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もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

150215 衆参両院の「テロ非難決議」を非難する!「テロの本質」を真面目に語る政治家はいないのか!

 真面目に「テロの本質」を考えれば、その原因が、決して宗教の違いにあるのではなく、世界的に広がる富の偏在、極端な格差拡大、差別構造の継承、及びパレスチナ問題、それらによる<若者たちの絶望>にあることは、実は誰もがわかっていることだろう! それを「世界には凶悪なテロリストが大勢いて、こいつらを叩き潰せばテロが無くなる」なんて話に無理やりすり替えている。誰も、「テロの本質が、日本・世界の社会構造が抱える富の偏在・格差の拡大及びパレスチナ問題の<野放し状態>にこそある」という本質を語らないし、見させようとしない。そして、凶悪なテロリストへの恐怖ばかりを煽りたてている。これはまさにオーウェルの「一九八四年」の世界と同じだ。今回の国会の「テロ非難決議」に社民党・共産党まで加わっていたのには、あきれ果てた。「誰も本質を見ようとしない。」「武力で世界中の<絶望した若者たち>を封じ込めるべきではないし、不可能だ!」

秋原葉月さん「Afternoon Cafe」ブログから

※(1)「もちろん、普通の人間は戦争を望まない。しかし、国民を戦争に参加させるのは、つねに簡単なことだ。とても単純だ。国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。この方法はどんな国でも有効だ」byヘルマン・ゲーリング ※(2)いつの時代も大衆をファシズムに煽動する手口は同じ。なのに同じ手口に何度も騙されるのは過去に学んでいないから。格差を広げ、セイフティネットを破壊し、冷徹な自己責任論が横行する社会を継続させるのは簡単だ。今よりもっと格差を広げ、セイフティネットを破壊する政策をとればよい。そうすれば人々に自己責任論がもっと浸透し、草の根から勝手に右傾化してくれる。

辺見庸さんのブログから

・権力をあまりに人格的にとらえるのはどうかとおもう。口にするのもおぞましいドブの目をしたあの男を、ヒステリックに名指しでののしれば、反権力的そぶりになるとかんがえるのは、ドブの目をしたあの男とあまり変わらない、低い知性のあらわれである。権力の空間は、じつのところ、非人格的なのだ。だからてごわい。中心はドブの目をしたあの男=安倍晋三であるかにみえて、そうではない。ドブの目をしたあの男はひとつの(倒錯的な)社会心理学的な表象ではありえても、それを斃せば事態が革命的に変化するようなシロモノではない。権力には固定的な中心はなく、かくじつに「われわれ」をふくむ周縁があるだけだ。ドブの目をしたあの男は、陋劣な知性とふるまいで「われわれ」をいらだたせ、怒らせるとともに、「われわれ」をして社会心理学的に(かれを)蔑視せしめ、またそのことにより、「われわれ」が「われわれ」であることに無意識に満足もさせているのかもしれない。ところで、「われわれ」の内面には、濃淡の差こそあれ、ドブの目をしたあの男の貧寒とした影が棲んでいるのだ。戦争は、むろん、そう遠くない。そう切実にかんじられるかどうか。いざ戦争がはじまったら、反戦運動が愛国運動化する公算が大である。そう切実に予感できるかどうか。研ぎすまされた感性がいる。せむしの侏儒との「ふるいつきあい」がベンヤミンのなにかを決定した。そう直観できたアレントほどするどくはなくても、研ぎすまされた感性がいる。けふコビトがきた。ミスドにいった。(2015/11/11)

161223 安倍政治の淵源は2001年のナチス麻生による野中広務氏への部落差別発言だ!

2016年12月23日 14時50分06秒 | 徒然・雑感
12月23日(金):  
  最近つくづく思うことがある。どうしてこんな日本になってしまったんだろう。そんな時、最初に必ず思い当たることがある。2001年の自民党で野中広務氏が総理総裁の座を目前にした時に、総裁選に立候補した麻生太郎が言い放った「あんな出身者を日本の総理にはできんわなあ」という言葉である。この言葉によって、野中総理総裁の芽は摘まれた。当時、タイムをはじめ欧米のマスコミでも日本の深刻な差別問題として大きく取り上げられた。我が目と耳を疑うニュースとして驚くとともに強い憤りを覚えたことをよく覚えている。その後、小泉純一郎が政権をとると野中氏は守旧派の大物として悪役に貶められ政界を引退した。公然と差別発言をした麻生太郎は総理大臣になった。

  野中広務という政治家は、ハンセン病患者差別問題や沖縄米軍基地問題、在日外国人の人権問題など弱者の痛みに誠意を尽くして懸命に目配りする一方、暴走しようとする保守政治の動きに対して、彼自身自民党の有力政治家のでありながら、敢えて「国会の大政翼賛会化」への警鐘を鳴らして議場を騒然とさせるなど、日本社会の歪みを正そうと思慮深く、かつ大胆に踏み込んだ発言・行動のできる政治家であった。野中氏は、戦後日本の最も良質な保守政治家であり、かつ幅広く多様な人材を持つ自民党の中の「社会民主主義」的立場を代表する政治家であった。

  その野中氏に対して、のちに「静かにナチスを見習うべし」発言をする麻生太郎が、耳を疑う露骨な「差別」発言を投げつけ、野中氏の総理総裁の芽を摘んでしまったことは、自民党の「社会民主主義」的流れ自体を摘み取り、多様性を失わせてしまう最大の契機になったと考える。

  その後、小泉、安倍、(福田)、麻生、そして現在の安倍という弱者を切り捨て、強者におもねる「新自由主義」一辺倒の自民党が出来上がった。自民党別動隊である民主党の半分?(松下政経塾系&日本会議系)やポピュリズムの橋本維新など、憲法破壊と好戦的姿勢、根拠のない見せ金経済策で大衆を釣ろうとする愚劣な政治勢力が日本を牛耳る流れを作ってしまった。

  そもそも野中広務氏が自民党の中心にいた時、公明党は野中氏との関係を重視して社会保障政策の実現に熱心に取り組んでいた。その公明党が、政権にしがみつくこと自体を自己目的化して、ついには安倍の集団的自衛権に賛成するという自己矛盾に陥ったのも野中氏が引退してしまったからである。どこまでもついていくのか下駄の雪。

  「差別はもうなくなったのに、まだ差別にこだわるのは、利権をあさる卑しい奴らだ!」と言う共産党系のインテリ・ヘイトスピーチの連中に対して、俺は言いたい。「確かに、差別は昔とは違う。世界が移民問題で動揺し、国内で外国人差別、障害者差別、格差社会、子どもの貧困が叫ばれ、マイノリティへの理解と配慮、多文化共生を求めるのが当たり前になった昨今、差別どころではないとインテリ・ヘイトスピーカーたちは言いたいのだろう。でも実際に差別が顕在化するのは、結婚や就職など人生の重要な選択・判断に関わる時であり、その影響力は今もって決して軽くない」

  それは個人のレベルだけではない。日本の政治でも、弱者救済・戦争抑制・憲法尊重の「社会民主主義」的流れから、弱者切り捨て、強者連合結成、戦争軽視、立憲主義軽視、民主主義軽視、見せ金による国民操作、マスコミの堕落、公明党の変節すべてまとめて「新自由主義」の流れが出来上がったのは、自民党における野中広務氏の小泉純一郎に対する敗北からである。そして、その流れを決定づけたのは、2001年の麻生太郎の「あんな出身者を日本の総理にはできないわなあ」という差別発言からである。「永田町ほど差別意識の強い世界はない」(魚住昭)のだ。そして、永田町の差別意識は、差別だけではない、女性差別もそうだ。女性の国会議員・大臣の異常な少なさもそうだ。

  差別への取り組みを「利権あさり」と軽々しく言ってしたり顔をするインテリのヘイトスピーカーたちは、今日の何兆円、何千億円と桁外れの原発利権・オリンピック利権などなどなどに群がり寄る「新自由主義のなれの果て」の安倍政治の淵源が、2001年のナチス麻生の差別発言にあったことを思い起こすべきだ。もし野中広務氏が、総理総裁になっていれば、その後政権は加藤紘一氏に禅譲されただろう。そして、古賀誠、野田聖子らがこれに続いただろう。世界的な「新自由主義」の潮流、「イラク戦争」他、強力な国内外の要因がさまざまに絡まり合うことを思えば、政権選択も一筋縄では行かなかっただろうが、少なくとも無能で学ばない、家柄だけの麻生太郎や安倍晋三が首相になってこれほど意味の解らない劣化した亡国政治を国民が目にするような惨状だけはなかっただろう。

  差別問題を「利権あさり」と笑うインテリ・ヘイトスピーカーは、今の安倍政治の惨状の原因・原点に差別も(「すべてだ」なんて言う気はない)存在していることを知るべきだろう。世の中は、あんたらが考えてるよりもずっと複雑なんだよ、ってこと。被差別者に対して悪者イメージを創作して叩いて見せるのは簡単だが、生きている人間への共感・配慮が抜け落ちてれば、結局、問題の本質を隠してしまうことにつながる。闘うべき敵に加担しているのと同じだ。それは右(保守)も左(革新)も関係ない。今、国民と天皇と国際社会の共通の敵であり、倒すべき敵は、安倍晋三政治とそれに加担するマスコミである。

  何やら、書き始めた時とは、予想しない終わり方になったが、まあ祝日の朝、目覚めて普段漠然と考えてることを思うままに書きなぐらせて頂きました。

  最後に、2004年10月28日に読んだ魚住昭「野中広務 差別と権力」(講談社:2004)の一節を少し書き出しておく。ちなみにに本書の帯文は、「差別の壁に挑み、頂点まで登りつめる寸前、なぜ「影の総理」は躓いたのか? / 権謀術数を駆使して政敵を叩き潰す恐ろしさと、弱者への限りなく優しい眼差し。本当の姿はどちらなのか?辣腕政治家の足跡を追った著者は、現代史の光と闇に到達した。」である。

二〇〇三年九月二十一日、野中は最後の自民党総務会に臨んだ。(略)
 堀内の目の前に座っていた野中が、
「総務会長!」
 と甲高い声を上げたのはそのときだった。
 立ち上がった野中は、
「総務会長、この発言は、私の最後の発言と肝に銘じて申し上げます」
 と断って、山崎拓の女性スキャンダルに触れた後で、政調会長の麻生のほうに顔を向けた。
「総務大臣に予定されておる麻生政調会長。あなたは大勇会の会合で『野中のような出身者を日本の総理にできないわなあ』とおっしゃった。そのことを、私は大勇会の三人のメンバーに確認しました。君のような人間がわが党の政策をやり、これから大臣ポストについていく。こんなことで人権啓発なんてできようはずがないんだ。私は絶対に許さん!」
 野中の激しい言葉に総務会の空気は凍りついた。麻生は何も答えず、顔を真っ赤にしてうつむいたままだった。
 解放同盟中央本部の幹部が語る。
「総務会の出席者に確認しましたが、野中さんがそういう発言をしたのは事実です。自民党のなかで長い間、差別の眼差しを受けてきた野中さんのたまりにたまった怒りが最後に爆発したのでしょう。野中さんがなぜ最有力候補と言われながら総裁選に出なかったのか。橋本派内部で根強い反対があったからとも聞きましたが、それは議員たちの差別意識と無縁ではないのではないか。そんなことを考えると、政界の差別の闇の深さに暗然とします」
 この国の歴史で被差別出身の事実を隠さずに政治活動を行い、権力の中枢にまでたどり着いた人間は野中しかいない。彼は「人間はなした仕事によって評価されるのだ。そういう道筋を俺がひこう」と心に誓いながら、誰も足を踏み入れたことのない険しい山道を登ってきた。ようやく頂上にたどり着こうとしたところで耳に飛び込んできた麻生の言葉は、彼の半世紀にわたる苦闘の意味を全否定するものだったに違いない。
  352~351ページ

だが、彼も小泉首相との権力闘争に敗れて引退を余儀なくされた。彼の引退は、差別性と平等性を内包しながら平和と繁栄を志向してきた戦後日本の終焉を象徴する出来事だった。新たな時代には平等と平和の四文字はない。それを思うと暗澹とする。  356ページ
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161222 一年前:151221リテラ:蓮池透氏が著書で安倍の冷血を批判! 拉致被害者と家族を政治利用し見殺しにした安倍晋三

2016年12月22日 20時07分46秒 | 一年前
12月22日(木):

呆れ果てる。朝日新聞の曽我豪、腐り果てている。汚らしい。自らの歴史への罪を思い知れ。日本を不幸にした亡国内閣に、阿諛追従した代表的新聞関係者として悪名が必ず歴史に残る。

朝日デジタル首相動静―12月20日  2016年12月20日22時21分
 【午前】9時30分、自民党本部。31分、総裁応接室。34分、同党役員会。10時6分、官邸。9分、地方分権改革推進本部。17分、原子力災害対策本部会議。29分、閣議。53分、山本一太自民党参院議員。11時22分、政府与党政策懇談会。
 【午後】0時30分、東京・内幸町の帝国ホテル。宴会場「孔雀の間」で、内外情勢調査会全国懇談会で講演。1時50分、官邸。52分、西村康稔自民党総裁特別補佐。2時13分、河井克行首相補佐官。49分、山口新聞のインタビュー。3時10分、杉山晋輔外務事務次官。40分、外務省の高橋博史参与、上村司中東アフリカ局長加わる。44分、全員出る。45分、外務省の秋葉剛男外務審議官、森健良北米局長。4時30分、石川正一郎拉致問題対策本部事務局長。5時9分、北村滋内閣情報官。17分、石原伸晃経済再生担当相、鶴保庸介科学技術担当相、内閣府の西川正郎事務次官、羽深成樹内閣府審議官ら。26分、尾身幸次元科学技術担当相。6時3分、働き方改革実現会議。7時22分、東京・京橋の日本料理店「京都つゆしゃぶCHIRIRI」。石川一郎・BSジャパン社長、小田尚・読売新聞グループ本社論説主幹、粕谷賢之・日本テレビ解説委員長、島田敏男・NHK解説副委員長、曽我豪・朝日新聞編集委員、田崎史郎・時事通信特別解説委員、山田孝男・毎日新聞特別編集委員と食事。9時57分、東京・富ケ谷の自宅。


151221 リテラ:蓮池透氏が著書で安倍の冷血を批判! 拉致被害者と家族を政治利用し見殺しにした安倍晋三
12月21日(月):   『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社) ※拉致問題の進展を阻む元凶が、被害者たちを政治利用しながら総理大臣の座にのさばっているリ......
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161222 脱ポピュリズム 「昭和の社会」と決別を 歴史社会学者・小熊英二

2016年12月22日 19時45分00秒 | 時々刻々 考える資料
12月22日(木):
朝日デジタル(論壇時評)脱ポピュリズム 「昭和の社会」と決別を 歴史社会学者・小熊英二     2016年12月22日05時00分
  ポピュリズムの支持者は誰か。遠藤乾はEU離脱支持が多い英国の町を訪ねた〈1〉。そこでは移民の急増で病院予約がとれず、公営住宅が不足し、学級崩壊も起きている。「英国のアイデンティティ」の危機を感じる人も多い。
  だがこの論考で私の目を引いたのは、現地の女性が発したという以下の言葉だった。「彼ら移民は最低賃金の時給七ポンド弱(約九百六十円)で休日も働き残業もいとわない。英国人にはもうこんなことはできないでしょ?」
  私はこれを読んで、こう思った。それなら、日本に移民は必要ないだろう。最低賃金以下で休日出勤も残業もいとわない本国人が、大勢いるのだから。
  西欧で移民が働いている職場は、飲食や建設などだ。これらは日本では、(外国人や女性を含む)非正規労働者が多い職場である。西欧では移民が担っている低賃金の職を、日本では非正規や中小企業の労働者が担っているのだ。
    *
  それでは、英国でEU離脱を支持した層は、日本ならどの層だろうか。日本の「非正規」が英国の移民にあたるなら、それは「非正規」ではないはずだ。
  先月も言及したが、大阪市長だった橋下徹の支持者は、むしろ管理職や正社員が多い。低所得の非正規労働者に橋下支持が多いというのは俗説にすぎない。
  米大統領選でも、トランプ票は中以上の所得層に多い。つまり低所得層(米国ならマイノリティー、西欧なら移民、日本なら「非正規」が多い部分)は右派ポピュリズムの攻撃対象であって、支持者は少ない。支持者は、低所得層の増大に危機感を抱く中間層に多いのだ。
  では、何が中間層を右派ポピュリズムに走らせるのか。それは、旧来の生活様式を維持できなくなる恐怖である。それが「昔ながらの自国のアイデンティティー」を防衛する志向をもたらすのだ。
  ファリード・ザカリアは、EU離脱やトランプを支持した有権者の動機は「経済的理由ではなく文化要因」だったと指摘する〈2〉。移民増加や中絶容認などを嫌い、英国や米国のアイデンティティーの危機を感じたことが動機だというのだ。確かにその背景は、雇用の悪化で生活の変化を強いられたことではある。だがそれは、「古き良き生活」と観念的に結びついた国家アイデンティティーの防衛という文化的な形で表出するのだ。
    *
  日本でも社会の変化とともに、右派的な傾向が生まれている。だが日本では、移民や中絶の問題は大きくない。その代わりに、歴史認識や夫婦別姓の問題が、「古き良き生活」と結びついた国家アイデンティティーの象徴となっている。
  そして調査によれば、ネットで右翼的な書き込みをしたり、「炎上」に加担する人に多い属性は、「年収が多い」「子供がいる」「男性」などだ〈3〉。いわば「正社員のお父さん」である。
  この層は、旧来の生活様式、つまり終身雇用や専業主婦などが象徴していた「昭和の生活」を達成しようとあがきながら、それが危うくなっている中間層である。
10月の本欄で述べたが、都市部で子供2人を大学に行かせれば、年収600万円でも、教育費を除いた収入は生活保護基準を下回ってしまう。
  さらに住宅を買い、多少の余裕を持つには年収800万でもぎりぎりだろう。統計上は「中の上」の収入でも、「昭和の生活」を維持するのは苦しいのだ。
  もっと働いて稼げ、というのは解決にならない。長時間労働はもう限界だ。日本の労働時間は平均では減少したが、それは非正規労働者が増えたためで、正社員の労働時間は増加傾向だ。長時間労働者の比率は欧米よりずっと多い。サービス残業のため「時給換算で約700円」の大企業正社員もいる〈4〉。
  ではどうするか。無理が多い時は、目標の立て方を見直した方がよい。つまり「昭和の生活」をめざすことが無理なのだ。男性が年収800万を長時間労働で稼ごうとするよりも、男女が適正な労働時間で400万ずつ稼ぐ方が、現代の経済状況に適合している。「古き良き生活」に固執し続ければ、不安とストレスから抜け出せないし、右翼的な書き込みや投票行動をも誘発しかねない。
  しかも日本の労働生産性は製造業で米国の7割、サービス業で5割にすぎない〈5〉。低賃金の長時間労働は、古い産業や古い経営を維持する結果になっている。今の日本は「昭和の社会構造」を維持するために疲れ切っているのだ。
  これは都市だけの話ではない。日本でも実習生という名の移民が農業や縫製などで働いている。安田浩一はこれを「日本の地場産業が、低賃金で働く外国人実習生によって、ぎりぎりのところで生き永らえている」と評した。安田によれば「移民によって日本が日本でなくなる」というのは逆で「外国人によって日本の風景が守られている」のが実態だ〈6〉。
  過去への愛着は理解できる。だが人権侵害が指摘される制度を使ってまで「日本の風景」を維持するべきだろうか。同じく、人間を破壊する長時間労働で「昭和の社会」を維持するべきだろうか。それは他者と自分自身の人権を侵害し、差別と憎悪の連鎖を招きかねない
  右派ポピュリズムの支持者は誰か。それは古い様式に固執し、その維持のためには人権など二の次と考える人である。他者と自分の人権を尊重し、変化を受け入れること。それによってこそ、健全な社会と健全な経済が創られるはずだ。
    *
〈1〉遠藤乾「EU 独メルケル首相は希少価値が出る」(文芸春秋1月号)
〈2〉ファリード・ザカリア「トランプ後もポピュリズムは続く」(フォーリン・アフェアーズ・リポート11月号)
〈3〉田中辰雄・山口真一『ネット炎上の研究』(4月刊)/辻大介「インターネットにおける『右傾化』現象に関する実証研究」(2008年、http://d-tsuji.com/paper/r04/report04.pdf別ウインドウで開きます)
〈4〉特集「労基署が狙う」(週刊ダイヤモンド12月17日号)
〈5〉滝澤美帆「日米産業別労働生産性水準比較」(日本生産性本部・生産性レポート、12月、http://www.jpc-net.jp/study/sd2.pdf別ウインドウで開きます)
〈6〉安田浩一「ルポ 外国人『隷属』労働者」(G2・第17号、2014年)
    ◇
 おぐま・えいじ 1962年生まれ。慶応大学教授。近刊に高賛侑・高秀美との共編著『在日二世の記憶』(集英社新書)。
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161219 82万PV超:  追加、「逃げ恥」最終回視聴率

2016年12月20日 19時34分05秒 | 閲覧数 記録
12月19日(月):  記録ですm(_ _)m。ブログの開設から1899日。  

アクセス:閲覧 1,001PV/訪問者 253IP

トータル:閲覧 820,842PV/訪問者 224,899IP

ランキング:2,731位 / 2,645,490ブログ中  週別 4,782位
      
スポニチ「逃げ恥」全国人気!最終回視聴率 主要全11地区大台超え  [ 2016年12月21日 10:10 ]
 女優の新垣結衣(28)が主演を務め、ブームを巻き起こしたTBS「逃げるは恥だが役に立つ」(火曜後10・00)の最終回(第11話)が20日に15分拡大で放送され、平均視聴率は自己最高を更新する20・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが21日、分かった。初回から一度も数字を落とさず視聴率を上昇させ、ついに初の大台超えを達成し、有終の美を飾った。ビデオリサーチによる視聴率調査が行われる主要11地区すべてで20%超えを記録。全国的な人気が実証された。
  関東地区20・8%、関西地区22・5%、名古屋地区23・8%、北部九州地区25・0%、札幌地区25・4%、仙台地区22・2%、広島地区25・0%、静岡地区21・3%、福島地区20・6、新潟地区23・9%、岡山・香川地区26・5%。
  原作は講談社「Kiss」で連載されている海野つなみ氏による同名漫画。求職中の妄想女子・森山みくり(新垣)が、独身会社員・津崎平匡(星野源)の家事代行として働くうちに、2人が従業員と雇用主という関係の「契約結婚」をしてしまう社会派ラブコメディー。
  エンディングで星野が歌う主題歌「恋」に合わせ、新垣らキャストが披露する通称・恋ダンスは社会現象になった。人気が高じて、撮影ロケ地のマンションを訪れ、写真撮影をするなど“聖地巡礼”を行うファンも出現。番組公式サイトで注意が喚起される事態も。
  最終回は、津崎(星野)がみくり(新垣)にプロポーズをする。しかし、その突然の行動に津崎のリストラが影響していることを知ったみくりは複雑な気持ちになる。その中、安恵(真野恵里菜)の誘いで副業を始めたみくりは、次第に本職である主婦の仕事が手に付かなくなる。心の余裕がなくなったみくりは、優しい気遣いを見せる津崎にもきつく当たってしまう…という展開だった。
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161219 一年前:151219 室井佑月:安倍内閣の支持率アップに「どういうこと?」〈週刊朝日〉

2016年12月20日 01時41分56秒 | 一年前
12月19日(月):
151219 室井佑月:安倍内閣の支持率アップに「どういうこと?」〈週刊朝日〉2015年12月25日号

12月19日(土):週刊朝日:室井佑月 安倍内閣の支持率アップに「どういうこと?」〈週刊朝日〉2015年12月25日号  マスコミ各社から世論調査が発表され、安倍晋三内閣の支......

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161219 日刊ゲンダイ:安倍政権終わりの始まり 二島返還もパーの亡国結末

2016年12月19日 23時52分03秒 | 時々刻々 考える資料
12月19日(月):     
日刊ゲンダイ安倍政権終わりの始まり 二島返還もパーの亡国結末  2016年12月19日  
  成果がないことは最初から分かっていたが、それにしても、ここまでヒドイとは――。さすがに今回ばかりは、無能政権の化けの皮がはがれたのではないか。日本中が大騒ぎした日ロ首脳会談の結末は、「肩透かし」や「期待はずれ」の言葉では片づけられないものだ。深刻な負の遺産を残した。
  安倍首相は連日、テレビ番組に出演して釈明に必死だが、北方領土の返還どころか、進展は何ひとつなく、ロシアへの経済協力で3000億円もの大金をふんだくられた。これが客観的な事実であり、盗人に追い銭みたいな話なのだ。
  日本のメディアはハッキリ言わないが、海外の報道はハッキリと「日本外交の敗北」と書いている。たとえば、英フィナンシャル・タイムズ紙はこう指摘した。
  〈首脳会談は安倍首相にとり屈辱的な結果をもたらすだろう。北方4島のロシアの主権を70年以上にわたり認めてこなかった日本が、4島でロシアと共同経済活動をするという大幅譲歩をした。だが
  プーチン大統領を大歓待して、あれこれ“お土産”まで持たせ、一方の日本が得たものは何もない。15回もの首脳会談を経て「信頼関係」を売りにしてきた結果がコレだから、安倍の“おもてなし”には世界が驚いている。
  「島での経済協力は、ロシアの法律下で行われるとロシア側は明言しています。つまり、ロシアの主権を認めることになる。北方領土で経済活動ができるようになって喜んでいる日本人は、資源利権に関わる一部の人々だけですよ。ロシアの領土だということを前提に、日本の投資によってインフラ整備が進み、北方領土が今以上に住みやすくなれば、ますます返ってくる可能性はなくなる。実際、プーチン大統領は『主権問題は存在しない』などと言い出しています。北方領土のうち歯舞、色丹の2島を平和条約締結後に引き渡すとした1956年の日ソ共同宣言まで反故にされたも同然で、安倍首相は、戦後の領土交渉の積み重ねを無にしてしまった。私利私欲のために領土を差し出すような売国的交渉に日本国民は納得できるでしょうか」(政治評論家の本澤二郎氏)

■巨額の税金を使って国益を失う
  当初は、今回の日ロ会談で2島先行返還、残り2島もいずれ……というムードだったのに、フタを開けてみれば、2島返還までパーという大後退だ。安倍は北方領土について、「私の世代でこの問題に終止符を打つ」と言ってきたが、こんな形で終止符を打つことを誰が望んだというのか。2島返還だけなら、何代も前の内閣で実現可能だった。ここまで時間が経過したのは、4島の帰属にこだわってきたからで、安倍が決めた経済協力によって、日本に帰属権も領有権もないことを確定させてしまうことになりかねない。ロシアの主権を認めるために、巨額の経済協力を申し出るなんて、トチ狂ってるとしか言いようがないのだ。
  「安倍首相の本当の目的は、北方領土返還ではなく、中ロ関係にくさびを打ち込むことにあった。ロシアと接近することで、中国を牽制するという妄想です。しかし、中ロの信頼関係は固くて、崩すことはできない。中国敵視に凝り固まって、あわよくばのスケベ心と自信過剰で突っ走るから失敗する。そもそも、最大の敵国が米国というロシアから見れば、米国追従の日本は敵性国家です。安倍外交の基本はいつも同じで、中国封じ込めのために巨額の税金を使って、国益を失うというパターン。結局は対米盲従しかできないのに、ロシアにもいい顔をするコウモリ外交では、国際社会で信用されるわけがない。そんな体たらくだから、経済協力だけ食い逃げされるのです」(本澤二郎氏=前出)
  
   シリア情勢でロシアを非難するケリー米国防長官(右)/(C)AP

シリアで市民を虐殺するロシアに加担したも同然
  まったく、なんてことをしてくれたんだと言いたくなるが、今回の日ロ会談の影響は、領土を失っただけで済まないから深刻だ。会談当日、ロシアのラブロフ外相は、カメラの前で「シリア問題とウクライナ東部の情勢をめぐって両首脳が意見交換し、両国の立場はほとんどの点で一致している」と話していた。これは聞き捨てならない。本当なら由々しき問題である。外交評論家の小山貴氏が言う。
  「いま、国際社会の最大の関心事はシリア内戦の激戦地アレッポでの市民虐殺です。シリアのアサド政権が、女性や幼児を大量殺戮するという人道危機が起きている。アサド政権のバックにロシアがついていることは周知の事実で、米国やNATO諸国はロシアへの制裁強化に動いています。そういう世界情勢を考えれば、孤立するロシアと協調することは、日本にとってマイナスでしかありません。ロシアへの経済協力だけでも、G7の結束から逸脱する行為なのに、『シリア問題で両国の立場が一致した』なんて言語道断です。もちろん、ロシア側が勝手に言っているだけでしょうから、厳しく抗議し、訂正する必要があります」
  ところが、ロシア政府に抗議したという話が聞こえてこないから気味が悪い。まさか、本当にロシアの立場を支持したとでもいうのか?
  アレッポの市民虐殺は、SNSなどを通じてもリアルタイムで配信されてきた。そこでは、とても正視に堪えないような地獄絵図が繰り広げられている。欧米のニュース番組は連日、この問題を取り上げ、人道的な観点から、ロシアを非難している。

■八方美人外交で八方塞がりの愚
  国連安保理も13日、シリア内戦の人道危機について緊急会合を開いた。潘基文事務総長は「シリアとその同盟国であるロシアやイランに国際人道法に従うよう求める」と名指しで批判し、米英仏もロシアを強く非難した。
  そんな最中にプーチンにスリ寄り、会談に大遅刻されてもヘラヘラ笑って出迎えて、3000億円を出資する日本は、世界からどう見られるか。ロシアと通じた悪の枢軸国として、G7から追放されてもおかしくないのだ。八方美人外交で、八方塞がりになっているのだから世話はない。 
  10月にも、米英仏独伊とカナダの6カ国が、アレッポ情勢について即時停戦を求める共同声明を発表したが、G7の中で日本だけが名を連ねることはなかった。
  「安倍首相は常々、国際社会に向けて『力による現状変更は認められない』と強調しています。尖閣諸島や南シナ海での中国の活動を牽制するためですが、中国に対しては『国際法を守れ』と言い、ロシアのウクライナ侵攻やシリア虐殺は黙認するというのはダブルスタンダードで、筋が通りません。ロシアはサイバーテロにも力を入れていて、つい最近もトランプ候補を勝たせるために米大統領選に干渉したという調査結果が出た。オバマ大統領は報復を検討していて、米ロ間の緊張が高まりつつあります。そういう状況下でロシアに肩入れし、領土を差し出して何も日本にメリットがないのでは、世界の笑いものです。なぜ、こういう交渉結果になったのか、安倍首相は国民に説明する必要があります」(小山貴氏=前出)
  タス通信によると、ロシアのスルツキー下院外交委員長は16日、プーチン訪日で経済協力強化が合意されたことについて「(欧米諸国の)対ロシア制裁網に風穴をあけた」と評価したという。要するに、まんまと利用されただけということだ。
  トランプに真っ先に会いに行って「信頼できる」と持ち上げたのに、直後にTPPでハシゴを外されたのと同じで、完全に足元を見られている。
  この男が動くたびに、国益を損なう。日ロ交渉では、領土だけでなく、国際的な信用も失うという大失態。こうなると疫病神でしかない。
  公約違反の消費税増税延期は「新しい判断」でケムに巻いたが、対ロ問題に関しては、「新しいアプローチ」だの「特別な制度」だのといった言葉遊びで終わらせるのを決して許してはならない。
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161218 「真田丸」最終回、ちょっとお粗末な出来で残念でした。一年間楽しませて頂きました。

2016年12月18日 22時15分47秒 | 徒然・雑感
12月18日(日):  

  一年間、我慢するところは我慢して、それなりに楽しんで見てきた「真田丸」の最終話を観終わった。三谷幸喜と俺は同じ大河ドラマ世代である。『花神』の大村益次郎に対する思い入れなど大河ドラマに対して同じ感受性を共有しているのを感じてきた。

  しかし、今日の最終回は頂けない。三谷幸喜は”群像劇”としての「真田丸」にこだわり過ぎて相当悩みに悩みぬいて、結局ハズレを引いたようだ。今日の真田幸村の最期のシーンを見てスカッとした歴史愛好家はいないだろう。奇を衒ったシーンが、ご都合主義的でほぼすべてが外れていた。肝心かなめの幸村と家康の対峙のシーンが理屈っぽくてお粗末すぎた。このシーンにセリフは要らない!このシーンでは、NHKの準大河ドラマ「真田太平記」(1985)の方が圧倒的に納得のいく素晴らしいものだった。

  一年間楽しんできただけに、少し残念である。真田十勇士を55歳のサスケ一人でまかない切ってしまったのも、豊臣の救いようのない愚かさを大蔵卿の局一人に責任を着せてしまったのもお粗末だった。これでは「滅びの美学」が描き切れていない。三谷さんと主役の堺雅人さんには「最後はちょっと残念だったけど一年間お疲れさまでした」と言いたい。「草刈正雄さんの真田昌幸はとてもよかったです。」「同じ日曜日の昼放送の大河「武田信玄」(1988)の重厚感・充実ぶりは素晴らしい。」とも言っておきたい。

  あとは、大枚はたいて買った「真田太平記」DVDを観直して、司馬遼太郎「城塞」下巻を流し見でもしようかと思う。

170107 PS.ちょっと訂正。そもそも豊臣家の最期に「滅びの美学」など存在しなかった。大坂城という大き過ぎる箱庭の中で世間知らずのスケール小さい人々が右往左往していただけだ。「滅びの美学」は、大坂城に集った浪人衆にこそあったと思う。
  それにしても、幸村と家康が最後に直接言葉を交わす、それも理屈を言い合うのは野暮で無粋の極み、お子様向けのあってはいけないシーンだったと思う。
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161218 一年前:5 040佐藤優「読書の技法 熟読術・速読術「超」入門」(東洋経済新報社:2012)感想4

2016年12月18日 19時29分04秒 | 一年前
12月18日(日):
5 040 佐藤優「読書の技法 熟読術・速読術「超」入門」(東洋経済新報社:2012)感想4
12月17日(木):    副題は「誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門」279ページ  所要時間 4:30    アマゾン 682円(425円+257円)著......

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161217 備忘:誰が聴く?領土外交大失敗、血税3000億奪われたクソガキが報道独占し自己正当化。

2016年12月17日 12時32分45秒 | 徒然・雑感
12月17日(土): 

 忘れないこと」が、我々の闘いだ。

 昨夜のテレビは異様な風景だった。プーチンとの北方領土外交に見事なほど成果なく空振り三振し、ロシアに日本国民の血税3000億円を献上する大失態を演じた当事者であるクソガキが報道番組を独占して自己正当化の言い訳大会を開いていた。それも、NHKはともかく、フジと読売系ではなく、少し距離のある毎日系と朝日系を選んで各30~40分?出演していた。

 批判を一切認めず、一人で一方的に自説と言えるほどもこなれていない言い訳を延々とまくし立てていた。それを、キャスターが視聴者ではなく、安倍の顔色ばかりを気にしながら拝聴していた。と言っても、実際に見たのはほんのわずかである。念のため録画はしてあるが、馬鹿馬鹿しくて見てられない。

 その短い時間の間でも、自分を批判する野党党首の録画が流れると、何の躊躇も思考もなく、まさに間髪を入れず「蓮舫さんは、間違っています」と断定し、自分しか発言できる者がいない場でヒステリックにまとまりの悪い話をしゃべり続ける様子を見ていて「少しは考えろよ。まず一拍おいてからしゃべれ!」「ああやっぱりこいつは馬鹿なんだ…」と思ってチャンネルを変えた。この国のメディアが、安倍という愚か者にひれ伏すのを見せつけられた異様な夜だった。

 今の日本の総理大臣は、「自分でこの国を北朝鮮と同じレベルに引き下げている」ことにすら考え至らない愚か者だ。見え見えの「大本営発表」で致命的な外交失策が誤魔化せて、責任も取らずに済まされると考えている。国際社会でなめられ切っているこの男は、自国民をなめ切っている。情けなくて悲しくなる。日本は取り返しのつかない滅びの門に向かっている。

 追記:それにしても今朝の朝日新聞を読んでも、一面大見出しが「四島 共同経済活動へ協議」「日露首脳会談 合意」、小見出しで「領土問題 進展せず」とあり、何が言いたいのかさっぱり伝わってこない。「事実上の北方領土外交大失敗である」ことを伝えようという姿勢が全く伝わってこない。まるで「(安倍の目を恐れて)読者に本当のことを知られるのが怖い」かのようである。何のために新聞は存在するのか?

    
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161216 二年前:151216一年前:141216大事な確認:安倍自民圧勝の“最大の協力者”は民主党・野田前首相だった(ゲンダイ)

2016年12月17日 01時47分07秒 | 一年前
12月16日(金):
151216 一年前:141216大事な確認:安倍自民圧勝の“最大の協力者”は民主党・野田前首相だった(ゲンダイ)

12月16日(水):141216 大事な確認:安倍自民圧勝の“最大の協力者”は民主党・野田前首相だった(日刊ゲンダイ)12月16日(火):大事なことを忘れないように確認しておく。......

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161215 二年前:151215一年前:141215戦後最低投票率52%:自民党「比例」得票率はわずか17%=1770万票/1億425万人

2016年12月15日 21時06分06秒 | 一年前
12月15日(木):
151215 一年前:141215 戦後最低投票率52%:自民党「比例」得票率はわずか17%=1770万票/1億425万人

141215 戦後最低投票率52%:自民党「比例」得票率はわずか17%=1770万票/全有権者数1億425万人池上さんの番組は勉強になる!...>続きを読む...

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161215 一年前:5 038 今井清一「日本の歴史23 大正デモクラシー」(中公文庫:1966)感想特5

2016年12月15日 20時43分25秒 | 一年前
12月15日(木):
5 038 今井清一「日本の歴史23 大正デモクラシー」(中公文庫:1966)感想特5
12月12日(土):     難波大助。父作之進は山口県衆議院議員。事件後、辞職し、自ら竹矢来をして閉門。半年後餓死。508ページ   所要時間 6:30     蔵書(本棚の......

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161214 日刊ゲンダイ:何から何まで食い散らかし…安倍「歴史的偉業」妄想外交

2016年12月15日 00時55分13秒 | 時々刻々 考える資料
12月15日(水):  

日刊ゲンダイ何から何まで食い散らかし…安倍「歴史的偉業」妄想外交 2016年12月13日 
  狂乱首相の戯言に「オウム返し」とは恐れ入る。安倍政権がTPP協定の承認と関連法を成立させた翌10日の読売の紙面にはブッたまげた。
  社説に「自由貿易体制の旗を降ろすな」と掲げ、離脱表明のトランプ新政権にTPPの意義を認めさせるよう〈日本が主導して働きかけを続けることが大事だ〉と主張。さらにオピニオン面に丸々1ページを割き、「トランプ氏 翻意ありうる」と識者に言わせていた。
  その中身は〈客観的なデータや根拠を示して説明すれば理解される可能性は十分ある〉〈雇用に敏感なトランプ氏はTPPの重要性に気付くはずだ〉と淡い期待に基づいた意見ばかり。そうまでして「立ち止まるのは無責任」と言い張り、成算なきトランプ説得に血道を上げる安倍への“共感の気持ち”を表明したいのか。あたかも死んだ子を蘇らせるようなナンセンスな議論には、とても付いていけない。
  すでにTPPの命脈は尽きた。トランプは大統領選の公約にTPP反対を掲げ、「国内を空洞化し、雇用などを破壊する」と訴えてきた。その主張は日本にも当てはまる。関税自主権を返上し、ハダカ同然で商業・農業のグローバル競争に引きずり込まれる“亡国自由貿易協定”の本質を言い当てている。
  それでも安倍政権が異常なまでに発効に固執するウラには、関連予算4兆円規模のTPP利権が垣間見えるが、そんな後ろ暗い魂胆を伝えるメディアは皆無に等しい。それどころか、安倍のドタバタ外交の危うさをみじんも批判せず、ヨイショ、礼賛を続ける無定見ぶりだ。

■対米関係修復に七転八倒は政権延命のため
  安倍がトランプ詣でで54万円もの高級ドライバーを贈った際も、日本メディアは「ゴルフ談議で意気投合?」(日経)などと大ハシャギ。安倍も「信頼できる指導者と確信した」とニンマリだったが、その信頼できる指導者からたった4日後にTPP離脱を告げられたのだから世話はない。
  おまけに現職より次期大統領を優先させ、オバマ大統領との関係に亀裂が走った。5月にロシアのプーチン大統領に経済協力を提案して以来、欧米の対ロ制裁網への挑戦的態度で不興を買っていたところだ。直後のリマAPEC会議での日米首脳会談が吹き飛んだ。
  揚げ句にリマでのプーチン大統領との会談は全くの不調に終わった。前2回の会談で安倍は「手応え」という言葉で、北方領土交渉の進展を強調したが、今度は「簡単な課題ではない」と一気にトーンダウンである。
  「トランプ大統領誕生で米ロ関係の好転、制裁緩和の見通しも出てきたから、日本は用済みということです。つまり、最近の安倍外交の目も当てられない右往左往は『次期大統領は100%ヒラリー候補』と確信していた見通しの甘さに起因しています。ならば、じっくりと戦略を立て直せばいいのに、対米隷属が染みついている安倍外交にはできっこない。対米関係こそ政権延命の要石とばかりに七転八倒、自身の失策を取り繕うため、苦し紛れに真珠湾慰霊を持ちかけた印象です」(政治評論家・森田実氏)
  こんな行き当たりばったりのドタバタ外交にハクを与え、露払い役を演じているのが、またメディアの罪深さである。

歴史に名を残す詐欺に加担する共犯メディア
  安倍本人が今月5日、真珠湾訪問を発表すると、あらゆるメディアは「現職首相として初めて」と大々的に報じた。あたかも歴史的偉業のようなフィーバーぶりだったが、実は先例があった。
  1951年8月、当時の吉田茂首相が真珠湾から約15キロ東の国立太平洋記念墓地を訪問。真珠湾攻撃での戦死者を慰霊していた。サンフランシスコ講和条約締結の航路で立ち寄ったのだから、歴史的価値はよっぽど高い。大メディアも自社のアーカイブを紐解けばすぐに分かりそうなもの。手間を惜しみ、安倍の真珠湾慰霊に政治的インパクトを与え、失点隠しに貢献してから誤りに気付いても後の祭りだ。
  思えば9月のウラジオストクでの日ロ首脳会談直後も、メディアは同じことをやらかしていた。プーチンの12月来日、安倍の故郷・山口訪問が決まると、大手紙は翌日の1面トップで、安倍の「北方領土問題は、私とウラジミール(プーチン)との直接交渉しか解決の道はない」という言葉を紹介し、こんな大見出しを掲げたものだ。
  「領土問題 交渉加速を確認」(朝日)、「首相 領土交渉強い意欲」(毎日)、「首相、領土交渉に『手応え』」(読売)、「首相『領土発展へ手応え』」(日経)、「首相『領土交渉に道筋』」(産経)――。これを読めば大半の国民は、安倍が領土問題の進展を勝ち取ったような印象を持つ。ひと頃、「12月に北方領土解散」というムードが盛り上がったのも当然だが、プーチン来日を2日後に控えた今となっては政権とメディアの「から騒ぎ」。経済協力だけ“食い逃げ”が、大方の専門家の見立てだ。
  国際ジャーナリストで早大客員教授の春名幹男氏は、9月当時から冷静だった。会談直後に「安倍首相は手応えを強調していますが、『新しいアプローチ』などと抽象的な言葉に終始し、具体的な解決策はまったく見えません」と、日刊ゲンダイにコメント。「領土交渉進展なし」を予見していた。改めて春名氏に聞いた。
  「なぜか日本メディアは黙殺しましたが、プーチン大統領は9月の会談当日に米ブルームバーグのインタビューで『島を(経済協力と)取引しない』と断言していました。また、地球温暖化で海氷が解け出し、北極海航路がロシア・中国のシーレーンの要諦になりつつある現状で、北方領土は軍事拠点としての重要性が増しています。首脳同士の友情だけで解決できるほど、単純な交渉ではありません」

■偉業に取り組んでいる印象だけで成果ゼロ
  安倍がプーチンとの“友情パワー”に頼って、北方領土返還を本気で実現できると思っていたなら、とことんオメデタイ。それこそ誇大妄想を疑わせるが、「歴史的偉業を成し遂げたい」という「病」に取りつかれているのが、安倍外交の本質であり、怖さである。
  「安倍外交は『アッチがダメならコッチ』としっちゃかめっちゃか。14年のストックホルム合意で、いったんは再開した北朝鮮との拉致交渉が暗礁に乗り上げると、『次は北方領土だ』という流れでした。衝動的にあれこれと外交問題に手を出し、いつも動き回っていないと気が済まない雰囲気は、やや病的でさえある。事実上『3期9年』もの長期政権を手に入れたも同然なのに、じっくりと外交交渉に取り組めずにいる。常に『歴史に名を残さねば』という強迫観念にさいなまれているようにも思えるのです」(春名幹男氏=前出)
  安倍外交は常に「偉業」に取り組んでいる印象だけは残しているが、成果はゼロだ。ベトナム政府は先月、日本から輸入予定の原発建設を撤回し、今年春には豪州への潜水艦技術の売り込みにも失敗。無節操に原発技術と軍事技術の輸出を成長戦略の柱に掲げながら、結果を出していない。
  精を出すのは、地球儀を弄ぶ“バラマキ外交”のみ。「中国包囲網」と称し、ASEANに5年で2兆円支援、インドに5年で3・5兆円の投融資、アフリカ支援に3年で3兆円の官民投資といった調子で、気前よく数十兆円の札束をバラまいてきただけだ。
  前出の森田実氏は、「歴史的偉業も中国包囲網も個人的野心に根差した外交の私物化。下心がみえみえだから、諸外国に足をすくわれる」と安倍外交を評価した。メディアはいつまで妄想に酔いしれるドタバタ外交を野放しにし、イカれた首相の「歴史に名を残す詐欺」に加担するつもりなのか。
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161215 岩礁でバラバラのオスプレイを「墜落」でなく「不時着」と書く朝日新聞の見識に絶望する。

2016年12月15日 00時25分04秒 | 徒然・雑感
12月14日(水):

 朝日新聞が、14日夕刊一面掲載の「海の岩礁でバラバラ残骸のオスプレイ写真」を「不時着」と記し、翁長知事が「墜落だ」と抗議していると、傍観者的に記していた。もはや言葉の感覚が正常ではない。これまでか…。
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161212 東京新聞「本音のコラム」安倍の真珠湾訪問&日露領土交渉

2016年12月12日 19時33分55秒 | 時々刻々 考える資料
12月12日(月):



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150329 タガ外せば歯止め失う 長谷部恭男・早稲田大学教授/「未来志向」は現実逃避 杉田敦・法政大学教授

 杉田 先日ドイツのメルケル首相が来日しました。戦後ドイツも様々な問題を抱えていますが、過去への反省と謝罪という「建前」を大切にし続けることで、国際的に発言力を強めてきた経緯がある。「建前」がソフトパワーにつながることを安倍さんたちは理解しているのでしょうか。  / /長谷部 そもそも談話が扱っているのは、学問的な歴史の問題ではなく、人々の情念が絡まる記憶の問題です。記念碑や記念館、映画に結実するもので、証拠の有無や正確性をいくら詰めても、決着はつかない。厳密な歴史のレベルで、仮に日本側が中国や韓国の主張に反証できたとしても、問題はむしろこじれる。相手を論破して済む話ではないから、お互いがなんとか折り合いのつく範囲内に収めようと政治的な判断をした。それが河野談話です。  / /杉田 談話の方向性や近隣との外交について「未来志向」という言い方がよくされますが、意図はどうあれ、それが過去の軽視という「見かけ」をもってしまえば、負の効果は計り知れない。安倍さんたちは、未来を向いて過去を振り払えば、政治的な自由度が高まると思っているのかもしれません。しかし政治の存在意義は様々な制約を踏まえつつ、何とか解を見いだしていくところにあります。政治的な閉塞(へいそく)感が強まる中で、自らに課せられているタガを外そうという動きが出てくる。しかし、それで万事うまくいくというのは、一種の現実逃避では。  / /長谷部 合理的な自己拘束という概念が吹っ飛んでしまっている印象です。縛られることによってより力を発揮できることがある。俳句は5・7・5と型が決まっているからこそ発想力が鍛えられる。しかし安倍さんたちは選挙に勝った自分たちは何にも縛られない、「建前」も法律も憲法解釈もすべて操作できると考えているようです。  / /杉田 俳句は好きな字数でよめばいいのだと。  / /長谷部 あらゆるタガをはずせば、短期的には楽になるかもしれません。しかし、次に政権が交代したとき、自分たちが時の政府を踏みとどまらせる歯止めもなくなる。外国の要求を、憲法の拘束があるからと断ることもできない。最後の最後、ここぞという時のよりどころが失われてしまう。その怖さを、安倍さんたちは自覚すべきです。 =敬称略(構成・高橋純子)朝日新聞『考論』

0015 オルテガ「大衆の反逆 (桑名一博訳;久野収解説)」(白水社イデー選書;1930)評価5

以下は、オルテガ所論の久野収による抜粋の抜粋である:///  オルテガによれば、政治のなかで「共存」への意志を最強力に表明し、実行していく政治スタイルこそ、自由主義的デモクラシーである。共存は、強い多数者が弱い少数者に喜んで提供する自己主張、他者説得の権利である。敵、それも最も弱い敵とさえ、積極的に共存するという、ゆるがない決意である。/その意味で、人類の自然的傾向に逆行する深いパラドックス(逆説)であるから、共存を決意した人類が、困難に面してこの決意を投げ出すほうへ後退したとしても、それは大きな悲劇ではあっても、大きな不思議とするには当たらない。/「敵と共存し、反対者と共に政治をおこなう」という意志と制度に背を向ける国家と国民が、ますます多くなっていく1930年代、オルテガは、「均質」化された「大衆」人間の直接行動こそが、あらゆる支配権力をして、反対派を圧迫させ、消滅させていく動力になるのだという。なぜなら、「大衆」人間は、自分たちと異類の非大衆人間との共存を全然望んでいないからである。略。///  「大衆」人間は、自分たちの生存の容易さ、豊かさ,無限界さを疑わない実感をもち、自己肯定と自己満足の結果として、他人に耳を貸さず、自分の意見を疑わず、自閉的となって、他人の存在そのものを考慮しなくなってしまう。そして彼と彼の同類しかいないかのように振舞ってしまう。/彼らは、配慮も、内省も、手続きも、遠慮もなしに、「直接行動」の方式に従って、自分たちの低俗な画一的意見をだれかれの区別なく、押しつけて、しかも押しつけの自覚さえもっていない。/彼らは、未開人―未開人は宗教、タブー、伝統、習慣といった社会的法廷の従順な信者である―ではなく、まさに文明の洗礼を受けた野蛮人である。文明の生み出した余裕、すなわち、贅沢、快適、安全、便益の側面だけの継承者であり、正常な生存の様式から見れば、奇形としかいいようのないライフスタイルを営んでいる新人類である。略。///  「自分がしたいことをするためにこの世に生まれあわせて来た」とする傾向、だから「したいことは何でもできる」とする信仰は、自由主義の自由の裏面、義務と責任を免除してもらう自由にほかならない。/われわれは自由主義の生みだした、この「大衆」人間的自由、自己中心的自由に対し、他者と共存する義務と責任をもった自由を保全しなければならないが、一筋縄でいかないのは、この仕事である。(160626:イギリスEU離脱について思うところ=もみ=)