さて、これまで第2位まで紹介してきた「超個人的お勧めマンガ」も残すところ第1位のみとなりました。
例によって選定のコンセプトはこちら
■超個人的推薦マンガ 選定コンセプト■
●男女問わず勧めできる作品
●既刊4巻以内であること
そしてこのコンセプトに基づき、私燕。が推薦する第1位は、
著:浦沢直樹 原作:手塚治虫『PLUTO(プルートゥ)』第1巻 以降続巻
本作品については既に感想を書いているのですが、それでもあえて推薦したい、こんな時代だからこそ読んで欲しい、心からお勧めできる良作だからこそ感動し、そして涙して欲しい。
■これは本当に良作です。
原作は手塚治虫『鉄腕アトム 地上最大のロボット』、そして描き手は『MONSTER』『20世紀少年』の浦沢直樹、それだけでも読み手としてはドキドキしてしまうのに、読後の感想は期待以上、否、想像を遥かに越えた良作でした。
「鉄腕アトム」を知らなくてもご心配なく、浦沢直樹による大胆なアレンジ、キャラデザインにより、一級のミステリ、エンターテイメント、そして感動作に仕上がっています。
以前の感想では「豪華版」を購入した方が良いとコメントしましが、今となっては「通常版」を購入し、この先に展開するであろう「人間ドラマ(あえて人間と書きます)」を堪能して欲しい。
そして全てが終わった時に、再び手塚版を読む、それもまた素晴らしいのではないか、そう思っています。
■ロボットを通じて描かれる人間の「心」
本作に登場するロボットは人間そっくりの容姿もあれば、近未来的デザインのロボットも登場します。
その「ロボット」たちに共通して描かれるのが、「人間の心を理解しよう」とする気持ちなんですね。
ロボットが健気に「人」に近づこうとして、そして「人」を理解しようとしていくプロセスに「人間」が忘れかけている「想い」を僕たちはこの『PLUTO』を通じてふと思い出してしまうのかもしれません。
■惜しみない人間讃歌
涙無くして読めないエピソードの一つに「ノース2号」の物語というのがあります。
ノース2号という元戦闘用ロボットが戦争による喪失感を抱きつつも、ロボット嫌いで人間嫌いの老音楽家と心を通わせていくプロセスは本当に泣けた・・・。
もうこのエピソードだけで十分満足できます。
ロボットと人間という「異種族」が理解しあえるのか、という大きなテーマを「理解を拒絶する」象徴である老音楽家の「変化」を通じて昇華していく、こんな時代だからこそこういうストーリーが沁みる。
理解を拒絶する対象を「人間」とすることで逆説的に「人にとって大切なこと」にフォーカスをあてる手法は見事の一言に尽きます。
人間って愚かだよな、でも人間って素晴らしいよな、そういうメッセージが作品全体に満ちています。
■こんな時代だからこそ
このひたむきな「理解しよう」とする姿勢に心打たれるのかもしれません。
この『PLUTO(プルートゥ)』ほんとうにお勧めです。
今年はほんとうに悲惨な事件が多い年でした。
そんな年だったからこそ、今年の締めくくりとしてこの作品を読んで頂きたい。
きっと何かを思い出させてくれる、そんな気がしています。
これにて今年の「超個人的お勧めマンガ」は終了ですが、来週は「超個人的お勧め小説」を紹介いたします。
お楽しみに~。
例によって選定のコンセプトはこちら
■超個人的推薦マンガ 選定コンセプト■
●男女問わず勧めできる作品
●既刊4巻以内であること
そしてこのコンセプトに基づき、私燕。が推薦する第1位は、
著:浦沢直樹 原作:手塚治虫『PLUTO(プルートゥ)』第1巻 以降続巻
本作品については既に感想を書いているのですが、それでもあえて推薦したい、こんな時代だからこそ読んで欲しい、心からお勧めできる良作だからこそ感動し、そして涙して欲しい。
■これは本当に良作です。
原作は手塚治虫『鉄腕アトム 地上最大のロボット』、そして描き手は『MONSTER』『20世紀少年』の浦沢直樹、それだけでも読み手としてはドキドキしてしまうのに、読後の感想は期待以上、否、想像を遥かに越えた良作でした。
「鉄腕アトム」を知らなくてもご心配なく、浦沢直樹による大胆なアレンジ、キャラデザインにより、一級のミステリ、エンターテイメント、そして感動作に仕上がっています。
以前の感想では「豪華版」を購入した方が良いとコメントしましが、今となっては「通常版」を購入し、この先に展開するであろう「人間ドラマ(あえて人間と書きます)」を堪能して欲しい。
そして全てが終わった時に、再び手塚版を読む、それもまた素晴らしいのではないか、そう思っています。
■ロボットを通じて描かれる人間の「心」
本作に登場するロボットは人間そっくりの容姿もあれば、近未来的デザインのロボットも登場します。
その「ロボット」たちに共通して描かれるのが、「人間の心を理解しよう」とする気持ちなんですね。
ロボットが健気に「人」に近づこうとして、そして「人」を理解しようとしていくプロセスに「人間」が忘れかけている「想い」を僕たちはこの『PLUTO』を通じてふと思い出してしまうのかもしれません。
■惜しみない人間讃歌
涙無くして読めないエピソードの一つに「ノース2号」の物語というのがあります。
ノース2号という元戦闘用ロボットが戦争による喪失感を抱きつつも、ロボット嫌いで人間嫌いの老音楽家と心を通わせていくプロセスは本当に泣けた・・・。
もうこのエピソードだけで十分満足できます。
ロボットと人間という「異種族」が理解しあえるのか、という大きなテーマを「理解を拒絶する」象徴である老音楽家の「変化」を通じて昇華していく、こんな時代だからこそこういうストーリーが沁みる。
理解を拒絶する対象を「人間」とすることで逆説的に「人にとって大切なこと」にフォーカスをあてる手法は見事の一言に尽きます。
人間って愚かだよな、でも人間って素晴らしいよな、そういうメッセージが作品全体に満ちています。
■こんな時代だからこそ
このひたむきな「理解しよう」とする姿勢に心打たれるのかもしれません。
この『PLUTO(プルートゥ)』ほんとうにお勧めです。
今年はほんとうに悲惨な事件が多い年でした。
そんな年だったからこそ、今年の締めくくりとしてこの作品を読んで頂きたい。
きっと何かを思い出させてくれる、そんな気がしています。
これにて今年の「超個人的お勧めマンガ」は終了ですが、来週は「超個人的お勧め小説」を紹介いたします。
お楽しみに~。
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