駄目だ。もう駄目です。面白すぎます。ツボ過ぎます。
「交響詩篇 エウレカセブン」、まだ放送第2話にしてがっちり心を掴まれました。
爽快なテンポと、魅力的なキャラ、変形して飛び回るメカと非常にこれだけでもクオリティーが高いのですが、特筆すべきはこの脚本で、かなりストーリー勝負してくれそうな気配がひしひしと伝わってきます。
第1話でピックアップした台詞は必ずこの先、対比表現として用いられると思っていて、既にこの第2話でもその片鱗を発揮しています。
象徴的な台詞は結構見逃せない、そしてその中に込められた意味、その対比表現、成長表現、この辺に着目してみるとこの「交響詩篇 エウレカセブン」、かなり大満足な作品になりそうな気配が漂っています。
■ヘタレ主人公レントンの成長第一歩
個人的にこの主人公レントンが超お気に入りになってしまったのですが、他のことは全部駄目でも「信じる」ことを強く思ったときのレントンがここ一番で力を発揮、そして鼻水たらしながらの「大好きだ!」告白、こういうバカっぽい主人公、巌窟王のアルベール含めて大好きです。
ねだるな 勝ち取れ さすれば与えられん
第1話で世界に愚痴をこぼしながらも、自分からはその殻を破る勇気を持てない、そんな普通の14歳の少年があるアクシデントに巻き込まれて、突然そんな自分に気が付いてしまう、閉塞感を破るのは自分しかいないんだって。
お父さんがね お父さんが最後にうちを出たときに私に言ってくれたの
ねだるな 勝ち取れ さすれば与えられん
おじいちゃんはああいってるけど 私今もその言葉を信じてる
いつかレントンにもその言葉の意味が分かるときが来るわ
分かった 分かってたんだよ姉さん
待ってちゃ駄目だ
ねだっちゃ駄目だ
オレは今、勝ち取りに行くんだ
追い詰められた中で悟る世の中の真理の一つ、お姉ちゃんの言葉(正確には父親の言葉)をキーにしてレントンが成長を始めるスタートラインに立ったところは超爽快。
この後の「カットバックドロップターン」を決めるシーン、最高!!
・・・しかし、今回の「信じる」というキーワード、ここは要注意です。
レントンが「信じたもの」は何か?何を「証明」しなきゃいけないと思ったのか?
こういう描き方するもんだから、この作品がめちゃ凄いと思わせることになるんですよ。
■レントンが「信じたもの」は何だったのか?そして「証明」とは?
今のところ「信じる」というキーワードが重要度を増していますが、現時点の使われ方と今後レントンが成長するシナリオに合わせて、この「信じる」という言葉の意味が変わってくるんじゃないかと思うのです。
まず今のレントンの「信じる」はエウレカを信じたわけではなかったというところですね。
これが凄い。レントンは今はエウレカを信じたわけではなくって、これが将来への大きな布石になってると思います。
ではレントンが信じたのは何だったのか?
それは
「姉さんを信じたんだ」というレントンの台詞にあるように、お姉ちゃんであるダイアンの言葉だったと思うのですよ。
第1話でダイアンが旅立つ時にレントンにこう言っているんです。
信じていればきっとまた会える
本当に、本当に信じることができたら
信じる力は現実になるから
そしたらレントンはきっと空も飛べるし
大事な人も助けられるし
それに私にもいつでも会える
だから私を信じて
私を信じて良い子でいるのよ
このお姉ちゃんの言葉を「信じて」、(リフで)空を飛べることができたなら、そして大事な人(一目惚れしたエウレカ)を助けることができたなら、きっとその「信じる力」は「現実」になる。
だからレントンはこのお姉ちゃんの言葉を信じたんですね。
それがこの台詞にかかっているんですね。
あの時 オレはあの子を助けたいって思った
そしてそのことを
その思いを信じろってニルバーシュに言われた気がしたんだ
だからオレは信じてみたんだ
信じることで彼女を助けられるって思ったんだ
それがその証明になるって思ったから
だからレントンは「信じる力が現実になる」ことを「信じて」、そして信じていればお姉ちゃんに会えるということを、お姉ちゃんの言葉をそのものを「証明」するために行動を起こしたと思うのですよ。
■「証明」のもう一つの意味
そして「証明」についてはもう一つの意味がかけられていると思うのです。
これも第1話でエウレカがレントンに諦めを含んだ様子で語るのですが、
知らないものは信じられないから
それに信じたからと言ってどうにかなるわけじゃないじゃない・・・
信じすぎちゃったことで不幸になることもある
信じることが辛いこともあるんだよ
これって、今のレントンにとっては自分の行動理由を否定されちゃう言葉なんですよね。
信じていればそれが現実になって、お姉ちゃんに会えるんだ、これがレントンのモチベーションなんですよ。
だからそれを、一目惚れしてしまったエウレカに「そうじゃないんだよ」ってことを「証明」しなきゃいけなかったんですよ。
めっちゃ熱い。
■しかも
色んな対比表現が使われているのでしっかりと観ないといけないんですが、今はレントンはエウレカに一目惚れしてしまっている状態だけど「信じる」という状態には無いんですね。
そしてエウレカ自身も
一緒に行こう
だって君じゃなきゃ駄目みたい
と言っているけれども、これはレントンも承知しているように自分がエウレカにとって(まだ)必要とされているわけではないし、レントンが旅立つ理由もエウレカに誘われたからではないんですよね。
#ニルバーシュを使って「セブンスウェル」現象を引き起こせたからというのが現時点の理由ですよね。
#一目惚れした子に誘われたらそりゃモチベーションもあがりますけどね(笑)。
現時点でまだこの主人公二人が互いの本心から互いを必要としていない、ここが今後の展開を考えるうえでめっちゃ熱いポイントなんですよ。
今は互いに思うところが違う二人が、今後の展開の中で二人じゃなきゃ駄目なんだ!って思える状況が来るとしたら、レントンが「お姉ちゃん」ではなく「エウレカ」を「信じる」ことができるようになったら、そして「信じることが辛いこともある」と言ったエウレカがレントンを通じて「信じる」ことができるようになったなら、今から想像するにめちゃめちゃ熱い。熱すぎる。
OPのラストに手をつなぐエウレカとレントン。
このシーンに至るまでのプロセスが本当に楽しみで仕方ありません。
■で、OPだよ、これも凄いよ(隠しテーマか?)
OPの曲が個人的にかなり気に入ってしまって、この作品にぴったりだと思うんですよ。
しかも歌詞を考えると結構切ないですよ、特に今後の展開を考えると。
色褪せた景色を 風が流れてゆく
思い出は そっと蘇る
通い慣れた道 歩み進んでも戻れない
最初の嘘 最後の言葉
あの日交わした約束は砕けて散った
激しく儚い 記憶のカケラ
たとえ二人並んで見た夢から覚めても
この想い 忘れはしない ずっと
追憶の 日々が照らす 今を
「DAYS」というタイトルなので、過去を振り返った情景が見えるのですが、エウレカとレントン、もしくはダイアンとレントン、またエウレカと誰かの約束、その日々を振り返った曲なのかな、などと思うとまた爽快感ある曲の中に切なさも混じってめちゃ好みです。
「約束」というのも一つ、「信じる」と並んで大きなテーマになりそうな予感です。
で、「信じる」にはまだまだ色んな意味をかぶせてきそうな気配が漂っているわけですが、「信じることが辛いこともある」と言ったエウレカサイドの「信じる」の物語など、まだまだ楽しみです。
特にOPを良く観ると、エウレカの不思議そうな瞳の奥に映る人影、これは恐らくダイアンですね。
#第2話でようやくダイアンのシルエットが映ったから気が付いた。
つまり、エウレカとダイアンの接点も既にある、もしくは今後あるわけですよね。
信じろと言っていたお姉ちゃんが信じられなくなっていたとしたら?
ダイアン、もしくはレントンの父親との接点がエウレカの「信じることが辛いこともある」に繋がってたら鳥肌立つほど興奮しそうです。
■脇役にもストーリーあり
脇役と言うにはもったいないレントンのおじいちゃんとホランド。
ホランドの決意って何だったのだろう?とか、おじいちゃんの過去とは?とか興味津々です。
特におじいちゃんは、ホランドに言われたように
普通の幸せ?
あなたはそんなこと信じちゃいない
いや本当に信じていることを誤魔化しているだけだ
この辺も色んな描写の中に垣間見えているんですよね、親としての感情と、冒険家?としての感情がせめぎあっているんですよ。
だからこそ親の立場としてレントンの成長が嬉しかったりもするんですよね。
ここは自分も既に親の身なのでぐっときてしまうポイントなんです。
そしてホランドから語られたこの台詞
それはお前が決めることだ
お前が何を信じ 何を決意するかは全ておまえ自身の責任だ
波を生かすも殺すも自分次第
それがリフをやる奴の心構えだろう?
これってレントンに向けて言っているようでもあるし、この作品のテーマを代弁している、そんな風にもとれるんですよね。
これって社会人になっても全く同じで、常にこの言葉が隣にあるんですよ。
だからこそ少年の成長物語としてピッタリくるんですよね。
■エンタメ最高
最後になってしまったけれど、コンパク(魂魄)ドライブ、そしてアミタドライブを解放して、レントンの「信じる」気持ちに応えたニルバーシュ、めちゃめちゃカッコ良かった!!
#V-MAX発動かと思った(古っ)。
#リフを取り戻してからのサーフィン?シーンとかまた最高。
こういうエンタメ面でも手抜きがないというか、爽快というか、ほんとに素晴らしいですね。
#あとあの情報士官の子は女性ファンがつきそうな気配がかなりしています(笑)。
さあ、イズモ隊が港に向かったんで、次回そろそろ「ゲッコーステート」のメンバーがかなり見れそうかな?
レントンの旅立ち、めっちゃ楽しみです。
#どうやらタイトルには必ず「ブルー」を入れてくるみたいですね。
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2005/7/22発売
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