウフコックが4つの脳を駆使して進化していくシーンを思い出しましたよ。

そしてラスト。

アレルヤ?が怪我をした顔は、ハレルヤの側の顔なんですよね。
だから、ひょっとしたらハレルヤという存在は消滅してしまったのかもしれない……。
#精神体だからショックを引き受けて眠っただけかもしれない。

これもまた上手い演出だと思いましたね。

で、ソーマがマリーという実は知り合いだった、みたいな。
ここもこの伏線を残して第2期へ。

ソーマを巡る三角関係(セルゲイさん含む)、否、四角関係(ハレルヤ含む)です(笑)

■ライバルズ

セルゲイさんやソーマは生き残りましたが、やはりアリーも生きてましたね。
そしてグラハムさんも(仮面付きで)。
なんか人格も変わってそうだな。
歪みグラハムさんで。

そしてそして、何よりビックリしたのはしれっとコーラサワーくんが生きていたことです!!
あきれた不死身っぷりです。
オレンジばりです。

すげー。

■ルイスとかシーリンさんとか

ルイス、髪を切って再登場。
結構似合ってます。

けれどもその表情はかなり浮かない表情。

ルイスとかシーリンさんとか、ソレスタルビーイングに入りました、とかいう展開があっても面白いなぁ。

ルイスなんかはまだまだ波乱がありそうですね。

沙慈くん、頑張れ。

■王留美とダブルオーガンダム

ネーナを保護して、オリジナルソレスタルビーイングのメンバーで生存が確実なメンバーはまだガンダムの開発を続けていたって感じでしたね。
ネーナはティエリアと同じ眼をしていたので、開発チームとして参加したのかも。

ここにきて、タイトルにもなっているダブルオーガンダム、初登場。

第1期はここをやるためにあったんじゃないのか?というくらいの序章っぷり。

エクシアは回収されたっぽいので、やはり刹那もいるんだろうか?

太陽炉と機体の相性もあるっぽいですね。
#F.S.SのMHみたいだね。

ソレスタルビーイングが引いたトリガーは、世界に地球連邦平和維持軍という形で武力の一元化を進めることとなったけれども、リボンズの「イノベーター」にしても、王留美が継続しているガンダムの開発も、この世界にまだ満足していない、という感じが満々にしますよね。

では、さらに何を求めるのか?

それは刹那が手紙の中で捜し求めるものと合致するのか?

第2期、まずはこの辺から追ってみたいと思います。

でも、半年後って長いなー。

■リジェネ・レジェッタとティエリア

エンドクレジットみて気になってたんだけどリジェネ・レジェッタ(朴ろ美さん)って誰だ?
あるとしたら、最後にルイスといっしょにいたティエリアのそっくりさん(髪型はロックオン?)しかないんだけれども……。

リジェネも、リ・ジェネレイト=再生成とか再構築?という感じなのかな?

ティエリアには最期に絶望した!(by絶望先生)と言って欲しかった(嘘)。

■おまけ

最終回だけあって、凄い原画マンの数でした。
気合入れて作ったんだろうなー。

で、エンドクレジット観てたら原画にグレンラガンの監督の今石洋之さんの名前が。
DVDの最終巻みた直後だけにちょっと嬉しかったりして(つかガンダムもやってたのね)。


というわけで、半年間続いたガンダムダブルオー。
第1期自体は序章っぽくなって、問題提起、謎、山積みのまま、第2期へ。

期待して待っております。

ガンダムOO DVD第3巻


ガンダムOO DVD第4巻

機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 第24話 「終わりなき詩」 感想

2008-03-22 20:29:22 | ガンダム00(ダブルオー)
リヒティ、クリス……。・゜・(ノД`)・゜・。


あまりの衝撃の展開に頭と気持ちの整理が必要だ・・・・・・、と思った第24話「終わりなき詩」。
特にリヒティとクリスの最期には言葉を失うほどショックを受けてしまいましたよ……。・゜・(ノД`)・゜・。。
散っていった二人の冥福をお祈りいたします。

そして無敵シールドを誇っていると信じていたコーラサワーまでもが……。
もうこれで絶対安全圏にいるキャラなんて存在しないってことですか……。

Aパートの良い雰囲気さえもがBパートの惨劇への伏線、もうすげー切ない。

イオリア・シュヘンベルグの計画を歪めた、そして世界を歪めた張本人たるアレハンドロ登場で、ガンダムダブルオーの第1期も一気に終局へ。
世界を再生させるための破壊の行き着く先は……?


■リヒティ&クリス

ソレスタルビーイングの存在によって、皮肉にも、そしてそれが計画であったとしても、結果的にひとつに纏まろうとしている世界。
また、成層圏の向こう側まで狙い撃つ(そして事実狙い撃った)ロックオン・ストラトスの死がもたらしたのも、またソレスタルビーイングの中の結束。

ソレスタルビーイング自体は崩壊の最中にあるけれども、それでも誰も諦めない、良い雰囲気が出来上がっていたのになぁ……。

だからこそリヒティとクリス、そしてあのお医者さんの最期は辛かった…・・・。・゜・(ノД`)・゜・。。

特にクリス。

生き延びる決意、そしてリヒティの犠牲、そこで生き残った、と思わせての最期。・゜・(ノД`)・゜・。

彼女には個人的には生き残って欲しかった。
最期の最期までフェルトのことを気にかけていたクリス、冥福をお祈りいたします。

そしてリヒティ。

これまで軽薄な印象のあった彼だけれども、軌道エレベータ技術者だった両親を太陽光紛争で失い、そして自身の半身までも失っていた男、だから湿っぽいのが苦手だったんだね……。

最期にクリスは救えなかったけれども、それでもクリスが誰かにさよならを言える時間を作ってあげられた最期ってのはカッコよかったっす……。・゜・(ノД`)・゜・。。

やっぱり過去話は死亡フラグ、と認識していたんだけれども、そこまでの流れがあまりに自然すぎて死亡フラグと読み解けなかったよ……。
#いや、読み解いていたとしても悲しいっす。


僕はこのガンダムダブルオーでは、ソレスタルビーイングという矛盾した存在、というのを最初から宣伝しているということは、その矛盾のツケがどこかで回ってくる、つまり、一度はソレスタルビーイングという存在自体が崩壊して、自らの新たな再生を促す、そういう展開になると思って感想を書いてきました。

圧倒的な武力、そういうのを全て失って、そこで逆に矛盾に対する答えのヒントを掴む。
そのためにはチームが崩壊して初めて手に入れることができるヒント。
例えばそれは当初皆無だったチームワークしかり、本当の意味での目的意識しかり。
そんな感じ。

そういう意味では半ば予想していたことなんだけれども、でもさ、それなりに思い入れもあるじゃない。

。・゜・(ノД`)・゜・。。

残された者がその遺志を継いで行くというなら、是非とも残っているメンバーには生き残ってもらいたいところ。


■刹那

今回のAパートというのは、第1期の締めくくりという意味でもヒントというか、少しだけ希望的なものが見えた、という感じのものだったと思うんですよね。
#だからこそBパートの別れが辛くなっていくんですが(そういう演出の意図なのか!)。

その一つが刹那。

刹那はヒントを掴んだ。
というか、ようやく入り口へ辿りついた。
ロックオンの死、残された者の遺志、という言葉で。

これまでトランザムという遺志をイオリア・シュヘンベルグから手渡された刹那だけれども、まだ自分自身答えは出ていない、と言っていたわけです。

「神は居ない」というところまで自分の中で昇華していたんだけれども、まだそこから先については分からなかった。
#それこそが「神」という言葉による刹那自身の呪縛みたいなものになっていた?

神は居なかった、ならば自分が神=ガンダムになればいい、というのが(乱暴だけれども)これまでの、少なくとも2年前にソレスタルビーイングに来たときの刹那の考え方。

それがここまでの死闘を通じて、そしてロックオンという大きな柱を失ったこと、そしてラッセの、存在することに意味がある、という言葉によって、ここで初めて、神は居ない、だから、残された者の遺志を含めて、それらを託された自分が自分で判断していかないといけないんだ、というある意味思考の自由化を得た、ということじゃないんですかね。

ここについては、視聴者も含めて刹那の視野が狭いんじゃないか、というのは何となく最初から思っていたところだと思うんだけれども、それについては、刹那の中の神という呪縛があって、それに対して、その呪縛を振り解いていかないといけない、というのが当初からの狙いだったと思うんです。

そういう意味で2クールをかけてようやく刹那はその入り口に立った、ということなんじゃないかな。

僕がソレスタルビーイングは一度崩壊するんじゃないかと思っていたのは、刹那のこういう思考の呪縛から、思考の自由化を得るには、それなりの代償が必要で、それがソレスタルビーイングの崩壊であったり、その過程でしか生まれないものなんじゃないか、と思っていたから。

ティエリアについても同様で、ヴェーダを失って仲間を得て、仲間(ロックオン)を失って人間的な感情(これも思考の自由化?)を得た、みたいな。
#生き残ったフェルトも同義、かな。


で、その刹那が今、目の前で相対するのは、イオリア・シュヘンベルグの計画を「歪め」、そしてアリー・アル・サーシェスなんかを使ってテロとその根絶のマッチポンプとかで世界そのものを「歪めていた」アレハンドロ・コーナー。

何故世界は歪んでいる?とマリナさんに問いかけた刹那。

その刹那が今、歪みの根源と対峙する、というのは必然なのかも。

私一人を倒しても、世界の歪みは変わらんよ、とも言われそうですが、オリジナルソレスタルビーイング対その計画を歪めた者との一騎打ち、これは第1期の最終回に相応しい、イデオロギー対決でしょう。

けれども、まだ刹那はその入り口に立ったところだから、本当のイデオロギー決戦と言う意味では第2期なんだろうね。

そういう意味で、今回フェルトが話していた「手紙」、これは「手紙」そのものということよりも、刹那が「手紙」を託したいと思う相手がいるかどうか、という点に意味があるので、ここについても刹那の人間的成長は第2期へ、ということなんでしょうね。

多分、その相手はマリナさんなんだと思うんだけれども、僕の超・個人的勝手妄想でいけば、アレハンドロ(もしくはリボンズ)のイデオロギーを打ち破るのはマリナさんであってほしいと思っているんだけどな(もしくは沙慈くんとか)。


■アレハンドロさん

逆に、アレハンドロについては、今回(イオリア・シュヘンベルグの亡霊(トランザム)に邪魔されて)我慢仕切れなくて出てきちゃった、自分での手で引導を渡さないと気が済まない、という感じなんで、これで真の意味でのラスボスの座からは陥落、かも。

結果的にソレスタルビーイングは壊滅に瀕することになったけれども、ここで前に出るというのは演出的な意味でのラスボスじゃなくなっちゃったというのもあるし、また作中のポジション的にも、何故国連の事務屋たるアレハンドロが自らモビルスーツ(モビルアーマー?)を駆って出るのか、そしてそれをどうやって手に入れたのか、という尻尾を出すことにも繋がりかねない。

逆に言うと、もう尻尾を出しても構わない、という判断を下したのかもしれないけれど。
#国連の傘を必要としなくなった、もう実行支配できるだけの「準備」が整った、とか。

カティさんかセルゲイさんとかが気が付いても良さそうな気がするけれども、気が付いたときにはトライアルシステムとか使われて、やられちゃう、ということもあり得るなぁ……。

やはりこのタイミングで出てきたのは、我慢できなくなった(自分で引導を渡したい)+地球を実行上支配できる準備が整った、と見るべきなんだろうか……?

どちらにせよ、残り1話。

どう世界を終わらせるのか。

予告のナレーションにもあったように、破壊と再生へと至る変革期、どのようなバトンを手渡すのか。

そして破壊と再生するのは世界だけじゃなく、ガンダムマイスターたちでもあってほしいところです。


最後にこれまで絶対的な防護フィールドを誇っていた、絶対死なないと思っていたコーラサワーくんの冥福をお祈りいたします。


ガンダムOO DVD第3巻


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機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 第23話 「世界を止めて」 感想

2008-03-17 01:50:06 | ガンダム00(ダブルオー)
ロックオーン……。・゜・(ノД`)・゜・。


刹那の叫びだけじゃなく、視聴者の叫びも聞こえてきそうな第23話「世界を止めて」。
激しい戦いの中、自分の信念とともに散っていったロックオン・ストラトスに合掌。


ガンダム各機がフル装備で出撃、まさに第1期のラストが近づくに相応しいほどの激戦、圧倒的な数的不利をトランザムという切り札で切り抜けていくマイスターズ、しかしトランザムシステムを利用した代償は機体性能の一定期間低下、その結果、誰もロックオンの支援に行けないという演出的にも効果的な制約+仇敵アリー・アル・サーシェスの登場により……、という30分間息をつかせない展開、そして最期の最期まで狙い撃ったロックオン、やはりアニキ的ポジションはいつの時代も先に逝ってしまうのか……。・゜・(ノД`)・゜・。


ソレスタルビーイングは第1期ラスとで一端解散、という形が面白いとずっと思ってはきたのですが、そして数ある死亡フラグを踏みまくってきたロックオンアニキ、さすがに蒼い地球をバックにしたラストシーンはぐっと来てしまいました。・゜・(ノД`)・゜・。。


■ロックオン・ストラトス

26機対3機の圧倒的不利な戦いは、たまたまフルハイビジョン&大画面で見たということもあって、大迫力&しびれました。
各機フル装備で文字通り死力を尽くしての戦いは、残り話数を考えても、ここから最後まで殲滅戦の様相を呈するんじゃないかと思いますし、第1期のラストはソレスタルビーイングの一端解散とか、あるいは軌道エレベーターの崩壊とか、そういうとこまでいくんじゃないかな、とか思っちゃいますね。

それにしても今回、ロックオンの最期の最期まで、一息もつけない、そんな感じでした。

いつの時代も、どんな作品もそうなんだけれども、アニキポジションにいるメンバーの最期、というのはいつもぐっと来てしまいます。
それは同じチームに所属する仲間に大きな喪失感を生むだけじゃなく、観ている視聴者の僕らにも大きな喪失感をもたらすからですかね。

最期の最期まで、この地球の現状を変えたかった、(地球に住んでいる人々へ、そして恐らく視聴者も含めて現代を生きる人々へ)お前らそれで満足か?と。

刹那はまだ答えは出ていないと。

ロックオンの死が残したものは、残りのマイスターズ、そしてフェルトを含めトレミーのクルーにもたらしたものは?

大きすぎる喪失感。

そしてその先は、というと、明けない夜が無いように、グレンラガンでアニキを失ったシモンが見事復活したように、ソレスタルビーイングも何かを見つけて、そして復活して欲しいところです。

ということでアニキのラストに再度合掌。

。・゜・(ノД`)・゜・。


それにしても、ロックオンとアリー・アル・サーシェスのバトルは色んな意味で見応えがありました。
ガンダム同士の戦い、というのもあるし、またそれ以上にお互いの理念がぶつかり合った、そこがまた迫力というか気迫を生んでいました。

またこのバトル、非常に興味深かったのが、アリー・アル・サーシェスの言った「同じ穴のムジナだろうが!」という言葉。

一緒にすんな!!というのがロックオンの言葉ですが、作中でもソレスタルビーイングは稀代のテロリストという位置づけであり、ソレスタルビーイングがやっていることは、本人たちがどう思っていようとも結果的には同じテロ行為であるということ。

いくら世界を変えたかったから、と言っても、9・11のような行為が許されるわけもなく、作中の沙慈くんから言わせれば、絶対に許せない存在なんですよ。

特に今回ロックオンが突出してしまったのは相手が因縁のあるアリー・アル・サーシェスだったから、というのもありました。

心情的にはロックオンを猛烈応援中ではあったんですが、この激しいバトルを観ながらも、ロックオンがソレスタルビーイングに参加する大きなモチベーションの一つが家族を失ったことにあって、それが世界変革への彼の原動力でもあったわけですが、仇敵を目の前にしたときに、その思いと、家族を失ったことに対する復讐の思いが先に立ってしまっていたんですよね。

こうなっちゃうともう憎しみの連鎖は断ち切れず、という形に。

制作サイドの意図とは全く違うかもしれないけれども、今回ロックオンがトランザムシステムを利用しなかった(タイミング的には利用してもおかしくなかった)のは、(本人の意思というよりは)こういう憎しみ連鎖的な復讐劇にはトランザムは使わせない、ということだったのか……、とかいらんことを思ってしまいました。

逆に言うと、ロックオンが持っていた太陽炉は、まだその真の力を発揮していないわけで、彼の思いを継いで、そして彼とは違う形でその思いを実現しようとする後継者が現われれば、そのとき真の力、トランザムが発動するのかもしれません。

そういう意味では、作中一度だけ登場した、ロックオンの双子と思われるキャラ、彼が搭乗するというのが一番しっくりくるのか?
#つか、そもそもその双子と思しき人物が出たのが一番の死亡フラグだったわけですが(笑えない)。

今回のロックオンの走馬灯のシーンでも、食卓にはもう一人分の用意があったので、あそこに映っていたのは自分ではなく、双子の方だったのかもしれないですね。


■答えは出たのかよ?

ロックオンの最期のシーン、そこで眼に映るのは蒼い地球と、ガンダムエクシア。

そこで刹那への問い掛け。

答えは出たのかよ?

そしてその質問に対する答えはまだ刹那自身出せていない。

この答えは第2期含めてずっと模索していくべき類のもので、こうだ!!と決め付けて突っ走るのが一番危険な考え方。
だから刹那には求道者レベルでずっと模索して欲しいものです。

その答えらしきものが出たとき、ロックオンも浮かばれるのかもしれない。

恐らくこの答えはアレハンドロと対極に位置するものになると僕は思うんだけれども、やはりイオリア・シュヘンベルグの遺志を託された者として悩んで、そして(たぶん第2期の)ラストではアレハンドロと(もしくはリボンズと)そのイデオロギー対決とかになってほしいと願っちゃいますね。
#脅威としてそこにあることが大事で、実効的な支配を目論むものではない、とか、この辺は色々考えられるけれども、監督含めてこの結末に期待します。
#一度崩壊した世界からアレハンドロが新秩序を作る、という展開であっても面白いと思うし、そうであれば、それを凌駕する人間の意地、なんてのが描かれても面白い。

またその対決をするのは刹那経由でマリナさんであっても面白い、と思うんですよね。


この世界は本当にこのままでいいのかい?

そのトリガーを引いた男、ロックオン・ストラトス。

さらば、です。


第1期ラストまであと2回。
どんな結末を迎えるのか、期待して待っています。
個人的には第1期はソレスタルビーイング含めて、既存世界の崩壊くらいまで持っていってくれると面白いと思っています。
#この辺はコードギアスと同じ期待なんだよな。既存世界の崩壊、そのトリガーを引くところまで、というので引き、が美しい。

それにしても今までアナログ放送で観ていたのですが、これってガンダムダブルオーについては大損していたかも。
50インチのフルハイビジョンで観たら、感動的なまでに美麗、美しい過ぎるよ、画像。

こ、これは、新しいTV買っちゃう……よ?
ブ、ブルーレイも買っちゃう……よ?

やばい。

何かに火が付いてしまった(笑)。

ガンダムOO DVD第3巻

機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 第22話 「トランザム」 感想

2008-03-10 00:39:20 | ガンダム00(ダブルオー)
ガンダムの時代は終わった、と言うように、捕獲対象から殲滅対象になったソレスタルビーイング+トリニティ。
ガンダムの殲滅は一見世界が一つに纏まって動いているように見えるけれども、それは表も裏もアレハンドロの差配によるものだった、というのが明確に作中宣言され、その逆風の中、イオリア・シュヘンベルグが最期にGNドライブを有する者たちへ託した「トランザム」はパンドラの箱に最後に残った希望となるのか?という第22話。

トリニティは擬似GNドライブを搭載して登場した当初からフェイク、という感じがあったので、恐らく捨て駒にされるのでは?なんて思いながら観ていたのですが、その予想を遥かに上回るスピードでの急展開。

また、アリー・アル・サーシェスはアレハンドロと組んでいるというのもアザディスタン編あたりから考えていたのですが、これも今回を観るに恐らくビンゴ?

イオリア・シュヘンベルグがまさかコールドスリープしていたなんて、と驚きつつも、ここで退場なのか・・・。
やっぱりイオリアの希望は、争いを宇宙にまで拡大するな、ということと、逆説的には、もし一つになったならば宇宙へ上がってきて欲しい、と思っていたんではなかろうか、と考えているのですが、何となくそんな気がするなぁ。


■トリニティ

トリニティについては擬似GNドライブ、という存在が明らかになったときからフェイクっぽく感じていたので、やはり捨て駒扱いされてしまいました。
#やはりアニキ@小西さんは長生きできないのか(exグレンラガン)。

しかしながら、その中でも作中一番視聴者的罪の印象が強いネーナを残すあたりがストーリー的にはかなり残酷というか試練というか、沙慈くんなんかと出会ってしまったりするんじゃないだろうか、とか色々考えてしまいますね。
#刹那にくっついてまわって、沙慈くんと会ったり、とか。

ネーナがもしこのまま生き残れば、トリニティの出生の秘密なんかも明かされるんじゃないかと思いますが、ストレートに考えるならば彼らはデザインベイビー的存在でティエリアと同じように生み出された存在、という形なんじゃないでしょうかね。

もしアレハンドロがそういう駒として産み落としたならば、こういうのは展開として面白くするなら、ネーナは駒なりに一矢報いる、とかいう展開があっても面白そう。
#でも同時にルイスの左手と家族(一族)を奪っているのだから、何かしらの罪と罰があって、それはどこかで拮抗しそうな気もしますね。

トリニティ、もっと悪役っぽくても良かったけれども、彼らの早すぎる退場に合掌。


■アリー・アル・サーシェスとアレハンドロ・コーナー

刹那のライバルとしてずっと描かれるであろう因縁の相手、アリー・アル・サーシェスにどこかで擬似GNドライブが渡らないと、刹那と拮抗しないと思っていたのですが、まさかこういう形で手に入れるとは・・・。
#30基のうちの1つをちょろまかすかと思っていましたが、残りの1つはグラハムさんのフラッグに搭載?

戦う気は無い、とか言っておいて、それはMSで戦う気がないだけで、最初っから殺す気満々だったんじゃん!
#しかも自分が一度負けた機体を奪っていくあたり、食えない人です。
#で、一人殺して奪って、一人を手負いにして機体の性能チェック、慣れたところでネーナの機体(戦闘能力は他より低めを狙って)を打ち倒す、みたいな。

しかもMSの扱いについては、マイスターズよりも上、というのを今回実証した、という感じ。

また、もう一つ分かったことは、やはりアリー・アル・サーシェスのバックにはアレハンドロがいた、ということ。

これは第15話~18話くらいの感想で、アザディスタン編のテロ自体もアレハンドロが仕組んでいたっぽいと感じていたのと、テロ支援組織のバックアップならびに、アリー・アル・サーシェスのバックにはアレハンドロがいるんじゃないか?というのを丁度20話あたりで確信してきたところだったんだけれども、今回の「余興」という一言でやはりビンゴ、と思います。
#東京やその他の主要都市でのテロが発生したときに、アリーは事前にその情報を知っていて、それはかなりの上位からの連絡と見えますし、あれはテロっぽくない(恨みが行き詰った、とかそういう感じが匂わない)感じもあって、やはりあのテロはアレハンドロが仕組んだもの、と考えるのが妥当かな、と。

アレハンドロはこのシチュエーションを作り上げるために、テロによる危機意識の増大を煽り、(たぶん自分の代でコーナー家の願いを成就させるために)自分でテロのマッチポンプを起こした、そしてそのトリガーを引いたのはリボンズ、というヴェーダへの介入の切り札を得たから、ということなんでしょう。

アザディスタン王国のクーデター介入については、個人的には3つ理由があったと思っていて、

1.紛争介入の口実を作るため&ガンダムマイスターの実力を観たかった

2.特等席でそれを見物したかった(国連大使としての地位を利用&太陽光システムを導入するとなれば、保守派が暴動を起こしやすくなるから)

刹那たちの行為にいちゃもんをつけたのは、自分の目指す方向性と違うこと(=アレハンドロの目的はイオリアとは異なっているから)を刹那たちがしようとしたから、じゃないですかね。
#紛争根絶じゃないんだよね、彼は。もっと紛争を起こしてソレスタルビーイングが介入して世界が疲弊した状態で、コントロールしやすい状況を作ることなんだろうね。
#だからその流れを加速させるためにトリニティをコンティンジェンシープランとして投入して、そして使い捨てた、と。

で、3番目の理由なんだけれども、ここはかなり妄想が飛躍してるので微妙だけれども(笑)、

アレハンドロは最終的には軌道エレベーターの破壊=太陽光エネルギーの破壊をして、エネルギーコントロールまでするんじゃないかと思っていて、そのときに化石燃料国家が力を持っていたんでは困るでの疲弊させておいた、とか、そのまま太陽光エネルギーを享受してしまえば、コントロール下におけるから、と思ったんじゃないか、くらいに思ってるんですが・・・。


アリーは、アレハンドロと組んでおけば常に世の中が戦場になると踏んで組んでいるという感じかなぁ。
彼は生粋の戦争ジャンキーかもしれない・・・。

というわけで、たぶんアレハンドロとアリーは組んでいて、大分前からマッチポンプを仕組んでいたんじゃないかと思います。たぶん。


■イオリア・シュヘンベルグとトランザム

ま、まさかコールドスリープしていたとは!
しかも目覚めることなく退場!

しかし彼はあれですね、アイザック・アシモフのファウンデーションにおけるハリ・セルダンみたいな人ですね。
こうなったとしたら、こうなる、みたいなのを全部予測して動いている。

イオリア・シュヘンベルグの真の目的は現時点でついに本人から語られることはなかったんだけれども、そのうち刹那たちがアレハンドロまでたどり着いたらアレハンドロ自身が語ってくれるんじゃないかな。

個人的には、イオリア・シュヘンベルグは、紛争の種を宇宙に持ちこもうとする人類に対する警告としてソレスタルビーイングを組織し、結果として、人類が一つになれたならば宇宙まであがってきなさい、そのときGNドライブを手渡そう(永久機関としてのエネルギーを保障しよう、とかそんな感じ?)、みんなで宇宙に出るんだ、という感じで、人類の成長に賭けていたんじゃないだろうか、と思うわけです。

ここがアレハンドロと(たぶん)大きく違っている点で、(たぶん)アレハンドロは人類なんて所詮ひとつにはなれやしないんだから、誰かが宇宙からコントロールしてやらないとダメなんだよ、選ばれた人間だけが宇宙からコントロールして、それ以外の奴は地球に閉じ込めておくべきなんだ、という対極の考え方にあったんじゃないかな、と妄想するわけです。

まあ、そういう人もいるかもしれない、と思って、最悪のケース(ヴェーダを乗っ取られて自分が殺されるケース)を想定して、一か八かの切り札を用意していた、と。

これから察するに、ヴェーダはやはりリボンズにハッキングされるまでは、イオリアの考えを忠実に実践するコンピュータだったと思われ、その思想に適した人材をガンダムマイスターとして(いつの時代になるかは分からないが思いを託したヴェーダが)選んだ、という自負がきっとイオリアにもあったんでしょうね。

だから、イオリア自身の考えは倒れたけれども、その思いを、自分が選んだに等しい人材、つまりガンダムマイスターに託し、そのマイスターの考えに基づいて真のGNドライブの力を使って欲しい、ということだったのかも。

それにしてもこのシーンは意図した点としては凄い演出だと思いました。

ダブルオーではこれまで見下ろす、見上げるのシーンを効果的に使ってきてますけど、今回もちょっと唸りそうになりましたよ。

最初はチェックメイト!と言う感じで、柩(じゃないけど)の中にいるイオリアを見下ろすアレハンドロ。
で、王を取った!と思った瞬間、こんどはアレハンドロの頭上からイオリアの最悪のケースを予想した映像がアレハンドロを見下ろす。
・・・・・・、もうこれでどちらが上になったのか?分からない状態=混沌へ、みたいな。

予想とか予測とか予報とかじゃなくて、人間の意志の力に任せた、その贈り物としてトランザムを贈る、みたいな。
#これは戦術「予報士」のスメラギさんや、予測・預言者的なヴェーダ信仰のティエリアにも当てはまると思います。

そしてそのトリガーとなったのが、皮肉にもアレハンドロがイオリアを殺す、という行動で、それをトリガーに窮地に陥った刹那を救う、というここにもまた逆転の構図が。
うーん、もうオセロのようだ。
果たして誰が「角」を押さえるのか?

状況としては全世界対ガンダムマイスター、という圧倒的不利な構図なんだけれども、この最後の逆転&逆転の構図から考えるに、第2期へどうつながっていくのか?どこでまた逆転があるのか?というのが楽しみになりました。


■ロックオンとフェルト

とりあえず、ロックオンが無事で良かった(ふぅ)。
でも、利き目負傷ですか、やばいですね。

にしても、「優しいんだ」のあとに「誰にでも」と続くとは思わなかった(笑)。
これは相当ガッカリきてるですよ。

フェルトはずっと宇宙にいたのかもしれないですね。
で、同年代もいなくて、他人とのコミュニケーションの取り方が分からなかったのかもしれない、これまで。
だから、親以外に優しくしてくれる人がいなかったから、ロックオンの行動も期待しちゃったんだろうなぁ。
罪な男です。

にしても、この伏線はいったいどうなるんだろうか?
ほのぼの伏線にもシリアス伏線にも取れるので心配だ(笑)。


ガンダムOO DVD第3巻


機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 第21話 「滅びの道」 感想

2008-03-03 09:00:20 | ガンダム00(ダブルオー)
いつか必ず来ると思っていたソレスタルビーイングの崩壊、それは身内(アレハンドロ)の200年をかけた裏切りという形で実現トリニティを含め、ソレスタルビーイング最大の窮地へ、という第21話「滅びの道」。

かなり早い時期から個人的にはソレスタルビーイングは第1期で解散するんじゃないかと思っていたのですが、あながち外れてないかなと思いつつも、やはりロックオンの状態が気になるー!という引き。
そして何より絹江さん、ショックです…(涙)。

なんとなくアレハンドロさんの目論見も見えてきた感もありつつ、第1期は形としてソレスタルビーイングによって起こされた変革の波が、世界を混沌に叩き落すorアレハンドロさんが主権を合法的に握る、あたりで第2期へ続く、という感じかなとか思いますね。


■アレハンドロさん、というか、コーナー家

コーナー家は3年待ったのだ、どころではなく、200年も待っていたわけで、どうやら計画のかなり初期段階からコーナー家とイオリア・シュヘンベルグの思想は異なっていた、ということになりますね。
#丁度先週の第20話「変革の刃」の感想で、イオリア・シュヘンベルグの描く絵と、アレハンドロの描く絵は違うんじゃないか?と予想したところも恐らくビンゴ。

200年前から、ということであれば尚更で、アレハンドロさんが思いつきで造反しているのではなく、コーナー家の悲願としてそのチャンスを窺っていた、ということなんですね。

で、今回のアレハンドロさんは「地球も、ソレスタルビーイングも欲しい」と言っているわけで、こうなってくると、逆説的にイオリア・シュヘンベルグの思想はこの逆になるんじゃないかと思ったり。

今のところ鍵となっている言葉は、今は亡きエイフマン教授の「紛争の火種を抱えたまま宇宙へ出ようとする人類への警告」という言葉と、最初の頃のオープニングで「人類はいまだひとつになりきれないでいた」という言葉。

ここから単純に考えるに、ソレスタルビーイングの目的としては武力による紛争根絶という表テーマを掲げつつ、作中でも語られたように自分たちが憎まれ役を買うことで人類をひとつにする、という狙いがあり、その裏を返すと、もしひとつになったならば、宇宙に出てきても良い、そのための太陽炉だ、ともとれなくもない、かも。

だから最終的には皆宇宙に出るべきなのだ。

というのが僕の考えるイオリア・シュヘンベルグの考え(のたぶん表面的なところ、たぶんもっと深いのがある、はず)。

対するコーナー家は、たぶん、人類はひとつにならないと思うし、人類というのは誰かにコントロールされなければ紛争なんていつまでも終わらない、ましてやそんな人類を宇宙に出せば際限なく争い合うだろう。

だから、人類というのは誰かによって支配されるべきで、その下でひとつになるべきなのだ、だから宇宙から支配してあげるよ。

というのが僕の考えるコーナー家の考え(のたぶん表面的なところ、たぶんもっと深いのがある、はず、或いはまったく外れている(笑))。


第19話「絆」の感想で、ナドレによるトライアルシステムの全容と、それがアレハンドロサイドに支配されているという表現をしたのは何故か?というのを考えたときに、突拍子もないことだけれども、3陣営に配布した擬似GNドライブのコントロールを奪って、最終的にアレハンドロが勝ちを収める、という妄想をしてみたんだけれども、今回ガンダムの操縦にはヴェーダのサポートがかなり入っていた、という情報からも、擬似GNドライブ搭載のジンクスでも同じこと、つまり、ヴェーダによるトライアルシステム的にコントロールを剥奪することができる、というのは少なくとも現実味を帯びたのかもしれない。

と、なると、ここで更なる妄想。

今週の引きで、人革連の偉い人が「ガンダムの時代は終わった、これで世界は変わる」と言っていたのは、再び3陣営同士で擬似太陽炉を用いて大規模な紛争が始まったりしないかな、とか思ったり。

すると潰し合って、太陽光発電システム(軌道エレベーター)の破壊まで至るかもしれない。

そして疲弊したところにトライアルシステムみたいのをやると、もう太陽光エネルギーは使えないし、化石燃料も(国連(アレハンドロ)の支援の甲斐もあって)アザディスタンのように太陽光へ傾斜していたり、紛争が続いててそれどころじゃなくなっていて、化石燃料のめどもたたない、というエネルギー危機に。
#なんとなくトライアルシステムの餌食になるのは、ダリル・ダッジ中尉っぽいなぁ。

そこでアレハンドロが宇宙から天上人ポジションで、僕が支配しちゃうもんねー、とか言って登場する、もしくは表向き合法的に支配ポジションに入っちゃうか、というのもあり、かな。
#ただし、トライアルシステムは1回しか使えない切り札だろうね。
#今回ソレスタルビーイングは自前でシステムを構築したんだから、それが他に出来ないということはないと思うので。

で、更にそこからリボンズが横取り、もしくはそれで目的達成なのかも。

うーん、かなり論理飛躍してるな(笑)。


まあ、そういう妄想があっても良いでしょ?駄目?


ここで、実はイオリア・シュヘンベルグの真の目的は、皆を宇宙へ、みたいなことであったなら、更に面白いんだけどなぁ(誰か僕の妄想止めて)。

そうすると追い出されたソレスタルビーイングも、マリナさんも、沙慈くんも宇宙へ、というキーワードでつながると面白い。

まあ、ジンクスにはヴェーダのヘルプがあって動いている可能性があるので、やはりトライアルは使われるんじゃないかと思うんだよなぁ。

今週の妄想はここまでー。


■刹那くん

あの夢の内容は、自分でも言っていたけど、ガンダムという圧倒的力を手に入れても、相手も同じ力を手に入れてしまい、いたちごっこになってしまっている、つまり、自分たちは圧倒的武力で紛争を根絶しようと思っていたのに、結果として余計紛争が拡大してしまっている、という武力による武力の否定、というソレスタルビーイングが最初から持っていた矛盾に気がつき始めている、というわけなんですよね。

でも、やめるにやめれない、そういうところまで来ている。

あそこでマリナさんが出てきたのは、刹那の行動を面と向かって非難した人で、武力以外の方法を模索しようとしている人だから、自分が弱気になっていることもあり、あっちのほうが正しいのではないか、自分がやっていることは花も咲かすことができないのではないか、という考えの現れだったんでしょうね。

そんな刹那が


「動いてくれ、ガンダム!」


というシーンはぐっときました。

失い続けたまま死ぬわけにはいかない、そんな気持ちが前面に出た、土壇場の強さ。

予告ナレーションで最後に言った言葉、「パンドラの底に眠るもの」という言葉、それに続くのは「希望」なんですよね。

刹那にも希望を見せて欲しいところです。

個人的には刹那には、ガンダム信仰を一度捨て去る必要があるんじゃないかなと思うんですよね。
それがどういうタイミングか?とかそもそもそんなことあるのか?というのもあるんですが。

ガンダムを失って、再び手に入れる、というプロセスがあるとかなり良いなぁ。


■ティエリア

最近ずっと僕口調のティエリア。ボクっ娘です(嘘です)。

今週のティエリアを見て、やっぱりリボンズはティエリアの失敗作だったんじゃないか、という気が強まってきました。

今週ティエリアは自分のすべてだったヴェーダから捨てられたのだから、茫然自失としてしまう、つまり自分を全否定されたのと同じですからね。

同じようにリボンズも一度捨てられたんじゃないかな。
失敗作として。
#となるとリボンズ=イオリア生まれ変わり、という僕の説はこの際一旦白紙に戻さないとね(笑)。

刹那とティエリアは結構似ていると思っていて、刹那がガンダム信仰を一度捨てて、というかガンダム自体を失って、また手に入れて欲しいと思っているのと同じように、ティエリアも一度ヴェーダから離れて自我を確立してから、ヴェーダ奪還とかやってくれるとすっげー面白いと思うんですよね。

つか、頑張れ、ボクっ娘。


■ロックオン

来週が待てない!!

ロックオンってたぶん双子の弟がいるんだと思うけど、そういう意味で刹那とかティエリアって、過去とか事情がどうとかよりも、単純に弟みたいに思っているのかもしれない。
だからあの時はテロで妹を守れなかったけれども、刹那やティエリアのことは助けてしまうんじゃないか、というのが今回の一件で思いました。

いやーん、是非生きていて欲しい。


■絹江さん

つか、今週一番ショックだったのが絹江さん。うわーん(涙)。


沙慈くん、ルイスの人生を奪われ、絹江さんの生命も奪われ、もうかける言葉が見つかりません。

彼はいったいどんなフィールドで戦うのでしょうか。
彼の浮上の時はくるのでしょうか。

まじで、頼みます、えらい人。

ガンダムOO DVD第3巻


機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 第20話 「変革の刃」 感想

2008-02-23 23:30:43 | ガンダム00(ダブルオー)
ソレスタルビーイングの存在によって、それまで一つになりきれなかった陣営が皮肉にも一つになる、これがソレスタルビーイングの狙いの一つでもあった。

・・・というのがマリナさんからも語られましたが、やはりそこはマリナさんも疑問に思っているように、それだけがソレスタルビーイング(イオリア・シュヘンベルグ)の狙いではないぞ、というのをかなり匂わせながら、アレハンドロ&リボンズがヴェーダの本体に迫る、という「どこ」に「誰」の「どんな」狙いがあるのか、複数のラインが交差しながら、第1期の終焉へ突入、と言う感じ?

また、やはり先週ちらっと登場したのはGNドライブで、渡したのはアレハンドロ・コーナーだと思うんですが、第1期の終焉はやはりトレミー組・トリニティ組を含めたガンダムチームの殲滅、というところまで持っていく感じかなぁ。
#最初から矛盾を孕んだ問題提起だったわけだから、第1期でその舞台(ガンダムチーム)を一度崩壊させる、というのが個人的には面白いと思いますね。

今週ももの凄い情報量だったダブルオー。
分かるところから少しずつ感想を整理したいです。


■統一へ向う世界

共通の敵を持つことでチームが纏まる、というのは良くあるケースなんですが、今回はそれを国家群レベルで行った、もちろんその共通的はソレスタルビーイング、という形が今回実現されました。

これまでコテンパンにやられてきて、ガンダム鹵獲もそろそろ無理だと悟った3陣営が何故今頃共同してソレスタルビーイングに対抗する、と言い出したかと言えば、ソレスタルビーイングの裏切り者と称される人物からのGNドライブ(とモビルスーツもセットだった?)が30基流出して、ソレスタルビーイングに対するパワーバランスが取れた、というか圧倒することができる、と踏んだからなわけでした。

パワーバランスが極めて悪いときには結束してももう意味を成さなかったわけですが、GNドライブ30基がそれを成した、というのが皮肉であるところ。

そもそものプランとしては、トレミー組のマイスターズが紛争介入しつつ、3陣営を結束させるくらいまで追い込む、というプランだったのかも。
しかしながら、それには時間がかかるので&マイスターズのやり方がぬるいと思っている人(たぶんアレハンドロ)が、トリニティを投入して加速させた。

3陣営を徹底殲滅するとみせかけて、このタイミングでGNドライブを流出させることにより3陣営を結束させた。

当初プランとはプロセスは違うけれども、結果的には同じ、という状況へ。

これを考えると、トリニティの投入は、GNドライブ30基を流出させる絶妙のタイミングを作り出すための仕掛けだったのかもしれないですね。
#結束させるには&受け取らせるには絶好のタイミングだった?

ポイントとしては、トレミー組も、トリニティ組もGNドライブが意図的に流出していることを知らない点ですね。

この絵を書いている人物は、トレミー組もトリニティ組も流出させた30基のGNドライブも、相打ちしてくれれば、とか、ガンダムを殲滅した後は3陣営同士で潰しあってくれ、くらいの毒饅頭を食らわせたんじゃないだろうか。
#トリニティは擬似GNドライブ、というくらいだからフェイクっぽかったのだけれども、そういう意味では使い捨てられるかも?


■コーナー家とリボンズ

今回のアレハンドロとリボンズの会話を聞くに、コーナー家はずっと以前からイオリア・シュヘンベルグの計画に介入するチャンスを窺っていた、というわけなので、やはりこれまでの裏で絵を描いていたのはアレハンドロ、ということでビンゴ。

その介入に邪魔だったのがヴェーダ。

ヴェーダが予測しえないこと、またヴェーダの計画に無いことを起こさなければ介入できない、という感じ?だったところにリボンズ登場。

リボンズは今回の描写を見るに、ティエリアと同じ能力を持っていて、ヴェーダにアクセスできる生体ユニットっぽい感じ?

ということで、ヴェーダをハッキング、データの改ざん、トライアルシステムを停止させたのもリボンズっぽいですね。

リボンズはアレハンドロが拾ってくれた、なんていってますが、拾ってもらうのもリボンズの計画のうちだったんじゃないの?と思わせるところもありますね。
#そういう意味での黒幕はリボンズか。

よって、現在起きている事象(トリニティの投入、GNドライブの流出まで含めて)は、イオリア・シュヘンベルグの当初計画にあったものではなく、介入を狙っていたコーナー家が描いた絵によるものだった、と言えるわけですね。

やはりあの木星でのハロ入手はコーナー家の手に渡ったと考えるのが筋かもしれません。

そうやって擬似GNドライブを作り出し、介入のチャンスを窺っていたところに、リボンズというヴェーダにアクセスできる人間?と出会うことになった。
急進的な介入、というのはアレハンドロが自分の代でリボンズという鍵を手に入れたことで、このチャンスを逃すわけにはいかない、という感じで事象を加速させた感じかも。

そうなると、イオリア・シュヘンベルグが書いた絵と、コーナー家が考える絵は違うもの、ということになりますね。
#同じならば介入する必要がないので。
#更に考えるならば、恐らくアレハンドロが描く絵とリボンズが描く絵も違っていて、リボンズは自分が成したいことの手段としてアレハンドロを使っている感じすらしますね。


これで、この二人がヴェーダ本体へ、ということは、これによりヴェーダは完全に彼らの手中に落ちたことになるんで、ここからはスメラギさんにせよ、ティエリアにせよ、ヴェーダなしで戦っていくという彼ら・彼女らのトラウマや障害の克服をしていく、という展開になりそう。

トレミー組はこれで、見渡す限り全部敵、という状況に陥りそうな気配が濃厚ですね。
#トリニティ組も同じ感じかな・・・。

今回登場したラグナという人物は確かにGNドライブの取り仕切りをやっているようでしたが、印象としては小物な感じ。

やはりラグナの後ろにはコーナー家があると考えるべきかな。

となるとアリー・アル・サーシェスはやはりアレハンドロによる究極のマッチポンプという感じもあるなぁ。
#アレハンドロはテロ組織すら支援し、ソレスタルビーイングの是非を問い、最終的には3陣営にGNドライブを渡す(甘い蜜を吸わせて洗脳)、みたいな。
#こうなるとやはりGNドライブの取り上げ、が一番3陣営にとっては辛い気がしますね。


前述したところからあわせて妄想してみるに、イオリア・シュヘンベルグの目的は武力による紛争の根絶という表向きの名目+一つになりきれない、紛争の火種を抱えた人類が宇宙に出ることに警鐘を鳴らしたかった、逆に言うと一つになったならば、紛争を終えることができれば宇宙に出てきたまえ、くらいの感じで、アレハンドロなんかが考えるのは、紛争の根絶なんて究極的には無理だから、紛争を宇宙に持ち出させず、宇宙から地球をコントロールしてやるよ、つか、お前ら宇宙出てくんじゃねぇ、みたいな感じなんじゃないだろうか。



■違和感を感じている人たち

トレミー組はみんなそれぞれ違和感を感じてるみたいだけども、プラスして、グラハムさんはあくまでフラッグで戦う、というし、セルゲイさんはソーマが若干心配な感じ。
この辺はどこかでトレミー組と共闘、というケースも期待させますよね。

現状、GNドライブという甘い蜜を吸わせて洗脳?しているところに、グラハムさんがそれを敢然と拒否しているのにそこはかとなくカッコよさを感じますね。

それにしてもコーラサワーくんは素晴らしい(笑)。
かれはきっとボス級モビルスーツとか偶然倒すかもしれないな。

■絹江さん

うわー、もう沙慈くんの周りが悲しすぎて(泣)。

でも絹江さんが生き残ってくれないと、今回の情報が誰にも伝わらず、お話が展開しないので、是非生き残って欲しいところ。

GNドライブやクルジスの少年兵とか、その辺のネタが出てきたので、それが沙慈くんにも伝わって、刹那がガンダムパイロットだということが判明する、という展開を希望かな。
今回ルイスの腕が再生治療を受けられないと分かった沙慈くんの無力感は深まり、恐らくガンダムに対する憎しみも増したかも。

そういう状況で、今後見方にも裏切られそうな気配のある刹那が、沙慈くんに対してどう向き合うのか?というのは第1期でやるならば大きな見所の一つになると思いますね。
#恋人の将来・家族・左腕と姉の命まで危険に晒されているわけですから。


■王留美

彼女は何故、今の世界をそんなに嫌うのか?
ここがポイントのような気がしますね。

世界が変わりさえすればよい、イオリア・シュヘンベルグの理念が達成できれば良い、というのが彼女の望み。

そういう意味では、今回イオリアとアレハンドロの理念は恐らく違うであろうということが描かれたので、一時的には王留美がアレハンドロ方面に流れるとしても、最終的にはイオリアの理念とは違うわけだから、アレハンドロサイドからは離れる、と見たんですが、いかがでしょうか。

いずれにせよ、彼女の理由が語られる日が来て欲しいな。



というわけで、今回僕が直感的に思ったのは、GNドライブ30基の譲渡は洗脳&コントロールのための布石、そしてイオリアとアレハンドロの理念は大分違っている、という点。
この辺は沙慈くんもマリナさんも口にする「宇宙」というキーワードでつながってくると予想しているので、そこが非常に楽しみです。

ガンダムOO DVD第2巻


機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 第19話 「絆」 感想

2008-02-17 23:48:31 | ガンダム00(ダブルオー)
トリニティv.s.マイスターズ、この構図さえも描かれた図式の中の一つだった、しかもそれは戦っている当事者すら気がつけない、という第19話。
恐らくこの絵を描いたであろうアレハンドロ曰く舞台は「第3フェーズ」へ。


序盤の静かさが嘘のように、伏せられていたカードが次々開いていく感じ。

一体、この伏せられたカードは何枚あるのか?
どこまでが描かれた絵なのか?
果たして描かれた絵を破り捨てることができるのか?

と、新たな情報の洪水に頭の中でいろんな仮説・妄想が爆発しそうになりますよ。
見えてきたかと思えば逃げていく、でもその次のヒントは示された、そんなミステリーライクな展開と、世界の「歪み」に対して真剣に向き合う熱さがこのダブルオーの面白さの一つなんだろうな、と思いました。


■トリニティv.s.マイスターズ

エクシアが単身、スローネ(1・2・3)に突っ込んだところに、きっと最初に助けに来るであろうと思っていたティエリアが来たので、これは結構嬉しかったですね。
現時点で、ガンダムとヴェーダという信仰の対象を持つ二人だから、普段はベクトルが正反対の二人だからこそ、こういうときにシンクロすると思っていたので。

しかもスメラギさんが考えていたけれども、あの二人の犬猿の仲から使われることは無いであろうと(スメラギさんだけじゃなくクルー全員(笑)が)思っていた戦術フォーメーションまで使って戦う、というシーンはバトルエンタメとしても結構熱いですよね。
おおお!!みたいな。

そしてヴァーチェからナドレへ。
地上で使ったらパーツの回収はどうするんだろうとか考えつつも、GN粒子とはちょっと違う?感じのエネルギーを撒き散らしながら、スローネをコントロール下に置くなんて反則じゃん!くらいの圧倒。

結果、トライアルシステムが強制解除されるということになるわけだけれども、そこにロックオンも登場して3on3へ。
#ナドレのトライアルが解除された件については後述します。

ここまで熱い展開。

しかしながら、ヨハンの言葉が思わぬ結果へ。

しかもトリニティv.s.マイスターズのガンダム対決は予想されたものだった。

という、ざっと振り返ってもかなり情報量万歳のトリニティv.s.マイスターズでした。


まず、トレミー側なんですけれども、サブタイトルが示すように「絆」とあるわけで、トリニティの出現は結果的にトレミー組を含めたマイスターズの気持ちを一つにしたんですよね。

マイスターズ側はあの犬猿の仲の刹那とティエリアが共闘したことに象徴されるし、スメラギさんにしても腹を括ってことを構える気になったし(ヴェーダの予想のうちかもしれない、というのは詭弁かもしれないけれども本質を射ていた?)、何気にクリスがヨハンと撮った写真のデータを消去したり(芸が細かい)、と実行部隊全員の「絆」がまず強まったわけなんですよね。

次に、マイスターズなんですが、ヨハンの去り際の一言、ロックオンの仇は隣にいる、という言葉で、一度は強固になりかけた「絆」が崩壊か?というシーソーゲームを展開。

けれどもこれも、結果的にティエリアを含めたメンバーの結束を強固にすることに。

これこそタイトル通り「絆」。

ロックオンの両親と妹の仇(というかそのテロ実行組織)が、まさか刹那がいた組織とは思っていなかったのですが、互いの過去を語り合うというその状況で、果たしてどういう判断をするのか、と固唾を呑んで見守ってしまいましたよ。

割り切れるわけがない、けれども本当に腹を割って(過去を抉って)言葉を交わした結果、それまでは紛争根絶というキーワードとガンダムマイスターであるという事実のみで繋がっていたマイスターズが、本当に心から紛争根絶を誓う仲間であると認識した、共に戦っていく仲間としての「絆」を初めて確認できた、というシーンだったわけです。

そしてティエリア。

大分前から彼はヴェーダによって生み出された生体端末的位置づけ、もしくはヴェーダの一番の弟子、つまり人工的に作られた存在だと思っていたのですが、それが今回ある程度確信をもって思えるようになったところでもあります。

トライアルが使える、つまりヴェーダ(ソレスタルビーイング)に反抗する機体があれば強制的にコントロール下における特権を有していた、ということと、刹那とロックオンの「絆」が芽生える瞬間を見て、「これが人間か」と興味深い表情でこれまた興味深い一言を漏らしたという意味において、やはりティエリアはそういう位置づけなんでしょうね。

しかしながら、そんな人工生命体っぽかったティエリアにも思うところがあった、人間を少し理解し始めた、そういう絆が芽生えてきた、という意味なんでしょうね。

余談ですが、今回アレルヤが参加しなかったのは意味的に3on3でバランスを取ったのと、彼一人だけ先に過去との決別シーン(超兵研究所の破壊)をやったからなのかもしれないですね。

それにしても「ガンダム馬鹿」と言われて、本気で照れる刹那くん、素晴らしいです。
そりゃロックオンも撃つ事忘れるくらいですよ。

ただここでのポイントは、刹那はガンダム=紛争根絶を体現する者=自分がなりたい、目指したいもの、という図式で動いているんですが、アレハンドロが以前に言った、ガンダムはソレスタルビーイングの理念を体現している、ガンダムは兵器であり、目的を実現する手段に過ぎない、という発言をしてるんですよね。

ソレスタルビーイングの理念は紛争根絶と(表向き)公表されているので、その点だけ捉えると刹那の言っていることと、アレハンドロの言うことに何ら矛盾はないのですが、現実は全く別、アレハンドロの目的は紛争の根絶以外のところにある、ということが伺えるんですよね。

刹那の意思表明、このシーンも実はソレスタルビーイングの中でベクトルが決別していく分岐点になったような気もしますね。

雨降って地固まる、というか、進む道が分かたれたというか、そんな回でした。


■もう一つの絆

これは沙慈くんとルイスにも当てはまったサブタイトルだったんじゃないかな。

もうこの二人の会話は切なくて、回想シーンとかそこで流れる曲とか切なくて見てられないくらいだったんだけれども、若いあの二人に、あの状況でどんな選択ができたのか、沙慈くんを責めることもできないし、かと言ってルイス本当にいいの?でも、その最後の涙が全てを現しているんだね、とか、泣けた。

これから二人の関係がどう描かれるのかは分かりません。
ひょっとしたら何年後、という設定になるかもしれません。

でもね。

今回一つはっきりしたのは、沙慈くんが宇宙へ行くこと。

これはルイスとの約束だから。
それがルイスとの「絆」だから。

だからこのサブタイトルがかかってくるのは刹那やロックオンたちだけじゃなく、沙慈くんとルイスにも当てはまるんじゃないかな。

と思うとまた泣けた。



そしてガンダムのクライマックスは宇宙と相場が決まっている。

さらにもう一つ。

マリナさんは国民に「いつか宇宙にも行ける」と説いている。

刹那を中心に沙慈くん、マリナさんが「宇宙」というキーワードでつながる。

そしてソレスタルビーイングの目的も「宇宙」に関連するもの。

ここがクライマックスに全てが交差してくるポイント、キーワードでしょう。多分。


■擬似GNドライブのばら撒きとトライアルシステム

ティエリアが拒否られたトライアルシステム。

これはあのアレハンドロのカットインからして、やはりトリニティの黒幕はアレハンドロで、ヴェーダへのハッキングも出来ている、ということを象徴していましたよね。

個人的にはヴェーダがハッキングされたのは、ネーナが直接トレミーから行ったと思っているんですが。
#つまり、トリニティが何故、トレミーに会いに行ったか?という一番の理由は挨拶なんかじゃなくて、最初からヴェーダへのアクセスが目的だったと思われる。
#恐らくヴェーダへの道は分かっても、直接アクセスしないとハッキングは難しかったのでは?と考えると、乗り込んだ理由も納得かな。

この場合のトライアルってのは「試練」の意味かな。
配下の天使達に試練を与える、みたいな。
#結果ティエリアに「試練」が降りかかったのだけれども。

絶対服従の呪文だね。

こんな絶対服従システムがあることに驚いた。

この絶対服従の呪文と、最後に示されたアレハンドロ言うところの「第3フェーズ(恐らく大量にあった擬似GNドライブを3つの勢力に与えることだと思う)」、この二つは僕の中で大いなる妄想のネタを刺激してくれました。

こんな妄想です。

現時点で僕が考えるソレスタルビーイングの真の目的は、人類を地球に閉じ込めること、紛争の火種を抱えたまま人類を宇宙に出すことに警鐘を鳴らすのがイオリア・シュヘンベルグの理念で、多分今のソレスタルビーイングの、特にリボンズもしくはアレハンドロあたりは、更に発展して、宇宙から地球をコントロールする、という極端なことを考えているんじゃないかと思ったり思わなかったり。

第1フェーズでガンダムの圧倒的武力を見せ付ける、第2フェーズで3大勢力ですら太刀打ちできないことを明確にする。

そんなところにそのガンダムの力の源である太陽炉(次回予告を見るにたぶん擬似GNドライブだと思う)を3大勢力に供給したものがいる(たぶんアレハンドロ、リボンズもニヤっとしてたし)。

それってガンダムに対抗する力を手に入れたことになるし、更には3大勢力同士でも潰しあいになる可能性がある。

ここで、(擬似)太陽炉を手に入れたので太陽光エネルギーシステム、つまり軌道エレベーターが破壊されても構わない、という状況も有りと言えば有り。

仮に軌道エレベーターが3本とも破壊された場合。

擬似太陽炉にエネルギーを頼ることになると思うんですが、そこに今回ナドレが使っていたトライアルシステムが作動するようになっていたとしたら?
#ヴェーダにアクセスできるものは全て対象となる、ということだったんで、ちょっと厳しいかもしれないけれど。

太陽光エネルギーシステムもなくなって、なす術もなく地上に取り残される地上人。

そして全てを宇宙から支配する天上人。

今度こそ誰もソレスタルビーイングに逆らえない。

という究極構図ができあがる。

なんて妄想ですよ。

もう頭沸いてますね、僕。

ただね、第1話から古谷さんの語りで「人類は未だ一つになりきれないでいた」というワードはずっと引っかかってるんですよね。

だからソレスタルビーイングの目的は、宇宙から人類を司ることで、人類を一つにする、という計画なのでは?なんて思うわけですよ。

もっと妄想はあるんですが、これ以上外すと恥ずかしいのでこれくらいにします(笑)。


まあ、でもそうなったときに、沙慈くんやマリナさんが持っている「いつか宇宙に」というキーワードと、そこで絡んでくると面白いと思うんですよね。

そして、そんな天上人に逆らえるとしたら、今回の「絆」を深めたマイスターズ、トレミー組しかいないと思うんですよね。
今回ヴェーダがもう信用できない存在に墜ちてしまった結果、ティエリアやスメラギさんをはじめ、自分たちで戦うしかない、という伏線はもう準備されましたので。

王留美は現時点でどちらのサイドでもない。
だからこそ、彼女がどちらにつくのか?というのは注目したいですね。


さあ、次回からは恐らく、通常モビルスーツでもガンダムを追い込んだライバルたちが擬似GNドライブを手にして立ちふさがってきそう。
ぎゃー、どうなるんだろ。

そして沙慈くんとルイスがいつか幸せになれますように。

■余談

絹江さんは生かされている気がするなぁ。
殺すんならもっと早く殺されてるだろうし。
メディア経由で何かを暴露させたい、というヴェーダの予想の元のシナリオがあるのか?
いずれにせよ、クロスロード姉弟の受難は続きそう。

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機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 第18話 「悪意の矛先」 感想

2008-02-09 23:39:39 | ガンダム00(ダブルオー)
ルイス・・・・・・。・゜・(ノД`)・゜・。



これまで日常の象徴として描かれてきた沙慈くんとルイス。
視聴者視点をも担っての物語参加だったのですが、これまでもソレスタル・ビーイングの登場からその関係性が徐々に徐々に近づいてきた、つまり日常(平和)と非日常(紛争)がどこかでクロスしてしまう、そういう予感を持って描かれてきたわけで、その交錯点が今回、しかもかなりショッキングな形で。



ルイス・・・・・・。・゜・(ノД`)・゜・。



沙慈くんとルイスママの伏線からして、これは・・・と思っていましたが、指輪のエピソードまでそういう伏線だったとは・・・(泣)。
そりゃないぜ・・・。

これまで僕ら視聴者にしても、経済特区の学生にしても、どこか他人事、という感じで描かれてきた紛争。
どこか遠くの出来事。

それが視聴者目線の代表であるルイスの悲劇を目の当たりにすることで、視聴者としても劇的な転換点。

心情面でも紛争、許すまじ。

しかも完全に道理が通らない内容で。
#そもそも紛争に道理もへったくれもないのかもしれない。

否応なしに沙慈くんも、僕ら視聴者も巻き込まれた、というか、飲み込まれてしまった、もはや他人事ではない、という状況に。

にしても結構ショックでかいなぁ・・・・・・(涙)。

少しでもルイスに良いことが起こりますように。
そして沙慈くんにも。
#でも展開的にはここから加速的に何か起こっていくんだろうなぁ。

この状況から沙慈くん・ルイス、そして刹那はどう関係していくんだろうか・・・。
かなり重要な気がしますよね。


■共感のポイント

今回のルイスを見舞った惨劇は、登場人物たちにも、そして視聴者である僕らにもある一つのベクトルを指し示す結果となったんですよね。

これまでソレスタルビーイングって胡散臭いし、そもそも武力による紛争根絶とかおかしいじゃん、とか、主人公たちが寡黙すぎて感情移入しずらくね?とか、色々思っている人もいるなかで、明らかにベクトルが一つの方向へ。

(トリニティーズの行動)これはおかしいだろう。

つか、許せんだろう。

その代表格がグラハムさん。
そしてポニーテール・カタギリさん。

譲れないものもあるんです。

もうカスタムフラッグが発進するときには、頼むよ、一矢報いてくれよ、くらいの勢いです。

更に、やはりこれまで感情移入しずらいポジションにいた刹那の登場。


トリニティの悪意の矛先はルイスたち一般市民へと向けられたのだけれども、それによって発生したトリニティたちに対する新たなる「悪意の矛先」が刹那、グラハム、そして視聴者からも向けられるというタイトルの意味。
うーん、唸ります。


次週の対決はかなり燃えると思いますよ。確実に。
恐らく他のマイスターズも合流する、と思いたい。いや、絶対する。
特にティエリアだろう、最初に合流するとしたら。
#というくらい実は今、刹那とティエリアはベクトルが若干違うけど、心情的にはシンクロしてるはず。

何かいろんなものが一気に転換した、そういう回でした。

グラハムさん、カッコよかったっす。
そして彼に新たなる力をプリーズ。
#フラッグは最近結構カッコよいと思い始めましたが、今回でかなりカッコよいと思いました。
#ガンプラ購入決定です。


■誰が描いた絵なのか?

先々週くらいからずっと書いているトピックですが、やはりアレハンドロ・コーナーがダントツで容疑者筆頭です、僕の中で。

今回スローネの太陽炉が「擬似太陽炉」と分かったわけですが(実は公式HPにも載っていたけれども)、やはりこの位置づけからして、作中「トリニティ」の位置づけは「フェイク」・「盗作」という感じ。

あのアニキ分ハロから得られた(盗んだ)データをベースにして擬似太陽炉を作成し、今に至る、と。

今回のトリニティの行動からして、彼らの目的はやはり紛争の根絶には無いわけで、何か別の目的があるわけですよ(エイフマン教授も指摘した通り)。

多分、ソレスタル・ビーイングの理念としては200年くらいを経て、そしてこの何者かが所有している「擬似太陽炉」を得て、従来派と急進派くらいに(まだ誰にも知られずに)分家しているんじゃなかろうか、そんな感じすらしますよ。
#多分従来型の監視者は数は多いけれど、ぶっちゃけ雑魚っぽい感じするし、急進派からすれば考えが古い、重力に引かれた古きもの、くらいの位置づけなのかも。
#でもそれって急進派がいる、という仮説のもとなんだけど(笑)。

もちろん僕の中ではその「擬似太陽炉」を所有しているのも、急進派もアレハンドロ・コーナーだ、と思っているわけなんですが・・・。

ぶっちゃけアレハンドロさんは自分の時代で事を成したい、と思っているのであれば、急ぐでしょうし。

ソレスタルビーイングの真の目的、この辺は全然まだ分からないけれども、今回の三大勢力の軍備を崩壊させようとしている点を考えるに、圧倒的武力で世界の勢力を一つにまとめて、宇宙に出れないようにして、天上人サイドからは宇宙から支配、みたいな、そういう選民思想的なところがある、というのも一つ考えどころ。

ずっと最初の頃のナレーション「未だ人類は一つになりきれていないのであった」というのが気になっているからなんですけどね。

・・・・・・いつもながら全然違うかもしれないけれど(笑)。

直感的にはトリニティはフェイクっぽいので、パワーも有限ということが分かったし、そういう意味で使い捨てられそうな気もするなぁ。

つまりまだ刹那たちに対する真打は今後「ホンモノの太陽炉」を持った機体を相手にしないといけない、そういう展開になるんじゃないかと。
#アリー・アリ・サーシェスなんかはその筆頭で、やっぱりその後ろにはアレハンドロ・コーナーがいる、というのが僕の大いなる妄想。


■ティエリアとかスメラギさんとか

ヴェーダがハッキングされている可能性がある、というのは面白かったですね。
恐らくあのアニキ分ハロの中にはヴェーダに関する情報も入っていて、それでハッキングできたと見るべきか。
そしてトリニティがマイスターズに合いに行った真の目的、それはネットワークを経由しない、ヴェーダへのハッキング、もしくはデータの改ざん、アクセス権の変更(ティエリアが拒否されたように)、ということだったのかも。

スローネの機体データ取れて喜んでる場合じゃないな、こりゃ。

となると、ヴェーダに関連する人としては二人。

ティエリアとスメラギさん。

ティエリアに関しては、生身でヴェーダとのインターフェースを持ってるっぽいし、かなりヴェーダと特別な関係にあるんでしょうね。
だからそのヴェーダにちょっかい出されてるとしたら、そりゃ心中穏やかじゃないですよ。

ヴェーダさま信仰してますからね、ティエリアは。

だからティエリアは最終的にヴェーダから独立しないといけない、という展開が面白いですね。
#刹那は刹那でガンダム信仰からの脱却、というのをティエリアと並行してやらないといけなくって、やはりこの二人は反発してても結構似てる、という表現・演出なんでしょう。

また、ヴェーダと共に戦術予報していたスメラギさん。

彼女も過去の作戦でトラウマを抱えているっぽいので、そのトラウマと向き合うには、自分の戦術予報で困難を打開していく、という展開がないとダメなんでしょう。
となると、こちらもヴェーダに頼っていた、自分の戦術の保険(外すわけにはいかないのよ!と言っていたように、外すことを恐れている)として頼っていたヴェーダからの脱却、戦術予報士スメラギさんとしての独り立ちがないといけない、そういう展開になって欲しいですね。


あとは絹江さんピンチ。

クロスロード姉弟の受難はまだまだ続きそうです。

それにしても、ルイス(涙)。

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機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 第17話 「スローネ強襲」 感想

2008-02-02 23:58:51 | ガンダム00(ダブルオー)
ミステリーの王道のように、真実に一番近づいた者から消えていく。
エイフマン教授の冥福をお祈りいたします(合掌)。

第1クールが謎を散らばらせたまま輪郭をどんどん作っていったのに対して、第2クールはセカンドチームの登場と共にガンガンその謎を広げながら掘り下げて行ってますね。
それにしても、エイフマン教授の一言、一言はこれまでもずっと気になっていて、僕が感想を書く上での重要なヒントになり続けてきただけに、今回の知りすぎてしまったがため、というか頭が切れすぎてしまったがために早期退場という結果になってしまいました。
ぐはぁ、残念。
果たしてポニーテール・ビリーはエイフマン教授の後を継げるのか?
個人的には今後こういうポジションには今週の描写を見るに絹江さんに入って欲しいけどね。
#そして知りすぎた女、になり、またまたサスペンスへ、みたいな。


■誰が描いたシナリオなのか・・・?
先週の感想でも同じようにセカンドチームの介入に至る経緯は誰が描いた絵だったのか?というのが気になっていたんですが、今週はアバンタイトル部分からそのヒントみたいなところが出てきてて、エイフマン教授の最期で更にヒントを貰った、という感じでしたね。
#このヒントはセカンドチームが、というのじゃなく、もっと大きな視点でのヒントですけれども。

整理すると、

・120年前に木星で何らかの実験があり、それが現在の太陽炉開発に繋がっているらしい。
・(たぶん木星付近で)兄ハロが回収され、そこからセカンドチームのガンダムの開発が始まったっぽい。

という点。

更にエイフマン教授の言葉から僕が気になる言葉は、

・イオリア・シュヘンベルグは未だ紛争の火種を抱えたまま宇宙に出ようとしている人類に警告しているのでは?
・ソレスタルビーイングの真の目的は紛争の根絶ではない。

という点ですね。

今回のエイフマン教授の最期で、上述の前者部分がやっぱりキーになりそうな予感。

ここから一気に大胆妄想。

これまでの経緯やトリニティ組セカンドチームを投入してきたのはアレハンドロ・コーナー、というのは先週の僕の考え。

80年前に兄ハロを木星付近?で拾ったのはアレハンドロ・コーナーの系譜の人(組織)で、そこで得た情報を元にソレスタルビーイングとは別に太陽炉を独自に開発した。

ソレスタルビーイングも監視者もだからこの別の太陽炉の存在は本当に知らなかった(ひょっとしたらヴェーダもかも)。

異なる流れを一つの流れに組み合わせることを考える人がいるとしたらアレハンドロ・コーナー。
で、何となく、それはイオリア・シュヘンベルグの思想とも実はちょっと違っているんじゃないか?とも思ったりするけど、かなりこれは直感的過ぎて、信憑性ゼロ(僕の妄想に過ぎず)。

何となくセカンドチームの存在は、盗まれたデータで開発されたソレスタルビーイングとは別の切り札、という感じ。

イオリア・シュヘンベルグの考えには共感しているが、それすら甘い、イオリア・シュヘンベルグ率いるソレスタルビーイングが天上人なら、我々はその更に上を行く天上人である!くらいの過激派なんではなかろうか・・・、なんて思ってしまいますね、セカンドチームのバックの人は。


ここで一つはっきりしたのは、マイスターズ(ファーストチーム)はトレミークルーを含めて紛争の根絶を心から願っているのに対し、ソレスタルビーイングの真の狙いはそうではない、という首脳陣と実行部隊の溝が俯瞰的に明らかになった、ということですね。
#更にまだ分からない点は、この首脳陣がひょっとしたら通常天上人と更なる天上人と二つあるかもしれない、というところですね。
#他の監視者は明らかに従来タイプの天上人ポジション。アレハンドロ・コーナーとかトリニティ組が現在見えている更なる天上人ポジションか?

やっぱりこのガンダムの前半戦はガンダムマイスターズがソレスタルビーイングから外れる、という展開で終わってもおかしくないんじゃないか、というかそれも面白いな、と思うようになって来ました。

この辺の胡散臭さは、スメラギさんも感じ取っていて、ヴェーダにデータを入れたら、首脳陣に知られることとなるので、現場チームが自分たちを守る術として、(まだ首脳陣が考えていることが読めないので)情報を秘匿して使える札を増やしておきたい、という感じですかね(ポイ捨てされてなんかやらないもんね、みたいな)。



■ティエリアと刹那

超・犬猿の仲の二人なんですが、実は結構似た者同士な二人。
刹那はガンダム信仰、ティエリアはヴェーダ信仰。

どっちも信仰しているものを侮辱されたかのような扱いを受けて憤慨。

意外とティエリアも紛争根絶を真剣に願っているのかもしれないなぁ。
たぶん、この点について、刹那もティエリアも、トリニティーズに対して不信感を持ったんじゃないですかね。

で、奴らは本当にガンダムマイスターなのか?

と。

刹那にとってはガンダムマイスターというのは紛争根絶をすることの出来る人物であり、その力を託された人物なんだから、その信念が無いものにはガンダムマイスターを名乗る資格が無い、という感じなんでしょう。

ティエリア的にもヴェーダすら把握できてないものなんて、信じられないでしょうし。

意外なタッグ結成なのか。
というか、最初からそれを狙っていたのか。うん、なるほど。


■伏線

ここまで凄く色んな伏線が張り巡らされているんだけれども、これが全部収斂していくポイントが後半に出てくるとしたらかなり凄いことになりそうな予感。
今更だけど、それを予想とかし始めると、かなり楽しみです。

刹那、マリナさん、沙慈くん、ルイスを中心として、今まで接点がピンポイントで限られて、しかも関係性が薄く描かれているだけに、これらが交差していくタイミングというのはかなり凄いんじゃない?と期待してしまいますね。
渋いぜ、ダブルオー。

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機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 第16話 「トリニティ」 感想

2008-01-27 23:42:39 | ガンダム00(ダブルオー)
トリニティ=Trinity=三位一体のコードネームを持つ新たなる3人のガンダムマイスター&ガンダムスローネ1・2・3の登場。
従来ガンダムマイスターズの最大の窮地に対して、圧倒的パワーで圧倒する新ガンダムマイスターズ。
その存在は誰も知らなかった。

という形で、これまでの流れ&行動の意味を解説する意味での軽い総集編をかませて、第2クールは新展開をスタートさせた形になりましたね。
しかもいきなり次週、新旧ガンダムマイスターズの邂逅。
展開が読めないだけに待ち遠しい。


■トリニティ

何でガンダムスローネって個別の名前じゃなくてアイン・ツヴァイ・ドライって数字を入れてるのかなぁ、と思っていたのですが、トリニティって言葉ですぐ気が付くべきでした。
トリニティ=三位一体だから、逆に個別の名前をつけるんじゃなくて数字にして、一体感を出したという意味なんでしょうね、たぶん。
#公式HPでも同一の機体をカスタムしたものって書いてあるし、意図的にソレスタルビーイング=神ポジションを演出するためのトリニティという命名ですかね。
#キャラも基本的にはコードネームで呼ばれているわけだから、トリニティというコードネームはその辺を意識した作中ソレスタルビーイング内でのネーミングになったんだろうなぁ。

そういう意味で、最初はこいつらほんとに兄弟か?とも思ったんですが、三位一体を強調するならば、本当に兄弟でも良いのかも、と思い納得でした。

というわけで、キャラ付け、モビルスーツの特徴もよおく分かる登場の仕方でした。

特にスローネツヴァイのファンネルはカッコよかった!!
つか、地上でファンネル戦が観れるとは思ってなかったぜ!!

今回は意図的にシルエットっぽく登場させているところもカッコよかったのですが、次週予告を見る限りは次週以降、鮮明な色で登場するっぽい。
ガンダムっぽくないガンダムなシルエットですが、ガンダムがたくさん登場するなら、そういうデザインがあってもOK、というかウェルカムな感じなので、思いっきりやって欲しいですね(王道系はファーストチームが乗るわけだし)。
80年代アニメで育った僕としてはレイズナー、ドラグナーあたりを彷彿とさせる感じだし、足の形状はこれまでのガンダムには無いデザインだよね。

それにしてもトリニティ三兄妹、声優陣も豪華です。
小西さん、浪川さん、釘宮さん、すげーな。
#小西さんはアニキポジションで登場ですが、僕的には小西さんのアニキと言えばカミナ(グレンラガン)ですがね。
#たぶんキャラの性格は正反対。

キャラ付けもシンプルで分かりやすいなぁ。

つか、釘宮さんだったから思わずツンデレを期待してしまったよ・・・。

次週のファーストチームとセカンドチームの邂逅が楽しみですね。


■誰が描いた絵だったんだろう?

今回のセカンドチームの投入は「監視者」さえも知らず、ヴェーダすらも知らないという状況で、ならもちろんティエリアも知らないという、セカンドチームの存在自体が超秘匿されていたわけなんですよね。

つか「監視者」が総意による否決権しかもっていない、ということと、あんなに人数がいるんだ、ということに素直に驚き。

「監視者」の意味あいについては、恐らくこの後語られていくことになるであろうから(ダブルオーの構成は結構分かりづらいことについては、後から解説を入れたり、作中の登場人物に上手く解説させるようにしている)そこは物語の流れに任せて、とりあえず、今回この2つは驚いたということを記憶しておこう、自分のために(笑)。

となると、この絵は誰が書いたのか?

・・・アレハンドロ・コーナーしかないと思うんですよね。

僕は現段階で許される妄想をするならば、アリー・アリ・サーシェスが動いているテロ支援組織自体もアレハンドロ・コーナーが動かしているんじゃないかと思ってたりもするくらいだから、この人は究極のマッチポンプをやって、現在の「監視者」という体制すらもぶち壊してやろう、なんて考えてるんじゃないの?とか、考えてしまうなぁ。

セカンドチームはある意味コンティンジェンシー・プランとして用意されていたんでしょうかねぇ。
ファーストチームが無理そうだ、と判断したときに投入する、という目的で。

ゆえにセカンドチームのバックはアレハンドロ・コーナーじゃないか、なんて思うわけです。
刹那たちファーストチームは、彼に「ガンダムを神か何かと勘違いしている」と言われているわけで、「ガンダムとは兵器だ」という理念を一番体現していそうなのは今回登場したトリニティズ(既にそういう発言も今回あったし)、ゆえに、アレハンドロ・コーナーの隠し玉、という感じなんだよなぁ。

ヴェーダみたいのももう一つあったりして。


あと気になるのは太陽炉の数。
5つしかないって言ってましたけど、4つはファーストチームのガンダムに搭載してるんですよね。
あと一つは?

ちなみにスローネに搭載しているのは公式HPのキャラクターのほうを見るに、擬似GNドライブってあるので、太陽炉ではないかもしれない。

いずれにせよ、セカンドチームの立ち位置そのものよりも、誰がセカンドチームの後ろにいるのかが興味津々。
#セカンドチームのトリニティズは意外とパイロットとしてストレートに紛争根絶のために手段を選ばない、というタイプのような気がするし。

イオリア・シュヘンベルクの理念に従って、本当に大きな絵を描いているのは誰なのか?

ますます分からなくなってきた、というのが一番面白い点ですね。


■総集編について

これは最初に観たときは、あれ?総集編をここで入れちゃうの?とも思ったんですよ。
それでもこの総集編の入れ方は上手いな、なんて。

かなり幅広い年代が観ているであろうガンダムなので、評価という形でこれまでの参戦の意味を分かりやすく伝えて整理しておく、というのは親切だなと。

で、しばらくしてから思ったんですよね。

今回はこういう形で「監視者」を登場させること、ソレスタルビーイングの活動はこれだけの人数が「監視」をしていること、そして彼らには総意による否決権しかないといこと、を明示させる意味があった、ということ。

そしてたぶん、今回のを見ていて「総意による否決」なんて、有り得ないんじゃないの?と思うじゃないですか。

でもあえてそういう風に出すということは、逆に言うと今後「総意による否決」がある、ということですよね。

それがあるならば、この総集編の意味って凄く大きい。

だから余計に上手いなと、勝手に思ってしまったわけです。
#そうなったら良いな、という意味をこめて。

この場合、僕の考える「総意による否決」はファーストチームの排斥&セカンドチームをファーストチームへ昇格、ということなんですけどね。

もちろんアレハンドロ・コーナーが書いた絵である、というのが僕の妄想なんだけど。
だから、今回こういう形で「監視者」に対してファーストチームの「評価」をさせた(今後、これ以上のことがあれば総意による否決もありうるという伏線をこめて)、なんて考えてます。
#どうなるかは全く分かりませんが。


■スメラギさんとティエリアさん

今回やはり分からなかったのがスメラギさん。
スメラギさんの予報では(公開していないけれども)マイスターズの全滅のシナリオだったっぽいじゃないですか。

なら何故?

という感じが残りますよね。
#なら何故死地に送ったの?アンド打開策は?

うーん、分からん。
これは単純に、もう予測で全て動くというフェーズから次のフェーズに入ったということなのかな?


もう一人。

ティエリア。

ティエリアは後々刹那たちと対立するかな、と思っていたんだけど、今回の件でまたどうなるか個人的に予測不能(ヴェーダさまとか戦術予報士じゃないので(笑))。

ヴェーダにも知らないことがあった、もしくはヴェーダから知らされてなかった、のどちらかになると思うんだけど、ある意味ティエリアのヴェーダ離れ、もしくはヴェーダからティエリアが切られる、という選択肢があっても面白いと思ったので。

刹那はガンダムを信仰しているし、ティエリアはヴェーダを信仰してる。

結局この二人対極なんだけど、似ているところもあるわけで、ストーリー的にこうあってほしい、という僕の想いでいくと、刹那はガンダム信仰は捨てて、神はやっぱりいなかった、けれども・・・、という展開になって欲しい。
ならば、ティエリアも同じ道を歩いたとしても不思議ではない、なんて思うわけです。

これはラスト付近まで引っ張る気はするけど、どうなるか楽しみにしたいですね。


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