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ノエイン もう一人の君へ 第24話 「ハジマリ」 感想

2006-03-30 01:18:03 | ノエイン
面白かった。これは凄く面白かった、ノエイン。
こういうことがあるから深夜枠はやめられません。

思い起こせば第1話の出だしから凄かった。

きっとそこで心をつかまれていたんだと思う。

それからは、まだ作中の意図が掴めなくて、良く分からないまま展開していったんだけど、それがじわじわと変わっていったのはいつだっけな?

きっとハルカがラクリマに行ったあたりだった頃だと思う。

その頃から、ああこの感想書きたいなって思い始めたんだった。

そしてそれが爆発したのがあの第12話。

あれは凄かった。本当に凄かった。
そして何より録画を失敗していた自分が痛かった(泣)。
後にも先にも、ノエインで録画を失敗したのはこの第12話だけだったんだ。
でも、一番凄かったのも第12話なんだけど。

そこから書き始めたノエイン。
今、最終回を観終わって、やっぱりすごく面白かった。

大作ではないけれど、意欲作。
こういう雰囲気で、こういうのを作ってやろう、という意気込みが凄かった。
独特の静寂な雰囲気と、それにあわせた作画、そして音楽がとても良かった。

そして何より、僕が好きだったのは、量子論というギミックを用いて一見複雑そうに隠していたそのテーマだった。

これはこれまでの感想の中で何度となく思ってきたことだったんだけど、テーマ自体は凄くシンプル。
でも、それを量子論で隠して、隠すことでテーマを浮かび上がらせる、そういう手法。

それで浮かび上がってきたテーマが、たぶんこの作品の雰囲気とマッチしていて、それがとっても好きだったんだ。きっと。

最終回まで凄く面白かったです。
ありがとう。

* * *

ノエインという作品のテーマ部分については、これまで一貫して感想を書いてきたんですが、今回はその回答のオンパレードでした。
そのあたりがそのまま語られたくだりなんかは、かなりしびれましたよ。

今回一番しびれたポイントはですね、ハルカでも、カラスでも、ユウでもなく、トビくんなんですよ。
それはこれまで、ここがテーマだよね、という部分をそのまま語ってくれた部分なんです。



違うんだよ
レイズシステムでバーチャルな観測者を作り出しても駄目なんだ

存在を確定させるには
人が人を観測し、認識することが重要なんだ

お互いを認識し、分かり合えれば
存在は確定できるんだよ

この時空に来て ハルカと出会って 分かったんだ
人は存在を認識することで、それを確定できるんだよ




まさにここ。

第18話「ワルイユメ」の感想でも書いている(ひょっとするともっと前にも書いたかも)んですが、

観測されることで初めて過去・現在・未来が確定される、逆に言えば観測されなければ常に存在は可能性の世界・確立の世界に過ぎないという不安定さ。

こういう量子力学の考え方を、ハルカとユウを中心として、大切に想っている人のことを認識することで、それは仮想でも確立の世界でもなく、現実なんだよ、と認識していくプロセスの対比がこの作品の妙味のような気がしますね。
#むしろこれは監督の思春期における存在の確かさ・不確かさに不安を覚えた実体験から、量子力学を演出のギミックとして捉えて作られた物語なんじゃないかと思えるほどです。

つか、それって対比じゃなくて、人を想って互いに認識するってことは=観測して認識するってことと微妙に同義なんだよね。


という感じで。

今回、奇しくも同じ第18話の感想で、トビくんはきっとこの物語の語り部なんだな、と思ったところに、まさにそれをトビくんが語ってくれたわけで、もうこの時点で僕としてはこの作品観て、もう満足でした。

そして語り部は語るべき物語がなくなったら去るんじゃないか?なんて思っていたら、その通り語り部は去ってしまいました(泣)。


また、今回、ノエインはこんなことを言っているわけですが、



私は誰だ?
誰も私を認識しなかったのか?




これが意味していることって、ノエインという存在=他者の拒絶という意味なんですよね。

他者を拒絶した世界、それって世界に誰もいないのと同じ。
それってこの物語上のシャングリラなんですよ。

だから自分を認識してもらうこともできないし、他人を認識することもできない。
ましてや自分にとって大切な人すらもそこには居ないんです。自分だけの世界を創って拒否しているのだから。

だから自分自身を見失ってしまう。
だから不確定な存在になってしまう。

しかし、これもある意味のメッセージ。
「お前たちは必ず戻ってくるよ この時空に」という捨て台詞は、可能性の未来も、他者への拒絶、絶望に対する敗北、希望を持てなくなったとき、いつでもその時空=もう一人の自分は顔をのぞかせる、そういうメッセージがあったんじゃないかなぁ。



ただね、今回の最終話を見ていて確信したのは、この作品って絶対に若者に向けてのメッセージだと思うんですね。
赤根監督は「自分探し」という言葉を使っていたんですが、大きなメッセージとしては、もっといろんなことやってみればいいじゃん、自分にはできないとか、それは無理だとか、いろいろ悩むのも大事だけど、でもまずは何でもやってみようよ、みたいな、そういうメッセージが感じられるんですよね。

それこそ、確定された未来なんてない、選択肢の無い未来なんてない、だからまずやってみようよ、失敗するかもしれないけれど、未来は辛いこともたくさんあるかもしれないけれど、でも可能性は、可能性の未来は無限に分岐してるんだよ、だからまずやってみようよ、みたいな、むしろ若者へのエールなんじゃないのかなぁ。


これを後押ししたのが実はアトリ。
今回のアトリはまさに光ってた。

そんなアトリについて僕は第23話「オワリ」の感想で、


アトリってあのちょっとどころかかなりイッてしまったキャラが魅力だったんですが、それでも、彼がラクリマを飛び出した行動原理は一貫していたんじゃないかと思えます。

龍のトルクが欲しかった?
ほんとにそうだったのか?

アトリこそ、実は可能性の未来を信じたかった、そういうキャラだったんじゃないかなぁ。

だからこそ、鈴村ボイスで語る


でもよ、未来なんて分かんねーから面白いんだろ(アトリ)


に、しびれるわけです。



そしてその回答になっていたのが、今回のアトリのこの台詞。



未来を消させやしねーよ!!



トビくんがテーマの語り部であるならば、アトリはテーマの回答者だったんじゃないかな。
#ほんとの回答者はユウでありハルカであるんですが、どちらかというと二人は模索者であり、アトリんは制作サイドの答えをズバリ言う役だったのかもね。



ノエインという存在は、だから反面教師。
時空を収束させたかったのは、辛いことに耐え切れずゼロにしたかったから。
自分を受け入れてくれる存在を失ったから、他者を拒否してしまった存在。
収束させたかったのは、リセットしたかったから。

それに対してハルカとユウを通じて描いたのは、大切な人を認識することで、自分自身を保っていられる、相手を理解しようすることで、自分も理解される。
誰かがいるから、自分もいる。
世界は自分ひとりで構成されているんじゃなくて、きっと周りに自分を見てくれる人がいる。
それを大事にしようよ、みたいな対比なんじゃないのかな。



ちょうど第21話「マボロシ」の感想でもこういうことを書いていて、


量子論の不確定さを引き合いに出して難しい内容を呈しているとは思いますが、恐らくそれは主題を浮かび上がらせるためのギミックだと思うんですよね。
赤根監督は「自分探し」と仰っていましたが、未確定で不安な未来に対して、どうやって自分を認識していくか、それは一人でじゃなくて、大切な相手を認識する、ということなんじゃないかな、と思うんですけどね。
ユウが抱く現在への不満なんていうのも、恐らく誰しもが抱えた経験があるものかもしれないし、何となくメッセージとしては流されるな、自分をちゃんと見るんだよ、不確定な未来に怯えるんじゃなくて、今を自分をちゃんと大事にしようよ、大人になったら懐かしくさえ思うよ、みたいな感じなんじゃないかな。



今回の最終話で、未来のアイや、ちょっと未来のユウ、現代のイサミなんかが、現実=今を見据えて、状況を受け入れていく描写が成されているんですが、それがやっぱりここの回答になっていたんじゃないかと思います。

つまり、今を、そして自分を大事にしようよ、みたいな。

絶望することなく、今でも何でもできるかもしれない、可能性の未来はあるんだよ、そういうエールなんじゃないかな。


最終話ということもあって長々と書いてしまったのですが、このノエインという作品、個人的には非常に面白かったです。
26話構成というのがやっぱり良い長さなのかのなぁ、なんて思います。

こうしたSFの中に隠された、シンプルなテーマを描く作品っていうのが、やっぱり個人的には好きなんだなと改めて実感です。

またこういう意欲作が出てくるといいなと、心から思います。
こういう面白い作品が世に出たことに、何となく感謝の気持ちです&終わっちゃうのが寂しいですね。

このスタッフの皆さんの次回作にも期待しちゃいます。

ノエイン もう一人の君へ DVD第4巻
フクロウ、カッコイイなコレ。

ノエイン もう一人の君へ 第23話 「オワリ」 感想

2006-03-22 23:54:12 | ノエイン
でもよ、未来なんて分かんねーから面白いんだろ(アトリ)


* * *

今回のノエインは凄い。
すっごい面白い。必見。これは必見だよ。

最初から最後までこんなにしびれたのは結構久しぶり。
ストーリー展開から、音楽、そしてノエイン独特の作画まで、作画で行けば第12話を彷彿とさせる気合の入り方。

ノエインはマジで面白い。

* * *

ノエインはやはりハルカという存在を喪失したことに絶望して、それに耐え切れずゼロにすることを望んだ存在だったんだ。

これは、丁度第22話「ミライヘ…」で、というかその前から予想してたことでビンゴ。

また、ユウ、カラス、ノエインという時空は異なれど、同一人物を描いたのは、ユウは子供時代の不安を、カラスは大人になったとしても苦しいことはある、ということを示す、ノエインは絶望から自分を見失って零に戻したいと、誰しもがそれなりに経験する時間軸をそれぞれのキャラで切り取っている、という考えでもあると思う。

これはSFという世界観で遠くにあるものではなく、SFという世界観で現実を、結構身近な現実を、誰しも経験しそうな現実を投影しているわけですね。

このあたりのテーマが、今回の迫力の音楽と映像で迫ってくるものだから、もうかなり最初から最後までしびれっぱなし。
迫ってくる、この表現しか思い浮かばないほど、今回は凄かったなぁ。
ほんと良い仕事してるなぁ、としみじみ&しびれながら観てました。

また、そこにアトリというスパイスが加わるから、更にしびれる。

アトリってあのちょっとどころかかなりイッてしまったキャラが魅力だったんですが、それでも、彼がラクリマを飛び出した行動原理は一貫していたんじゃないかと思えます。

龍のトルクが欲しかった?
ほんとにそうだったのか?

アトリこそ、実は可能性の未来を信じたかった、そういうキャラだったんじゃないかなぁ。

だからこそ、鈴村ボイスで語る


でもよ、未来なんて分かんねーから面白いんだろ(アトリ)


に、しびれるわけです。
いやー、カッコいいわ。アトリ。かなりイイよ。

* * *

そしてノエインとハルカ。
この二人の対比構造も、何話か前から予想していた関係性でビンゴのような気がします。

ノエインとハルカという存在の対比は、ノエインが未来の「可能性」を否定しているのに対して、ハルカは未来の「可能性」を肯定する、そういう対比。

テーマ性としてはここはシンプルで、大人になれば辛いこともあるし、逃げ出したい、受け入れたくない現実もある。
けれども、それを乗り越えていく強さ、可能性の未来を信じる気持ちを持って欲しい、というところじゃないかな。

奇しくも今回ノエインは自分で量子論を引き合いに答えを言ってると思うんですよ。


人はね、この時空にただ存在するのではない

求める時空を人は認識することにより その時空は存在する

絶対的観測者は一人一人の人間なんだよ



ここでノエインは絶望して無=ゼロに戻そうとするのですが、ここは翻って、それを認識する(受け入れる)のは自分であり、また大切な人であり、詰まるところ自分をしっかりと持て、相手を認識する、そういうことなんじゃないかなぁ。

個人的にはそういう希望を示すラスト展開を期待。

* * *

恐らく次で最終話。

めっちゃ面白い&クライマックス。

こういう作品があるから深夜番組はやめられない(笑)。

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フクロウ、カッコイイなコレ。

ノエイン もう一人の君へ 第22話 「ミライへ」 感想

2006-03-16 00:12:28 | ノエイン
やばっ、ちょ、泣けた。・゜・(ノД`)・゜・。

かなり凹みそうになった今週のノエインですが、ラスト数分、一転して泣けました。・゜・(ノД`)・゜・。

* * *

今週出された回答に個人的にはとても満足です。
ノエインはSF部分、特に量子論を使うことで難解になっているようにも見えますが、恐らくそれはテーマを浮かび上がらせるための演出に過ぎなくて、テーマは結構シンプルだったりすると思うんですよね。

量子的存在=不確定な存在、つまり、自分を見失った状態。
そこから確定させていくことで自分を見つけ出すし、また、それだけじゃなくて、今回出たように、大切な人によって他人の存在を認識する、自分の存在を認識してもらう、というところが量子論的説明にもなっているんですよね。

それを描いたのがラスト数分。

このテーマだ、と思って観て来ただけに余計に泣けました。・゜・(ノД`)・゜・。

だから余計に難解な表現を用いた量子論を使って、ここを表現してきたところにこのノエインという物語の面白さがあるんだと改めて実感です。

* * *

ノエインと言う存在が、(ノエインとなった時空において)ハルカの喪失を経験したユウの姿、悲しみを乗り越えれられなかったユウの姿ではないか?という風にずっと考えていたので、ここもラストに来てビンゴ(っぽい、たぶん)。

この辺の感想は2つ前の回の感想のコメント欄に奇しくも書いているのですが、ノエインという存在は、ハルカの喪失に対して絶望を抱いて、不確定性原理に基づいた世の中を確定させた唯一つの時空へと収束させようとしている、という存在なんだなと、ここに来て何となく確信めいてきました。

逆にノエインが、今のハルカを求めるのはハルカの喪失を経験しているから、なんでしょうね。
またその絶望に耐え切れなかったからなんでしょうね。

ノエインとハルカという存在の対比は、ノエインが未来の「可能性」を否定しているのに対して、ハルカは未来の「可能性」を肯定する、そういう対比だったと読めます。

これも2つ前の感想のコメント欄に書いたのですが、ユウは子供時代の不安を、カラスは大人になったとしても苦しいことはある、ということを示す、ノエインは絶望から自分を見失って零に戻したいと、誰しもがそれなりに経験する時間軸をそれぞれのキャラで切り取っている、とも言える。

でも、今回、ユウがイサミを止めて、そのイサミがアイを思いとどまらせたように、またアトリがミホを救ったように、絶望の可能性もあれば、希望の可能性もある、だから今を、そして自分を大事に、そして自分を大事にしてくれる誰かを大事にしようよ、それが「ミライへ」繋がるんだよ、というようなメッセージなんじゃないかなぁ。

このあたりがやっぱりノエインという作品を通じて描きたかったことの一部なんじゃないだろうか、なんて思っちゃいます。

ノエインもいよいよクライマックス。
どうなっちゃうんでしょうね!!

ノエイン もう一人の君へ 第21話 「マボロシ」 感想

2006-03-09 00:34:59 | ノエイン
ぬあぁ、どうなっちゃうのよ、これ。

毎週、毎週、密かに楽しみにしているノエイン。
今週も期待を裏切ることなく、何かもう僕なんかがヘタに感想書かないほうがいいんじゃないか、とか思っちゃいますよ。

* * *

現在の時空、未来の時空の一つシャングリラ、どちらも大変!!な状況になっちゃいましたが、やっぱり予想通りシャングリラ、いや、ノエインの現状にもその時空のハルカの存在が関係していたんじゃないか、消えたハルカの存在の悲しみを乗り越えられなかった存在、それが未来のユウであり、カラスであり、ノエインだったんじゃないか、なんて思ってるんですが、いよいよ大詰め、次週予告も気になりすぎるし、どうなっちゃうのよ、いったい。

つか、アトリん!!美味し過ぎだろ、君は(笑)。

* * *

で、トビくんっ!?

おいおい、トビくんは語り部だから、なんて油断してました。
語り部は語る物語が無くなったらお役ゴメンではないか!!とか余計なこと考えちゃいましたよ。
ひえー、存在の不確定さに視聴者は怯えまくりです。

そんな僕は今、トビくんと同じ姿勢でキーボード叩いてます(あんなスピードではないし、ノイマン型ですが(笑))。
#つか、ファフナー(RIGHT OF LEFT)のサントラ聞きながらやってるんで、そっちに意識が存在が流されそうです、否、存在が不安定になってます、僕の。
#いやー、これ良いわ、ほんと、良いわ(サントラ)。

* * *

ついに明かされたハルカの未来(過去にあらず)。
これまた衝撃であり、納得であり、切ないって感じですよ。

* * *

量子論の不確定さを引き合いに出して難しい内容を呈しているとは思いますが、恐らくそれは主題を浮かび上がらせるためのギミックだと思うんですよね。
赤根監督は「自分探し」と仰っていましたが、未確定で不安な未来に対して、どうやって自分を認識していくか、それは一人でじゃなくて、大切な相手を認識する、ということなんじゃないかな、と思うんですけどね。
ユウが抱く現在への不満なんていうのも、恐らく誰しもが抱えた経験があるものかもしれないし、何となくメッセージとしては流されるな、自分をちゃんと見るんだよ、不確定な未来に怯えるんじゃなくて、今を自分をちゃんと大事にしようよ、大人になったら懐かしくさえ思うよ、みたいな感じなんじゃないかな。

* * *

だから、ハルカがユウとカラスと手をつなぐシーンに意味があるんだと思うんですよね。
これから生きていくうえでネガティブ要素なんて山ほどある。
けれども、そういう中で絶望していくんじゃなくて、自分の進みたい未来を見据えられるか、というのがラストへ向けてのテーマみたいになってくると面白いな、と。

それにしても次週の予告は気になりすぎ。
ネガティブ要素の未来を見せられる、という形なのかもしれないけれど、時空の放浪者(ひょっとして黛博士?)の言葉の通り、自分の描く未来をハルカには見失わないで欲しいところですね。

しっかし、ファフナーのサントラは良いな(って結局それかい)。

ノエイン もう一人の君へ DVD第2巻

ノエイン もう一人の君へ 第20話 「モウイチド・・・」 感想

2006-03-03 00:49:48 | ノエイン
もう、めまぐるしい展開ってのはこういうのを言うのかねってくらい、すっごい展開してますね。
そうなのか?そうなのか?と思っていたところに、ストレートにカミングアウト!
いやー、そう来たか~。予想してはいたけど、それでもビックリでした。

そう、ノエインの正体。

時空が違えば、存在も異なるんだろうと思うのですが、何で、何があって、ノエインとなったのか?
この謎は大きく残したまま。うわー気になる。

そして謎を残しているという点では、15年後の未来のハルカ。
彼女は一体どうなってしまったのか?
カラスは守れなかった……としか言っていないのですが、アイの反応なんかを考えても何かがあったはず。

ノエイン=時空の収束、ハルカ=時空の分岐

ノエインとハルカは立ち位置的に正反対にいるんですが、ユウとハルカ、この二人がどういう経緯を経て、ノエインがシャングリラを創るに至ったのか、うわー、気になる。
ユウがノエインとなった時空のハルカはどうなったんだろう?
それとも逆か?
ハルカがどうかなったから、ユウはノエインとなったのか?

そんな気になる点を大いに残しながらも、いや、だからこそ、ラストのユウとハルカが初々しく抱き合ってるシーンは良かったなぁ。
ほんと、一瞬ユウが消えてなくなったかと思ってハラハラしましたよ。

それにしても、今回は並行世界から更に並行世界へと、ノエインらしいぶっ飛び方をしていて、ほんと良いなぁ。
#某少年誌の並行世界もぶっ飛んだけど(笑)。
遊撃艇のデザインをした人は、凄いと思うよ。あれもぶっ飛んでるなぁ。

それよりも、ぶっ飛んだアトリくんの復活が早くみたい(笑)。

今週の一言
「ノイマン型よりマシです」(byトビくん)

ノオォォォ、そのうちこんな風に言われる世界が来ちゃうんだろうか。
案外すぐなのかもしれませんね。

今週も見所一杯のノエインなのでした。


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ノエイン もう一人の君へ 第19話 「オモイデ」 感想

2006-02-23 01:30:09 | ノエイン
今回は先週の第18話「ワルイユメ」に対するアンサーの回だったですね~。

第18話「ワルイユメ」の感想で、量子論を引き合いに出しつつも、本質としては、大切な人をきちんと認識することでこれは現実なんだよ、と改めて認識していくプロセスがこの作品の妙味だと思う、と書いた部分が今回はそのまま描かれた、という感じだったので、個人的には結構満足でした。

忘れたり、忘れられたりする不安、それが存在の不安定さを知ってしまったハルカがそれに直結して自分の存在自体に不安になってしまう(ここは視聴者も存在の不安定さを知ってしまっているのでハルカと同じ不安を抱えるわけです)。

けれども、ユウがしっかりとハルカと最初の出会いを覚えている。

忘れてしまうこともあるけれど、忘れないこともある。
#ここで冒頭の郡山さんの話ともオーバラップされるところですね。

やっぱり大切な人のことをちゃんと認識することで、きちんと自分はここにいるよ、あなたはここにいるよ、と確認できる。
ここがこの作品の隠れた面白さなんですよね。

だからハルカとユウが手をつなぐシーンは、これまでの量子論を引き合いに出していたことに対するアンサーになってると思うんですよね。
あのシーンはエウレカセブンのレントンとエウレカが手をつなぐシーンばりに良いですね。

また、これに関しては暁の空さんが紹介されていたWebアニメスタイルの赤根監督のインタビューが面白かったですね。

・赤根監督インタビュー(1)
・赤根監督インタビュー(2)
・赤根監督インタビュー(3)

この中で量子論について触れているんですが、僕は殆ど量子論については分かってませんけど(笑)、量子論と自分探しの話を赤根監督がしていて、これを読んで個人的には満足でした。
僕がノエインを好きなのはこの辺にあったんで、方向性が合ってて良かったな、なんて。

そういう意味ではノエインを好きな理由の一つ、雰囲気についても作画含めて大分言及されていたので、大分納得しながら読んでました。

さて、一番気になるアトリくんですが……、来た(笑)。
先週の感想でも、アトリくんにはもう一度活躍して欲しいと思っていたので、あのはっちゃけアトリくんが帰ってきそうでドキドキです(笑)。
でも妹スキー属性は継続してくださいね(えー)。

ノエイン もう一人の君へ DVD第2巻

ノエイン もう一人の君へ 第18話 「ワルイユメ」 感想

2006-02-16 00:00:42 | ノエイン
面白いなぁ、ノエイン。
ほんと面白い。

ちょっと万人受けするかどうかは自信ないですが、個人的には大好きですね、これ。

今回はシャングリラからの遊撃艇が登場してくるあたりの場の転換とか、そこからハルカが徐々に覚醒しつつあるシーンとか、かなり興奮って感じでしたよ。

また本編では、もし本当は自分が誰にも認識されなかったら?みたいな、ひょっとするとハルカたちの年代あたりで考えてしまうこともあるかもしれない、そういう部分を量子力学の考え方とマッチさせてきてるあたりが妙に面白いんだよなぁ。
#ハルカが8mmに拘ったのは自分の存在を確認したいっていうのが大きいんだろうなぁ。

観測されることで初めて過去・現在・未来が確定される、逆に言えば観測されなければ常に存在は可能性の世界・確立の世界に過ぎないという不安定さ。

こういう量子力学の考え方を、ハルカとユウを中心として、大切に想っている人のことを認識することで、それは仮想でも確立の世界でもなく、現実なんだよ、と認識していくプロセスの対比がこの作品の妙味のような気がしますね。
#むしろこれは監督の思春期における存在の確かさ・不確かさに不安を覚えた実体験から、量子力学を演出のギミックとして捉えて作られた物語なんじゃないかと思えるほどです。

つか、それって対比じゃなくて、人を想って互いに認識するってことは=観測して認識するってことと微妙に同義なんだよね。

ということで、この独特の世界観に完全にハマッテシマイマシタ~。

……と、そんな僕が今、京極夏彦の『姑獲鳥の夏』を読んでいて、関口くんが京極堂に量子力学を引き合いに出されて自分の存在の不安定さに不安を覚えるところを、このノエインの放送のタイミングで読んでいることは単なる偶然ではない!!と言いたいですが、思いっきり偶然です。

とりあえず、世の中に不思議なことなど何もないのだよ、カラスくん、とか言ってみたい(それだけかよ)。
#いや、アトリくん、でも可だと思う(余計意味ないし)。
#あ、でも、世の中には不思議なことなど何もないのだよ、トビくん、が一番良いね(逆に説教されそうです)。
#もしくは郡山さんで、最後を内田ちゃん、にするのも良いね(終わらないよ)。

つか、次週予告、気になりすぎ。
郡山さん!!

……アトリには是非とも第3人格((前のアトリ+今のアトリ)/2(でもやっぱり妹好き)くらいのレベルで)出して、また活躍して欲しいなぁ、と密かに思っております。

ノエイン もう一人の君へ DVD第2巻

ノエイン もう一人の君へ 第17話 「マヨイ」 感想

2006-02-09 01:45:13 | ノエイン
平日夜中、仕事でヘトヘトになっているところに、あっと思い出したようにノエインを観るのがもはやその週の定期行動化しています。
独特の雰囲気がとても好きなので、これ観てまた頑張るか、みたいな。
ということで、今週のノエインも面白かったです。

つか、コサギ。

あの口紅をぐいっとするところは良かった!

やっぱそうだよな、そうこなくっちゃな!と思い、夜中に小さくガッツポーズしてました(えー)。

* * *

今日の郡山さん。

今日の郡山さんは、いつにも増してホランドでした。

つか、ホランドでした。

そんな郡山さんが好きです。
つか、すげー好き(笑)。
#内田ちゃんとのコンビは素敵過ぎ。

* * *

今日のアイちゃんとアイと、フクロウとイサミ。

何か泣けます。

いや、すげー心温まって、またふと泣けます。

アイちゃんはいいね。とてもいい子だね。
アイもいいね。とても良いです。

で、イサミ。
ほんと良いです、イサミ。

だからふと泣けちゃうんだな。これ。
フクロウ(泣)。

* * *

トビくん。

やっぱり語り部なトビくん。

アトリ。

ラブリーアトリ。

この二人も過去がちらっと語られたけど、回を増すごとにこの二人、良いです。
なんであのときもトビくんはアトリを見捨てなかったのか、何となく分かってきた感じです。

* * *

今回のカラスとコサギのバトルシーンはしびれたなぁ。
これぞノエインだろって感じのぶっ飛んだバトルシーン、しびれますね。
#ゆえに第12話を録画しそこねたのは痛い、痛すぎる。

あのぶっ飛んだバトルシーンから、トビくんが出てきて語りを入れちゃう、アイちゃんとイサミがおでこをくっつけちゃう、こんな雰囲気がやっぱり僕はとても好きなんだと思います。

何となくシャングリラサイドとしても、時空を収束させたからって楽園になっているとは思えず、そのためにハルカ=龍のトルクを欲しているようなところもあるし、もしくはコンタクトして何とかして欲しいのかもしれないし、ある意味めっちゃモテモテのハルカなわけです。

収束ではなく分岐、過去の改ざんではなく未来への進展、この辺に物語をユウとハルカの物語とあわせて収束させてきてくれたら満足です。

ああ、明日からも頑張れそうです。

ノエイン もう一人の君へ DVD第2巻

ノエイン もう一人の君へ 第16話 「クリカエシ」 感想

2006-02-02 00:21:12 | ノエイン
しびれた。

第16話の「クリカエシ」を観終わってすぐに、第1話「アオイユキ」を観なおしました。

しびれた。

面白い、ノエイン。

* * *

参ったな。これは。

ノエインはいつもアバンがちょっとあって、その後、eufoniusの曲(これが凄く好きなんです)がかかってOPへと入るわけです。
もちろんそのOPが曲含めて好きなんで、しっかりと見るわけですよ。

で、ふとカラスが教会の十字架の上に立ってどこか寂しそうで表現の難しい顔をしているのがアップになるシーンがあって、いつもこのシーン印象的だなぁと思いながら、ああ、OPの絵コンテは監督が自分で切ってるんだなぁなんて色々考えてたわけですよ、今日も。

本編で観たことないけど(とそのときは思っていた)、このカットは印象的だから、きっと監督の意図があるんだろうなぁ、なんて。
#この記事の最後に貼ってあるDVDの画像がそのカットですよ。

* * *

第16話の「クリカエシ」を観終わってすぐに、第1話「アオイユキ」を観なおしました。

あのシーン、あのカラスが教会の十字架の上に立っていたシーン、あった、あったんだ第1話に。
しかも開始直後に。

しびれました。

思えばいつからノエインに心引かれたかと考えると、あの第1話だったんだ、と感慨深く思いました。

そして、「アオイユキ」ってタイトルはそういうことだったのかと、今更ながらに驚いてしまいました。

* * *

今回は(も)、結構難解なところがいくつかあるんですけど、そういうのを置いておいて、僕の個人的な趣味から行くと、こういう幾重にも重なった細い線がある一点で繋がっていた、みたいな演出が非常に好きで、今回は特にツボを刺激されました。
面白いなぁ。

また、(第1話のときにカラスがあの衝撃で死に掛けていたなんて忘れてた、というか理解できてなかったんですが)カラスがハルカによって近似値の時空に引き寄せられたことで、そのとき初めてハルカがラクリマに見つかってしまった、という何とも逆説的な事実というのも衝撃だったなぁ。

そんな中でも、ハルカの危機に駆けつけるのがユウで、そのユウを見て、未来のユウであるカラスを思い出す、というのはストレートに良かったです。

ハルカが中心であることに変わりはないんですが、ハルカを中心にして、ユウ=カラス=ノエインの構図、これもあるかな、なんて考えてたら、ズバリ、ノエイン自身がそれを匂わせること言うじゃないですか。
どうなっちゃうんですか!って感じで、まだまだ楽しみなのです。

いやぁ、今回は後半の10分くらい、しびれっぱなしでした。

ノエイン もう一人の君へ DVD第2巻


↑このカットにしびれた第16話「クリカエシ」でした。

ノエイン もう一人の君へ 第15話 「シャングリラ」 感想

2006-01-27 00:57:34 | ノエイン
第2クールになっていよいよ色んなことが表面化してきましたね~。
とは言っても、まだまだ分からないことたくさんなんですが、これはきっと最終話くらいまで明らかにされないことも結構あるかもね。

というノエインですが、やっぱりストーリーは静かに進みながらも、そんな雰囲気が僕は結構好きで、今回はタイトルを見た瞬間から奮えそうになりましたね。
だって「シャングリラ」ですから。

シャングリラっていうのが一体何なのか?何が目的なのか?
殆ど分からない状態で、フクロウの死を境に何か物語の均衡が破れた感じで、その始まりを「シャングリラ」というタイトルを持ってきてるんで自然と興味が、て感じです。

結局はあまり分からなかったんですが(笑)、ノエインという「存在」は、唯一無二的な、何かを超越してる存在っぽいですね。
何となくハルカとは対極にいる感じです。
ゆえにハルカを求めるんでしょうか?

ノエインは分岐(未来)を収束させるのなら、ハルカは分岐(未来)を肯定する、そういう存在なのかも。

今週も静かな中で、色々と激しく動いたりと、面白かったです、ノエイン。


後は、トビくんの作中ポジションがようやく見えてきた感じ。

彼?は「模索者」なんですね。きっと。
だから、彼が「模索」したこと、悩んだこと、そこから出てくるのが作中メッセージになっていて、トビくんはそういう意味で代弁者にもなってるんですね、きっと。
「選べない未来なんてない」みたいなところをきっとこれからも担ってくれそうですね。

では、今週のトビくん(笑)。


それは違うよ。

観測することによって存在は確定されるんだ。

カラスはハルカを見つけた。
だからハルカは存在する。

そして、ハルカもカラスを見つけた。
だからカラスは、ここにいるんだよ。



量子力学の「観測」における不安定さと自分の存在の不安定さを呟くカラスに、これまた量子力学の「観測」の意味を用いて今の状況、悲観することの無い現実を語るトビくんが素敵な感じでした。
色々と難しい用語が使われてるんだけど、それは世界観や雰囲気を作るためのギミックで、やっぱり作中メッセージをそういうギミックから現実や「今」に落とし込んでくるところが個人的には好きなポイントです。

うん、ノエイン、面白い。

あと、eufoniusが歌う主題歌『Idea』も凄く好きです。
eufoniusは実は個人的に凄く好きなんです。
#フタコイオルタナティブのEDも好きだったし、かしましのも結構好き。
eufoniusとノエインの作中イメージは凄くあってると思うなぁ。

『Idea』 eufonius